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ニュース

農研機構、ドローンを活用するイチゴの生育観測手法を開発

農研機構は、イチゴの生育診断や収量予測に必要な生長点の画像を株ごとに記録するため、作物列の上方からドローンのダウンウォッシュを加えながら移動撮影する観測技術を開発した

2024年7月17日
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Contents
概要開発の社会的背景研究の経緯研究の内容・意義ドローンのダウンウォッシュを用いた生長点付近の撮影手法移動撮影で得られた映像を用いた株の個体識別今後の予定・期待

本成果により、温室内の多数の株の葉の発生や生長といった情報を省力的に取得できるようになり、イチゴの高効率生産に寄与することが期待されるという。

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概要

農研機構ではこれまでに、若葉の発生頻度や、若葉の葉位別の大きさの時系列変化値などが、イチゴ促成栽培の生育を診断する指標として有効であることを明らかにした。これらの時系列変化値を把握する上で、生長点の画像情報を取得することが必要だが、イチゴの生長点は葉で覆い隠されていることが多いことが課題だった。

また、生育診断にはできる限り多くの株の状態を観測することが有効だが、温室内では屋外のように衛星測位で位置情報を取得できないため多数の株の中から特定の株を識別し、同じ株同士を時系列で比較できないことが課題だったという。

そこで農研機構では、ドローンを温室内で活用することを想定し、イチゴ作物列上を飛行させて、飛行時に生じるダウンウォッシュによる下方への空気の流れで群落をかき分け、生長点を露出させながら移動撮影し、撮影した映像を用いて、株ごとの画像を記録する観測技術を開発した。

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本成果により多数の株の個体識別が可能となり、株ごとに若葉の発生やその後の生長を省力的に時系列観察できるようになる。現在、本技術で記録される画像を用いた生育診断や収量予測の自動化システムの開発を進めており、イチゴの栽培管理、環境制御、労務・出荷計画等の生産の効率化に資することが期待されるという。

図1 株ごとの生長点付近の時系列観測の例

開発の社会的背景

日本のイチゴは高品質で海外需要が高く、輸出拡大のために、新規参入も含めた生産基盤の強化が求められているが、国内のイチゴ生産は温室を利用した促成栽培が主流で、冬季の暖房費に多くのコストがかかる。

また、他の施設野菜に比べて栽培管理や収穫に多くの人手がかかり、労働時間も1人当たり年間2,000時間/10a程度を要している。賃金の上昇や燃料代の高騰が進む中で経営を維持するには、生産をより効率化して単位面積当たりの生産性を向上させることが必要だ。

そのためには、作物の生育データに基づいて環境制御、管理作業や労務・出荷計画を最適化することが有効である。しかし、高齢化による労働力不足もあり、生産現場では、作物の生育データを人手を割いて詳細に計測する余裕はない。このような社会的背景から、誰もが効率的にイチゴ生産を行うことをサポートするため、省力的な作物の観測技術の開発が求められているという。

研究の経緯

農研機構ではこれまでに、若葉の発生頻度や、若葉の葉位別の大きさの時系列変化値などが、イチゴ促成栽培の生育を診断する指標として有効であることを明らかにした。また、温室内での位置の違いによる差や苗そのものの個体差が大きいため、温室内のできる限り多数の株を観察対象とすることが生産の効率化に有効であることを確認している。

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しかし、若葉が発生する生長点は葉で覆い隠されていることが多いため、そのままでは画像計測が困難であり、また、温室内では屋外のように衛星測位で位置情報を取得できないため、各株の植え付け位置を識別して時系列で比較できる新たな技術が必要だ。

これらの課題を解決するため、非GNSSドローンの利用を想定し、作物上方からダウンウォッシュを加えて生長点を露出させることが可能な気流条件を明らかにするとともに、作物列に沿って移動撮影した映像から株の個体識別を行う画像処理手法の開発に取り組んだ。

研究の内容・意義

ドローンのダウンウォッシュを用いた生長点付近の撮影手法

イチゴの株は、上端に生長点を有するクラウンを中心に、葉が螺旋状に重なりながら展開しているため、上方から気流を加えることで生長点を中心に葉が外側に倒れ、生長点を露出させられることを確認した。

風速と葉の動きの関係を定量的に評価したところ、風速4~6 m/s程度で葉が外側に30mm程度動き、生長点の付近に茎葉がない間隙の割合が60%程度まで向上し、発生する若葉が撮影可能となった。

一方で、強い気流を加えることにより株が損傷する懸念があったため、イチゴの葉の抗力係数やヤング率等の物理特性も調べ、一般的なイチゴ株では、風速10m/s程度までであれば損傷が生じないことがわかった。これらの結果から、株の上方から下降気流を加えて、株を損傷させずに生長点を撮影できることが示された。

また、一般的な小型ドローン(クアッドコプタ;四枚羽根)のホバリング時の気流分布を調べたところ、気流は4つのプロペラの中央付近に集約しており、距離に比例して風速が減衰することがわった。このため、機体中央が作物列の直上(生長点の直上)になるように飛行し、高度によって株に加える気流速をコントロールすることでドローンによる観測が可能であると判断した。

図2 気流作用時のイチゴ株の様子
図3 小型ドローン(クアッドコプタ)下方の気流分布例

移動撮影で得られた映像を用いた株の個体識別

イチゴ作物列内の株ごとの画像を記録する画像処理手法を開発した。開発手法では、作物列上を移動しながら撮影した映像中に、順々に映り込んだ株をAIで検出してカウントすることで、作物列内の株を個体識別し、IDを付与した株ごとの画像を記録する。

AIで100%の精度で株を検出することが困難な場合は、概ね一定間隔で植え付けられる株間の長さや、直線的に植え付けられる作物列の特徴を活かして、検出できなかった株の場所の推定も可能だ。

複数の作物列に対しても、例えば作物列の端に一つのマーカを設置しておくことで、「作物列1-株1」のように対応付けて画像を記録でき、温室内全ての株についてID付画像を記録できる。これにより、図1のように同一株を時系列で記録した画像を比較することで、促成栽培イチゴの重要な生育指標である若葉の発生頻度などを省力的に観察することが可能となった。

図4 作物列を移動撮影した映像から株を個体識別する処理の例

今後の予定・期待

今回開発したイチゴの株単位の生長点画像の記録技術を用いて、同一株を時系列で記録した画像を比較することで、促成栽培イチゴの重要な生育指標である若葉の発生頻度や葉位別の大きさを省力的に観察することが可能となった。

現在、本技術をキーテクノロジーとして、国立研究開発法人情報通信研究機構の委託研究において「ドローンによるダウンウォッシュを活用したスマートイチゴ栽培管理手法(2023~2025年度)」の開発・実証に取り組んでいる。

「目視観察よりも高精度かつ省力的に行える生育診断システムの自動化」に加え、「非GNSSドローンによる温室内自動航行による移動撮影の自動化」を目指すという。生育診断の完全自動化により、経験に左右されることなく誰もが効率的なイチゴ生産ができるとしている。

本技術については、7月24日~26日に開催される「施設園芸・植物工場展(GPEC)」のU-22ブースに出展する。

▶︎農研機構

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kawai 2024年7月17日
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