[空☆ひろし巡り会い]Vol.03 DJI MATRICE 300 RTKの前に敵なし!国内初レビュー

2020-05-14 掲載

新型コロナウイルス拡大で停滞気味の世の中(ひろしも含)だが、DJI破竹の勢いは止まらない。先日発表されたDJI産業用フラッグシップ機「Matrice 300 RTK(以下:M300 RTK)」の国内初レビューをお届けしたい!

今回は、本体価格96万円(税込)と手頃ながらこのクラスでは史上最高に安定している「MATRICE 300 RTK」の登場に業界はざわついている。しかし実際にどうなのか?今回はそんな期待にお応えしようとひろしがんばりました。今回は、M210RTKと比較をしつつ性能が飛躍的にアップしつつも価格が手頃なM300 RTKを紹介していきたいと思う。

機体基本性能のポイントを見る

現場での業務において、効率的に行うために最重要部分は、飛行時間だ。M300 RTKは、最大飛行時間が55分とM210RTKと比べ38分以上大幅に伸びており、体感的には2倍以上飛行している感覚だった。

スマート送信機も産業専用に進化し、コンシューマー用での悩みであった、内臓バッテリー不足になると数時間掛けて充電する必要になるが、専用スマート送信機は内臓バッテリーをメインとし交換可能な外付けのWB37バッテリーを取り付ける事で、長時間の飛行に耐えれる仕様なった。外付けのバッテリーから先に消費し、常に内臓バッテリーが満充電状態でバッテリー切れの心配がなく、最大限安心感があり、業務で使用する場合においては一番重要な要素だと思う。

またカメラジンバルが3個所取付可能になり、転送チャンネル数も増えたので、3種類のカメラを同時に使用可能となった。例えば橋梁点検などでは、カメラ付け変える事なく、橋梁下(裏側)を上方カメラで点検し橋梁の壁面部分を下方カメラで点検が可能となる。

実際に飛ばしてみた感想は?

実際の飛行で感じたことは、非常に飛行音が静かで飛行が安定していることだ。実際に業務を行う場合、民家の近く等を飛行させる場合があり、短時間飛行の場合にも飛行音の大きさと恐怖感やクレームの原因になりやすいことも事実である。

M300 RTKは、M210RTKと比べると歴然の差で静かまた耐風性能が高くなっている。安定性が非常に高く、M210RTKと同時に飛行させても、風が吹かれた挙動は穏やかでブレが非常に少なく、その差は歴然としている。このブレの少なさが高倍率にズームさせた際に映像のブレの少なさにも貢献している事が伺える。

6方向検知が全方位になり、敵なし

障害物検知は安全の役割として非常に有効だが、実際には点検物に近くに障害物あったり、狭い間を飛行させる現場が多く、センサーをOFFにしなければならずパイロットの高い技術が必要とされる。安全面でもリスクが非常に高くなるが、今回M300 RTKでは水平、高さの検知距離が個別に設定可能で、意図的に検知距離を狭める事で点検物の最小1メートルまで近寄る事が出来る。また10㎝単位で設定する事が可能になり、安全かつ効率よく、精密な映像が撮影可能となった。

また送信機側の表示もより詳細に表示されるUI改善が行われており、機体のどの位置に対して、どの程度の位置にどのくらいの大きさの障害物があるか、視覚と数字として直感的に把握、確認する事が可能になった。この事も非常に安心感があり、まさに現場の意見が取り入れられていると感じた部分である。

M300 RTKとM210 RTK飛行比較

M300 RTK(左)とM210 RTK(右)

今回のテスト飛行では、実際に橋梁下での点検を想定して、「M300 RTK」と「M210 RTK」の両機ともRTKを使用しない状態で比較実験行った(※この橋梁はライトやスピーカー搭載可能な小型産業機のMavic 2 Enterpriseモデルでも以前検証しており、GPSが4個程度拾う場所である)。ちなみに今回比較するMatrice 200 RTKはMatrice 300 RTKと同様のZenmuse XT2やZenmuse Z30が搭載可能なモデルですでに多くの業務の現場で活躍している。

まずM300 RTKだ。上方向の検知を調整可能なため、1mと設定し、離れた場所から離陸飛行させながら橋梁下に飛行させてみたところ、非常に安定している。注目すべきは、GPSをなぜか約10個も拾ってる。

水流のある川面に移動させても高度や安定性が全く変わらず、何も操作せずに「じっと」ホバリングを続ける様は、まさに安定の一言。

M300 RTKには、上方向にも検知用のカメラが追加された事で、下方のビジョンボジショニングセンサーと同じ役目をして橋梁の様な天井がある場合は、天井の柄を認識するために安定して飛行可能だ。

