ソフトバンク子会社HAPSMobileが、Loonに1億2,500万米ドルを出資

2019-05-10 掲載

ソフトバンクの子会社HAPSMobileが、Alphabetの子会社「Loon」に高高度通信ネットワークの展開に向け1億2,500万米ドルを出資し、戦略的関係の構築について、この4月末に合意した。

■Project Loon

HAPSMobileとLoonは、世界中のより多くの人々や場所、モノにインターネット通信を届けることを目指し、気球や無人航空機システムなど高高度飛行体の活用を促進する、長期的な戦略的関係を構築することについて合意した。

  • HAPSモバイルによる、Loonの完成機体と技術を活用したホールセール事業。同様に、Loonによる、HAPSモバイルの航空機完成時における同機の活用も予定
  • 各種航空機やITU準拠の周波数帯に適用可能なペイロードの共同開発
  • LoonおよびHAPSモバイルそれぞれのプラットフォーム上への通信提供を可能とする、グローバル展開可能なゲートウェイまたは地上局の統合
  • HAPSモバイルによる、Loonの機体管理システムとSDNの採用および最適化
  • 各国の規制当局および官公庁に対する、高高度通信ネットワーク活用の働き掛けを目的としたアライアンスの形成
  • 両社の機体連携による通信ネットワークインフラの共用化
  • これらの技術を検討して事業展開することで、山岳地帯や離島、開発途上国など、インターネットがつながらない地域で、通信ネットワークの利用が可能になる。

    HAPSモバイルは、ソフトバンクの子会社であり、米AeroVironment, Inc.との合弁会社として2017年に設立。HAPSモバイルは成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「HAWK30(ホーク30)」を開発している。Loonは、完成済みの高高度飛行体と通信システムを通し、すでに3,000万キロメートル以上の飛行実績や世界で数十万ユーザーもの接続実績を有する技術的先駆者であり、高高度プラットフォームの開発や打ち上げ、運用、管理において10年近い実績を有している。

    高高度通信ネットワークのプラットフォームは、地上インフラより上空で、かつ衛星の下に位置する成層圏で運用される。地上における混雑や重大な遅延を避け、あらゆる地域において広範囲のカバレッジを実現するという。

    こうした機体は、これらの利点によってIoTや5Gのみならず、通信を必要とする人々にモバイルネットワークを提供する有望なソリューションとなりうる。

    ソフトバンク株式会社の代表取締役 副社長執行役員 兼 CTOで、HAPSモバイル株式会社の代表取締役社長 宮川 潤一CEOは、次のように述べている。

    これまで人類が活用できていなかった成層圏という未知の領域で通信ネットワークを構築することは、ソフトバンクにとって大きな挑戦です。これからAlphabet傘下のLoonと共に、両社の技術や知見、経験を持ち寄ることで、成層圏を活用したグローバルネットワークの実現へ向けた歩みを早めることができると信じています。

    5Gの時代を迎えた現在においても、世界の約半数の人々がインターネットを利用できない環境にいる事実に目を背けることなく、HAPSを通して世界の情報格差をなくし、世界中の人々に必要とされる革新的なネットワークサービスの提供を目指します。

    Loon LLCのCEOであるAlastair Westgarth(アラステア・ウェストガース)は、以下のようにコメントした。

    私たちは今回の機会を、それぞれの力を合わせて業界全体を発展させるものと捉えています。世界にコネクティビティーをもたらすという、誰も可能とは思っていないことを約束するものです。これは、必要とする人々にコネクティビティーを拡大するという共通のビジョンに基づく、長期的な関係の始まりです。未来に待ち受けることを楽しみにしています。

    またXのムーンショットの責任者であるAstro Teller(アストロ・テラー)は、次のようにコメントしている。

    開始当初から、Loonのミッションは、インターネットを利用していないユーザーに、インターネット接続を提供することでした。Xで、チームは驚くべき技術的進歩を遂げました。私たちは、LoonがソフトバンクのHAPSモバイルと共に、世界中のより多くの人々にコネクティビティーを届けることを非常に嬉しく思っています。

    ▶︎HAPSMobile
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