[空飛ぶマシンに魅せられて]Vol.03 航空改正法施行からの数ヶ月とPhantom4

2016-03-29 掲載

航空改正法施行からの数ヶ月

Vol.02から随分と時間が空いてしまってとっても申し訳ないです。この数ヶ月の間に改正航空法施行や新しい基軸の出現で、ドローンを取り巻く状況が劇的に変化したこともあって、様々対応に追われていました。

改正航空法に関して言えば、ドローンで空撮をする人間にとっては非常に大きな転機でありまして、「基本的に人口密集地域ではフライト禁止」というところから始まって、人や建物への接近禁止、目視外飛行や夜間飛行の制限と、イベント上空でのフライトが制限されています。僕の所属するヘキサメディアでも改正航空法に対する全国包括の申請をする際に最も重要な部分となる「飛行マニュアル」作りに多大な人的リソースを割いて対応しました。おかげさまで(とんでもなく苦労しましたが…)無事に許可をいただくことができました。

申請に必要な「飛行マニュアル」を制作していくプロセスで、改めてドローンの特性や安全管理に対する考え方など、今一度検証できたことはとても重要で、この作業を通してアクシデントへの対応スキルも向上すると思います。この辺りは申請テンプレートなど利用せず、運用ルールの確認も兼ねて自力で書くことをお勧めしたいです。しかし…趣味で気軽に飛ばすには相当肩身のせまい状況になってしまいましたね(汗)。

カメラを意識しだすと広角では物足りなくなる 

flyingDrone03_03

さて、前回コラムの最後の部分で書いたドローンに搭載するカメラのリモートコントロールに関してですが、DJI GOアプリの出現や、Blackmagic Micro Cinema CameraのS-BUS対応によって、かなりの部分でユーザビリティーが充実してきています。

録画のスタートストップや露出、フォーカスはもちろんの事、ホワイトバランスや収録方法の選択等々、必要なことはほぼ網羅されてきていますし、DJI X5に関しては、ついに念願だったレンズ交換にも対応。さらには、一部のレンズ使用時にはズームも可能になりましたし、25mmや45mmなどの中望遠(マイクロフォーサーズマウントなので2倍換算)も使用可能に。さすがに45mm(換算で90mm)となるとジンバルでのスタビライズにも限界があって動画では辛い事になりますが、スチルであれば十二分に機能します。

超広角が正義で、レンズディストーション当たり前の時代から、歪みの少ない上品な画角の広角レンズや、標準以上の長いレンズが空に上がるようになった事に僕自身大興奮です。

特に25mmや45mmは前後の圧縮効果も効果的に利用出来て非常に新鮮。GoPro時代の「とりあえずオートで撮ればそこそこの絵が撮れる」という安直な状況から考えると超絶的進化ですが、その分、気にしなければいけないセットアップ事項が何倍にも増えて大変。まあ、それも嬉しい悲鳴でしょうか(笑)。

BMCCを載せるジンバルが無い

  flyingDrone03_02

ところで、DJI X5カムに先行していた感のある Blackmagic Micro Cinema Cameraを触る機会があったのですが、基本的には現状乗せることのできるジンバルが存在しません。

Expansion Portの恩恵でS-BUSを始めとする様々な外部コントロールが可能ではあるものの、ジンバルでスタビライズできなくては何も始まらず、どうしたものかと悩んでいる時に、もしやと閃いたアイデアが DJI ZENMUSE Z15-GH4(HD)に積むというもの。

Z15-GH4はOLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 12mm F2.0専用のジンバルなのだけれど、BMCCもマイクロフォーサーズマウントなこともあってこのレンズも使用可能。このジンバルはレンズの根元を締め付ける感じでマウントする方式なので、コンパクトなBMCCはいとも簡単に乗ってしまいました。 静バランスもきっちり取れるし、これは大発見。ただ、後方のバッテリーマウントを使用すると干渉してしまうので、Expansion Portからの電源供給が条件です。

S1000+にBlackmagic Micro Cinema Cameraを積んで、2オペで露出を始めとするカメラ機能をリモートコントロールできるとしたら、INSPIRE1の出現で影の薄くなっていたS1000も利用価値がグンと増えるかもしれません。

 

進化したDJI PHANTOM4 

flyingDrone03_01

2016年3月15日より発売開始のPhantom4をいち早くフライトする機会があったので少しレポートを。初代のPhantomから使い倒して来たものの、何故かP3に魅力を感じずパスしたのですが、今回のP4はとても気に入りました。

様々な新機能(衝突センサー、画像認識による自動追尾モードなど)や、成熟した部分、デザインなどの評価もさることながら、一番気に入った点は「スポーツモード」。

FWが上がる毎に運動性能を骨抜きにされてきたPhantomシリーズですが、スポーツモードの導入で運動性能は一気に上がって、そのフィーリングは250レーサー並みとまでは行かないまでも、結構な感じで迫ってます。

これならば、P4ワンメイクのドローンレースが開催出来るかもしれないと思った程なので、想像以上に結構な勢いでかっ飛びます。その分、ノーマルモードはとってもマッタリしていて、のんびりと空撮するに最適な味付けという感じでしょうか。画像認識での追尾機能や、前方向のみではあるものの、距離センサを得たP4は、単なるラジコンから次の次元に足を踏み入れたように思います。

WRITER PROFILE

遠藤 祐紀
ギタリスト、Webプログラマー、BAR店主、ラーメン店経営など、Catch Allで様々な顔を持つ。 現在は株式会社ヘキサメディアに属し、並行して自身の空撮チーム【AIR FLEET】率いている。

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