ja DRONE https://www.drone.jp 国内外のドローン、UAV、UAS関連の最新ニュースから、「空飛ぶクルマ」、「自動運転」、「AI」、「ロボティクス」、「EV」、「宇宙技術」など時代を変える国内外のテクノロジーを配信します Sat, 10 May 2025 22:02:12 +0000 ja (c) PRONEWS Co., Ltd. 10 https://d2llikhal5te33.cloudfront.net/wpdronenews/wp-content/uploads/2023/01/drone_smartnews-min.png 小峰無線電機、「Japan Drone 2025」にてアンテナと 受信チップの一体型GNSSユニット「RJシリーズ」を出展![Japan Drone 2025] https://www.drone.jp/news/20250509174142115582.html https://www.drone.jp/news/20250509174142115582.html 2025-05-09T08:41:42+00:00 「RJシリーズ」は、受信チップとアンテナ一体型のGNSSユニットで、付属のUSBケーブルでPCに接続し、簡単に各アプリでデータを確認することができる。通信状況が悪くRTK測位では厳しい環境下でも、単独測位での高精度な位置測位が期待される。ラインナップにはL1、L2対応の「RJF9P2」、L6を含む3周波対応の「RJFD9P-L6」と「RJCLAS-L6」がある。

[caption id="attachment_115586" align="aligncenter" width="1280"]RJシリーズにつないだUSBケーブルRJシリーズにつないだUSBケーブル[/caption]

L6とは、日本のGNSS衛星「みちびき(QZSS)」が、現在位置を正確に求めるために発信している信号(センチメータ級測位補強情報)。このL6信号を受信することで、誤差数cmで測位を行える。2026年には、そのみちびきが現在の4機体制から7機体制となり、運用がより本格化するという。特に測量、情報化施工(建設機械を高精度に操作して施工する方法)や、IT農業(農機を高精度に操作して農地管理をする方法)などの分野で利用が広がっていくとみられている。

「RJF9P2」にはublox社製ZED-F9Pを内蔵。出力方式はUBX、NMEA、RTCMに対応。
「RJFD9P-L6」にはublox社製 ZED-F9P+ZED-D9Cを内蔵。出力方式はUBX、NMEA、RTCMに対応。
「RJCLAS-L6」にはSeptentrio社製mosaic-CLASを使用。出力方式はSeptentrio Binary Format、NMEA0183、Rinex2.x,、3.x、RTCM2.x、3.xに対応。内蔵のmicroSDカード(32GB)にデータを保存し、Rxtoolsによりそのデータを取り出すことも可能。

[caption id="attachment_115588" align="aligncenter" width="1280"]RJシリーズ仕様 RJシリーズ仕様[/caption]
[caption id="attachment_115589" align="aligncenter" width="1280"]RJシリーズ天面 RJシリーズ天面[/caption]
[caption id="attachment_115590" align="aligncenter" width="1280"]RJシリーズ横から RJシリーズ横から[/caption]

RJシリーズは日本で企画・開発・製造された製品である。LTE帯域(1.5GHz帯)周辺のノイズキャンセリング機能を搭載するなど、日本国内の電波利用状況を考慮した設計となっており、サイズも小型・軽量となっている。

プレスリリース動画

▶︎小峰無線電機株式会社

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GlobeXplore Pro、高精度なバーチャルロケハンを手軽に実現! [Reviews]Vol.89 https://www.drone.jp/column/20250509144119115416.html https://www.drone.jp/column/20250509144119115416.html 2025-05-09T05:41:19+00:00 空撮をするには手続きや許可取りをしなくてはならないことも多く、実際に空撮してみたらイメージと違った…となると、その時間的・コスト的損害は大きなものです。

そして、そのイメージの違いがクライアント側に起きていたとしたら…。それはもはやトラブルにもなりかねません。

今回ご紹介する「GlobeXplore Pro」は、その場でドローンをフライトさせなくても、Google Earthなどのデータを活用してバーチャルロケハンができるプロ向けツールです。

GlobeXplore Proの特徴

GlobeXplore Proは、業務用ドローンシミュレーションソフトウェアです。Google EarthやPLATEAUといった3Dモデルはもちろんのこと、CADデータやフォトグラメトリも読み込ませて画面上で高精度な現場再現=バーチャルロケハンをすることができます。

また、実在する機体を想定したレンズ選択や、日時(太陽の場所や影の出方も含む)の指定、天気の指定などもできるようになっており、本当にその場でドローンをフライトさせて撮影しているかのような画角を作ることができるのも特徴です。

筆者も空撮前には Google Earthを使ってバーチャルロケハン(のようなこと)をしていたのですが、Google Earthではちょっと上空からの景色を見ることはできるものの実際にドローンで空撮したような画角を見ることができず、結局は現場に行ってロケハンする前の“ロケハン準備”のレベルでした。

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Google Earthアプリで見た富津岬(千葉県)。3D表示で立体的ではあるものの、高度を指定した画角で見ることはできない

GlobeXplore Proでは、実際に飛行する場所や高度から実際に使う(焦点距離の異なる)レンズ、撮影する日時と天気を指定することで、その条件で撮影できる画角を忠実に再現できるのです。3DデータはGoogle Earthなどになるので、その限界を超えた解像度やリアル感では見ることはできませんが、下記の画像にある通り、バーチャルロケハンとしては問題ないレベルのリアル感で画角を確認することができます。

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GlobeXplore Proで見た富津岬。高度を変化させたり場所を自由に移動できるのはもちろんのこと、レンズの変更や日時指定による日の傾き、天気までも再現できる

GlobeXplore Proの実際の操作

(1)バーチャルロケハンをする場所を指定する

画面右下の「ロケーション」欄に座標を入れるとその場所に移動することができます。座標はGoogle Map で行きたい場所を右クリックすると表示されますので、それをコピーすると便利です。

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画面いちばん右の「ロケーション」欄に座標を入力、「移動」をクリックするとその場所に移動することができる

(2)日時と天気を指定する

バーチャルロケハンしたい場所へ移動したら、画面左下から日時と天気を指定します。日時を指定すると、その時間の太陽の位置がシミュレートされ、画面の3Dモデルにも太陽の位置や高さに応じた影が落ちます。

天気は「AUTO」にするとそのときの実際の天気(未来の指定では天気予報を参照)がシミュレートされますが、晴れや曇りも決め打ちで指定できますので撮影したい映像に合わせて設定します。

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画面いちばん左側に日時や天候を選択するパネルがある
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さきほどのバーチャルロケハン環境に対して時間を日の入り前に設定したもの。夕焼けに色づいてモニュメントの影も長くなっている
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さきほどのバーチャルロケハン環境に対して天候を「雨」に設定したもの。雨での空撮はあまりないかもしれないが、曇り空も含めてバーチャルロケハンできるのは空撮時のイメージを掴みやすい

(3)「機体とレンズを指定する

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機体は「M3 Pro cine」「I3」「Matrix 300」「FPV」から選択でき、画面表示の方法も一人称視点と第三者視点を選ぶことができます。また、レンズは主要な焦点距離のものはプリセットで入ってるほか、手動で焦点距離を調整することもできます。バーチャルロケハンで画角を確認したいのであれば、一人称視点でレンズを実在のものに設定して画角を見るのがよいでしょう。

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左から「I3」「Matrix 300」「M3 Pro cine」。一人称視点を選択すれば完全にプロポのモニターに投影される映像と同じ画角のものを確認することができる

(4)空撮したい場所や高度へ移動する

機体はもちろん、動かすこともできます。パソコンのキーボードであれば、

  • W…上昇
  • S…下降
  • A…左ラダー
  • D…右ラダー
  • ↑…前進
  • ↓…後進
  • ←…左エルロン
  • →…右エルロン

と、なっています。想定している場所や高度へ移動し、そこから見える映像を確認してみましょう。

富津岬での空撮時に利用してみた

実際にバーチャルロケハンとしてGlobeXplore Proを使用し、富津岬で空撮をしてきた際の使用感をレポートしたいと思います。

富津岬には「明治百年記念展望塔」という複雑な積層構造の展望タワーが岬の先端にあり、今回はこの展望塔を画角に入れながら展望塔の先の海に沈む夕日を撮りたいと思ってバーチャルロケハンを実施しました。

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GlobeXplore Proでの画角(上)とDJI Mavic 3 Pro での画角(下)の比較。ほぼ同じ画角で撮ることができた

まずは富津岬の座標を入力し、GlobeXplore Pro上で「明治百年記念展望塔」を画角に入れながら沈む夕陽を撮れる場所と高さを探りました。決め打ちの場所だけでなく、バーチャル空間を移動しながらイメージに合う画角を探れるのが便利です。

当日は日中は快晴だったものの少しモヤが多く、夕陽が見れるか不安だったのですが、結果は上記の通りとてもエモい夕陽を撮ることができました。GlobeXplore Proでシミュレーションした夕陽のほうが明るく、実際は少し暗い夕陽となりましたが自分としては満足です。

まとめ:ロケハン利用だけでなく企画プレゼンやクライアントコミュニケーションにも

GlobeXplore Proを利用して感じたことは、バーチャルロケハンはもちろんのこと、クライアントへの提案やコミュニケーションの中でもとても便利なツールとなることです。人は何よりも見たものを信じます。100の言葉を並べるよりも、一度見てもらったほうがその魅力は伝わるものです。企画のプレゼンやラフ映像の中への取り込みなどにGlobeXplore Proは利用できることでしょう。

250501_review_GlobeXplore-Pro_11

また、富津岬の陸地中央付近はドローンの飛行が原則禁止となっているのですが、GlobeXplore Proではもちろん空撮画角を確認でき、とても魅力的な画角であることもわかりました。

手続きをして空撮ができるならば、(実際に飛行できるかわかりませんが)その手間と時間をかけても撮ってみたいと思える景色です。GlobeXplore Proでは、そういった実際に飛行して確認することができない場所でも画角を確認できるため、手続きをして空撮してみたけれど大した画角ではなかった…というロスを防ぐこともできそうです。

今回は試せませんでしたが、コントローラーをPCに接続すればドローンをいつも操縦している感覚でバーチャル空間を飛行することもできます。

今後は、WeyPoint のように飛行経路を再現する機能も搭載を調整しているとのこと。GlobeXplore Proをご自身の空撮ワークに取り入れてみてはいかがでしょうか?

