[Reviews]Vol.19 トイドローンの完成形現る。DJIとIntelの技術を積んだ「Tello」の実力はいかに!?

2018-04-16 掲載

改正航空法対象外の重量80gという軽量ながらDJIとIntelの技術協力のもと開発された「Tello(テロー)」。発売はDJIではなくRyseTech社(中国)。とはいえ、DJIのフライトテクノロジー × Intelの高画質映像処理技術というタッグは産業用の間違いではないかというくらい魅力的な組み合わせです。また、同サイズ・同価格帯のライバル機として真っ先に思いつくのはやはりParrot社MAMBOでしょう。2016年に発売された当時はその小型機ながらの安定差に驚いたものです。そなんMAMBOと購入を迷う方もいらっしゃると思いますので、少し比較しながらレビューをしてみたいと思います。

ライバル機はParrot MAMBO?TelloとMAMBO比較

まずはスペックを比較してみましょう。

TELLO MAMBO FPV
重量 80g 63g (カメラ搭載時約75g)
主な搭載センサー ビジョンシステム/気圧センサー等 ビジョンシステム/超音波センサー/気圧センサー
ライブビュー 720p/30fps 720p/30fps
映像 720p/30fps 720p/60fps
電子映像ブレ補正 あり なし
写真 2592×1936 1280×720
視野角 82.6° 120°
データ記録 アプリ内(Wi-Fi) MicroSD
最大伝送距離 100m 100m(Flypad使用時)
最大飛行時間 13分 8分
バッテリー Lipo/1100mAh Lipo/550mAh
発売年 2018年 2016年

両機ともに80g前後ながらビジョンセンサー・気圧センサーで安定した飛行を実現しているところが共通しています。カメラ性能とバッテリー容量が主な違いとなるところです。

TelloとParrot MAMBOとの比較。サイズ・カラーともに非常によく似ている。 Telloの機体裏面。ポジショニングセンサーひとつと2つの赤外線センサー(?)を備えている。スリットはバッテリー放熱用。 バッテリーは機体サイズと変わらないくらい大きい。13分の飛行を可能とする。

操縦はスマートフォン オプションでゲームパッド送信機にも対応

Telloの操縦は基本的にはスマートフォンを利用します。オプションでTelloに対応したゲームパッドを利用することも可能(後述)です。機体の操縦には専用のアプリをインストールする必要がありますのでダウンロードしておきます。

操縦はアプリのバーチャルジョイスティックで行いますが、スティックモードはモード1・モード2の選択も可能となっています。また、アプリ内では、映像の明るさの設定やビットレートの変更もできるようになっており、DJIっぽさが出ています。

アプリの機体操縦画面。バーチャルジョイスティックで操作する。機体スピードや機体高度も表示。 設定画面でスティックモードやEV値、Low Battery Warning等の設定が可能。

飛行安定性はトイドローンと思えないほどの完成度

さて、さっそくフライトさせてみたいと思います。DJIの技術提供があるとすればやはりフライトコントローラー部分かと思いますが、Telloがどれだけ安定したフライトをしてくれるのか…というところを注目したいと思います。

見てのとおり、SPARKやMAVICを彷彿とさせる非常に安定したフライトです。特に、移動から停止する際、MAMBOだと機体が大きく波打ちながら停止するのですが、Telloは実にスムーズに止まってくれます。このあたり、非常に操作しやすい味付けになっています。

映像をTelloとMAMBOで比較してみる

次に、撮影した映像はどれほどのクオリティになっているのか、TelloとMAMBOで比較しながら見ていきたいと思います。同じ720pの解像度となりますが、どのような違いがでるでしょうか。会議室をお借りして自然光が入る室内(室内灯も点灯)で撮影してみました。まずはTelloから。

機体自体の安定性に加えて電子映像ブレ補正の効果もありこちらも非常に安定した映像となっています。少し暗い印象を受けますが、設定でEV値を上げることもできるため(今回はレビューのため全て標準の設定)問題はないでしょう。ただし、ところどころコマ落ち(飛び?)しているところが見受けられます。これは、Wifiで手元のスマートフォンに送られてきた映像をアプリ内で記録しているため、通信速度等の問題で起きるものと考えられます。今後のアップデートで改善されると、より空撮を楽しめるトイドローンになることでしょう。

