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日本原子力研究開発機構、世界初ウランを用いた蓄電池を開発

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構は、世界で初めてウランの化学的特性を利用した「ウラン蓄電池」を開発し、充電と放電の性能を確認した

2025年3月14日
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Contents
概要これまでの背景・経緯今回の成果今後の展望

概要

ウランは様々な化学的状態を取ることができることから、その状態変化によって充電や放電をする電池の活物質としての活用が有望視されてきた。本研究では、ウランを活物質として利用した蓄電池を開発した。

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ウランを用いた蓄電池の充電と放電の性能を確認したのは世界で初めてだ。今後、大容量化に向けた電解液(活物質を溶解させた溶液)を循環させる技術(レドックスフロー電池)の開発を行い、実用化を目指した研究を進めるという。

原子力発電用の燃料の製造時、副産物として「劣化ウラン」が発生する。劣化ウランは現在の原子炉(軽水炉)では燃料として利用できないため、日本国内では約16,000トンを保管している状況だ。

これを資源として利用することを目的に、ウランを活物質とする蓄電池の概念が2000年代初頭に提唱された。ただ、実際に蓄電池を組み上げ、その性能を報告した例はなかった。

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一方で、近年、再生可能エネルギーの導入拡大に伴って、蓄電池のニーズが高まっている。太陽光や風力などによる発電は天候に左右され、発電量が変動する不安定さを有している。

その中でも電力供給を安定化させるには、蓄電池などのエネルギー貯蔵デバイスを介した出力調整が必要となり、新たな蓄電技術の開発にも注目が集まっている。

このような背景から、研究チームはウランを活物質とする蓄電池(ウラン蓄電池)を開発し、世界で初めてその充放電性能を明らかにした。ウラン蓄電池では、ウランを負極、鉄を正極の活物質に利用した。

試作したウラン蓄電池の起電力は1.3ボルトで、一般的なアルカリ乾電池(1.5ボルト)と近い値だ。今回充電と放電を10回繰り返したが、蓄電池の性能はほとんど変化せず、安定したサイクル特性が得られたという。

ウラン蓄電池を大容量化して実用化すれば、日本国内に保管されている大量の劣化ウランに新たな資源価値が生まれるとともに、再生可能エネルギー由来の電力供給網の調整機能として応えることができ、脱炭素社会の実現に貢献するようになるとしている。

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本研究は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)原子力科学研究所 NXR開発センター 大容量蓄電池開発特別チームの大内和希研究副主幹、植野雄大研究員、渡邉雅之研究主席によるものだ。

本研究を基に、令和6年11月29日に特許出願した(特願2024-209096 “二次電池とその製造方法”)。

これまでの背景・経緯

ウランには、質量数の異なるウラン235とウラン238が存在する。そのうち、核分裂を起こしやすいウラン235を原子力発電の燃料に利用する。しかし、ウラン鉱石にはウラン235が0.7%程度しか含まれておらず、残りの99.3%は核分裂を起こしにくいウラン238が占めている。

したがって、燃料製造時には、ウラン235の含有率を3~5%まで高める「濃縮」する。その副産物として、ウラン235の含有率が天然ウランよりも低い「劣化ウラン」が発生する。劣化ウランは今の原子炉(軽水炉)の燃料には使用できないため、「燃えないウラン」と呼ばれる。

劣化ウランは日本国内にはおよそ16,000トン、世界全体では約160万トンが保管されている。ただ、次世代炉の商用化まで日本国内では現状の利用用途がなく、有効な活用法が待たれるところだという。

ウランは「酸化数」と呼ばれる化学的状態を3価から6価まで幅広く取ることができることから、酸化数の変化によって充電や放電を可能とする物質である活物質として有望とされた。

2000年代初頭には、ウランを活物質とする蓄電池の概念が提案された。この概念では、正極(乾電池におけるプラス極)と負極(乾電池におけるマイナス極)の両方の活物質にウランを利用することを想定していたが、実際に組み上げた蓄電池の性能は報告されていなかった。