GlobeXplore Pro
URL:https://gxpro.app/
月額利用料:49,500円〜

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Kailas Robotics、「KUMIHIMO Tech Camp with Murata 2024」優秀賞を受賞 https://www.drone.jp/news/20250508103340115552.html https://www.drone.jp/news/20250508103340115552.html 2025-05-08T01:33:40+00:00 KUMIHIMO Tech Camp with Murataは、村田製作所が一般販売していない最先端の電子部品(センサ・通信モジュールなど)をスタートアップや大学に提供し、これからの世の中を変えていく製品・サービス・ソリューションのアイデアを共創するプロジェクトだ。本年度は最優秀賞1社、優秀賞2社、敢闘賞2社が選出され、Kailas Roboticsは優秀賞に選ばれた。

受賞の背景と今後の展望

Kailas Roboticsは、ドローンやUGV(無人地上車両)、ヒューマノイドロボットなど移動体に搭載可能な小型・高性能ロボットアーム「MobiRobo」を開発。独自のSoC(System on Chip)ベース設計とFPGA技術により、支点が動いても正確に物体を把持できるコア技術を持ち、産業界や社会課題の解決に貢献することを目指しているという。

今回の受賞を機に、村田製作所の高品質なハードウェアとKailas Roboticsの先進的なロボットアーム技術を融合させることで、より多様な分野での課題解決に取り組む検討を進めるとしている。

▶︎Kailas Robotics

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大阪・関西万博で感じる空飛ぶクルマ&ドローンがあたり前になる社会[Drone Design]Vol.62 https://www.drone.jp/column/20250508100330115522.html https://www.drone.jp/column/20250508100330115522.html 2025-05-08T01:03:30+00:00 4月13日にいよいよ始まった2025年日本国際博覧会こと大阪・関西万博は、大阪市此花区にある人工島の夢洲で10月13日まで半年間開催されます。メインテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」とあわせて、コンセプトに「未来社会の実験場」を掲げており、会期中は空飛ぶクルマをはじめさまざまなモビリティの試乗や実証実験が行われています。

[caption id="attachment_115525" align="aligncenter" width="1280"]万博会場では「未来社会の実験場」をコンセプトにさまざまな最新モビリティの実証実験が行われている 万博会場では「未来社会の実験場」をコンセプトにさまざまな最新モビリティの実証実験が行われている
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巨大な会場は、最寄りにあるUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の約3倍もの広さがあり、史上初めての海に面した立地となっています。西ゲートの海側、北西部に位置するフューチャーライフゾーンの一番奥にある「モビリティエクスペリエンス」には、空飛ぶクルマの離発着場「EXPO Vertiport」があり、会期中は運航事業者に選ばれた3陣営によるデモフライトが複数回行われます。

[caption id="attachment_115526" align="aligncenter" width="1280"]西ゲート海側の一番奥にある「モビリティエクスペリエンス」こと「EXPO Vertiport」 西ゲート海側の一番奥にある「モビリティエクスペリエンス」こと「EXPO Vertiport」
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最初にデモフライトを行ったのはSkyDrive社とOsaka Metroによる陣営で、会期前の4月9日に開催されたメディアデーに実施されました。3人乗り機「SkyDrive式SD-05型」を無人で自動制御とリモートコントロールにより、約5メートルの高度を約4分間、前後左右の水平移動や旋回も含めた飛行に成功しました。

[caption id="attachment_115527" align="aligncenter" width="1280"]SkyDrive社が最初のデモフライトに成功 SkyDrive社が最初のデモフライトに成功
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続いて会期後は、丸紅陣営がLIFT AIRCRAFT社の1人乗り機「HEXA」の有人飛行によるデモフライトを実施。2023年3月にも大阪城でも試験飛行を公開していますが、今回は週末を中心に一般にも公開されます。しかし、4月26日のフライトで、18個あるプロペラ・モーターのうちの1個と機体フレーム1本が破損し、アーム部分のモーターカバー2つがポート内に落下したため、現在は残念ながら公開を見合わせています。

関連記事:空飛ぶクルマLIFTの1人乗りeVTOLが有人飛行に成功。スムーズな飛行を披露 - DRONE

何かと制約がキツメのデモフライトですが、丸紅はもう一つ別の機体、Vertical Aerospace社の5人乗り機「VA1-100(VX4)」で、会場と尼崎フェニックス(兵庫県尼崎市)に建設された「尼崎フェニックスバーティポート」の2地点間飛行を予定しており、10月の実施に向けて調整を進めています。

また、2地点間飛行は、SkyDrive社が会場の向かいにある大阪港の中央突堤に建設された「大阪港バーティポート」の間で、夏頃に実施することを予定しており、さらに万博会場周辺での周回飛行も計画しています。

[caption id="attachment_115530" align="aligncenter" width="1280"]今年3月28日にオープンした「大阪港バーティポート」 今年3月28日にオープンした「大阪港バーティポート」
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そして、会場周辺での周回飛行はもう1社、ANAホールディングスがJoby Aviation社の5人乗り機「Joby S4」で、9月下旬から閉会式までに行うことを予定しています。デモフライトで使用される機体やバーティポートの情報は、会場内のエンパワーリングゾーン・エリアにあるミニパビリオン「空飛ぶクルマ ステーション」で公開されていて、SkyDrive社「SkyDrive式SD-05型」のフルスケールモックアップは予約すれば実際に搭乗して記念撮影もできます。

[caption id="attachment_115531" align="aligncenter" width="1280"]「空飛ぶクルマ ステーション」では空飛ぶクルマのフルスケールモックアップに搭乗できる 「空飛ぶクルマ ステーション」では空飛ぶクルマのフルスケールモックアップに搭乗できる[/caption]

当初、デモフライトの実施は4陣営が名乗りを上げていましたが、日本航空(JAL)と住友商事が運営するSoracle社は機体の調整が間に合わず、会期後にあらためて行われることが予定されています。その代わりではありませんが、同社は没入体験ができるイマーシブシアター「SoraCruise(そらクルーズ)」をパビリオン内に公開しています。

ディスプレイに囲まれたシアター内では、ソニーPCLが提供するイマーシブソリューションによる、迫力ある映像に音と振動を組み合わせたコンテンツが上映され、まるで空飛ぶクルマに乗っているような気分を味わうことができます。入場前に並んでいる間も飽きない工夫があり、空飛ぶクルマを身近に感じることができます。

[caption id="attachment_115532" align="aligncenter" width="1280"]イマーシブシアター「SoraCruise(そらクルーズ)」は予約が必要 イマーシブシアター「SoraCruise(そらクルーズ)」は予約が必要[/caption]
[caption id="attachment_115535" align="aligncenter" width="1280"]並んでいる間もタブレットで楽しめる 並んでいる間もタブレットで楽しめる
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大阪・関西万博ではその他にも、あちこちのパビリオンで空飛ぶクルマやドローンを活用した未来の技術やアイデアが見らます。たとえば、いのちをテーマに最先端の医療技術や話題の「iPS心臓」と「心筋シート」を展示しているパソナパビリオンでは、山間部や離島等の僻地等でも最先端の治療が受けられる「空飛ぶ手術室」を展示。搬送ではなく、移動しながら治療が行えるようになるというところが、なかなか万博らしい未来の提案だといえます。

[caption id="attachment_115538" align="aligncenter" width="1280"]パソナパビリオンは「空飛ぶ手術室」を展示 パソナパビリオンは「空飛ぶ手術室」を展示[/caption]

また、バーティポートに近い「フューチャーライフヴィレッジ」では、線路点検ドローン「Project SPARROW」が紹介されていました。このエリアは数日間という短い期間で展示が入れ替わるので、運が良ければ他にもドローンに関する新技術が見られるかもしれません。

[caption id="attachment_115540" align="aligncenter" width="1280"]線路点検ドローン「Project SPARROW」のアイデア紹介されていた 線路点検ドローン「Project SPARROW」のアイデア紹介されていた
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そしてなんといってもお楽しみなのが、会期中毎晩開催されるドローンショーです。レッドクリフによる10分弱のショーは午後8時57分からスタートし、大屋根リングのはるか上で1000機のドローンによる美しい演出を会場のあちこちから見ることができます。

[caption id="attachment_115541" align="aligncenter" width="1280"]会場では毎晩ドローンショーを開催 会場では毎晩ドローンショーを開催
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開会式では約2500機を使用し、花火も組み合わせた特別演出が行われ、空に描かれた「ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ」でギネス世界記録を更新。また、年間で飛行したドローンの最多数でもギネスに挑戦しています。

まだまだ実物を見る機会が少ない空飛ぶクルマやドローンショーですが、この機会にたくさんの人たちに体験してもらい、次の新しいドローンをデザインするきっかけになってほしいものです。

EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト

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DJI Ronin 2ジンバルシステム、2025年映画芸術科学アカデミー科学技術賞を受賞 https://www.drone.jp/news/20250507150607115533.html https://www.drone.jp/news/20250507150607115533.html 2025-05-07T06:06:07+00:00 DJIは、2025年4月29日(火)にロサンゼルスの映画芸術科学アカデミー博物館で開催された2025年映画芸術科学アカデミーの年次科学技術賞で表彰された。

Ronin 2は、今日のカメラ専門家があらゆる状況下で滑らかで安定した映画のような映像を撮影できる3軸カメラスタビライザーである。アカデミーは特に、センサー分析およびスタビライゼーションソフトウェアの開発におけるDJIのSu Tie氏、電気工学におけるBei Shimeng氏、そしてRonin 2の機械設計およびエンジニアリングにおけるZhao Yanchong氏を評価した。

DJIのコーポレート戦略およびコミュニケーション担当シニアディレクターであるクリスティーナ・チャン氏は次のようにコメントしている。

チャン氏:DJIは、映画芸術科学アカデミーの尊敬される業界リーダーから認められたことを光栄に思います。DJI Ronin 2は、映画製作者に真の自由と柔軟性を提供する方法として、10年以上前に始まったアイデアです。

ドローンからジンバルへの初の拡張が、今日の映画撮影方法をどのように変革してきたかを見るのは、信じられないほどの道のりでした。Ronin 2の汎用性とインテリジェントな機能により、映画撮影者はあらゆる角度と距離からシーンを捉え、画期的な方法で彼らのビジョンを具現化することができます。

パワーと汎用性を優先したRonin 2は、より大きなカメラを搭載するための十分なパワーとトルクを提供し、拡大されたカメラケージ、50mm延長可能なアーム、そして最大30ポンド(約13.6kg)のペイロードを処理できるモーターを備えている。強力なエンコードされたモーターは強風に耐え、サブピクセルレベルの0.02度の精度を失うことなく、車などの車両に取り付けられた場合でも、最大75mph(約120km/h)の速度で走行中の滑らかな映像を保証する。

