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1,766人の観衆が興奮!賞金20万ドルの世界大会予選『JAPAN DRONE NATIONALS』開催

1,766人の観衆が興奮!賞金20万ドルの世界大会予選『JAPAN DRONE NATIONALS』開催

Photo: © 佐々木賢一

日本最速を競うJAPAN DRONE NATIONALS開催!

2016年6月12日、一般社団法人日本ドローンレース協会(以下、JDRA)主催の、FPVドローンレース「JAPAN DRONE NATIONALS」が、宮城県のゼビオアリーナ仙台で開催された。一般観覧席も開放した11日の予選日も含めた来場者数は延べ1,766人(主催者発表)と、レース関係者以外の一般観覧客をも巻き込んだ「魅せる」レースが展開された。FPVとはFirst Person View(一人称視点)の略であり、パイロットは、ドローンから送られるリアルタイム映像をヘッドマウントディスプレイ等で見ながら機体を操縦し、タイムを競うスポーツだ。

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横田選手のFPV映像より切り出し

JAPAN DRONE NATIONALSでは、43名のパイロットが日本最速を競った。同大会は、今年10月にハワイで開催される優勝賞金20万ドルのドローンレース世界大会「WORLD DRONE CHANPIONSHIP」の日本予選も兼ねており、上位5名は世界大会、本戦への出場シード権が与えられ、優勝者はJDRAが日本代表選手として世界大会へ派遣する。会場は、有名アーティストのコンサートやスポーツの試合などが行われるレベルの大規模な室内競技場。薄暗く演出された会場の中でコースとして設定したゲートやドローンの機体はLEDで装飾され、ドバイで行われたドローンレース会場を彷彿とさせる。また、天井から吊り下げられた四面モニターには、会場のようすやドローンからのリアルタイムFPV映像が映しだされ、観戦している一般観覧客も楽しめる工夫が随所に仕掛けられていた。

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コースレイアウト。奥の観覧席のゲートもコースの一部

果たして優勝は?!ハワイで開催「WORLD DRONE CHANPIONSHIP」へ!

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天井から吊り下げられたモニターにはFPV映像も映し出される

レースは2日間に分けて行われ、11日は予選で、楕円形レイアウトのコースのベストラップを競った。12日の決勝では、高低差の大きな観覧席の反対側のスタンドをもコースとしてレイアウトしたテクニカルなコースで、3名1組の勝ち抜きレースを行った。予選トップタイムを奪ったのは、ラジコン飛行機競技でも世界有数のパイロット音田哲夫選手。2位、3位にドローンレースではお馴染みの岡聖章選手、高橋亨選手と続き、4位にはDRONE.JPでも連載中の横田淳選手がつけた。予選トップの音田選手と2位岡選手のベストラップはそれぞれ5.947秒、5.978秒と約3/100秒差というトップレベルのパイロットならではの僅差となった。

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予選トップタイムの音田選手(中央)

12日の準々決勝からは3名1組の勝ち抜きレースとなり、準決勝までは3周のレースで最速のドローンが勝ち抜き、決勝は、5周のレースを3ラウンドのポイント制(1位5ポイント、2位3ポイント、3位1ポイント、リタイア0ポイント)で競った。準々決勝では、予選上位各選手とも順当に勝ち抜けたものの、準決勝でまさかの音田選手がリタイア。コース後半の5連ゲートでドローンが接触、そのまま墜落してしまった。代わりに勝ち抜いたのは予選7位の大和田浩二選手。安定したフライトで準決勝1位フィニッシュを決めた。

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Photo: © 佐々木賢一

また、横田選手はベテランの高橋選手と準決勝で対戦、高橋選手と準決勝同組の馬場大介選手が2コーナーのヘアピンターンで交錯して出遅れるあいだに抜けだしたものの、レース後半に高低差の大きなスタンド付近でクラッシュ、そのままリタイアとなった。

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悔しがる横田選手(手前)と勝ち抜いた高橋選手(奥)

