京商「DRONE RACER」登場にドローンレースの未来を感じた!

2016-09-27 掲載

先日、ティザーがリリースされた京商「DRONE RACER」の全貌がついに明らかになったのでお伝えする。東京ビッグサイトで開催された「2016第56回全日本模型ホビーショー」。鈴木社長自らプレゼンテーションしたDRONE RACERは、今までにない新しいカタチのレース用ドローン機。

160926_01 左:鈴木社長/中央:開発マネージャー石川博義氏/ 右:PR矢嶋孝之氏

製品はプロポやバッテリー等、走行に必要なものが全てセットになった「レディセット」で白い流線型のボディが特徴的な「G-ZERO(ジーゼロ)」と黒の直線的なボディを持つ「ZEPHYR(ゼファー)」がラインナップ。税抜26,000円で11月25日に発売開始。

プレゼンテーションでは「DRONE RACER」6台による模擬レースも開催され、近未来的なRCレースに会場からはどよめきがあがっていたほど。

コンセプトは「未来の空飛ぶクルマ」

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レース用ドローンというと、カーボンフレームむき出しの機械的なカッコよさをもったドローンを想像する方も多いだろう。ただ見ての通り、「DRONE RACER」にはボディカウルやリアウィングがあり、クルマに近いフォルムをしている。

160926_03 鈴木社長自らプレゼンテーション

未来のクルマはタイヤがなくなっているんじゃないか?

そんな発想から開発されたそうだ。そして何より、老舗RCメーカー京商のノウハウがぎっしり詰まった機体に仕上がっている。

手軽、安全、そしてレースの楽しさを詰め込んだ機体

160926_04 低空飛行

見た目からすでに今までにレース用ドローンと一線を画すDRONE RACER。中身も今までのドローンにはない特長がたくさん詰まっている。中でも特長的なのは、35cmまたは60cmの低空を滑走し、しかもそれを2chホイラープロポで操作するという点だ。機体には気圧センサーのほか、前方下部にはステレオの超音波センサーを搭載。これらのセンサーを使って飛行高度を一定に保つ。また130gと機体重量が軽いほか、プロペラはオートストップ機能があるので、指などが巻き込まれた場合や機体が一定以上傾いた場合(ひっくり返るなど)は自動停止する。

さっそくDRONE RACERをフライト体験

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何はともあれ、さっそくフライト体験。プロペラのスタートはホイラープロポのトリガーを引きながらハンドルを左に切る。そこからグリップの付け根にある飛行高度設定用のスイッチを一段階上に押し上げると35cmの高度でホバリングを開始!高度が一定だというのでクルマに近い感覚と思いきや、ドローン特有の浮遊感もある。

160926_05 ストレート疾走

アクセルを入れるとスーッと一定高度を保ったまま走行(飛行)する。ドローンとして考えると非常に安定したフライト。ただ、GPSやポジショニングカメラがあるわけではないので動きは流れる。クルマとして考えると氷のスケートリンクの上を走っている感じ。すごく不思議な感覚である。

160926_07 コーナーリング

コーナーリングは一度ブレーキで減速してからハンドルを切る。このあたりはクルマの操作と同様。ブレーキをかけないとスケートリンク状態なので曲がりきれずに行き過ぎてしまう。また、ブレーキをかける時間が長すぎるとバックしてしまうことも。ちょっとコツをつかむ必要がありそうだ。

しだいに慣れたため、調子に乗って特設サーキットのメインストレートでフルスロットルしてたが、案の定、1コーナーを曲がりきれずにクラッシュ!!(苦笑)。機体は、全くの無キズ。機体重量が軽いほか、クッション性が高いプロペラガードや軟質素材のボディカウルが衝撃を吸収している感じだ。周囲の安全にはもちろん配慮するが、これなら万が一クラッシュしても機体もぶつかってしまった対象も守ることができそうだ。