Ronin 2は、複数の電源システムを必要とせずに、ほとんどのカメラとアクセサリーに電力を供給するための統合された集中システムを備えている。デュアルホットスワップ可能なバッテリーは効率と可能な撮影時間を最大化し、2.5時間の連続稼働時間を提供する。Ronin 2のカーボンファイバーフレームは、カメラリグを耐久性があり、軽量で、持ち運びやすくしている。取り外し可能なグリップは、さまざまな構成と簡単なスイッチを可能にし、かつては不可能だった創造的でシームレスな動きを提供する。

ドキュメンタリーから、エミー賞を受賞したテレビ作品、そして「マンク」、「イニシェリン島の精霊」、「ノマドランド」、「ザ・ホエール」、そして「TAR」のようなアカデミー賞を受賞した映画まで、Ronin 2はその正確な性能と実用的なデザインにより、映画撮影者が映画製作の限界を広げるのを支援し続けているとしている。

▶︎DJI

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JSDII ドローン赤外線調査スクール「建築ドローンコース」プレ開校式開催 https://www.drone.jp/news/20250507122554115084.html https://www.drone.jp/news/20250507122554115084.html 2025-05-07T03:25:54+00:00 低空空間を自由に移動できるドローンと赤外線調査との相性はとても良く、国内におけるドローン黎明期からドローンによる赤外線調査の実証実験、ひいては実装が進んできた。しかしながら、赤外線調査はそもそもがとても専門的な知識やノウハウが必要で、ドローンオペレーターが赤外線カメラを搭載したドローンで撮影すれば、それで何かがわかるわけではない。

JSDII建設ドローン赤外線調査コースでは「建物外壁ベストミックス調査法(商標登録出願中)」と名付けられた赤外線調査における調査ツールや調査方法の適材適所を前提とした効率的かつコストパフォーマンスが高い調査方法の習得を軸に、各分野の専門家が講師となり建築分野における赤外線調査法を学ぶ。

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(一社)日本ドローン赤外線調査協会の事業内容およびドローン赤外線調査スクール 建築外壁調査コースの概要

コースは「赤外線調査法基礎講習(学科)」と「建築外壁赤外線調査講習(学科+ドローン実技)」で構成され、赤外線調査の基礎からドローンを活用した建築外壁赤外線調査まで学ぶことができ、「建築ドローン赤外線調査管理技能士(2年更新)」または「建築ドローン赤外線調査技能士(2年更新)」のいずれかの認定ライセンスを取得できる。

また、JSDIIでは、国土交通省が策定した「赤外線調査ガイドライン」に基づき「JIS Z 2305 非破壊試験技術者資格」相当の知識や技術による外壁調査を推奨している。そのため、建築ドローン赤外線調査コース受講時には、「JIS Z 2305 非破壊試験技術者資格試験」の受験資格を得ることができる(一社)日本サーモグラフィ協会(ITA)の「赤外線サーモグラフィトレーニング講習会(レベル1)」も受講(学科・実技)できるようになっているのも特徴だ。

まだプレ開校という段階ではあるが、JSDIIドローン赤外線ガイドラインやマニュアルを策定や認定提携スクールの募集も計画しており、今後の展開が期待される。

プレ開校式登壇者

  • 一般社団法人日本ドローン赤外線調査協会 理事長 酒井学雄氏
    (担当講義:建物外壁ドローン赤外線調査法)
  • ドローン赤外線スクール 校長 中野米蔵氏
    (担当講義:建築物の調査診断実務者の心得)
  • 防衛大学 教授 小笠原永久氏
    (担当講義:赤外線法の基礎(TT1))
  • ドローン赤外線スクール テクニカルアドバイザー 佐藤大輔
    (担当講義:熱画像解析、建物外壁ベストミックス調査法)
  • ジェイアール東海不動産株式会社 安孫子宏幸氏
    建設ドローン赤外線調査コースの中心となる「建物外壁ベストミックス調査法」について事例紹介があった。調査方法の適材適所で20%のコスト削減も実現したという
  • 神戸大学大学院 教授 阪上隆英氏
    (担当講義:赤外線法の基礎(TT1))
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一般社団法人日本ドローン赤外線調査協会理事長・酒井学雄氏
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ドローン赤外線調査の基礎と人財育成について講義を行うドローン赤外線スクール校長の中野米蔵氏
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防衛大学教授の小笠原永久氏は赤外線調査の外乱と対策事例について講義
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ドローン赤外線スクールテクニカルアドバイザーの佐藤大輔氏からは「建物外壁調査ガイドライン」のポイント解説があった
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ジェイアール東海不動産株式会社 安孫子宏幸氏。建設ドローン赤外線調査コースの中心となる「建物外壁ベストミックス調査法」について事例紹介があった。調査方法の適材適所で20%のコスト削減も実現したという
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神戸大学大学院教授の阪上隆英氏からはいろいろな赤外線調査の活用方法の紹介から赤外線計測技術の可能性についてレクチャーがあった

▶︎日本ドローン赤外線調査協会

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DJI、5月13日に新製品発表!Mavic 4シリーズか? https://www.drone.jp/news/20250506232557115501.html https://www.drone.jp/news/20250506232557115501.html 2025-05-06T14:25:57+00:00 ティザーには、Spin Your World(宙から紡ぐ物語)とコピーされ、2025年5月13日新製品が発表される。実装されたハッセルブラッドレンズが回転する。順当進化で言えばにMavic 4シリーズの登場かと推察される。

今回の製品はMavic 4シリーズの新ドローンなのだろうか?5月13日の新製品を待とう。

▶︎DJI

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PRODRONE、UNIDO支援のもと「ウクライナのグリーン産業復興プロジェクト」に採択される。愛知から地雷除去協力 https://www.drone.jp/news/20250504191415115489.html https://www.drone.jp/news/20250504191415115489.html 2025-05-04T10:14:15+00:00 愛知から地雷探知ドローン技術で、ウクライナ復興と安全確保

PRODRONEは、国際連合工業開発機関(UNIDO)と「ウクライナのグリーン産業復興プロジェクト」に関するフィージビリティ・スタディ(実現可能性調査)の補助交付契約(グラント・アグリーメント)を締結した。

本プロジェクトは、日本の経済産業省からの資金拠出を受け、UNIDOが2024年から2028年にかけて進めるウクライナのグリーン産業復興支援の一環として実施される。日本企業の技術移転によって、ウクライナにおける新産業の創出、人材育成、イノベーション・エコシステムの形成を図ることを目的としている。

PRODRONEは、パデコ株式会社、ブルー・ブリッジ・パートナーズ、そしてウクライナ企業のAiland Systems、Drone UAと連携。地雷探知機を搭載したドローンの低空安定飛行技術を強化し、AIによる画像解析を組み合わせることで、従来よりも安全かつ効率的な地雷探知を実現する。

地雷探知ドローン図面

この取り組みは、地雷探知における死傷事故のリスクを大幅に低減し、ウクライナ国内の安全確保と産業復興に貢献するものだ。さらに、Prodroneが持つ先進的なドローン技術の国際展開を加速させ、同時に「世界から地雷をなくす」という目標にも資する取り組みとなる。

実際のドローンでの地雷発見の模様(Ailand Systems社提供)

「世界から地雷をなくす」このプロジェクトの思いとは?

PRODRONEの戸谷代表取締役社長は、今回の取り組みへの思いをコメントした。

ウクライナは国土の30%が地雷によって汚染されているとも言われています。今回、当社は国連UNIDOによる、ウクライナの復興を支援するプロジェクトにドローンを活用した地雷探知のフィジビリティスタディに応募しました。今回の採択を機に、当社のドローン技術によって、ウクライナを再び美しい穀倉地帯へ戻すことに貢献できたらと考えています。

PRODRONEは今後もドローン技術を通じて、持続可能で安全な社会の実現に向けた国際協力を推進していくという。

▶︎PRODRONE

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SiFly Q12ドローン、約145kmの航続距離と耐久性でDJIに挑戦か!? NDAA準拠、高いセキュリティ性能 https://www.drone.jp/news/20250502162945115481.html https://www.drone.jp/news/20250502162945115481.html 2025-05-02T07:29:45+00:00

90マイル(約145キロメートル)の航続距離と3時間の飛行時間を誇るというQ12は、ドローンの専門家や公共安全チームのために、長距離ミッションを再定義することを約束する。中国製ドローンに対する懸念が高まる中、米国製のNDAA(国防権限法)に準拠した代替手段を提供する。SiFlyの公式発表では、農業から緊急対応まで、産業を変革する可能性が強調されている。

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優れた飛行性能

Q12は、2時間のホバリングまたは3時間の前方飛行が可能で、10ポンド(約4.5キログラム)のペイロードを搭載して90マイル(約145キロメートル)を飛行できる。これは、電力線検査や作物モニタリングなどの目視外飛行(BVLOS)タスクに最適だ。飛行時間が45分、航続距離が9マイル(約14キロメートル)に制限されているDJIのMavic 3 Enterpriseとは異なり、Q12の電動推進と最適化された設計により、耐久性は4倍、航続距離は10倍になる。

5G接続はリアルタイムのデータストリーミングを保証し、カリフォルニアのアマラル牧場でライブ農業インサイトを提供し、成功裏にテストされた。

  • 飛行時間:最大3時間(前方飛行)、2時間(ホバリング)
  • 航続距離:90マイル(約145キロメートル)
  • ペイロード:10ポンド(約4.5キログラム)
  • 騒音:同等のドローンより10倍静か
  • コンプライアンス:政府機関向けにNDAAに準拠

公共安全のライフライン

公共安全分野のドローンパイロットにとって、Q12の長い飛行時間は、ドローン・アズ・ファースト・レスポンダー(DFR)プログラムのコストを大幅に削減する。SiFlyは、資金難の機関にとって大きな障害となるドローンステーションの必要性を最小限に抑えることで、1平方マイルあたりのコストを90%削減できると主張している。

SiFlyのCEO、Brian Hinman氏は次のようにコメントしている。

Hinman氏:当社のドローンは、ヘリコプタークラスの性能を低コストで提供します。

Polycomの背後にいる技術ベテランである2025年第4四半期に納入が予定されており、その静かな動作と迅速な対応能力に惹かれ、すでに機関がデモのために列をなしている。

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緊迫した市場を乗り切る

米国議会がセキュリティ上の懸念からDJIの役割を制限しようとしているため、SiFlyの参入タイミングは絶妙だと言える。Q12のNDAA準拠は政府との契約への扉を開き、DJIが参入に苦労している政府機関との契約獲得の道が開かれた。

