ドローン・ジャパン、農業リモートセンシング・分析サービスのアップデート版「DJアグリサービス2018」を発表

2017-10-11 掲載

DJアグリサービス

2017年10月5日、「ドローン米」の発売などドローンを活用した農業リモートセンシングを手がけるドローン・ジャパン株式会社は「ドローン米」プロジェクトの成果発表と新たなるサービス「DJアグリサービス2018」を発表した。

DJアグリサービスは、米をはじめとする農作物の栽培を「見える化」するためのドローンを活用したリモートセンシングサービス。今年の8月にはDJアグリサービスで収穫した米「ドローン米」も発売している。

ドローン・ジャパンはこの1年間で延べ4,000haの露地圃場をドローンでリモートセンシング・解析し、その成果を上げてきた。主な成果として、

  1. 収穫適期判断
  2. 育成状態とむら箇所の把握
  3. 発芽箇所の把握 について現場農家から高い評価を得た

と、代表取締役社長勝俣氏は述べ、成果の反面、

  1. 収穫・品質向上に向けたアドバイス
  2. ドローン&センサーとシステムのより統合された簡素な設定・操作
  3. 圃場状態・分析の“即”結果報告
  4. 露地穀物以外の作物分析

について、改善や提案要望が上がっているという。

ドローン・ジャパン代表取締役社長 勝俣氏

これらを踏まえ、新たに発表されたのがDJアグリサービス2018だ。センシング専用のオリジナルドローンのリリースや画像解析・クラウドを活用したサービスとなっている。

センシング専用オリジナルドローン「DJアグリドローン」

登壇するドローン・ジャパン代表取締役会長春原氏

センシングに特化したドローン「DJアグリドローン」はエンルートラボと共同開発。展示された機体はPhantom3サイズのプロペラ&モーターを備えたクワッドコプターで、機体下部にはマルチスペクトルカメラを搭載している。ローエンドモデルは持続飛行時間20分程度で3D Robotics Soloと同程度の価格、ハイエンドモデルは40分の持続飛行時間を備え価格は未定とのこと。3D Robotics Soloはリモートセンシングに適した機体ではあるとは思うが、タブレットやPCなど複数の端末を携帯する必要があること、電波の接続がWi-Fiであること、何よりもメーカーでの生産が終了しており今後の運用には不安が残る。

下面にマルチスペクトルカメラを搭載したDJアグリドローン

今回開発中のDJアグリドローンでは、生産者の方でも簡単に運用ができるシンプルな操作を目指す(代表取締役会長春原氏)という。もちろんオープンソースのドローンソフトウェア「ArduPilot(アルデュパイロット)」に対応し、飛行ルートやアルゴリズムをカスタマイズできる。

簡単に農作値画像を生成する「Quick見回りサービス」

AIやディープラーニングを専門にする株式会社ダブルシャーププラスと協同開発した簡易農地画像作成サービス。ドローンで撮影した空撮映像をローカル環境のPCソフト上にドラックアンドドロップするだけで全体カバーした一枚の農地画像を自動生成することができる。これまでと同様のサービスは画像生成までに時間がかかったり、ネットへの接続が必要だったりすることが多かったが、Quick見回りサービスはクラウド環境を使わずにその場で生成できることが大きな強みだ。

株式会社ダブルシャーププラス代表取締役社長 松田徹氏

また、映像(画像)解析技術によって生成するのでGPS等の位置情報も必要としないため、簡単に画像生成ができる。11月からβプログラムを実施、2018年1月リリースを目指す。

セキュアかつ簡単にクラウドにデータをアップロードできる「Quickアップロードサービス」

クラウドコンピューティングのエクストリームデザイン株式会社の技術を活用したドローンで取得した画像を、Webブラウザを使ってセキュアかつ簡単にクラウドにアップロードできるサービス。通常は高速回線を使わないとデータアップロードに時間がかかってしまうものだが、回線環境を意識せず高い転送効率でデータのアップロードが可能だ。

時系列や他圃場間で育成状況を比較できる「Quick比較サービス」

エクストリームデザイン株式会社代表取締役 柴田直樹氏

同じくエクストリームデザイン株式会社の技術を活用し、アップロードしたデータに分析をかけてWebブラウザ上で生育状況を比較できるサービス。「同農地の以前との変化がわかりにくい」「同農場や同地区での農地比較がわかりにくい」というニーズに対し、農地感のむらや育成状況の変化を時系列や他圃場間で比較することができる。

DJアグリサービス2018は2018年4月から、年間サービス登録料150,000円、リモートセンシング分析レポート料5,000円/ha(ハードウェア、センシング代行含まず)にて提供予定。当初のターゲットは「生産法人」「食品流通・加工事業者」「自治体・農協」などを対象に100件までの限定提供とし、17年に4,000haだったセンシング面積を40,000haまでの拡大を目指す。

また、当日は今後実証実験を行う予定の東京大学大学院・生態調和科学 郭威特任教授(果樹リモートセンシング)や、東京大学大学院・生物工学 海津裕准教授などの研究者、実際にドローン米の栽培を行う市川農場(北海道旭川市)の市川範之氏、辻農園(三重県津市)の辻武史氏など生産者も登壇し、ドローン・ジャパンの強みでもある各分野の専門家とのネットワークの豊富さも見ることができる発表会だった。同分野への大手の参入も囁かれる中、ドローン・ジャパンの強みを活かした今後の事業展開に注目してほしい。

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