[シュウ・コバヤシのDRONE MANIA]Vol.09 ドローンで桜を楽しむ

2020-04-17 掲載

こんな大変な時期に

私事ですが3月末をもってアマナビ(株式会社アマナデザイン)を退職し、4月よりフリーランスとしてドローン空撮をやっていくことになりました。屋号は「雑機屋」です。以前からMaker Faire TOKYOというイベントに個人で出展する際に使っていた名前です。アマナドローンスクールの講師やアマナグループの空撮サービス「airvision」での空撮パイロットはアライアンスとして今まで通り行って参ります。今までより一層色々なことができるようになったのと、よりマニアックな活動ができるようになりましたので、引き続きよろしくお願いいたします。

しかし、2020年4月、世界各地で新型コロナウィルスの感染によって皆さん大変なことになっております。大型施設や映画館、ライブハウス、飲食店などは臨時休業、講演などのイベントも中止。緊急事態宣言が宣言され、外出自粛が要請されています。オリンピックが延期になったため、関連の撮影も白紙になり、撮影業界も影響が出ております。前から決まっていたこととはいえ、こんな時期に独立が重なるなんて、波乱な出だしです。

自宅で花見

外出自粛の要請がなされている中、上野公園や弘前公園など花見の名所は閉鎖されてしまい、今年は花見ができない状況です。そこで急遽、以前撮影した動画の中から桜の動画をご紹介いたします。

そもそもドローンを飛ばす際は、第三者の人や物件から30m離す必要があるのと、屋外ですので3密は回避できますね。そして、いつもより人が少ない場所が多くとても空撮向きではありますが、今は我慢です。新型コロナの感染を防ぎ来年健康な状態で迎えたいと思います。

魔の姫路城

姫路城は観光客が飛ばすドローンの事故が相次ぎ、一部のドローンパイロット内では魔の姫路城と呼ばれているとかいないとか。事故の多発を受けて基本的にはドローンでの撮影は禁止されています。2019年にG20が開かれた際に日本の絶景を紹介する動画制作に関わった際に特別に許可をいただき、空撮することができました。まずは桜満開の姫路城の映像を2本ご覧ください。

使用機材はDJI INSPIRE2にカメラはDJI ZENMUSE X7です。2人体制で撮影しており、1人が機体の操作、もう1人がカメラ操作を担当しております。それぞれが役割に専念できるため、安定したカメラワークができます。1つ目の映像は広角で、2つ目の映像は望遠です。広角よりも望遠のほうがカメラ操作の難易度がとても高いです。1人では対応しきれないでしょう。2人体制はドローン空撮の中で一番品質を上げられる方法です。

簡易的な方法

いつでも2人体制でできればいいですけれども、2人体制で行うには機材も高価になりますし、仕事として行う上でも予算の関係で難しい場合もあると思います。そこで、こんどは簡単な方法をご紹介します。

被写体にもよりますが、1カット目はあえてカメラをフィックス(固定)の撮り方をしています。ドローンで空撮する際、自由に動けるため、つい凝ったカメラ操作をしたくなります。ですが、自由に動けるだけで充分ドローンの利点を活かせます。また、動画アングルの基本はフィックスです。2カット目は思わず機体を前進させてしまいましたが。

この動画の使用機材はDJI MAVIC MINIです。姫路城は最初に行った際は桜がまだ咲いておらず、もう一回日を改めて行きましたし、機材運搬もなかなか大変です。それに比べてMAVIC MINIはトートバックに入れて、良ければ撮影しようかなと、とても気軽に撮っています。選択肢が増えてとても良いですね。

以前の撮り方

さて、ここで終わってしまってマニアック度が足りません。では次の映像を御覧ください。

これは2014年に撮影した桜です。たまたま千葉県の勝浦付近で通りがかった山桜です。当時はDJI PHANTOM2が発売されたばかりで、GOPRO用のジンバルがついていましたが、映像送信はまだ不可能でした。

私が使用したのはDroidworx製のAD-8という機体を4ローターに改造した自作機で、カメラはGopro Hero3を自作ブラシレスジンバルに載せています。

AD-8は8ローターの中型ドローンで、CANONのEOS 5Dなど一眼レフカメラまで搭載できる機体です。この機体では1.2GHzの映像送信機を使っていたのですが、PHANTOM2ではペイロードが足りず、飛ばすことができませんでした。そこでAD-8のアームを4本引き抜き、短く切り落とし、小型ながらペイロードを確保した機体を作成しました。

機体の操縦感もよく、お気に入りの機体でした。ロケハンにも使いましたが、その後更に改造し、下向きに棒を付け、GOPROを6台搭載することにより360度動画撮影機としても使用していました。

ただ、やはり上下に長くなるとバランスが悪くなり、飛行性能は悪いです。汎用性がとても高いので色々なカスタマイズができ、AD-8は散々使われた機体かもしれません。まだパーツがゴロゴロしていますが。

最近はMAVICシリーズなど優れた機体が増えましたが、汎用性はあまりありません。今は私も自由に動ける様になりましたので、今までよりより一層マニアックなものを考えていきたいと思います。

WRITER PROFILE

シュウ・コバヤシ
「雑機屋」ドローンの専門家。車好き、機械好きが縁で車をメインとするCG制作会社に入社後、2012年アマナの空撮部門airvision事業発足と同時に参加。操作だけでなく、機体の開発、改良などメカニックも担当。映画「魔女の宅急便」では国内で事例がほとんどない中、RED社のEPICを搭載して250回以上の全フライトを担当。2016年 NHK大河ドラマ「真田丸」タイトルバック、自動車会社、鉄道会社などのCMにも多く関わる。2020年4月よりアマナグループを退職後「雑機屋」を立ち上げる。

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