[Reviews]Vol.48 飛ばして納得「DJI Mini 2」の実力。身近で手軽な撮影ツールとして大きく進化 [後編]

2020-11-12 掲載

進化したDJI Mini 2を実際に飛ばしてみた

初代Mavic Miniを使用して、感じていた不満「これ、4Kならよかったのになぁ…」「あぁ…遠くへ飛ばしてないのに映像伝送が乱れてきた…」。せっかくの絶景撮影チャンスを逃したくない筆者は、持ち運びが楽なMavic Miniを持って行くのにもかかわらず、万が一(最高の被写体を4Kで撮りたくなったとき)のために結局Mavic 2も持って行ってしまうと言う意味不明なことが多々ありました。

さて、今回は最新超小型ドローンDJI Mini 2(以下:Mini 2)の登場によってMavic 2を持っていかなくてもよくなるのか、前回は、概要のみとなりましたが、実際に皆さんお待ちかねの飛行&撮影レビューです。

ホバリングテスト&飛行インプレッション

まずはホバリングテスト。この日は風速3.6m/sの強い風が吹く日だったのですが、Mini 2と初代Mavic Miniを同時に比較するとどちらも安定していてあまり参考になりませんでした(苦笑)。風速3~4m/sくらいではあまり飛行姿勢に影響を与えないのかもしれませんね。

しかし、実際にフライトしてまっすぐ前進させてみると初代Mavic Miniは大きく横に進路がずれてしまいました。それに対し、Mini 2はほぼ真っすぐ飛行した(8m/sの前進スピード)のであります(少し補正は必要…)。

ホバリング比較

また、操縦感覚はMavic 2シリーズに近いものがあり、Mavic 2ユーザーならば違和感なく飛行させることができます。感覚的には少し飛行スピードが遅いMavic 2…という感じでしょうか。

6万円以下の機体でここまでの4K映像が手に入る!

気になる4K/100Mbpsの映像撮影。このクオリティ次第でMavic 2を予備に持っていく状況を打破できるのかが決まります。

4Kサンプル映像

いかがでしょう?もう、Mini 2を使用する際には、Mavic 2は必要なさそうです。さすがに1インチセンサーを搭載したMavic 2 Proには色表現の面などで劣りそうですが、同じ1/2.3インチセンサーのMavic 2 Zoomとなら勝負できそうです。

抜群の安定性Ocusync 2.0映像伝送

Mini 2の登場で個人的にいちばん驚いた点は、映像伝送が上位機種と同じOcusync 2.0(DJI独自の電波干渉に強い映像伝送方式)が実装されたことです。これまで拡張Wi-Fiで接続していたMavic Miniは300mほど離れただけで映像が乱れる始めることがありました。Mavic Miniの最大伝送距離はカタログ値では2kmとなっていますが、実際の飛行環境ではそのようなことはありません。さて、今回Mini 2は最大伝送距離6kmとなっていますが、どのようなレベルでしょうか?

Ocusync 2.0テスト
スタート時飛行高度を約7m、スマートフォンを機内モードにして実施した

スタート時高度を約7mにしてひたすら前進飛行するテストを実施しました。すると、Mavic Miniでは50m過ぎたあたりから乱れはじめ、500m過ぎたところで映像伝送がブラックアウトしてしまいました。Mini 2は1,200m超えても乱れることはありませんでした。

この映像伝送の安定性は電波ロストによって機体を迷子にするリスクを減らすだけでなく、動画撮影時に映像伝送が乱れて撮影ワークが乱されることを防ぎます。撮影こだわり派にはほんとうに嬉しいバージョンアップです。

ちなみに、送信機にアンテナらしきものは見当たりませんが、スマートフォンを固定するホルダーの上部に入っています。2.4GHzの電波は直進性が高い特徴がありますので送信機上部を機体に向けるようにして操縦するとさらに映像伝送が安定します。

Youtube DJI Tutorialより
※映像伝送的に遠くに飛行可能になったが、安全確認が不十分で遠方にフライトさせるのは危険なのでご注意ください

便利な4倍デジタルズーム&おなじみのクイックショットが実装

Mini 2は撮影が楽しくなる機能もたくさん搭載されました。デジタルズームは4K撮影時に2倍、FHD撮影時に4倍まで可能になっています。デジタルズーム(ソフトウェア処理による画像拡大)なので少し画像劣化しますが、被写体に近づけないときにはとても便利な機能です(Mavic 2 Zoomは2倍が光学ズーム、さらに2倍のデジタルズームで最大4倍ズームが可能)。

デジタルズーム

また、上位機種ではおなじみのクイックショットも搭載されました。クイックショットは映像解析技術を使って被写体を設定、4つの動きのフォーマットからプロが撮影したような撮影ワークが自動的に再現される機能です。アップの被写体からだんだん遠ざかる「ドローニー」と被写体の周辺を円を描くように回転しながら撮影する「サークル」を試してみましたが上位機種と変わらないクオリティで驚きました。

機体に障害物検知センサーが搭載されていないため、周囲の安全を確認の上でお楽しみください。特に渦巻状に広がりながら回転上昇する「ヘリックス」は広いエリアが必要です。

クイックショット
SNSへの公開を前提とした機能なので録画解像度はFHDになる

こだわり派にうれしい写真のRAW現像に対応

Mini 2 の進化は写真にも広がります。なんと上位機種でできたRAWデータ(ロウ)に対応(初代Mavic MiniはJPEG写真のみ)。RAWデータとは、画像を記録する際に光の三原色そのままの情報を記録し、その記録をもとに自分好みの色調整ができるものです。

対して通常のJPEGデータは点(ピクセル)として保存されていますので、JPEGを補正すると補正したくないところ(残したい色や明るさ)などもいっしょに補正されてしまったり、ノイズが乗ってしまったりしてしまいます。

例えば、下記はJPEGで記録された写真データ。

これでもよいのですが、影の部分が潰れていたり、鮮やかさに欠けている感があるのでそのあたりをRAWデータから調整していくと…。

こんな劇的な夕陽に仕上げることができます。Adobe LightroomやPhotoshopなどのRAW現像に対応したソフトで調整することができます。人とはちょっと違った高画質な写真にぜひチャレンジしてみてください。

まさにFlyingCamの完成系Mini 2

旧Mavic Miniにあった弱点・不満がみごとに解決されたDJI Mini 2。レビューフライトをしていて気づいたのですが、機能面もさることながら組み立てが最低限になったMavic Air2と同型の送信機になることでバッグから取り出してフライトするまでがとても簡単になりました。手軽に持ち運び、撮りたい時にサッと取り出してすぐにフライトできる超小型ドローンMini 2は“身近で手軽な撮影ツール”として大きな進化を果たしたようです。199gの衝撃が再来したと言えます。

WRITER PROFILE

田口厚
株式会社Dron é motion(ドローンエモーション)代表。観光PR空撮動画制作、ドローンの活用をテーマにした講習等の企画・ドローン操縦士スクール講師、ドローン導入支援等も行う。JUIDA認定講師。DJIインストラクター。

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