[空飛ぶマシンに魅せられて]Vol.01 マルチコプターが注目されるまで

2015-08-24 掲載

マルチコプターとの出会い

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マルチコプターのターニングポイントというか、最初のブレークスルーは、ブラシレスジンバルの登場だと思う。もちろんマルチコプターのGPSによる定点ホバリング性能もすごい事なのだが、機体がどんなに安定して飛んだとしても、空撮に関して言えばジンバルがなくては何も始まらないし、それほどブラシレスジンバルの登場は重要だしインパクトも強かった。

最初の出会いは2013年の初旬。「このマルチコプターならば、見たこともない空撮映像が撮れるかもしれない」

そんな風に漠然と考えて、ラジコン経験皆無であるにもかかわらず、後先考えず初代のDJI Phantomを購入。当時はGoProをリジットマウント(直付け)するしか方法が無く、機体の振動はダイレクトにカメラに伝わってしまうし、機体のピッチやロールが傾けば、動画もそのままガクガクに揺れて傾く…。

実際にゴルフコースに持ち込んで撮影してみるものの、単にホバリングしているような状態でも水平線は傾いてしまうし、とてもじゃないけれどホールを色っぽくトレースするなんて事は全く無理で、欲しい絵なんて全然撮れない。目視飛行では少し離れるだけでも距離感はわからなくなるし、250ヤードのミドルホールですら機体は単なる点と化してしまう。

機首方向を見失ってロストの恐怖を味わった上に、撮った映像は盛大なJello(コンニャク現象)で、全く見るに耐えない。マルチコプター自体は素晴らしく安定しているけれど、「現状、空撮には使えない…」というのが極々初期の印象で、期待も大きかっただけに落胆も大きかった。

そもそも僕の空撮歴は意外に長く、2000年にまでさかのぼる。最初はモーターパラグライダーに自作のカメラスタビライザーを積んで、ゴルフコースをトレースする事業を。その後、更なるクオリティーアップを目指すべく、Canon 5D Mark IIとステディカム Pilotを改造して空中にあげてみるものの惨敗。満足できるようなシステムには育たなかった。

マルチコプターのターニングポイント

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足踏み状態の数年が過ぎたある日、DJI Phantomが現れた訳である。初期の頃のマルチコプターも、撮影機材という点で言えば「使えない代物」ではあったものの、もし今後、カメラマウントがジャイロで電子的にスタビライズされたり、機体カメラ映像を電波で飛ばして手元で見ることができたら、どんなにか素晴らしいだろうと夢見ていた。

そんな矢先、ロシアの巨匠、AlexMos氏がブラシレスジンバルのコントローラーを発明する。AlexMos氏のブラシレスジンバルのインパクトはとにかく強烈だった。マルチコプターがただの付属品に思えるほどの(全く逆な話だが)衝撃で、この進化が現在のドローン空撮のブームを作り出したと言っても過言ではないと思う。

3軸方向にスタビライズするブラシレスジンバルは、今までの手振れ補正や、ウェイトやスプリングを使ってスタビライズするステディカムなどを、一気に飛び越えた性能を持っていて、その恩恵でドローン空撮は一気に身近な世界に降りてくる事になる。

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今まで設置することが不可能だった位置にカメラを据える。それはジブ(クレーン)や、実機ヘリをある意味超えた存在であったり、ワイヤーカムでは表現できないセクシーな動きだったり。海上2メートルの低空から高度150メートルまでを縦横無尽に動きまわって撮影できるなんて、湘南で暮らしている僕にとっても、本当に夢の様な事が現実になってしまった。

そして次の課題へ

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某国営放送のステディカムをメインに使った旅番組よりも何倍も安定していて、とにかく見たことのない絵が撮れる。今までならば膨大な機材と予算をつぎ込まなければ撮る事が難しかった撮影シーケンスを可能にしてしまう、そんな、とんでもない代物にマルチコプターは進化したのだけれど、次の課題は機体カメラの映像をどうやってオペレーターの手元でモニターするかという問題にぶち当たる事になる。そう第二のブレークスルーは「FPV」なのだと思う。

WRITER PROFILE

遠藤 祐紀
ギタリスト、Webプログラマー、BAR店主、ラーメン店経営など、Catch Allで様々な顔を持つ。 現在は株式会社ヘキサメディアに属し、並行して自身の空撮チーム【AIR FLEET】率いている。

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