[ドローンレースへの道]Vol.02 花形スポーツから見る、世界のドローンレース事情

2016-05-16 掲載

今や世界的な規模で毎月のように開催されているドローンレースだが、未だ「スポーツとしてのドローンレース」には馴染みがない状況だ。しかし、なんと2017年には「ドローンワールドカップ」が開催されることになっている!

ドローンレース世界大会の開催スピードは異常!?

drone-racing

ゴルフのメジャーな選手権の一つ「ジ・オープン(全英オープン)」が初めて開催されたのは約150年以上前の1860年のことである。また、自動車レースの最高峰であるF1(Formula One)は第二次世界大戦後の1950年5月にイギリスのシルバーストンで開催された。

今でこそメジャーな人気スポーツとなったゴルフやF1だが、私が生まれる前から世界的な大会が開かれ、現在でも毎年のように開催されている。以下は、2014年のスポーツ白書にて発表されている各スポーツごとの国際イベントの規模を抜き出したものだ。

種目 大会名 参加国地域数 選手数
水泳 世界水泳選手権(2009) 172 2,438
テニス ウィンブルドン選手権(2010) 75 756
ボート 世界ボート選手権(2010) 49 808
サッカー FIFAワールドカップ(2010) 32 736
モーターレース ダカール・ラリー(2010) 42 581
ゴルフ 全米プロゴルフ選手権(2010) 19 156
野球 ワールド・ベースボール・クラシック(2009) 16 455

先日のドバイで開催されたドローンレースには、26カ国から150チーム、1チーム4名として約600人が参加したが、日本での競技人口が800万人を超える規模のゴルフの世界大会と同規模の参加レベルとなっているのは驚きだ。

たった1年ほどの間に、世界中からパイロットが集まり大きな賞金を掛けた世界大会が開かれたこのスピード感がドローンレースの世界なのだ。

F1と似ている?世界のドローンレース

drone-point-system ※出典:Drone World Cup – IDRA

最近、IDRA(国際ドローンレース協会)がドローンパイロットの「Top 25 Ranking」を発表した。開催されたレース内容に応じて順位ごとにポイントが割当られている。ここで、同じくポイントランキングを持っているF1について見てみたい。今でこそメジャーなエンターテイメントスポーツとなったF1だが、F1のポイントシステムやコース設定、競技スタイルなど、ドローンレースのそれと似ている点は非常に多い。開発費を含めると1台当たりの価格は数億円をくだらないと言われ、現段階のドローンと比較すると大きな予算ではあるが、世界に一つだけのマシンを作り、パイロット自らが機体をコントロールをする点はまったく一緒だ。

ちなみに、F1マシンのデザインでもっとも重要になってくるのが空力。ダウンフォースを稼ぎながらも、空気抵抗を増やさないような空力が求められる。そのため各チームはスパコンを導入したり、風洞実験に数十億円もの大金を費やしている。ドローンにおいても、モーターやESCなどの主要パーツの改良だけではなくカメラや映像送信機などすべてのパーツがこの1年で大きく変わってきており、ドローンのフレームなども各メーカーごとに空力や重心の配置などを考慮した新製品が続々と発表されている状況だ。

予定されている世界のドローンレース

drone-wordl-cup

2016年に国際的な大会として予定されているものに、10月にハワイで行われる予定の「2016 World Drone Racing Championships」がある。まだ公式なリリースはまだ出てないが、来月6月には深センカップが開催されるという情報もある。

世界中でレースは開催されており、5月〜8月には北アメリカカップ、アジアカップが開催予定で、日本を含め世界各地のローカルレースも多く存在する。日本では、6月に仙台でハワイ大会の日本予選、7月には兵庫でローカルドローンレースが開催される予定だ。

そして、なんと!2017年には、「ドローンワールドカップ」が開催されることが予定されている。世界的な大会には予選で勝ち上がり出場権を得る必要が有る場合が多い。また上述のポイントシステムのランキングも今後出場に影響してくるだろう。日本のローカルレースも今後ポイントシステムにカウントされていく可能性は大いにあるので、国内外のレースに積極的に参加し結果を残していこう。

さいごに

今回、ドローン以外のスポーツを見ていて面白いと思ったことがある。それは、F1の「pitpass」というサイトだ。グランプリごとに読者が「レースで最も印象深かったドライバ」を投票するサイトである。優勝した選手ではなく、より観客を魅了した選手が1位になることも多いのが特徴だ。

ドローンもF1と一緒で、ただ決まったコースを速いマシンが走るだけでは何も面白くはない。勝負の魅せ方然り、登場するパイロット、チームで作り上げた機体、そして勝負までのストーリーやドラマ、これらが観るものを熱狂的なファンに変えていく重要な要素であることは間違いない。

さらにドローンには、現代のテクノロジーが大量に詰まっている。今後インターネットともつながり、全く異なる使い方が出てくるだろう。その時、ドローンレースはどうなるのだろう?まだまだ未知数なドローンレース、期待しかない。

※参考文献
  • *1 スポーツ白書-スポーツの使命と可能性(2014)著:笹川スポーツ財団
  • *2 F1最強「事情通」読本 著:尾張 正博
  • *3 F1全史 著:林 信次
  • *4 ゴルフの歴史 著:石川洽行
  • WRITER PROFILE

     Atsushi YOKOTA
    大手企業向けECシステムのプロマネ、Webマーケティングアプリのエンジニアを経て独立。ドローン入門者向けサイト BE INTO DRONE運営。ドローンスポーツの開発やドローンレースにも参戦。

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