ドローンで生み出す地域創生!兵庫県香美町小代「ドローン×SNSの活用で地域の魅力を発信!」セミナー開催

2019-05-28 掲載

「自治体総合フェア2019」で「ドローン×SNS」の事例発表

5月24日東京ビックサイトで行われた「自治体総合フェア2019」の出展者プレゼンテーションセミナー(株式会社オーイーシー)で香美町地域おこし協力隊の河田愛氏と株式会社ドローンエモーションの田口厚氏が登壇した。テーマは「ドローン×SNSの活用で地域の魅力を発信!」である。セミナーに加え河田氏へのインタビューも交えながらリポートする。

ドローン「空撮」で地域の魅力を発信する香美町小代の取り組み

自治体におけるドローンの注目度は高い。これからの人口減少や高齢化が深刻な問題となる地域において地域をどのように活性化していくかは自治体にとって共通の課題である。物流や災害対策等でドローンの積極的な活用を掲げている自治体も増えているが、地域の魅力を発信する仕組みとしてドローン「空撮」に焦点を当てたのが兵庫県香美町小代(かみちょうおじろ)の取り組みだ。

香美町地域おこし協力隊 日本で最も美しい村香美町小代事務局 河田愛氏

兵庫県で唯一「日本で最も美しい村」連合の認定を受けている香美町小代。登壇した河田氏は、香美町地域おこし協力隊に所属する。地域おこし協力隊とは、地方自治体が都市住民を受け入れ、地域おこし協力隊員として委嘱し、一定期間以上、各種の地域協力活動に従事してもらいながら該当地区への定住・定着を図るという制度である。

1年でInstagramフォロワー数1万人突破!

香美町小代の普及啓発事業を行う河田氏が、まず「知ってもらうための活動」として行ったのがSNSによる情報発信であった。

Facebook、Instagram、Twitter等数あるSNSの特徴を踏まえた上で、地域の魅力を伝えるのに適したInstagramを選択。アカウント「@ojiro_sky」を開設し、3ヶ月で3000人のフォロワーを獲得した。

そして、写真がメインの情報発信に物足りなさを感じ、注目したのがドローンだった。ドローン映像を見て「これだ!」と思ったという。ドローンの活用を決めてからすぐに「空撮」が学べる東京のスクールに地元から通い、無人航空機操縦技能者・無人航空機安全運航管理者の資格を獲得。ドローン映像の配信などを通して1年後にはInstagramのフォロワー数が1万人を突破した。

フォロワー獲得のポイントは何か?

情報発信の手段として注目されるSNSだが、どう活用していいのかわからない、フォロワーが増えないという悩みを持つ自治体も多いだろう。どのようにフォロワーを増やしていったのかという田口氏の質問に、河田氏は「水面下の努力」だと語る。Instagramの特徴である、#(ハッシュタグ)によるテーマ設定はどんなものがいいのか、同じ系統のアカウントを見つけて「いいね!」をしたり、積極的にコメント欄に書き込んだりすることにより、相手がフォローしてくれることもある。

驚くのは一万人のフォロワーの中で1400もの「いいね!」がつくなど、投稿への反応が10%を超えていることだ。河田氏によると自分の投稿書き込まれたコメントにこまめに返事をすることも重要だという。SNSで人気投稿欄の上位に表示される仕組みは変更されることも多く、その都度いろいろと研究して試しているのだという。コメント欄の返信をきっかけにコミュニケーションが広がることもある。

ドローンの魅力とは

河田氏はドローンの魅力は、ドローンの特徴である「鳥の目線」だという。「インスタ映え」するだけでなく、高すぎず低すぎない、写真だと見えないがこの先はどうなっているのだろうという情報をドローンによって伝えることができる。

例えば、香美町の「うへ山の棚田」は日本の棚田100選に認定されているが、地上から見える風景だけでなく、上空から見ることによって実は棚田はこんな高いところにあるということもドローン映像だと伝えられる。地元の人でも気がつかない魅力に気づくこともある。

「天空の棚田」を紹介するドローン空撮映像

田口氏は自治体にとってドローンの魅力は、何でもネットでできる時代だがドローンはその場に行かなければできないという点を挙げる。ドローンを飛ばすと滞在時間が長くなるため地域の観光につなげることができる。

ドローンで地域に人を呼び込む仕組み

人を地域に呼び込む仕掛けとしては、株式会社オーイーシーのドローン飛行場所管理ツールDUCT(ダクト)を使ったサービス「そらチケ」に注目する。「そらチケ」とはドローン絶景地とドローンユーザーをつなぐWebサービスで、ドローンが飛行可能な絶景地がリストアップされ土地の管理者への飛行許可依頼が簡単にできる仕組みになっている(飛行時には最大10億円の対人対物損害保険が適応)。ドローンユーザーを呼び込もうと思ったきっかけはスキー場の夏利用だったという。

そらチケで空撮できるエリア「うへ山の棚田」。棚田に水が張って水鏡のように空が写り込む

さらに、令和初日の5月1日には、「うへ山の棚田」のドローン空撮が堪能できるイベント「どりゃ〜うみゃ〜×絶景☆天空の棚田で空撮体験」を開催。棚田でとれる「武勇田米」で作ったおにぎりや「但馬牛」などのグルメも存分に味わうことができる1泊2日のイベントに3組6名が参加した。

地域の魅力を伝えるため、地域の人との交流ができるようにホテルや旅館ではなく、20年前まで民宿だった古民家を改修したゲストハウスに宿泊してもらい、料理を一緒に作ることから参加してもらった。最後は参加してくれたお子さんとハグするくらい繋がりを持ってもらうことができた。

ドローンを購入したいという参加者は「飛ばせないのでまた来ます」と再訪を約束。親戚の家を訪れたような、ゆったりとした時間を楽しむイベントの様子を紹介した。

空撮体験イベントの動画

地域活性化におけるドローンの可能性

河田氏は今後について、小代地区だけでなく近隣に広げ、いろいろなところでドローンを飛ばしたり、田植え体験をしたりしてその様子を空撮するといった企画を考えているという。「地域の協力や意見はどのようなものであったか」という会場からの質問には、町が積極的でも個人の意見は異なる。取り組むのはまずウェルカムな所から。決して無理強いしないと語った。

また、イベントなどの情報発信で気をつけているのは、準備段階から情報を発信すること。イベントを行うときも「やります!」と言った告知を重視せず、まず一度やってその様子を伝えることによって、次回からの参加してもらえるように心がけているという。自然体の姿勢が印象的であった。

イベント終了後、ブースで質問をしていた参加者からは「引退後はこのような活動を考えている」と言った意見や「インスタを作品としてではなく過程を伝えたり、見ている人が興味のありそうな情報を研究したりして活用しているのに驚いた」と言った声が挙がっていた。

河田氏の担当する小代地区の人口は約1900人。人口の5倍以上のフォロワーがいることになる。「知って」「来て」「ファンになって」「住みたい」と思ってもらうための仕組みとリピータの確保。行政と協力し空き家対策なども考えられるという。香美町のドローンを活用した地域創生の取り組み。これからの動向に注目していきたい。

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