注目の決勝は、岡選手、高橋選手、そして音田選手を破った大和田選手の3名で争われた。3ラウンドのポイント制のため、トップゴールすることもさることながら、トップでゴールできないときにもできるだけ上位フィニッシュすることが最終的な勝敗を決めることとなる。1ラウンド目、スタート直後に高橋選手がスタートゲートに接触するアクシデント。前方の選手を上から追い抜こうという作戦だったが、裏目に出てそのままリタイアの0ポイント。残った岡選手が独走で1位フィニッシュして5ポイント先取、大和田選手2位フィニッシュで3ポイント獲得した。

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岡選手(左)、高橋選手(中央)、大和田選手(右)

岡選手もクラッシュし、高橋選手はまさかの2ラウンド連続0ポイント、岡選手はなんとかコースに復帰し3ポイント獲得となった。大和田選手は安定のフライトで1位フィニッシュの5ポイント獲得で合計8ポイント。第2ラウンド終了時で岡選手と大和田選手が8ポイントで同点の1位、

第2ラウンドは、第1ラウンドで出遅れた高橋選手がスタートからものすごいスピードで飛ばすものの途中でクラッシュ。岡選手もクラッシュし、高橋選手はまさかの2ラウンド連続0ポイント、岡選手はなんとかコースに復帰し3ポイント獲得となった。大和田選手は安定のフライトで1位フィニッシュの5ポイント獲得で合計8ポイント。第2ラウンド終了時で岡選手と大和田選手が8ポイントで同点の1位、高橋選手は合計でも0ポイントとなりこの時点で勝負権を失ってしまった。最終第3ラウンド、岡選手と高橋選手が本日いちばんと言っていいほどのハイスピードな接近戦を続け、会場がどよめきたつほどの興奮に包まれたが、第2ターンでまさかの接触墜落。会場のどよめきが悲鳴に変わる中、安定のフライトを最後まで崩さなかった大和田選手が3ラウンド中2勝で見事に優勝。ハワイで行われる世界戦の切符を手に入れた。

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クラッシュにくやしがる岡選手

優勝した大和田選手は、優勝の喜びを次のように語った。

大和田選手:想像もしていなかった優勝でした。率直な気持ちは信じられない。勝てないと思ってマイペースでやったのがよかったと思う。

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優勝した大和田選手。世界大会の切符を手にした

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大和田選手の機体と送信機、ゴーグル

今回のJAPAN DRONE NATIONALSは、見る側の楽しさも追求した作りになっており、観客席の雰囲気はほかのスポーツ観戦と何ら変わりない雰囲気であった。準決勝あたりになるとどのパイロットもレベルが高く、抜きつ抜かれつの接戦が展開され、観戦席からもどよめきや歓声が上がり、ドローンレースがモータースポーツ競技として認知されていく可能性が見えた瞬間でもあった。日本におけるドローンレースの新しい境地を開拓したと言っても良いのではないだろうか。

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Photo: © 佐々木賢一

大会後の記者会見でJDRA代表理事の小寺悠氏は次のようにコメントしている。

小寺代表理事:ドローンレースを新しいモータースポーツの産業として今後サッカーや野球のような競技人口を増やしていきたいですね。JDRAでは、ドローンパイロットやエンジニアの技術向上を図りドローン産業の促進にも寄与するため、日本のトップパイロットを集めて年間を通してリーグ戦を行うDリーグを来年4月頃をに発足されますのでご期待ください。

今後のドローンレース業界が非常に楽しみな試みが続きそうである。

レース結果

順位 名前 準決勝 決勝Rd.1 決勝Rd.2 決勝Rd.3
優勝 大和田 浩二
Kouji Oowada
4LAP
(1:42:852)/2nd
5LAP
(1:53:441)/1st
5LAP
(2:04:271)/1st
2位 岡 聖章
Takafumi Oka
5LAP
(1:30:863)/1st
2LAP
(0:35:957)/2nd
DNF
3位 高橋 亨
Tooru Takahashi
DNF DNF DNF
4位 野内 健
Ken Nouchi
3LAP
(1:13:043)
5位 高宮 悠太郎
Yutaro Takamiya
1LAP
(0:21.889)
6位 横田 淳
Atushi Yokota
1LAP
(0:35.912)
7位 金子 浩明
Hiroaki Kaneko
1LAP
(0:37.384)
8位 音田 哲男
Tetuo Onda
0LAP
(5連ゲート)
9位 馬場 大介
Daisuke Baba
0LAP
(スラローム)
JDRA
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