[Phantom4 -A-go!-go!]後編 あいつが空を飛んだ!〜Phantom4フライトレポート

2016-03-30 掲載

Phantom3に比べ、大幅な機能向上を果たしたPhantom4。前回に引き続き、今回もPhantom4のテストを行う。今回はその飛行特性やインテリジェント・フライト機能に関して実際にフライトを行い、レポートする。

飛行前の確認事項

Phantom3と比べインターフェースやプロポのスイッチ配置が少し変わったため、飛行前にプロペラを外した状態でフライトシミュレーションをすると良いだろう。

まずGPS飛行時(安定飛行)のインターフェースであるが、衝突回避センサーがデフォルトでオンになっているため、障害物の近くにPhantom4を置くと写真のように障害物までの距離と警告の 赤いラインが表示される。

P4R_02_1_5026 障害物回避機能の細かな設定はインターフェース上部「安全飛行」左横のアイコンをクリックすると設定可能P4R_02_5024

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このインターフェースで注意すべき点はアクティブトラック時の「後方飛行を有効にします」である。このモードがオンであると、アクティブトラック時に被写体がバックするとPhantom4も後 方に移動する。センサーの死角である後方に障害物があるとPhantom4はその物体と接触してしまうため、慣れるまではこのモードを切っておくと良いであろう。

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インターフェースメイン画面の左下のプロポのボタンをタップすると各種フライトモードを選択できる。アクティブトラック、タップフライはこのアイコンをタップすることで選択可能だ。

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Phantom3のAスイッチ(Attiモード)がPhantom4ではS(スポーツモード)のスイッチになっている。車のようにエンジンの回転数も表示されているため、スポーティーな感覚で操縦できる。

スポーツモードでの注意点は衝突回避機能である。スポーツモードでは高速で飛行するため衝突回避機能がオフになっている。インターフェース上でも衝突回避のアイコンに斜線が入っているのが分かるであろう。スポーツモード飛行時には衝突回避ができず、ブレーキがかかるまである程度 の距離が必要であるため開けた場所で使うべきだ。Phantom4のインターフェースに慣れたところで、実際に操縦して飛行特性を検証してみた。

GPS飛行モード

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GPS/GLONASSを併用した改良型GPSモジュールは最大36個の人工衛星との接続が可能だ。これによりPhantom4はPhantom3より更に安定した飛行が可能である。テストフライト時には風速5-7m前後の風が吹いていたが、非常に安定して飛行していた。

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なおGPS飛行時にはデフォルト設定で障害物回避機能がオンになっている。GPS飛行時の最大飛 行速度は、衝突回避機能を追加した影響からか、10m/s前後(時速40km前後)とPhantom3と比べ20km前後遅くなっている。これは撮る被写体によって賛否が分かれる所であるが、風景や構造物を撮影する際にはより安定した撮影が可能になるであろう。

スポーツモード

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スポーツモードではGPS飛行モードとうって変わって、非常に軽快な飛行が可能だ。機体も全速飛行時には45度ほど傾き、最高速度は72kmに達する。飛ばしていてとても気持ちが良い飛行モードだ。

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なおスポーツモード飛行時にカメラを通常の角度にしておくとプロペラの写り込みがある。写り込みを防止するにはカメラを若干下に向ける必要がある。

衝突回避機能

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人、壁など面積が大きな物体に対しては正確に衝突回避機能が働く。また警告音が鳴るため、非常に分かりやすい。なお障害物回避機能は万能ではないので注意が必要だ。衝突回避には物体にある程度の大きさや視認性が必要であるため、電線、ネット、細い枯れ枝、ガラスなどに反応しない可能性がある。 常に目視で機体を確認し、補助的に衝突回避機能を使うと良いであろう。

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なおテストで空中でPhantom4を衝突回避するか試してみたが、正確に機体を認識し回避した。 物体が面状になっていればかなりの確率で衝突回避機能が働く。

P4R_02_5004 P4R_02DJI_0013

ネット手前1.5m-2m地点を飛行した写真。ネットが透けて見えるため、遠方にある木や物置など遠くにある大きな面状の物体にセンサーが反応している。Phantom4が全ての物体を避けてくれ ると思い込むと、思わぬ事故につながるため、機体を常に目視しながら飛行すべきだ。

アクティブトラック

タグなど外部のデバイスを体に装着し、追跡する機能は他メーカーの機体でも提供されているが、Phantom4では外部デバイスを必要としない、画像認識と人工知能を活用したアクティブトラック機能が新たに搭載された。

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アクティブトラックは非常に精度が高く、一度物体を認識するとかなり正確に追跡を行う。 Phantom3など、アクティブトラック機能を搭載していない機体ではマニュアル操縦で被写体を追随しなければいけない。ワンマンオペレートで機体を滑らかに飛ばし、かつカメラのアングルを細かく決めるのは至難の技だ。

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しかし、Phantom4ではカメラの中央位置に被写体が来るように自動で飛行し、滑らかに画角を調整してくれる。Phantom4を使うことで、ワンマンオペレートでもかなり難しいカットの撮影が可能になった。 

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なお被写体があまりに小さい場合は追尾対象として認識できないので注意が必要だ。人間を追尾する場合は概ね5-10m以内に被写体を置くと追尾しやすい。

タップフライ

P4R_02_5003 タップフライ中は画面上のスピードメーターを調整することで飛行速度を変化させる事ができる

タップフライは画面上で選択した目標の方向に自動で機体を飛ばす機能である。タップフライ中は衝突回避をしながら、画面上で選択した地点に一直線に飛んでいく。

なおタップフライやアクティブトラック使用中に不意にセンサーの死角になっている側方、後方に障害物が現れる場合がある。これらの飛行モードを使用中には、常にプロポの一時停止ボタンに手をかけて、いつでもモードを解除できる体制をとるべきだ。また画面上のSTOPボタンを押しても飛行モードを解除できるので、撮影前に練習しておくと良い。



まとめ

Phantom4はPhantom3と比べ、IMUなど機体の重要なセンサーが二重化されたため、信頼性がより高くなっている。またアクティブトラックなど新たに搭載された飛行モードにより、今までは2名オペレートでないと不可能であったアングルの撮影が可能となり、ワンオペでもかなり複雑なカメラワークが可能になった。

飛行安定性もPhantom3と比べ改善され、衝突回避機能により安全性がより向上している。しかし、衝突回避に関してはセンサーの死角や限界など把握した上で、補助的に使うべきだ。ドローンの飛行の基本は目視内の飛行であることを十分に理解した上で、操縦訓練を定期的に行い、撮影を楽しんでいただきたい。

WRITER PROFILE

吉田泰行
株式会社アルマダス代表取締役 カリフォルニア州立大学卒業後愛知県に映像制作会社を立ち上げる。RED Monstro 8K VVやInspire 2ドローン用のX7 6K RAWカメラなどを導入しRAWを中心とした制作フローを組んでいる。

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