ちなみに、同じ場所で撮影したMAMBOはこのような映像になりました。

こちらは明るい映像となってとても印象がいい色合いです。しかし、画面の揺れが大きいのと、プロペラガードの映り込みが気になります。カメラの画角も広角なのでMAMBOは空撮と言うよりはFPVレースのための映像ですね。

写真もキレイなTelloのカメラ性能

「Normal」と「High」の比較。「High」は画素数は変わらずダイナミックレンジが広い?

さて、静止画のクオリティはどうでしょうか。MAMBOは静止画時にも1280×720の解像度なのですが、Telloは静止画撮影時には2592×1936という高解像度になります。今度は外で撮影してみました。

こちらはかなりキレイに撮れます!もちろん、シャッタースピードや感度等の設定はできないので、暗いところよりも順光の明るいところであればかなりいい感じの写真です。

また、アプリ設定内で写真のクオリティを「Normal」と「High」に設定できるので試してみたのですが、感覚的には「High」のほうが少し色の幅があるように感じます。明るいところが明るく、暗いところの中にも色が残っているような(感覚値です)。ちなみに、ファイルデータ量は「Normal」が1.2MB前後、「High」が2.4MB前後でした。

「High」モードでの撮影。

多彩なフライトモードでかんたん空撮も

SPARKやMAVICではお馴染みのインテリジェントフライトモード。Telloにも簡易的なフライトモードが搭載されています。

手のひらからトスするとホバリングする「Throw&Go」や宙返りをする「Flip」はトイドローンではお馴染みですが、Telloにはそれに加えて、後方に上昇しながら動画撮影する「Up&Away」、その場で360°回転しながら動画撮影する「360」、円を描きながら動画撮影する「Circle」などがあります。もうひとつ、0.5〜1.2m以内をバウンスしながら自動飛行する「Bounce」というものもあるのですが、これはイマイチ使う場面がよくわかりませんでした(苦笑)。

■Up&Away
■360°
■Bounce

このあたりは、ソフトウェアのアップデートで追加できる部分にもなりますので、今後の展開も楽しみな機能です。

まさに空撮“トイ”ドローン Tello

いろいろと遊んでみての感想は、まさに「空撮“トイ”ドローン」という感じでした。手軽に持ち歩いて、スマートフォンを使ってちょろっと撮影。その映像や写真をSNSにUPするのもいいかも知れません。ライバルに見えたMAMBO FPVはどちらかというとFPVレース用トイドローンという位置づけでしょうか。サイズや価格感が似ているのですが、用途は全く別なのだと感じました。

それ以外にもTelloは、本体カバ−を変えて色違いを楽しんだり、プログラムで自動飛行を楽しんだりと、空撮以外にもいろいろな楽しみなたがありそうです。使う人次第でいろいろな楽しみ方を提供できるTelloは、身近なオモチャとしてのドローンの意味を変える可能性を秘めているのかもしれません。

おまけ

ゲームパッド(GAMEVICE Game Controller for iPhone)を購入し、物理操作スティックによる操縦にもチャレンジ!一気に操作感覚が変わりました。操作スティックの柔らかさもあり、機敏に自由に飛び回ることができました。また、こちらのタイプはiPhone用ですが、Bluetoothの接続設定など面倒なものは必要なく、コントローラーに付いたLightning端子をiPhoneに接続するだけですぐに使用することができるので便利。操縦をたのしみたい方にはオススメのアイテムです。

WRITER PROFILE

田口厚
株式会社Dron é motion(ドローンエモーション)代表。観光PR空撮動画制作、ドローンの活用をテーマにした講習等の企画・ドローン操縦士スクール講師、ドローン導入支援等も行う。JUIDA認定講師。DJIインストラクター。
[Writer:田口厚]
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