しかし、完全に米国製のサプライチェーンを構築することは依然として課題であり、多くのスタートアップ企業は、カメラやバッテリーでさえ中国製の部品に依存している。SiFlyが生産規模を拡大し、2025年第4四半期の納入目標を達成できるかどうかは、誇大宣伝に警戒心を抱くプロのパイロットの信頼を獲得する上で極めて重要となると考えられている。

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展望

Q12は、航続距離とペイロードのどちらかを選択する必要がなく、90マイル(約145キロメートル)のパイプラインをマッピングしたり、バッテリー交換を頻繁に行うことなく山火事に対応したりできるという。

SiFlyを初期に採用した場合、ドローン技術の未来を最前列で見ることができるかもしれない。DJIの支配力が緩むにつれて、Q12はパイロットが文字通りに、そして比喩的に、より遠くまで飛ぶためのツールとなる可能性がある。

▶︎SiFly

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空のモータースポーツ最前線|エアレース世界チャンピオン室屋義秀 vs パトリック・デビッドソン、頂上決戦の行方 https://www.drone.jp/news/20250501180755115467.html https://www.drone.jp/news/20250501180755115467.html 2025-05-01T09:07:55+00:00 注目の開幕戦、世界トップパイロットが激突

AIR RACE X 2025シーズンの注目の開幕戦は、世界トップクラスのパイロットたちが火花を散らす壮絶な戦いとなった。

シリーズ王者・室屋義秀選手と、昨年シリーズ3位の挑戦者・パトリック・デビッドソン選手の直接対決は、開幕戦・決勝トーナメントにおける最大の注目カード。「ヨシ(室屋選手)に勝ちたい」と語り続けてきたデビッドソン選手が執念の逆転勝利を飾り、シーズンの流れを占う一戦となった。

さらに、オーストラリア出身のルーキー、アーロン・デルー選手が鮮烈なデビューを果たし、いきなり5位に食い込む健闘を見せたのも大きな話題となった。

注目の開幕戦、世界トップパイロットが激突

極限のコースが生んだ究極の空中バトル

今回の舞台となったのは、全長800mのテクニカルなコース。200m間隔で設置されたパイロンが選手たちを待ち受け、鋭い折り返しが連続する構成は、一瞬の判断ミスも許さない難関だ。

中でも「ビッグ8」と呼ばれる連続ターン区間では最大12Gもの負荷がパイロットを襲い、体重の12倍の力に耐えつつ正確な操縦を求められる様子は、まさに究極の空中バトルともいえる迫力だった。

極限のコースが生んだ究極の空中バトル

公式レポート&決勝映像で熱戦を振り返る

予選から決勝、波乱と逆転の連続、そして究極の空中バトルの全貌を、公式レポートで徹底解説。初のシリーズ連覇を目指す王者室屋が「天王山になる」と語る次戦(7月6日決勝)を前に、開幕戦の熱狂をぜひチェックしてほしい。

進化を続けるAIR RACE Xの行方

今後は、レースの裏側に迫るドキュメンタリーや分析・解説型のコンテンツ、選手の素顔に迫る特別企画など、多彩なコンテンツも予定している。

進化を続けるAIR RACE Xの最新情報は、公式サイトのほか公式YouTubeチャンネルや公式SNSで発信している。

AIR RACE X VISIONEXPAND LIMITS! 可能性を拡張する新たな挑戦

AIR RACE X - 可能性を拡張する革新的な空のモータースポーツ

AIR RACE X は、最新のテクノロジーと革新的且つ公正な競技フォーマットを通じて、スポーツの本質である挑戦・進化・感動 を拡張する。

不可能と思われたことが可能になる――それが私たちの舞台。

持続可能な競技フォーマットと先端技術によって、あらゆる制約を取り払い、挑戦・空間・体験のすべてを拡張。選手たちは自らの限界を超え、観る者にはこれまでにない没入感と感動を届ける。

AIR RACE X は、可能性を拡張し続ける革新的なモータースポーツとして、挑戦を進化へと変え、世界中のファンと選手に新たな価値を創出する。

What is AIR RACE X?

リアルからの拡張:デジタルテクノロジーで戦略的進化を遂げる新しい体験価値創造への挑戦

「リアルな体験に勝るものはない」 ― 物理的制限やテクノロジーの発展によりこの体験価値は神話となりつつある。しかし、「デジタルだけでは何かもの足りない」 ― AIR RACE Xは、リアルな体験を最先端のデジタルテクノロジーをもちいて拡張させ、その体験を増幅させることにより、新しいスポーツの体験価値を創造することに挑戦している。

AIR RACE X は、3つのレースフォーマット「リモート」「デジタル」「ライブ」を融合した日本発の新しいモータースポーツシリーズ。

「リモート」「デジタル」の両レースでは、世界各国に拠点を持つパイロットたちは、設定されたレースコースを自身の拠点に再現し、実際にフライトを行う。そのフライトデータは、大会本部に集結され、最新のAR(オーグメンテッド・リアリティ:拡張現実)技術によりレース会場として選定された都市にレースが映像として再現される。

AIR RACE X の拡張するレースフォーマットの詳細はこちら

▶︎AIR RACE X

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DJI Agricultureの年次報告書がAgrishow 2025でドローンによる農業革命を明らかに https://www.drone.jp/news/20250501123134115456.html https://www.drone.jp/news/20250501123134115456.html 2025-05-01T03:31:34+00:00 txt: Tom INOKAWA(DRONE.jp) 構成:編集部

民間ドローンとクリエイティブカメラ技術の世界的リーダーであるDJIは、ブラジルのサンパウロで開催されたAgrishow 2025において、第4回農業用ドローン産業の動向に関する年次報告書を発表した。調査の結果、農業用ドローンを中心に構築されたグローバル産業が成熟しつつあり、次の成長段階に向けて準備が整っていることが明らかになった。

近年、地域航空当局は、世界中で精密農業とより高度な作物保護技術の普及を促進させるため、より友好的な政策を実施する動きを加速させている。パイロット訓練の標準化も、産業への若者や女性の流入を促進している。2024年末には、世界中で40万台のDJI製農業用ドローンが使用されていると推定され、2020年から90%増加した。ドローン技術の採用により、約2億2200万トンの水が節約され、30.87トンの二酸化炭素排出量が削減された。

農業用ドローンは世界中で不可欠な農機具となっています。研究に基づく政策とオペレーター訓練のプロセスの明確化により、若者や女性の間で農業用ドローンの採用が大幅に増加しました。

業界が世界的に成熟し続ける中、DJI Agricultureは、革新的なドローン技術を通じて農家の生産性向上と持続可能な収穫量の増加を支援するというミッションに、引き続き固い決意で取り組んでまいります。

とDJI Agricultureのグローバルセールス責任者であるYuan Zhang氏は述べた。

研究に基づく政策が採用を加速

農業用ドローンの使用は2024年を通じて拡大し続けた。一部の国では限定的なテストから正式な適用へ移行しており、他の国では単一作物の適用から様々な作物への広範な適用へと拡大している。これは主に現地の航空当局によるより賢明な規則のおかげだ。

例えば、アルゼンチンは農業地域におけるドローンの配備に関する制限を緩和し、スペインは農業用ドローンの使用に関する承認手続きを簡素化した。同時に、ブラジルのような幾つかの国では、パイロット訓練のプロセスをさらに標準化し、人々がスプレードローンを合法的に運用しやすくしている。

DJI Agricultureはスプレードローンのための抗ドリフト機能とデザインを進化させている

ドリフトの制限は、スプレードローン、従来の航空機、地上機材を含むすべての方法での農薬散布における課題であり続けている。しかし、DJI Agricultureは、2021年から2024年にかけて世界中のさまざまなパートナーと共同で実施した広範なドリフト試験に基づき、ドローンのノズル設計と気流動力学を最適化した。同社はまた、ドリフトを最小限に抑えるためのベストプラクティスを共有しており、低風速条件、適切な飛行高度、異なる農薬やフィールド条件に基づく液滴サイズを推奨している。

散布、撒布、果樹園管理のケーススタディ

DJIの農業用ドローン産業の動向に関する報告書では、トウモロコシ、コーヒー豆、キャノーラ、ヒマワリ、米、バナナ、ブドウ園の散布および播種アプリケーションの新しいケーススタディが幾つか紹介されている。

  • ブラジルでのドローンを使ったコーヒー栽培:DJI Agras T40およびAgras T50ドローンを使用して農薬、殺菌剤、葉面肥料を適用することで、コーヒー豆栽培者の運用コストは手動散布と比較して70%、トラクター散布と比較して50%削減された。
  • ドローンを使った稲の播種のベストプラクティス:世界中の米農家と協力して、DJIは稲の播種に関する幾つかの考慮事項を文書化した。これには、ルート間隔に応じて飛行高度と播種ディスクの速度を調整すること、トラクターを使用して地形の高低差を均一化して測定すること、および事前発芽させた稲の種子が3mmを超えないようにすることが含まれる。
  • ルーマニアでのブドウ園管理の変革:DJI Agras T50を使用することで、高齢のブドウ園の所有者は化学薬品の使用量を241.64リットルから111.94リットルに半減させた。従来は3〜4日間を要していた散布作業を、彼はわずか2.5時間で完了できるようになった。彼は、スプレードローンを使用して、雨の後でも、傾斜地での作物への散布作業を従来のトラクターよりも効果的に実施できるようになった。

2024/2025農業用ドローン業界の動向に関する報告書の全文はこちら

▶︎DJI

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ReAMoプロジェクト、シンポジウム2025を5月16日(金)に開催 https://www.drone.jp/news/20250501113119115453.html https://www.drone.jp/news/20250501113119115453.html 2025-05-01T02:31:19+00:00 ReAMoプロジェクトの研究開発内容とこれまでの成果、および今後の取り組みを広く理解いただき、一層の連携や情報交換を実施できるようシンポジウムを開催する。

開催概要

目的ドローン・空飛ぶクルマに関心のある方々に、ReAMoプロジェクトの目的と成果、今後の取り組みについて幅広く知っていただき、次世代空モビリティの社会実装に向けた機運を高める
日時2025年5月16日(金)10:00~17:50
場所TKPガーデンシティPREMIUM田町
〒108-0023
東京都港区芝浦3-1-21 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 4階 S401
アクセス https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/gcp-tamachi/access/
主催国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
運営PwCコンサルティング合同会社
開催方法「対面」と「オンライン(Webex Webinars)」のハイブリッド方式
参加費無料
想定参加対象者ドローン・空飛ぶクルマ業界関連事業者
ドローン・空飛ぶクルマに関心のある一般の方々
定員300名(対面)、1,000名(オンライン)
申し込みについて本シンポジウムへの参加を希望される方は、「こちら」から申し込む
申込期限:2025年5月15日(木)17:00(厳守)
※定員に達した場合は、締め切り前に募集を終了する場合があり
※一つの企業等から複数人参加する場合も、必ず個人ごとに申し込むこと
事後配信同シンポジウムの配信映像は、後日、ReAMoホームページ上での配信を予定している。

