[アジア深圳ドローン事情]Vol.02 ドローンの最先鋒地区「深圳」の動き

2016-09-16 掲載

今回は目下アジアのシリコンバレーとして躍進中の都市深圳のドローン事情について紹介していく。

成長が止まらないエリアそれが深圳

30年前は漁村だった深圳、経済特区として急成長を遂げ今もその勢いは加速している。元WIRED編集長でドローンベンチャー3D Robotics社CEOとしてドローン業界も牽引しているクリス・アンダーソン氏の著書「MAKERS(メイカーズ)」で紹介されているメイカーズムーブメントの中心となっているのも深圳であり、ドローン最大手DJIも本拠を構えている。

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2015年11月に、全国に先駆けて設立された深圳市ドローン協会という業界団体には、すでに100社を超える会員企業が集まっており、同協会主催のドローン展示会及び国際シンポジウムを始め、深圳では大小様々なドローン関連イベントが開催されている。その一つが、筆者も登壇し、こちらでも紹介されているTENGYUN AIR社劉氏が開催するドローンサロンだ。

多い時には2週間毎に開催され、前半は、中国を中心に世界のドローン業界の動きについて報告があり、後半がゲストスピーカーによるセミナーという構成となっている。講師は、中国のドローン操縦ライセンスを管理するAOPA-CHINA(Aircraft Owners and Pilots Association)担当者、ドイツMicrodrones社と研究開発でパートナーを組む安尔康姆航空科技(Aircam UAV Technology Inc.Co.)パイロット、と多彩である。参加者もドローンビジネスに関わりたい若者からベテランの愛好家、証券会社のドローン研究チームアナリスト、大手ドローンメーカー社員等と多岐にわたり、業界の最新情報を得る良いプラットフォームとなっている。

オフラインだけでなく、オンラインでの情報交換も盛んに行われている。2016年時点でアカウント数が7億に迫ろうとしてるチャットアプリ、Wechat(ウィーチャット)上では様々なドローンコミュニティが形成されており、筆者がメンバーとなっているものだけでも10を超え、各グループのメンバー数は約200~500、新製品を含むドローン関連用品情報から農業、電線工事用途での専門グループまであり、日々情報交換や関連ニュースについての議論が行われている。このような場で目的を持った情報発信を行うことで、効率的にビジネスパートナーや話を聞きたい人物にたどり着くことが可能だ。

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そんなドローン都市深圳は中国を代表する都市だが、日本のように規制が厳しいわけではなく、街中でドローンを見かけることも多い。特に様々な電子製品や部品が販売され、一大電脳エリアとなっている華強北(ファーチャンベイ)では、多い時には5、6機のホビードローンが空を行き交っている。

中国のドローン規制の法律は7キロ以上の産業用をメインに整備されているため、このようなホビードローンは各自で安全管理を行う、ということで特に厳しく取り締まられてはいない。鉄道駅付近の柵のないとある公園も練習場所として広く知られており、周辺のドローン企業のテスト飛行スポットとしてよく使われているようだ。正直、安全対策には欠ける部分もあるとは思うが、この柔軟性が産業促進のドライバーの一つになっていることは間違いない。

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また大型案件として進んでいるのが、深圳の空の玄関口である深圳空港旧ターミナルの再開発プロジェクトである。2013年に閉鎖された旧ターミナルは現在「車」をテーマにスポーツカーやICT端末としての機能を有する自動車であるコネクテッドカー(connected car)等の体験が出来る商業施設になっており、ここに「空」の要素を入れた新施設を作る計画が進んでいる。施設内にはドローンレース場、ラジコンヘリコプター等の体験エリアを置く構想があり、ドローン展を含む空に関連する展示会の開催が可能なスペースも確保されている。

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若い人材が集まり、日々情報交換が行われ、街自体がまさに大きく拡張し続けている深圳。その深圳を牽引する主要産業として政府もサポートするドローン産業、どのように成長していくのかとても楽しみである。

今回紹介させていただいた深圳を実際に訪れ、ドローン都市を体験してみたいという声が筆者の元にも寄せられている。そこで、アジアを中心に企業研修事業を展開するアセアンステーション社の協力を得て、下記の通り深圳ドローンツアーを実施する運びとなった。DJI本社の他、本稿でも取り上げている劉氏のTENGYUN AIR、水素燃料電池で注目を集めるMMC等盛り沢山の内容となっている。深圳に興味をお持ちの方は是非参加をご検討いただきたい。ちなみにツアー前の10月21−23日は深圳メーカーフェアも開催されているため、ご興味をお持ちの方は前入りするのもオススメだ。

今この目で体験しよう!リアルアジアツアー深圳編

深圳抜きでは語れなくなったドローンの世界。しかしながら、まだまだ深圳へ実際に行ったことがない方が大多数。深圳に強いネットワークを持つ川ノ上和文氏が現地アテンドを行い、深圳のドローン業界を牽引する企業、組織を周り深圳のイマを体感できるツアーを行うことになりました。希望者には現地で実際にドローンを操縦する機会もアレンジ致します。

■期間:10月25日(火)~10月28日(金)

■費用:150,000円(税込):ツアー代金のみ

※現地ホテル、航空券は各自でご予約頂きます。オススメの便とホテルはご案内可能です

下記のドローン企業へ訪問し、各企業社内見学、事業説明及び製品、サービス説明を受け担当者への質問時間も設けます。また、深圳のイマを知る上で押さえておくべきエリアの観光も予定しております。

■訪問予定企業:

  • DJI:ドローン最大手企業
  • TENG YUN AIR:操縦研修サービス
  • MMC:業務用ドローン製造開発
  • ゼロテック:セルフィードローン DOBBY ※本社は北京深圳は南部販売拠点
  • ■見学エリア:

  • 新興開発エリア前海
  • 深圳空港旧ターミナル再開発用地
  • 華強北(ファーチャンベイ)
  • ■募集人数:10名限定(先着順)

    ■お申込、お問合せはイベントページより。詳細は追ってご連絡いたします。

    ■主催:智聯國際開發股份有限公司(香港)
    ■企画:株式会社アセアンステーション

    WRITER PROFILE

    川ノ上和文
    xyZing.innovation(翼彩創新科技(深圳)有限公司)CEO/深セン市航空業協会無人航空機専門委員会 国際部門副主任。DRONE.jp深圳特派員 大阪出身、中国・深セン在住。深センを軸としたアジア大阪出身、中国・深セン在住。深センを軸としたアジアxMICE(Meetings,Incentives,Conferences,Events)の事業開発をてがける。高校卒業後、東洋医学に関心を持ち北京留学。その後留学支援会社での講座企画、上海での日系整体院勤務、東京での中国語教育事業立上げ、台湾ワーキングホリデーを利用した市場調査業務に従事。新興国や途上国における都市成長やテクノロジーの社会浸透、人間の思考や創造力の開発に関心が高い。現在、ドローン活用の思考枠を拡げるための場として深センでアジアドローンフォーラムの開催準備中。

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