DRONE
  • DRONE
  • MOBILITY
  • SPACE
  • ROBOTICS
  • 特集
  • コラム
  • ニュース
  • ABOUT US
Reading: Vol.74 実証が進むAEDドローンの有効性[小林啓倫のドローン最前線]
Share
DRONE
  • DRONE
  • MOBILITY
  • SPACE
  • ROBOTICS
  • 特集
  • コラム
  • ニュース
  • ABOUT US
検索
  • DRONE
  • MOBILITY
  • SPACE
  • ROBOTICS
  • 特集
  • コラム
  • ニュース
  • ABOUT US
Follow US
© 2013-2022 DRONE. All Rights Reserved.
コラム小林啓倫

Vol.74 実証が進むAEDドローンの有効性[小林啓倫のドローン最前線]

AEDの普及が進んでいるものの、必要な場所にすぐには行き渡らないという問題を解決するために、ドローンを使ったAEDの配達が提案されている

2024年2月14日
KK
SHARE
Contents
AEDドローンの可能性6割以上のケースで救急車よりも早く現場到着が可能

AEDドローンの可能性

「心室細動(VF:Ventricular Fibrillation)」という不整脈の一種がある。これは心臓の心室が小刻みに震え、血液を身体に送り出すことができなくなるもので、数分以内に死に至る可能性がある危険な症状だ。日本では「毎日」、およそ200人の人が心室細動によって亡くなっているという報告もある。

- Advertisement -

これを救うための機器が、日本でもお馴染みとなった自動体外式除細動器、すなわち「AED(Automated External Defibrillator)」である。これは心臓に電気ショックを与えることで、除細動つまり細動を取り除くという装置で、日本では2004年から一般の人々も使えるよう規制が緩和された。現在では、救命に必要な操作を音声等で説明してくれる製品が普及しており、初めて使うという人でも十分に操作できるものとなっている。

とはいえ、心室細動がいつ起きるか予測するのは困難で、それが起きた際に近くにAEDがあるとは限らない。また前述の通り、この症状は数分以内に死に至る可能性があるため、AEDが周囲にあるかどうか探し、取りに行くという時間的・精神的余裕があるとも限らない。実際、日本AED財団のウェブサイトによれば、「倒れる瞬間を目撃された心停止の中でも、約半数は心肺蘇生を受けておらず、更に、AEDによる電気ショックが行われたのはたった4.3%」とのこと。

規制緩和から20年が経過し、装置の普及が進められているにも関わらず、AEDを使っていれば助かっていたはずの命が、多数失われているというのが現状だ。

- Advertisement -

そこで、せめてAEDが必要な際に迅速に提供されるよう、ドローンを使ってAEDを届けてはどうかというアイデアが以前から提唱されてきた。たとえば以下の映像は、早くから実用化に取り組んでいた事例のひとつ、オランダ・デルフト工科大学の大学院生が作成したコンセプト動画だ。

これは機体そのものにAEDが内蔵されているというドローンで、文字通り「空飛ぶAED」と呼べるアイデアだろう。救急連絡を受けると、ドローンが現場まで直行。機体にはカメラと無線通信が内蔵されていて、カメラでとらえた周囲の映像と音声が、リアルタイムで救急オペレーターに届けられる。あとはオペレーターの指示に従い、AEDを操作するという流れだ。

こうしたアイデアは非常に分かりやすく、ドローンによる遠隔地への医療品輸送と並び、ドローンの普及初期から研究が進められてきた。上記の映像も、作成されたのは10年前の2014年だ。そしていま、このAEDドローンの有効性を裏付けるデータが、各地で集まりつつある。

6割以上のケースで救急車よりも早く現場到着が可能

そうした研究結果のひとつが、スウェーデンの首都ストックホルムにある医科大学、カロリンスカ研究所から昨年末に発表されている。

スウェーデンでも毎年およそ6000人が突然の心停止に見舞われており、そのうち助かるのは10分の1程度とのこと。そこでカロリンスカ研究所は2020年から、ドローンオペレーターのEverdrone社などと共に、救急車の出動要請と同時にAEDを搭載したドローンを出動させる可能性をテストしている。

- Advertisement -
240213_kobayashi_74_01
AEDを搬送するドローン(カロリンスカ研究所のウェブサイトより)

同研究所の発表によれば、2021年4月4日から2022年5月31日までの期間(ただし目視外飛行に関するスウェーデンの国内法が改定されるタイミングに当たっていたため、2022年1月1日から3月2日まで運航の一時停止が行われた)、救急車とAEDドローンのどちらが早く現場に到着するかの確認を行われた。すると、この期間に発生した55件のケース(通報から患者の心停止が疑われ、実際にドローンが現場にAEDを届けたケース)において、救急車より先にドローンがAEDを搬送したケースは37件で、全体の67%に相当した。また搬送時間の平均値は、3分14秒だったとのこと。

また救急車より先にドローンが到着した37件のうち、18件で実際に患者が心停止していることが確認され、そのうち6件において、搬送されたAEDが使用されたとのこと。Everdrone社はそのうちの1件、2021年12月9日に発生した救急連絡のケースについて、「医療史上初めて、自律型ドローンが心停止患者の救命に貢献」した事例であるとしてアピールしている。

For the first time in medical history, an autonomous drone helps save the life of a cardiac arrest patienthttps://t.co/6OH17P83J7 pic.twitter.com/d3gpYb6KC3