やはりキモは2chホイラープロポと飛行アルゴリズム

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4chスティックプロポに慣れている方は馴染みがないかもしれないが、2chホイラープロポはトリガーを引くとアクセル、押し上げるとブレーキ・バックとなり、ハンドル部分で左右の動き(ラダー)の制御を行う。普段、4chのドローンを操作している方なら気づくとはずだが、横の水平移動(エルロン)の動きがない。一瞬戸惑うかもしれないが、普段ドローンをやっている側の視点から見るとある種“邪道”的なこの仕組が、ドローン初心者でも気軽にレースを楽しめる環境を作り上げているように感じられた。

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そのような仕組みの中で機体をどう制御するのか、「DRONE RACER」にはクルマの動きに似せたアルゴリズムがプログラムに組み込まれているそうだ。開発者の石川博義開発マネージャーはもともとR/Cカー開発畑の人物。そのためコーナーリング時のクルマの挙動や姿勢変化などを熟知している。

そして、その理論が「DRONE RACER」の挙動にも反映されている訳だ。通常のドローンのコーナーリング時に必要なラダーとエルロンの操作が、ホイラープロポのハンドルの操作のみで完結し、一定のアルゴリズムに沿って機体が制御される仕組みとなっている。

しかもその挙動は、「DRONE RACER」をPC(Windows)またはAndroid端末に接続して専用アプリ「DRONE RACER SETTINGS MANAGER」を介して変更ができるという。コーナーリング時にきっちりライン通り飛ばすのか、クルマがドリフトするように後ろを横滑りさせながらコーナーリングさせるのか、など自分の好みに合わせてセッティングすることが可能となる。このあたりのノウハウは、長年本格R/Cカーをリリースし続けてきた京商にしかできないところかもしれない。

レースを楽しむ仕掛けも盛りだくさん

160926_10 ゲートのLEDは通過した機体のゼッケンLEDカラーに変化する

「DRONE RACER」の名称に違わず、レースを楽しむための仕掛けも盛り込まれている。機体の前方アームのLEDは6色の中から選択可能でゼッケンカラーとして機体を判別するのに役立つだろう。機体にはラップカウンターと連動する赤外線LEDも搭載している。特設サーキットではスタート/ゴールゲートを通過すると機体のLEDカラーを同じカラーにゲートのLEDが光る仕掛けもあった。

160926_17_zephyr_07 機体上部中央の白いLEDがラップカウント用赤外線LED 160926_12jpg

また、今回は触れる事が出来なかったが、プロペラアームの角度を3段階に変更(0°/10°/20°)可能でスピード域を最高速度30km/h〜34.5km/hまで変更することも出来るとのこと。飛行場所の広さや操縦技術によって変更すればよりレースを楽しむことができそうだ。

今後の発展が楽しみなオプションパーツ

160926_13 オプションパーツ第一弾ラインナップ

楽しみの一つは豊富なオプションパーツによるチューニングアップだ。「DRONE RACER」もオプションパーツ展開を予定しており、強力なモーターや軽量のチタン製ビス、オリジナル塗装が楽しめるクリアボディなどがこれから販売されるという。

160926_14_fpv

その中には待望のFPVユニットも!プロポに小型モニターを設置し、機体前方下部に取り付けた小型カメラからリアルタイム映像を見ながらレースをすることが可能になるという。微弱なアナログ電波を使用するので特別な免許の必要もなく、手軽に遅延の少ないFPV映像を楽しめそうだ。現在はまだ開発中とのことで、実際の発売が楽しみである。

160926_fpv FPVユニットのセット。モニターをプロポに設置可能

共通のレギュレーションがあり“手軽にレースを楽しむ”環境がようやくドローンの世界に用意されたといえるだろう。ドローンレースは、参入のハードルの高さから少し競技人口が落ち着いた感があるが、「DRONE RACER」のような手軽にドローンレースを楽しめるキットが出ることで裾野が広がるのは必至であろう。

160926_15_fpv FPVカメラは機体先端下部に設置

日本の老舗R/Cメーカーが提案したこの新しいレース用ドローンをユーザーがどのように育てていくのか、先行きが楽しみである。国産ドローンがやっと登場した感じがある。ドローンレースもまたさらなる盛り上がりを見せるだろう。引続きレポートして行きたい。

▶︎京商株式会社
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