[ハワイ ドローン観光案内]Vol.27 ドローン撮影現場で学んだ心得

2017-11-30 掲載

実務撮影から見えてきた3つのこと

アロハ!クリエイティブ・ディレクター長澤宏樹です。前回のコラムでは、安田寿之氏のMV制作の仕事や、内閣府が行っている「日本の国境へ行こう」プロジェクトでの映像制作など、ドローンを活用した映像制作がいよいよ動き出してきたことを紹介しました。実はその後すぐ、別の案件も舞い込んできました。それは某超大手通販サイトが行うネットドラマのドローン撮影。

本コラムを最初から読んでくれている読者の方たちならお分かりかと思いますが、著者はドローンを飛ばすのがとにかく下手だったわけで(まあ今もたいしてうまくないですが)、いよいよここまできたかという感じです。

撮影の内容は、いつもやっている茅ヶ崎の海でのサーフシーンをドローンで撮影するというやり慣れたものではあったのですが、とにかく規模の大きい話だったので、かなり緊張しました。結果的に当初想定していたよりもはるかに労力がいる、とてつもなくチャレンジングな案件となりました。

しかしそこには多くの学びがあったので、今回のコラムでは実務としてのドローン撮影現場を通じて肌で学び取った3つのことを紹介していきたいと思います。

ドローン撮影の仕事の心得

  • その1:ドローン撮影の仕事は、スケジュールがズレまくる
  • その2:ドローン撮影の仕事は、普段より事故る確率が上がる
  • その3:ドローン撮影の仕事には、バックアップ機が必要」
その1:スケジュールはズレまくる

ドローンをドラマなどのワンシーンとして撮影する場合の一番の問題点、それは「スケジュールがズレまくる」ということです。天候に大きく左右されてしまうドローン撮影。特に、海上でのサーフィン撮影となると、“波が良い”+“ドローンが飛ばしやすい穏やかな空”という、なかなか簡単にはそろわない条件が必要となります。ましてや、そこにタレントのスケジュールが入ってくるので、全部の条件がバチっと合うのは奇跡に近いわけです。

今回のオファーを受ける上で、これらのことをあらかじめ考慮して、スケジュールを多めにあけてはいました(4日+予備日2日)。にも関わらず10月はまだ台風シーズンだったこともあり強風や雨のため撮影が中止になったり、逆に波がフラットで撮影できなかったりと、天候によってスケジュールがかなり振り回され、当初予定していた4日間の撮影は、いきなり全キャンセルとなりました…(仕方ないので、ここは自主的に風景画など自分で撮影できるものを撮影し、提出しました)。

■西浜でのサーフィン・ドローン空撮で大失敗…(vlog129)

結局、それなりの映像が撮れたのは予備日最終日。風が強く、今にも雨が降ってきそうな中、半分無理くりの撮影でしたが、とりあえず一安心できた、というわけです。それにしても。1ヶ月近く、ずっと天気図とにらめっこしながらスケジュール調整をし続けないといけなかったのは、なんとも心が落ち着かない時間でした。

ちなみに、天気予報を知るために重宝したのが「釣りニュース」のサイト。海沿いの風速がわかるのは非常に重宝します。これを見ながら普通の天気サイトの風速と見比べることで、なんとなく心の準備が整います。

さらに、潮回りを確認し、波が良さそうな時間帯=撮影に集中すべき時間帯もあらかじめインプットしていました。…かなりマニアックな話になってきしてしまったので、次に行きましょう(笑)。

その2:普段より事故る確率が上がる

ドローン撮影の実務から感じた2点目、それは「ドローン撮影の仕事は、普段より事故る確率が上がる」です。簡単にいうと、ドローン撮影時に当初約束になかった“高度な要望”が突如現れてくることで事故る確率が上がる、というわけです。一度フライトの姿を見ると、やっぱりこうしてみたいという要望の変更がつきものです。そしてそれは大抵、より難しい方向にいきます。より良いものを作りたいと言う心理を考えると当たり前ですよね。

例えば撮影をしていくなかで、監督がモニターを覗き込んで、もっと寄って欲しい、とか、もっと地面すれすれを飛んで、といった要望がでてきます。撮影している側としても、できるだけ答えてあげたくなってしまいます。一人で飛ばしているのとは違い、集団のノリも加わってきますので、普段ではやらないようなことをやってしまいます。こうして事故る可能性が高くなるわけです。

さらに、いろいろなスケジュールがタイトになってくると、どうにかして撮りきってしまいたいという現場の心理が働きます。時にはドローンが推奨する風速より強くても、とりあえず飛ばしてみますか?という流れになってしまうことも多々あります。ここにも事故る可能性が。しかし、ここはドローン操縦者として自制する力を養うことも非常に大切です(または、飛ばせないときにどのような代替案を出せるか、も大切ですね)。

自制することの大切さについては「日本の国境へ行こう」プロジェクトで行った壱岐島での実務撮影で強く痛感したところなんです。実は、壱岐島ではドローンの撮影を一切行うことができませんでした。二日間にわたり強風が吹いており、危険だと判断したのです。これは苦渋の決断だったのですが、その代わりに陸と海の撮影をじっくり行い、当初ドローンで撮影するはずだった分をそちらで補うようにしました。またメーキングにおいてもvlogを作り、ドローン撮影者という仕事以外のところでクリエイティブの提供を行うようにしました。

その3:バックアップ機は必要不可欠

そして、学び3点目。2点目の事故る確率と関連することですが「バックアップ機が必要」ということです。風が強い中でのフライトをしっかり中止したり、無茶なクライアントの要望になるべく振り回されないようにしたところで、それでもやはりどうしてもミスをしてしまうことはあります。

さらに、いつもと違、大所帯での仕事だったりすればするほど、体が緊張でこわばってしまいます。イージーミスで機体が砂の上で転がってしまってベアリングの中に砂が入ってしまったり、単純にケーブル一つなくしてしまった、といったことが大いにあり得るのです。

小さな緊張が頭のなかを真っ白にしてしまうことは大いにあり得ます。そうならないために、著者は今回初めてバックアップ機を用意しました。具体的には「ドロサツ」という会社を通じて、いつも使っている機種と同じMavicProをレンタルをしておいたのですが、これが手元にあるだけでだいぶ心を落ち着かせることができました。

(※これは「ドロサツ」の宣伝でもPRでもなんでもないですが)、値段としては3泊4日のプランで11,960円。撮影する前日に届けてくれるので、前日から練習やセットアップに使えるのは助かりました。その開封、セットアップ模様はvlog128「MavicPro2機目とGoProHERO6を入手」にまとめていますので、興味がある方はこちらをごらんください。

6:08から

ということで、実務撮影から見えてきた3つについて書きましたが、すでに次の撮影の仕事として、日本のメーカー企業の工場を空撮するという案件が入っています。これらを実践しながら、新たに入手したバックアップ機を持って行ってきますので、こちらもまた別の機会に報告しますね。またお会いしましょう~!マハロ!

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本編に登場するHIROKI NAGASAWA VLOGはこちらから。定期的に更新していますので、ぜひチャンネル登録をお願いします。

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WRITER PROFILE

長澤宏樹
ホノルル在住。慶応大学卒。博報堂DYインターソリューションズプロデューサー、クリエイティブディレクターとして13年間勤務。独立後、Aloha Branding 合同会社を日本に設立。Aloha Branding Hawaii Inc.を米国に設立。

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