— Everdrone (@EverdroneUAS) January 4, 2022

この実証結果を受け、カロリンスカ研究所の研究者らは、AEDの配送にドローンを使用するアイデアを「有望」であると評価している。全ての対応をAEDドローンに置き換えるわけにはいかないだろうが、最近の別の研究で示されている、救急車の応答時間の増加を考慮すると、AEDドローンは「救急車の重要な補足となる可能性がある」としている。

もちろんAEDドローンが乗り越えなくてはならない壁は、物理的な搬送だけではなく、法制度の整備や社会意識の変化といった要素も考慮しなければならない。しかし単なるアイデアやコンセプトを超えて、AEDドローンが現実世界で実力を示すケースが登場してきたことは、救急救命の現場におけるドローンの可能性を大きく裏付けるものと言えるだろう。

DJI Matrice 4Tが広大な遊水地上空で活躍。DJI Dock 2も投入、ドローンによる「ヨシ焼き」残火確認 現場レポート
2025年3月21日
大林組とKDDIスマートドローン、ドローンポート「DJI Dock 2」を活用し能登半島で道路工事の作業効率化を推進
2024年11月20日
ドローン操縦スキル上達のために。DPA回転翼3級から国家資格がベスト![後編]
2024年9月30日
ドローン操縦スキル上達のために。DPA回転翼3級から国家資格がベスト![前編]
2024年9月30日
TAGGED: AEDドローン, ドローン, 小林啓倫, 小林啓倫のドローン最前線, 救急サービス
watanabe 2024年2月14日
Share this Article
Facebook Twitter Copy Link Print
Share
Previous Article ソニー、人工衛星「EYE」を用いた「宇宙撮影体験」参加者の募集開始。誰もが宇宙から撮影できる時代へ! 
Next Article 240214_GeoCue_top GeoCue、新しいTrueView LiDARシステム3種を発表
- Advertisement -

最新ニュース

250612_JD_Soradynamics_top
Soradynamics、産業用ドローン「Hayate 2」と「隼」を展示。安全に運用できる高機能性[JapanDrone2025]
特集 2025年6月12日
2540612_JD_riegl_top
RIEGLの新LiDAR「VUX-100-25」、FOV160°で133万点/秒取得能力を搭載。マルチコプターでの高効率測量を実現[JapanDrone2025]
特集 2025年6月12日
250612_JD_roboz_top
ROBOZ「Litebee Stars」が実現する小規模屋内ドローンショー。教育コンテンツとしても注目[JapanDrone2025]
特集 2025年6月12日
「DRONE SHOW JAPAN PRESENTS STARMIRAGE IN OSAKA TEMMABASHI」延べ5万5千人が天満橋エリアに来場
「DRONE SHOW JAPAN PRESENTS STARMIRAGE IN OSAKA TEMMABASHI」、延べ5万5千人が天満橋エリアに来場
ニュース 2025年6月12日
【水中ドローン体験会】カナダ製水中ドローン『DeepTrekker』自動航行機能を東京で体験し検討できる
水中ドローン体験会:カナダ製水中ドローン「DeepTrekker」自動航行機能を東京で体験し検討できる
ニュース 2025年6月11日
- Advertisement -

関連記事

250612_JD_Soradynamics_top
特集

Soradynamics、産業用ドローン「Hayate 2」と「隼」を展示。安全に運用できる高機能性[JapanDrone2025]

2025年6月12日
2540612_JD_riegl_top
特集

RIEGLの新LiDAR「VUX-100-25」、FOV160°で133万点/秒取得能力を搭載。マルチコプターでの高効率測量を実現[JapanDrone2025]

2025年6月12日
「DRONE SHOW JAPAN PRESENTS STARMIRAGE IN OSAKA TEMMABASHI」延べ5万5千人が天満橋エリアに来場
ニュース

「DRONE SHOW JAPAN PRESENTS STARMIRAGE IN OSAKA TEMMABASHI」、延べ5万5千人が天満橋エリアに来場

2025年6月12日
【水中ドローン体験会】カナダ製水中ドローン『DeepTrekker』自動航行機能を東京で体験し検討できる
ニュース

水中ドローン体験会:カナダ製水中ドローン「DeepTrekker」自動航行機能を東京で体験し検討できる

2025年6月11日
Previous Next

DRONEとは

DRONE(https://www.drone.jp/、以下本サイト)は、ドローンやマルチコプターについての本格的な解説やおすすめ、最新情報を発信する日本初のメディアとして、「Explore the Future」をタグラインに2015年スタートしました。

2022年、時代とテクノロジーの急速な進化を押さえ、ドローンを起点に、「空飛ぶクルマ」、「自動運転」、「AI」、「ロボティクス」、「電気自動車(EV)」、「宇宙関連」など、時代を変えていく国内外のテクノロジーについて、幅広くみなさまにお伝えします。

メディアパートナー

ページ一覧

  • Home
  • DRONE
  • MOBILITY
  • SPACE
  • ROBOTICS
  • 特集
  • コラム
  • ニュース
  • ABOUT US
  • プライバシーポリシー

アーカイブ

姉妹サイト

PRONEWS(プロニュース)は、デジタル映像制作専門情報Webメディア

DRONE
Follow US

© 2013-2023 DRONE. All Rights Reserved.

Welcome Back!

Sign in to your account

Lost your password?