AirBus、アウディとイタルデザインがジュネーブ国際モーターショーでモジュラー式パッセンジャードローンを披露

2018-04-06 掲載

ジュネーブでの2017年ワールド・プレミアからちょうど1年、2018年ジュネーブ国際モーターショーでItaldesign Giugiaroはエアバスとアウディのコラボレーション作、Pop.Up Nextを披露した。Pop.Up Nextは複合モジュールシステムでできており、地面と空中両方を利用した輸送を可能にしている。

Pop.Up Nextはイタルデザイン50周年記念の方針を反映しており、次の50年における挑戦を期待している。同製品は未来のテクノロジーによる可能性の将来像や、輸送業務の新しい形、そして都市開発や近年ますます安全対策という点で重要度が増している大都市での交通問題に対する新しい解決策を示している。Pop.Up NextはPop.Upが過去に世界中の輸送業界や地方自治体、組織の中で収めてきた成功の証である。

2017年のオリジナルプロジェクトでは、Pop.Up Nextのシステムは通勤時間を取り戻し時短可能にする目標を掲げている。つまり、ユーザーに焦点を当てた輸送システムの新しいコンセプトを通して、通勤者を運転の必要性から解放し、フレキシブルで共有可能かつ、融通の利く新しい手法で街を移動させるのだ。Pop.Upは2シート型の自動車と垂直離着陸機の自由さとスピードを組み合わせ、自動車産業と宇宙航空産業の懸け橋となっている。製品の核となってるのはインターモーダル性とモジュール化である。

昨年、Pop.Up は輸送産業で新たな一区切りをつけた。これはかなり重大な出来事だと思う。これまで一度も一緒になったことがないロードモビリティ業界と航空輸送業界という二つの世界を結びつけたのだ。最高級ブランドのアウディと密なコラボレーションができるのはこのプロジェクトが新しいテクノロジーを駆使し持続可能でデジタライゼイションと都市化に基づいた将来のモビリティにおける主唱となることを示している。

最新テクノロジー、持続可能性、デジタライゼイションと都市化の全てにおいて、アウディは一流の企業であり、これらの部門はアウディを支える支柱でもあり、Pop.Up Nextには充分にそれらが組み込まれている。我々はこのアウディ考案のアイディアをイタルデザインの設計で披露することを提案され、とても誇らしく思っている。

と、イタルデザインCEOのヨルグ・アシュタロッシュ氏は語る。

2017年には、イタルデザインがPop.Up プロジェクトを発展させるべく、あらゆる方面で研究に取り組み続けた。協力関係にあることから、イタルデザインは未来のモビリティを世界的に発展させていく中でさらに重要な役割を果たせるように投資を行い、画期的な新しいアイディアを中心となって開発し様々な分野や投資家の仲介者としての役割を強化している。

未来のモビリティは多方面にわたる挑戦となることだろう。自動車、飛行機、電車といった乗り物を製造する業者だけでなく、今日に至るまで法制上・規制上の役割を主に果たしてきたものを巻き込み、それらを開発のプロセスにおいてますます不可欠な存在として組み込んでいくことになるだろう。地方自治体や各組織団体、都市計画者、社会学者、発展途上国は大都市における未来のモビリティを規定していく上で益々積極的に関わっていくことになる。

その年の間に、エアバスのチームはエア・モジュールとローター・ダクトの流線型デザインに磨きをかけ、巡航の際の性能向上と燃料消費を軽減しようとしている。エアバスはさらに、ロック・ラッチ機能連結システムというコンセプトを導入した。また、同社はPop.Up Nextの内装にも取り組み、アウディのデザインとエアバスの商用エアスペースキャビンのデザインを調和させようとしている。

エアバス社との協力関係の継続に見えるように、航空機産業の主要企業はさまざまな輸送関連部門の完全な統合という共通の目標を追及したいと感じているのだ。Pop.Up Nextはアウディのモットー“Vorsprung durch Technik(フォアシュプルング ドゥルヒ テヒニク)”、つまり、「テクノロジーの進歩」を象徴するだけではないのだ。

技術的な面で言うと、エアバスとイタルデザインのエンジニアはあらゆる面でシステムの効率を最大化しようとしており、機体の重量削減や航空力学、様々なモジュールの連結や機内での電子システムの最適化に関するシステムなどに取り組んでいる。

イタルデザインのエンジニアは電動モジュラー・プラットフォームを開発した。現在の遠隔操作とブレーキングはケーブルによるものだが、次の試作模型の段階では、ADAS(先進運転支援システム)を取り入れて完全な自動運転を可能にするようにデザインされている。イタルデザインの電子工学部門は電動運転プラットフォームの仕組みを研究し、システムの性能を証明するための必須試験を行った。次段階はイタルデザインがアウディのエンジニアと協力開発し、その最先端の技術に期待できる自動運転システムを完成させることである。

カプセル型の機体に乗り込むと、顔認識と視線追跡技術に基づいたHMIシステムにより機内の機能を作動・操作できる。また、機体との直観的かつ自然なヒューマンマシンインタラクションを可能にするため、フィードバックシステムにより制御起動が行われる。この洗練されたHMIシステムはジュネーブ国際モーターショーのPop.Up Next の展示で披露される。飛行と車道での運転両面で効率を最大化するために、かなりの車体減量が行われた。

航空機産業と自動車産業を組み合わせるような手法を用いて、シートもデザインし直された。かなり軽量のアルミニウム構造がウルトラライト・メッシュ構造と組み合わされ、体をしっかりと包み込みながらも乗り心地はよい。総重量は2017年のPop.Up.よりもかなり軽くなっている。

エアバスとイタルデザインは共同してカプセルとグラウンド・モジュール、エア・モジュールの3つを連結させるシステムを開発している。調整と連結の要件のために、このシステムバリデーションは特に複雑になっている。目標としては、操作や安全性における動力が完全に異なるなかで、システムが旅客用カプセルをグラウンド・モジュール、エア・モジュールに結合するものと同じものになっていることだ。

かなりの軽量さかつ超頑丈なチタン構造をベースとして、3つの連結ポイントと主要な安全モジュールを用いて、エア・モジュールとカプセルとの連結に繋がる専門的な動力学を考慮しなくてはならない。持ち上げたときの抵抗力や拡張可能なピンを使用して中心部を安全に固定すること、全方向でのエア・モジュールによるカプセルとの自動調節(z軸とは垂直で、x軸とy軸の中心に正確に配置され、2つのモジュールの間での正確な接近角度を確保する)などが挙げられる。

自動車と飛行両方のモードで、連結システムは通常・異常・緊急時における最大効率と安全性を確保するように最適化が図られる。イタルデザインとエアバスはそれぞれの認証機関と共同して将来の規制に関する基本方針を認定し始めた。

変わりゆく新しいモビリティー

イタルデザイン50周年の主唱であり、新しいコンセプトの名前にも一部組み込まれているこのモットーのもと、チームはPop.Up Nextプロジェクトの中長期的発展に取り組んでいる。巨大都市に住む人々を含めてた幅広い取り扱いを通し、このアプローチを維持しながらも、アウディは未来のモビリティに、それはPop.Up Nextにが実現するだろう。

エアバスはアーバン・エア・モビリティの開発にかなり貢献しており、この開発は成功すると信じている。イタルデザインは将来、このプロジェクトをさらに推し進めていき、そして、モビィティにおけるアイディアと革新的なサービスを提供する中心的な存在かつインキュベーターとしての新しい役割をますます確立していくだろう。

▶︎Pop.Up Next

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