プログラム

時間帯時間(分)講演内容講演者
10:00-10:1515開会、経済産業省挨拶、NEDO挨拶経済産業省・NEDO
10:15-10:3015プロジェクト全体概要説明NEDO
調査項目①②③
10:30-10:4515調査項目①③海外制度・国際標準化動向調査、国内外への成果発信PwCコンサルティング
10:45-10:5510質疑応答
10:55-11:1015調査項目②全体アーキテクチャ・要素技術調査三菱総合研究所
11:10-11:2010質疑応答
11:20-11:3515休憩
研究開発項目①(3)ドローンの1対多運航を実現する適合性証明手法の開発
11:35-11:4510研究開発項目①(3)ドローンの1対多運航を実現する適合性証明手法の開発PwCコンサルティング
研究開発項目①(4)ドローンの1対多運航を実現する機体・システムの要素技術開発
11:45-11:5510研究開発項目①(4)ドローンの1対多運航を実現する機体・システムの要素技術開発KDDIコンソーシアム
11:55-12:0510複数ドローンの同時運航実現に向けた運用要件の策定および運航管理システムの開発イームズロボティクス
12:05-12:2520リモートIDを利用したドローンの1対多運航制御システム及び要素技術開発
12:25-14:0095質疑応答
研究開発項目①(1)ドローンの性能評価手法の開発
14:00-14:1515休憩(昼食)・名刺交換
14:15-14:2510研究開発項目①(1)ドローンの性能評価手法の開発名古屋工業大学コンソーシアム
14:25-14:5530制約環境下におけるドローンの性能評価法の研究開発
14:55-15:1015質疑応答
15:10-15:2515次世代空モビリティの安全認証および社会実装に求められる性能評価手法に関する研究開発東京大学コンソーシアム
研究開発項目①(2)空飛ぶクルマの性能評価手法の開発
15:25-15:4015休憩
15:40-15:5010研究開発項目①(2)空飛ぶクルマの性能評価手法の開発信州大学コンソーシアム
研究開発項目②運航管理技術の開発
15:50-16:0515次世代空モビリティの電動推進システムの設計・製造承認に向けた環境試験技術の研究開発
16:05-16:1510質疑応答
16:15-16:3015研究開発項目②運航管理技術の開発先端ロボティクス財団
16:30-17:0030高密度飛行を目指したエッジとクラウドのAI・最適化による衝突回避と運航管理の研究
17:00-17:1515質疑応答
17:15-17:5035閉会挨拶、補足説明、事務連絡、名刺交換・交流会NEDO

※プログラムは変更される場合があり

▶︎申し込み

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GNSS受信機内蔵のドローン測量用対空標識「エアロボマーカー」が国土交通省の新技術システム「NETIS」の令和7年度推奨技術に選定 https://www.drone.jp/news/20250430170203115408.html https://www.drone.jp/news/20250430170203115408.html 2025-04-30T08:02:03+00:00 国土交通省ではNETISに登録された新技術の中から外部有識者の審査を経て、画期的な新技術を有用な新技術として選定しており、推奨技術においては公共工事等に関する技術の水準を一層高めるために選定された画期的な新技術と定義している。

エアロボマーカーは、標定点や検証点に設置するだけで高精度な測量が可能となる対空標識で、ドローンが空撮をしながらマーカーの位置も計測(GNSSスタティック測位方式)できるため、現場作業時間を短縮することができる。

GNSS受信機を内蔵したドローン用対空標識として2級GNSS測量機登録と電算プログラム検定を取得した測量機器のため公共測量にも使用でき「公共測量 作業規定の準則」に準拠した帳票を測量成果として提出することが可能。

公共事業等においてNETIS登録された技術を提案し、実際に工事等で活用された場合、活用の効果に応じて工事成績評定での加点の対象となるため、今後国内におけるエアロボマーカーのさらなる普及や活用の促進を見込んでいる。

エアロセンスはこれまで、国土交通省や環境省等が実施するさまざまな実証実験に協力した実績を持ち、その高い機体性能や信頼性が認められている。今回のNETIS推奨技術に選定されたことをきっかけに、国産ドローンメーカーとして性能の向上と販促を図り社会に普及させることで、社会実装を拡大させてゆく。

NETIS登録番号 KT-180029-VE
技術名称 センチメートル級精度の対空標識「エアロボマーカー」
NETIS内「エアロボマーカー」登録ページ https://www.netis.mlit.go.jp/netis/pubsearch/details?regNo=KT-180029%20

NETIS(ネティス:New Technology Information System)について

国土交通省が運営する新技術情報提供システムで、公共事業の抱えている様々な問題点を解決すると共に、優れた技術を持つ企業をサポートし更なる新技術開発を促進するため、新技術に関わる情報の共有及び提供を行うデータベースシステム。

▶︎エアロセンス株式会社

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目視外飛行の行方[春原久徳のドローントレンドウォッチング]Vol.89 https://www.drone.jp/column/20250430103032115400.html https://www.drone.jp/column/20250430103032115400.html 2025-04-30T01:30:32+00:00 日本での目視外飛行

日本での目視外飛行に関していえば、2022年12月5日に開始されたレベル3、レベル4の機体認証、無人航空機操縦者技能証明(操縦ライセンス)において、一定のルールが示され、目視外飛行が制度的には動き出しているとも言える。

  • レベル1:目視内での操縦飛行
  • レベル2:目視内での自律飛行(自動飛行)
  • レベル3:無人地帯での目視外飛行
  • レベル4:有人地帯での目視外飛行

制度開始から2年ほど経過しての現在の状況を確認してみよう。 以下は国土交通省が今年の2月末時点での機体認証および操縦ライセンスの取得の状況である。

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まずはレベル3の状況は、二等ライセンスが21,585件、型式認証書交付数5件、機体認証書交付数20件となっている。

レベル3に関しては、2023年12月にレベル3.5という改定された制度が既に動き出している。

それは新制度の運用が開始され、1年程度の段階で、二等ライセンスが6,860件あったにも関わらず、型式認証書交付数が1件(しかも、この交付は目視外除外での交付であった)といった環境の中、新制度が機能していないということも受けての市場からの圧力にも寄るものであったであろう。(以下の表が令和6年末時点の状況)

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レベル3.5は、レベル3(無人地帯の目視外飛行)の飛行に際し、以下の条件を満たせばその飛行が可能になるといったものとなっている。

  1. 二等ライセンス以上の保有
  2. 保険への加入
  3. ドローンのカメラによる歩行者の有無の確認

具体的には、この条件により、以下が緩和される(省略できる)ものとなった。

  1. 立入管理区画を設定した場合は、当該立入管理区画に立看板等を設置するとともに、インターネットやポスター等により、問い合わせ先を明示した上で上空を無人航空機が飛行することを第三者に対して周知すること
  2. 立入管理区画に道路、鉄道、家屋等、第三者が存在する可能性を排除できない場所が含まれる場合には、追加の第三者の立入りを制限する方法を講じること
  3. 地上において、進行方向の飛行経路の直下及びその周辺への第三者の立ち入りの有無を常に検知できること
  4. 飛行経路には道路、鉄道、家屋が密集している場所がないこと

要は飛行ルートの周知や立ち入り制限、監視員の措置をすることがなく、目視外飛行が可能になるということである。

このレベル3.5により、無人地帯の目視外飛行はルール上動きやすくなったし、また、この1年において、その飛行シーンは多くなってきている。

けれど、無人地帯の目視外飛行(遠隔操縦・遠隔操作)に関しての活用が大きく進んだかというと、「ドローンのカメラによる歩行者の有無の確認」といった通信環境の安定的な稼働のための整備や、そもそものビジネスモデルの構築が出来ていないといったこともあり、まだ実証実験や実用前検証を超えて実用化されているケースはさほど多くない。

これは制度側の課題でなく、ドローン事業者側の課題となろう。

このレベル3.5の制度によって、はしごを外された形になっているのは、機体メーカーが取得してきた・取得しようしてきた第二種型式認証の動きである。

今回のレベル3.5はそれまで必要としてきた第二種型式認証(機体認証)を必要としていないこともあり、この型式認証にコストをかけてきた・かけようとしてきた機体メーカーにとって、そのコスト回収を困難なものにしている。(そのコストはケースによって異なるが数千万となっている)また、今後、その取得を行うモチベーションも著しく低くなっている。

これは機体メーカーの事業性の問題だけでなく、ある一定の安全性を向上・維持させるためにも、何らかの制度改正が必要な内容となっているだろう。

レベル4の状況を見てみよう。 一等ライセンスが2,722件、型式認証書交付数1件、機体認証書交付数4件となっている。

2年経過して、第1種の型式認証機体が1機体という現状は残念ながら、この制度が回っておらず、有人地帯の目視外飛行に関して、大きな足枷となっているとも言えよう。

そういった意味においては、何らかの緩和施策を必要としているが、有人地帯の目視外飛行(遠隔操縦・遠隔操作)における安全性と有用性、もしくは、事業性との天秤において難しい形となっているだろう。しかし、その議論はし始めないと一向に前には進まないだろう。

この議論のためにも、米国の動きは参考になるので、米国の動きを見てみよう。

米国での目視外飛行

米国においては、目視外飛行はBVLOS(Beyond Visual Line of Sight)と呼ばれる。 FAA(Federal Aviation Administration:連邦航空局)が商用ドローンの目視外飛行(BVLOS)運用の標準化を目指す、施行を計画している規制がPart108というものだ。この規制は、基本的に、特定の条件下でドローンが操縦者の目視外飛行を許可するものとなる。

これまでのPart107では、特別な免除を受けない限り、ドローン操縦者は機体を視界内に維持しなければならなかった。この目視内飛行制限は航続距離を著しく制限し、運用規模の拡大における大きな障害となっていた。

Part 108はその大きな転換点となり、新たな枠組みを確立することで、運用者はFAAの免除を常に必要とすることなく、長距離かつ複雑なミッションを遂行できるようになることで、ドローンの活用が大きく広がるということでドローン業界から期待をされてきた。