橋梁の裏側は補強の為、リブが一定間隔であり、低い所と高い所の差が70cm程度ある。上方向の検知を1Mと設定しているので、水平に移動させるとリブに合わせて1m上下するかと思っていたが、一定の高度を保ったまま水平飛行している。

理由としては高い所の大体の数字を余裕を見て設定しておけば低い個所が上部にきても、回避で高度を下げる訳ではないので、高度を変えずに飛行可能。また障害物検知でよくある、障害物を検知すると他の操作までロックされてしまう様な事がなく、安全に上方向の検知を使いながら点検が可能だ。

続いてM210 RTK。同様に離れた場所から離陸させ、橋梁下に入れた瞬間、GPSの数が3~7個ぐらいと不安定でなおかつ受信される数が少ない。Mavic2エンタープライズモデルも同様で、この時初めてM300 RTK自体のGPSの感度性能の良さが認識された。

上方向はセンサー感知はするが、調整できないのでリブの奥行きがある様な橋梁では、センサーを頼る事は出来ないので注意が必要だ。

安定性はさほど変わらないかと思い川が流れている場所に移動し始めたが、機体が徐々に横に流れ始め、川の真上に達すると高度を下げ、上下した。水平方向等も常に操作無しでは、飛行出来ない状態になりパイロットの技量に頼らざるを得ない状況でとても楽とは言えなかった。改めてM300 RTKの凄さが分かった。

カメラはどうだろうか?Zenmuse H20T

検証機に搭載したカメラは、同時に発表されたZenmuse H20Tを搭載した。このカメラは、ワイド、ズーム、赤外線、レーザー距離計が一体となっており、今まで、赤外線とズームを使う場合はXT2とZ30の二つのカメラ搭載する必要があるが、今回はすべてこの一台で役割を果たす。

今回シングル下方ジンバルコネクターのみの仕様だったが、デュアル下方ジンバルコネクターは必要と感じたくらいだ。と言うのも新たに追加された、レーザー距離計、送信機に映し出されている映像の計測したい位置にポイントを画面タップするだけで、画面上に菱形マークが現れ、その位置の緯度経度が表示される。

表示された画面にスクリーンショットのボタンが表示され、タップする事で、現在の画像と緯度経度が保存される。

例えば高圧鉄塔を点検する際に、不具合個所が発見された場合、不具合個所にレーザーを当てる事で不具合個所を緯度経度で特定する事ができ、不具合画像と場所の一元管理が可能となる。

今回RTKを使用せずに、飛行させながら60m程の先にある、測量済みの標定点に、レーザーをあて表示された緯度経度の数字と測量値を比べた所、70cm~2mの誤差の範囲で、場所を特定すると言う意味では非常に有効である。また、RTKを使用すればより精度の高い数字となる。

ワイド、ズーム、赤外線も非常に画質が良く、非常に綺麗である。赤外線機能はZenmuseXT2と違いMSX機能が無い為、赤外線画像のみでは、特徴や温度変化がない場所など当初特定が難しいと思っていたがそうではなかった。

ワイド ズーム 赤外線

送信機の画面をタップするだけで、ワイド、ズーム、赤外線の切り替えが簡単にできるので点検個所をワイドで場所特定し、赤外線で温度変化をチェック、ズームでより詳細に確認、不具合個所があればレーザーで緯度経度を特定とまさに一連の流れがこの1台のカメラですべて出来てしまうのが大変嬉しいところだ。

スマートトラック機能を試してみたが、今までの場合は被写体自体を自動で追うが、今回オートズームが適用されている為、ドローンから車が離れても画面上に捉える被写体のサイズが変わる事が無い様に、オートでズームされ、その様子はまさに、逃走車を追う警察ヘリの画像とそっくりである。

ドローンで、スマートトラック機能を使わずにマニュアル操作で撮影可能なパイロットがいれば教えてほしい。この機能なしでは不可能であるといいたい。それほど素晴らしい機能なのだ。また点検にスマートトラック機能を使用する事で、送信機の画面上でトラックさせ、点検個所がロックされ、機体側の操作が不要となり、パイロットの負担が軽減される。しかもAIにより何度でも同じ作業をルーティン化させることが可能になるのだ。

総括

機能的に非常に多く、今回紹介しきれないほどの高スペックである産業機のフラッグシップモデルと言うよりは、まさに産業機のスタンダートとなると言っても過言ではない。価格、機能どれを取っても「M300 RTK」の前に敵なし。ひろしも完敗です。2020年最高の機種であることは間違いない。


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編集部
DRONE編集部によるイベントレポートなどを中心にお届けします。

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