Soleon、3Dプリンタ製ドローンで害虫から農作物を救う

2018-08-10 掲載

アワノメイガはトウモロコシの茎を枯らす害虫で、毎年何千もの作物が犠牲となっている。化学薬品を大量に撒くのも手だが、Soleonという企業はより自然なアプローチを試みようとしている。タマゴコバチの卵を散布する「Soleon Dis Co」だ。タマゴコバチはアワノメイガを捕食するため、環境にやさしい新たな害虫対策になり得る。Soleon Dis Coは卵を三方向に同時に発射できる特殊なアームを備えており、卵を均等かつ迅速に畑に散布できる。

Soleonは本ドローンのユニークなデザインを実現するために3Dプリントに目を向け、Materialiseに協力を仰いだ。MaterialiseはSoleonと何年も前から提携を結んでおり、航空写真撮影やサーマルマッピング、民間防衛といった用途を想定した幅広いドローン開発を行ってきた。ドローンのデザインは使い道によって大きく異なる。

例えば撮影用ドローンにはカメラを搭載する部位、Soleon Dis Coのような害虫対策用ドローンには卵を効率よく均等に散布できる、複数方向に動くアームが必要となる。3Dプリント技術のおかげでSoleonはこれらのドローンのプロトタイプをよりスピーディーに開発することができるようになり、完成品が出来上がるまでの試行錯誤の期間を短縮することにもつながる。

また3Dプリント技術は他のテクノロジーでは実現できないような、ドローンの大幅な軽量化も可能にした。Soleon創設者のMichael Überbacher氏は以下のように語る。

3Dプリンタ製のエンドユースパーツを求めてMaterialiseに話を持ちかけたのですが、我々の要望の中でも特に外せなかったのが軽量化でした(ドローンのバッテリーパワーを最大限高めるため)。効率的な散布システムに主眼を置いてドローンを設計したので、本体のデザインはかなり複雑なものになりました。

Materialiseとはもうすでに何年も前から仕事をしていて、様々なプロジェクトにおいてスムーズなプロトタイプ開発を実現しようと連携を進めてきたのですが、今回Soleon Dis Coにふさわしいデザインにたどり着けたと思います。

デザインの複雑さもあり、Soleon Dis Coの3D印刷にはSelective Laser Sintering(選択的レーザー焼結)が用いられた。本体の大部分はPA12という軽くて丈夫な素材で印刷され、目標とされていた軽量化の他に、ドローンが作業する上で欠かせない十分な強度や頑丈さも実現した。ドローンのモータ付近のパーツには、PA-GF(ガラス繊維強化ポリアミド)が使用された。この素材は高強度を誇り、振動耐性も高い。

3Dプリントの大きな利点は複雑なシステムをとても早く作れることです。それに一度に作る量が少なくても良いので、それも強みの一つですね。通常、パーツは一週間以内に印刷され、送られてきます。弊社は中小企業ですので、こうしたMaterialiseの仕事の早さもあって変更やお客様からの要望に素早く対応することができます。

Materialiseとはいつもいい仕事をしてきました。それも彼らのテクノロジーの豊富さや機材の多さ、インハウスのデザイン、そして工学分野のサポートがあったからこそです。これらのおかげで、Soleon Dis Coは市場で最もコスト効率がよく、最高のパフォーマンスができるソリューションになったと思います。

Soleonはイタリア企業で、2009年に創設された。現在増加傾向にある、ドローンの製造に3Dプリントを活用する企業の一つである。ドローンは複雑なデザインのものが多く、軽量化が要であるため、3Dプリントテクノロジーがその製造に最も適している。Soleon Dis Coのユニークな3Dプリンタ製デザインのおかげで、Soleonは数千というトウモロコシを競合他社のどこよりも早く救うことになるだろう。

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