このPart108の今までの進み方は以下となっている。

  • 2021年 – ARC開始: 2021年6月、FAAはBVLOS航空規則制定委員会(ARC)を設立し、Part 108の勧告策定を開始した。これにより、迅速な規則制定への期待が高まった。2021年末には、当時のFAA長官スティーブ・ディクソン氏が、BVLOSに関するNPRM(規則制定案通知)を2022年末までに発表するとさえ述べた。
  • 2022年3月 – ARCレポート: ARCは2022年3月10日に最終報告書を提出し、FAAに対しPart 108の策定を促し、その運用方法を詳細に示した。この包括的な計画には、リスクに基づく分類、パイロットの資格要件、技術要件、さらには規則のサンプル文言まで含まれていた。業界関係者はこれを青写真と捉え、FAAが迅速に行動することを期待していた。
  • 2022年までにNPRMが成立せず: ARCのレポートがあったものの、2022年にはBVLOSに関するNPRMは成立しなかった。FAAが約束したスケジュールは遅れ、2023年半ばには当局も遅延を認めるようになった。期待されていた「BVLOSの年」が過ぎ去り、ドローン業界からは不満が噴出した。
  • 2024年、FAA再認可 – 議会からの働きかけ: 進展を促すため、米国議会は 2024年FAA再認可法(2024年5月16日署名)に、FAAに対し4ヶ月以内にBVLOS規則を正式に提案するよう指示する条項を盛り込んだ。これにより、Part 108 NPRMの期限は2024年9月16日と定められた。これは議会が事態の進展を切望していたことを反映した、積極的なスケジュールであった。
  • 2024年9月 – 締め切り通過: 9月16日は過ぎたが、NPRMは公表されなかった。同月開催されたCommercial UAV Expoで、FAAの代表者は期限に間に合わないことを認め、2024年末または2025年初頭のNPRMを目指していると述べた。この段階において、FAAの幹部はBVLOSが優先事項であり、水面下で作業が進行中であることを改めて強調した。
  • 2025年現在: 2025年第1四半期現在、BVLOS NPRMはまだ発表されていない。業界関係者は、この遅延がFAA内部の問題、つまりリソースの制約やトランプ政権での優先順位の変化を示唆しているのではないかと懸念を強めている。

ここでみたように、米国においてもドローン業界関係者の期待値とFAAの動きは一致していない。

しかし、そのPart108が通過した際のドローン活用に向かっては、個別承認を与えることで、その検証が進んでいる。その中でも警察・消防で展開を推進している「DFR(Drone as First Responder)」に関しては積極的に承認を与え、その動きが本格化している。

https://www.drone.jp/column/20241022080909101238.html

https://www.drone.jp/news/20241204163235105340.html

この「DFR」での様々な実践の中の検証を受けて、BVLOSのルールに関して、そのルールを構築する際の参考にしていることだろう。

日本での今後の目視外飛行の行方

日本においても、目視内で進めることが出来るドローン活用は、より現実的な実用に進めていく動きをドローン関係者は強化していく必要があるだろう。

一方で、目視外、特に有人地帯の目視外飛行に関しては、何らかの緩和といったものが必要となっている。しかし、その緩和に関しては、様々な意見がそこにあるということもあり、より社会性の高い内容から進めていくことを考えていかなければならない。それに関して、米国の「DFR」の例は参考になるのではないかと思う。

警察・消防、もしくは、防災・災害対応などでの駆け付け・見回りといった分野でのドローンポートとドローンの遠隔システムといった部分での実践的な運用といったものが一番いいのではないかと考える。

恐らく、今年度から来年度くらいにある一定の導入を行い、そこの中での状況や課題の収集を行い、緩和につなげていくといった動きが、米国のPart108とも相性がよいのではと考える。アクションしていくことが重要だ。

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DJI、Terraをバージョン4.5.0にアップデート。ドローン3Dモデリングの精度が向上 https://www.drone.jp/news/20250428171938115394.html https://www.drone.jp/news/20250428171938115394.html 2025-04-28T08:19:38+00:00 DJI公式サイトからダウンロードできる。今回のアップデートで航空データ処理の精度、効率、適応性を向上させるための一連の機能強化を導入した。

DJI Terra 4.5.0アップデートの重要なハイライトは、可視光再構築タスクにおけるスケール制約の導入だ。この機能により、ユーザーは3Dモデルのサイズを微調整し、デジタル表現が実際の寸法と正確に一致するようにすることができ、建設、測量、インフラ開発などの分野にとって重要な要件となる。

さらに、このアップデートにより、地上サンプル距離(GSD)に基づいて2Dマップの解像度を設定する機能が追加された。ユーザーは、特定のGSD値に対応するマップ解像度を定義できるため、DJI Terraは2Dマッピング出力の精度を高め、さまざまな専門アプリケーションの微妙なニーズに対応する。

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座標系推奨機能の強化

DJI Terraのグローバルなユーザーベースを認識し、バージョン4.5.0では座標系推奨機能のサポートが導入された。この機能は、特定の国や地域に合わせた適切な水平および垂直座標系を提案し、セットアッププロセスを効率化し、地理空間データのアライメントにおける潜在的なエラーを削減する。

PPK処理サポートの拡大

新しいTerraアップデートでは、後処理キネマティック(PPK)処理機能がより広範なDJIハードウェアに拡張された。ユーザーは、Zenmuse L1およびL2(写真のみ)、Zenmuse P1、Mavic 3M、Mavic 3E、Mavic 3T、Matrice 3Dなどのデバイスで収集されたデータを、可視光再構築タスク中にPPK処理を実行できるようになった。この拡張により、マッピング出力における位置精度の向上が促進され、綿密な空間データを要求するプロジェクトに恩恵をもたらす。

パフォーマンス向上のための最適化と修正

バージョン4.5.0では、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、いくつかのパフォーマンス面に対処している。

  • 点群精度:可視光再構築タスク中にテクスチャが弱い領域での点群出力の精度が最適化され、より信頼性の高い3Dモデルが実現する。
  • 農業アプリケーション:農業マッピングの場合、再構築結果のアップロードサイズが最適化された。システムは現在、最大10,000 muの面積をサポートしており、2D出力データの場合、単一ファイルのサイズは5 GBを超えず、大規模農業プロジェクトにおけるより効率的なデータ処理を促進する。

このアップデートでは、以下のような重要な問題も修正された。

  • 標高表現:モデル座標系を変更した後、点群の標高を表すカラーバンドが実際の高さと正しく一致するように修正が実装された。
  • GCP機能:過剰な数のマークが地上コントロールポイント(GCP)機能へのアクセスを妨げる問題を解決し、地理参照タスクにおけるよりスムーズなワークフローを保証する。
  • テクスチャマッピング:バージョン4.4.6の一部の可視光2D再構築出力で観察された異常なテクスチャマッピングが修正され、2Dマップの視覚的な忠実度が向上した。

互換性に関する考慮事項

NVIDIAが新たにリリースしたBlackwellアーキテクチャに基づくRTX 50シリーズグラフィックスカードは、現在DJI Terraでサポートされていないことに注意することが重要だという。これらのグラフィックスカードを再構築タスクに使用すると、特に特定のシーンを選択したり、可視光タスクで2Dマップのフィールドおよび果樹園シーン、3Dメッシュモデルの水面洗練、LiDAR点群タスクでの点群精度最適化などの特定の機能を有効にしたりすると、問題が発生する可能性があるという。

▶︎DJI

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DEXAドローン配達、FAA承認で全国展開へ。店舗から玄関先へ15分で配送 https://www.drone.jp/news/20250428171717115387.html https://www.drone.jp/news/20250428171717115387.html 2025-04-28T08:17:17+00:00 オハイオ州に拠点を置く同社は、FAAパート135航空運送事業者証明を取得し、米国全土での商業配達のために、ドローンを目視外(BVLOS)で飛行させることが可能になった。また、運輸省のS-1リストにも掲載された。これは、安全な全国的な運用が承認されたドローンの限定リストである。

これらの承認により、DEXAは、Amazon Prime Air、GoogleのWing、Ziplineなど、ドローン配達サービスを全国的に拡大することが正式に許可されたごく少数の企業グループに加わることになった。

フリッポ氏:

これは記念すべき成果です。私たちのような中小企業がこのレベルに到達できたのは、チームの努力と革新の証です。

米国で完全に製造された6ローター機であるDE-2020ドローンは、S-1リストの資格を得るために厳格な耐空性基準に合格した。この認定により、DEXAは第三者の航空機に依存する必要がなくなり、自社の認定技術を使用して運営できる。

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FAAからのゴーサインを得て、DEXAはDEXA NOWアプリを通じて事業を拡大する準備が整った。このアプリは、日用品、食料品、コンビニエンスアイテムを15分で配達することを約束している。同社によると、ドローン配達は配達時間を短縮するだけでなく、炭素排出量と道路交通の削減にも役立つという。

フリッポ氏:

これは、ドローン配達を日常的な利便性に変える明確な道筋を示すものです。

2021年に設立されたDEXAは、店舗から玄関先への商品の移動方法を、高速で環境に優しいドローン飛行によって変えることを目指しているという。

▶︎DEXA

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「ドローンビジネスマスター(減災)コース」が開講。能登地震・豪雨被災地での実践的ドローン訓練カリキュラム https://www.drone.jp/news/20250425180047115368.html https://www.drone.jp/news/20250425180047115368.html 2025-04-25T09:00:47+00:00 同コースは、地震・水害などの複合災害に対する実践的な対応力を養成する専門プログラムだ。

コース開発の目的

2024年に発生した能登半島地震と豪雨災害は、複合災害における対応の難しさと、迅速かつ効果的な情報収集・支援活動の重要性を改めて浮き彫りにした。この経験から、私たちは、災害現場でのドローン運用に特化した実践的な訓練プログラムの必要性を強く認識した。

同コースは、実際の被災地をフィールドとして活用することで、机上の訓練では得られない貴重な学びの場を提供し、将来発生する災害に対して即応できる人材を育成することを目的としている。特に以下の点を重視している。

  • 実践的な災害対応力の育成:実際の災害現場で起こりうる複雑な状況下での判断力と対応力を養成する。
  • 地域防災力の向上:自治体、消防、警察、民間企業の防災担当者など、地域の防災活動の中核を担う人材のスキルアップを支援する。
  • 経験の共有と継承:能登半島地震での経験を次世代の防災活動に活かし、被害の軽減に貢献する。
  • 被災地の復興支援:訓練プログラムを通じて被災地を訪れる受講生の活動が、地域経済の活性化と復興を後押しする。