一方で、近年、風力や太陽光に代表される再生可能エネルギーの導入の拡大により蓄電池のニーズは高まりつつある。再生可能エネルギーは、天候などによって発電量が大きく変化するため、火力発電などと比べて不安定な電源と言える。

これらに蓄電デバイスを連携させることで、再生可能エネルギー由来の電力を安定に供給することが期待できる。政府は第7次エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーの大規模導入(主力電源化)に向けて、蓄電池を調整機能の一つに位置付けている。

このような背景から、研究チームは、ウランを活物質とした蓄電池(ウラン蓄電池)の性能を明らかにすることにより、劣化ウランに新たな資源としての価値を生み出すとともに、原子力化学の技術で脱炭素社会の実現に貢献できると考え、研究を開始した。

今回の成果

本研究で開発した蓄電池(ウラン蓄電池)では、負極にウラン、正極に鉄を活物質として採用した。電解液は有機溶媒とイオン液体を混合したものを使用している。

この電解液の中で、ウランと鉄はそれぞれ溶解し、陽イオンの状態で存在する。過去に提唱された概念との違いとして、正極でウランの代わりに鉄を採用したことが挙げられる。これは、鉄を用いることで正極の電解液を安定化できることに加え、電圧の向上が見込まれたことが理由だ。

蓄電池の充電と放電には、ウランイオンと鉄イオンそれぞれの酸化数の変化を利用する。充電するとき、正極では鉄イオンの酸化数が2価から3価に変化し、電子が放出される。

この電子は回路を経由して負極へたどり着き、ウランイオンの酸化数を4価から3価に変化させる。このように正極から負極へ電子の流れ(電流)を発生させて、ウランイオンと鉄イオンの化学状態を変えることで、電気エネルギーを化学エネルギーに転換して蓄えることができる。

一方、蓄電池を放電させるときは、逆の反応を起こす。つまり、ウランイオンが3価から4価へ、鉄イオンが3価から2価へ変化することで回路に電流が発生し、化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出すことが可能だ(図1)。

図1 ウラン蓄電池の充放電の仕組み

充電前、ウランを含む負極側の電解液は緑色で、ウランイオンが4価として存在していることを示している。充電が進むと、電解液は徐々に濃い紫色に変わる様子が確認できた。これは、ウランイオンの4価から3価への変化に伴ったものと推察できる。放電を始めると液色は徐々に緑色へと戻った(図2)。

図2 ウラン蓄電池での充電・放電での負極側の電解液の色の変化
ウランを用いた電解液を負極側に入れて充電すると(写真左)、液色は緑色から濃い紫色に変化し(写真右)、放電すると緑色に戻る

今回試作したウラン蓄電池の起電力は1.3ボルトで、一般的なアルカリ乾電池(1.5ボルト)と近い値だ。充電後の蓄電池をLEDに繋ぐと、LEDが点灯することを確認できた(図3)。

これは、蓄電池に貯めた電気を取り出せたことを意味する。また、今回充電と放電を10回繰り返しても蓄電池の性能はほとんど変化しなかった。さらに、負極、正極とも電解液中に析出物はなかったことから、ウラン蓄電池では安定して充電と放電を繰り返せる可能性が示されたという。

図3 ウラン蓄電池の放電試験 蓄電池に接続したLEDが点灯し、放電を確認できた

以上の実験結果から、ウランを活物質とする蓄電池の充電と放電の性能を世界で初めて確認できたことになる。なお、本研究を基に、ウランを用いた蓄電池システムとして特許出願中だ(特願2024-209096 “二次電池とその製造方法”)。

今後の展望

今後は、電解液を循環させることでウラン蓄電池の容量(電気を蓄えられる量)の向上を目指す。具体的には、循環させる電解液の量やウランと鉄の濃度を増やすことで大容量化ができるのか、蓄電池を構成する電極や隔膜の最適な材料は何か、といった検討を進めます。

ウラン蓄電池の大容量化に成功し、国内に保有する劣化ウランを蓄電池として実用化・社会実装に至れば、メガソーラーの需給調整機能など新たな役割を担うことが期待できるとしている。

▶︎日本原子力研究開発機構

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kawai 2025年3月14日
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