災害はいつどこで発生するか予測できないが、備えることはできる。本コースを通じて、ドローン技術を活用した災害対応の新たな可能性を切り開き、安全・安心な社会づくりに貢献していく。

訓練の特徴

  • 実際の災害現場を活用:令和6年能登地震・豪雨で被災した地域全域を訓練フィールドとして活用し、地割れ・崖崩れ・隆起など実際の自然現象から学ぶ。能登半島特有の沿岸部と山間部の特性を活かした高度な訓練を実施する。
  • 3つの環境での訓練:沿岸部、山間部、市街地の各環境に特化した訓練を実施する。各地形特有の課題に対応できる実践力を育成する。
  • 実践的なシナリオベース:実際の災害を想定したシナリオに基づき、情報収集から物資輸送まで総合的なスキルを習得できる。リアルタイムで発生する臨時ミッションにも対応する。
  • チームベースの連携訓練:3-6名のチーム編成で実践的な連携訓練を行う。管制本部との連携や情報共有のスキルも習得する。
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主な訓練内容

環境別訓練

[沿岸部訓練]

  • 地震による港湾施設の損壊状況確認
  • 津波警報発令時の状況把握
  • 高潮による浸水被害の把握
  • 港湾地区での火災発生時の延焼状況確認
  • 漂流物の監視
  • 孤立した漁港への物資輸送
  • 強風・視界不良条件下での飛行
  • 夜間捜索活動
  • 複数地点への連続物資輸送

[山間部訓練]

  • 土砂崩れ・土石流発生現場での状況確認
  • 3Dマッピングによる土砂災害規模の測定
  • 危険箇所の特定 孤立集落への物資輸送
  • 急峻な地形での飛行技術
  • 天候急変への対応訓練
  • 夜間・悪天候下での高度な救援活動

[市街地訓練]

  • 建物倒壊現場での要救助者探索
  • 火災発生時の延焼状況確認
  • 住宅密集地での浸水被害把握
  • 建築物や電線など障害物環境下での安全飛行技術
  • 避難所への物資輸送
  • 空間の浸水状況確認
  • 夜間捜索活動
  • 複数箇所での同時対応
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機能別訓練

[状況調査・捜索訓練]

  • 高精細撮影技術
  • 熱画像カメラを用いた要救助者捜索
  • 3Dマッピングによる被災規模測定
  • 視界不良時の捜索活動
  • リアルタイム災害状況中継
  • 複数エリアでの同時観測
  • 管制本部との情報共有・分析

[3D作成訓練]

  • 建物倒壊現場の被害状況3D化
  • 土砂災害規模の3Dデータ作成
  • 河川堤防損壊状況の3D化
  • 自律飛行による計画的撮影
  • 精密測量技術
  • 高度なデータ処理技術
  • 広域エリアの3D化
  • 時系列での地形変化把握

[物資輸送訓練]

  • 食料・通信機器等の輸送
  • 重量バランス調整技術
  • 安全な物資投下技術
  • 気象条件に応じた飛行ルート選定
  • 地形特性に応じた輸送計画立案
  • レベル3.5輸送訓練
  • 複数地点への連続搬送
  • 悪天候下での緊急輸送
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訓練区分と費用

訓練区分期間費用訓練概要参加資格習得資格
速習訓練1日間税込11万円災害現場での活動基礎学習、実データを使用した現場学習、インストラクターによるデモ飛行、短期間で災害活用の基本全般を体験ドローン関連資格不問、総飛行時間10時間以上なし
機材訓練1日間税込11万円調査捜索、計測、輸送の各機体の使用方法、撮影、映像伝送、自動飛行ドローン関連資格不問、総飛行時間10時間以上なし
調査捜索訓練2日間税込33万円災害現場での活動方法、空撮による現場状況把握、要救助者の行動原理無人航空機操縦士2等以上または民間資格、総飛行時間50時間以上、目視外飛行経験ドローンビジネスマスター(減災:調査)
計測訓練2日間税込33万円災害現場での活動方法、写真およびレーザーによる現場計測、計測データの活用手法無人航空機操縦士2等以上または民間資格、総飛行時間50時間以上、3D構築経験ドローンビジネスマスター(減災:計測)
輸送訓練2日間税込33万円災害現場での活動方法、空輸のための梱包、飛行特性、自動飛行、ハンドサインによる荷下ろし無人航空機操縦士2等以上または民間資格、総飛行時間50時間以上、物資輸送経験ドローンビジネスマスター(減災:輸送)
総合訓練3日間税込44万円災害現場での総合的な活動方法、調査・計測・輸送の実践的連携、複合災害対応シナリオ実習無人航空機操縦士2等以上または民間資格、総飛行時間100時間以上、目視外飛行経験、物資投下経験ドローンビジネスマスター(減災:総合)
インストラクター訓練9日間
(総合訓練×3回)
税込11万円講習指導訓練、講習時のリスク判断および管理訓練、緊急事態に対する応用判断訓練、受講生評価方法訓練総合訓練受講者ドローンビジネスマスター(減災:インストラクター)・独自計画の講習開催が可能
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講師陣

災害現場での実務経験を持つ、飛行時間1,000時間以上のベテランインストラクターが指導する。

  • 浦達也氏(珠洲市消防団、防災士、(株)Drone Partner's 代表取締役)
  • 森本宏治氏(元岡山県警察、防災士、(一社)日本ドローンビジネスサポート協会 代表理事)
  • 浅野治氏(元自衛隊、防災士、SKY Agri 代表)
  • 横山寿一氏(元自衛隊、doSORA 代表)
  • 参加対象者

    自治体職員、消防職員、警察職員、民間の防災関係者など、地域の防災力向上に関わる方々を対象としている。訓練区分によって参加資格が異なるので、詳細は問い合わせること。

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    注意事項

    講習全般について

    • 災害現場での飛行・作業となるので周囲の安全には十分注意し、迷惑のない行動をすること
    • 万一の怪我や事故については自己責任となる
    • ヘルメット、ゴーグル、安全靴などの装備は自身で準備する
    • 安全ベストについては講習用に専用ベストを着用する

    宿泊・食事について

    • 宿泊、食事については自身で準備する
    • 食事については、地元の方の迷惑とならない範囲で飲食店やスーパーを利用すること
    • 宿泊については、できる限り地元の宿泊施設を利用すること
    • 皆様の参加が地元経済の活性化にもつながる

    ドローン飛行について

    • 安全が確保された空域ではない
    • 実際の災害現場での訓練となる
    • 大型ドローンの飛行や、目視外飛行などリスクの高い飛行も行う
    • 各種手続きが必要な場合には、事前手続きを完了したうえで受講してほしい
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    開催予定

  • 2025年5月20-23日:総合コース(プレ開催、参加条件あり、インストラクター希望者優先
  • 2025年6月17-19日:総合コース(第1回)
  • 今後の展開

    月に一度の「総合訓練」を基本として、各コースを開催する。団体、職場などで5名以上で受講される場合には個別開催の調整も可能だ。

    申し込み・問い合せ方法

    お問い合せメール(info@drone-business.jp)
    確認受講資格などを確認する。ドローンの経験や使用機材など、受講される方の情報を確認
    申し込み専用フォームから受講希望日を選んで申込。 総合コースは月に一度程度開催を予定している。参加上限(6-10名)がある。
    カリキュラム開発一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会
    岡山市北区本町6-36
    info@drone-business.jp
    講習実施団体一般社団法人Sky Mobility JAPAN
    石川県珠洲市飯田町9部97-1
    info@skymobility.jp

    ▶︎日本ドローンビジネスサポート協会

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    エアロネクストら3社、ガイドラインに準拠した医薬品ドローン定期配送を実現 https://www.drone.jp/news/20250423165111115358.html https://www.drone.jp/news/20250423165111115358.html 2025-04-23T07:51:11+00:00

    ※「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン(医薬総発0409 第1号、医政総発0409 第1号)」:医薬品の品質・安全性確保や患者様のプライバシー保護を目的として定めた、医薬品販売業者や薬局がドローンを用いて配送する際の基準 ※フェーズフリー:平時と有事(災害時)を区別せず、普段利用している商品やサービスを有事にも活用できるようにすること

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    写真左から、アルフレッサ 医薬営業統括本部東海営業本部静岡営業部長・小出和也氏、静岡県川根本町 デジタル推進課長・服部了士氏、アルフレッサ ソリューション&イノベーション事業部ソリューションアーキテクト部長・山本貴志氏、NEXT DELIVERY 自治体事業部長・山田伸明氏
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    物流専用ドローンAirTruckに医薬品を入れた専用箱を搭載(旧中川根南部小学校グラウンド)

    背景と目的

    近年、日本では豪雨や台風、地震等による災害が発生し、地域社会に甚大な被害をもたらしている。特に、災害時に孤立する可能性が高い地域においては、生命に関わる危機も予想される。

    川根本町は総人口5,789人(2024年7月現在)で、静岡県の中央部に位置し、町域は大井川に沿った東西約23km、南北約40kmの南北に細長い形状となっている。面積は496.72km²(県全体の6.4%)で、約90%を森林で占められている。自然環境が豊かな一方、町の中心地から離れた地域が散見され、高齢化に伴い日常の買い物にお困りの方々の課題も抱えている。また、有事の際に孤立する可能性のある地域も多く、災害などで道路が遮断され交通手段がない場合の物資輸送が課題となっている。

    アルフレッサグループは「すべての人にいきいきとした生活を創造しお届けします」という企業理念に基づき、事業活動を通じて社会・環境問題の解決に取り組み、持続的な企業価値の向上を図っている。また、アルフレッサグループのサステナビリティ重要課題において「地域社会への貢献」を掲げ、社会インフラとして医薬品等を「安心・安全・誠実にお届けする」安定供給に努めている。

    エアロネクストとNEXT DELIVERYは、2023年に災害時の孤立地域へのドローン配送を想定した実証実験を実施し、川根本町とエアロネクストは、過疎化等の地域課題の解決に向けて、ドローン配送実証事業を含む次世代高度技術の活用による新しい物流のビジネスモデルの構築を目的とした連携協定を締結した。地上輸送とドローン配送を連結した新たな物流インフラ、新スマート物流SkyHubの構築、社会実装に向け、2024年5月にSkyHubの拠点となるドローンデポを地震災害時の避難所にも指定されている旧中川根南部小学校に開設し、買い物代行やフードデリバリー、共同配送等のサービスを開始している。

    この度、川根本町における課題解決に向け、アルフレッサは、エアロネクストおよびNEXT DELIVERYと協業し、アルフレッサの医薬品輸配送のノウハウ、エアロネクストの4D GRAVITYをコアテクノロジーとする次世代ドローン技術、NEXT DELIVERYの豊富なドローン配送の実績とノウハウを組み合わせ、地上輸送とドローン配送を連結した医薬品配送を行う仕組みを構築した。

    ※4D GRAVITY:エアロネクストが開発したドローン機体の重心を最適化する機体構造設計技術。安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させることができる

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    川根本町におけるドローンを活用した医薬品定期配送の運用イメージ

    平時からドローンによる医薬品配送が行われる社会を実現し、災害時などの有事にドローン配送を活用できるようにするため、ラストワンマイルの輸送手段として、フェーズフリーの考え方に基づいたドローン配送を活用した医療機関への定期配送を2025年4月22日から開始した。これにより、災害時も医療提供活動を支援するとともに、孤立などの課題解決も目指す。

    ドローンによる医薬品配送について

    (1)ドローン医薬品配送の実施基準

    ドローン飛行は、航空法で分類されている「レベル3.5飛行」にて実施し、また、温度管理や施錠管理等の規制を定めた「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に準拠した方法で定期配送を実現している。

    (2)特徴

    今回の取り組みは、「物流課題を解決する手法」「災害時に対応できるフェーズフリーの施行」として、10年後20年後の未来をつくり、少子高齢社会を迎える日本の将来を支えることに繋がると考えている。

    (3)運用

    アルフレッサ静岡物流センターからNEXT DELIVERY配送拠点(旧中川根南部小学校のSkyHubドローンデポ川根本町)まで、陸路で必要な医薬品を輸送する。配送拠点より遠方エリアをドローンもしくは車両にて配送する。1軒の医療機関から実装を開始し、今後川根本町内の医療機関へ拡充していく予定だという。

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    アルフレッサ静岡物流センターからNEXT DELIVERY川根本町配送拠点への陸路配送
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    指紋認証鍵により施錠された医薬品が入った専用箱を解錠するまつおか薬局代表取締役の松岡政臣氏(まつおか薬局)

    ▶︎エアロネクスト

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    国内初!東京都内上空700m以上での夜間目視外ドローン飛行、二酸化炭素濃度の鉛直分布の観測成功 https://www.drone.jp/news/20250423162656115343.html https://www.drone.jp/news/20250423162656115343.html 2025-04-23T07:26:56+00:00 同プロジェクトでは、合同会社ソラビジョンが総指揮を執り、株式会社東北ドローン、高難度飛行申請の矢野法務事務所と合同チームを結成。未踏領域の観測に挑んだ。

    • 観測実施日:2025年3月17~18日(夜間から早朝にかけて実施)
    • 観測地点:東京都内某所河川敷
    • 使用したドローン:DJI社製 Matrice 300 RTK
    • 使用した観測装置:Leica社製 LI-840
    • 観測方法:高度740mまで上昇後下降しながら、100m毎に30秒間ホバリングし測定
    [caption id="attachment_115345" align="aligncenter" width="1280"]機体のセッティングを入念に行うドローン運航チーム機体のセッティングを入念に行うドローン運航チーム[/caption]

    ドローンによる二酸化炭素濃度観測を可能にしたソラビジョンの総合力

    合同会社ソラビジョンの代表を務める渡辺氏は、京都大学東南アジア地域研究研究所の連携准教授も兼務しており、ドローンを用いた環境計測のパイオニアとして産学連携を積極的に推進している。

    この度、東京大学大気海洋研究所の今須良一教授が研究代表者を務める「地球環境推進費:衛星観測データによる大規模排出源からの二酸化炭素排出量推定モデルの開発と定量的精度評価」プロジェクトの一環として、日本初となる都内・高高度・夜間・目視外飛行を実現し二酸化炭素濃度の鉛直濃度変化を時系列的に測定することを成功させた。

    同プロジェクトでは、合同会社ソラビジョンが総指揮を取り、株式会社東北ドローン、行政書士矢野法務事務所と合同チームを結成。未踏領域の観測に挑んだ。

    同件の観測地点は、都内という立地条件や夜間・高高度・目視外という飛行条件のみならず、米軍の横田基地および陸上自衛隊立川駐屯地東部方面航空隊の水平表面内に位置していることも加わり、飛行許可申請の難易度は非常に高いものとなった。

    ソラビジョンでは、まず、今須教授から観測の目的や手法、取得したい情報などについて学術的ディスカッションを行い、ドローンでの観測に最適な飛行場所をGIS(地理情報システム)データを元に抽出した。

    併せて、飛行場所に関連する地方自治体や国等の各種行政機関と連携を図りながら、ドローンの飛行許可申請を矢野法務事務所に依頼した。また、観測装置をドローンに搭載するための治具の開発と当日のフライトについては、高度なドローン操縦技術を有している株式会社東北ドローンが担った。

    ここに、ドローンを用いた二酸化炭素の観測に造詣の深い秋田県立大学生物資源科学部生物環境科学科、井上誠准教授が開発した装置を搭載し、夜間から明け方における大気中の二酸化炭素濃度の鉛直分布について高度700mを超える地点まで観測するという国内初の試みがなされた。

    観測は、夜間については強風のため実施できなかったが、翌日の夜明け前から日の出数時間後までの複数回の観測は無事に実施できた。

    飛行時間と高度を変えながら観測することで、人間活動が徐々に活発化していく中での二酸化炭素濃度の変化を時間的・空間的に取得することに成功。

    この成果は、今後研究チーム内で精査され、論文や学科発表等を通じて社会へ発信される。

    [caption id="attachment_115347" align="aligncenter" width="1280"]今回使用する機体と観測装置について説明をする弊社渡辺(右)とそれを聞く今須教授(左) 今回使用する機体と観測装置について説明をする合同会社ソラビジョン渡辺氏(右)とそれを聞く今須教授(左)[/caption]
    [caption id="attachment_115348" align="aligncenter" width="1280"]観測装置のセッティングをする井上准教授(緑色のジャケット) 観測装置のセッティングをする井上准教授(緑色のジャケット)[/caption]

    同プロジェクトの成果と意義

    今回の成功は、国内におけるドローンを用いた環境計測の新たな可能性を示すものとなった。ソラビジョンは、東京大学今須教授からのリクエストを元にプロジェクトの特性を丁寧に理解・分析し、求められる専門性・経験・対応力を高いレベルで備えたメンバーを厳選。同社が有する1,000名を超える幅広いネットワークから、同プロジェクトに最も適した体制(アベンジャーズ)を慎重に構築した。

    ソラビジョンは、こうした挑戦的なプロジェクトでこそ力を発揮し、クライアント様の案件構想段階からプロフェショナルチームの編成、現場運用、申請、データ取得までを一気通貫で設計・指揮を主導する。今後も、全国各地でドローン観測による精緻な環境データの取得を展開し、温暖化対策や防災、都市インフラ管理など、さまざまな社会的課題の解決に貢献するという。

    関係者からのコメント

    東京大学 大気海洋研究所 気候モデリング研究部門 部門長 今須 良一教授

    2025年度に打ち上げられる日本の温室効果ガス観測衛星GOSAT-GWや二酸化炭素観測用レーザレーダによる測定結果をより直接的な方法で検証できるようになり、今回の実験でこれらの手法の確立が一層進んだと考えております。

    ドローン観測の弱点の一つは、測定の同時性であり、時間的に変化する気象要素などの空間的な広がりを捉えるためには、可能な限り短時間で測定を完了する必要があります。そのため、同時に多数の機体を飛ばすなどの方法が有効ですが、搭載するセンサーが高額の場合、費用がかさむことから、安価で高精度なセンサーの開発も同時に求められると考えております。

    秋田県立大学生物資源科学部生物環境科学科 井上 誠准教授

    まず、二酸化炭素を観測するための装置として、精度が高くかつ比較的軽量でドローンに搭載しやすい構造の装置を選択し、外気を吸引するために市販のダイアフラム式ポンプを採用、データロガーやバッテリーには小型の汎用品を用いることで、システム全体の軽量化を実現しました。

    また今回、株式会社東北ドローン様に取り外し可能なマウントを設計していただいたおかげで、観測装置を機体から分離でき、標準ガスの吸入などの作業が楽になりました。

    今回の観測と過去に秋田県内で実施してきたドローン観測の結果を比較すると、東京都内では人間活動による二酸化炭素濃度の増加・減少が顕著であるように感じ、地表から700mまでの観測ができたことで、地表面付近における高濃度の空気が、日の出とともに上昇していくことが示唆されました。

    今後は上空1000mまでの到達を目指すために、さらなる軽量化を検討するとともに、ホバリング時間を短縮するなどの工夫をしていきたいと思います。さらに、都市域と森林地域でドローン観測を行い、二酸化炭素濃度の違いとその要因を解明することで、今後の温暖化対策につなげたいと考えています。

    株式会社東北ドローン 代表 桐生 俊輔

    今回の実験では飛行前の準備に多くの時間を要し、特に使用機体であるM300のペイロード内に収まりつつ上空での突風にも耐えられる構造を持つ二酸化炭素計測機搭載用の部材設計と強度確保が大きな課題となりましたが、優秀な技術スタッフの尽力により強度と軽量性を両立した部材の開発に成功しました。

    当初は地上1000メートルまでの飛行を想定していたが機材の仕様上、垂直方向の電波伝搬効率が低く都市部という環境も相まって外乱による伝送距離の低下が発生し、結果として安全にドローンを運用できたのはおおよそ740メートル程度であったため今後はより長い伝送距離を確保するために水平距離を確保できる場所の選定や電波伝搬効率を高める工夫が必要です。

    行政書士矢野法務事務所 代表 矢野耕太

    夜間、目視外、高高度飛行の申請を担当させて頂きました。地上1,000mレベルともなると近隣の基地等の運航航路とのバッティングも生じ、結果として飛行時間を限定したり、飛行実施や中止の細かな連絡などが必要となりました。ただこれも、今回の実験飛行の意義を理解してもらえた結果として先方に歩み寄ってもらえた調整事項だったと思います。

    [caption id="attachment_115349" align="aligncenter" width="1280"]離陸地点付近の安全確保のため、立ち入り管理区域を設置 離陸地点付近の安全確保のため、立ち入り管理区域を設置[/caption]
    [caption id="attachment_115350" align="aligncenter" width="1280"]今回の観測に用いたドローン(DJI Matrice 300 RTK)と観測装置(Leica LI-840) 今回の観測に用いたドローン(DJI Matrice 300 RTK)と観測装置(Leica LI-840)[/caption]

    同社サービスの強みと特徴

    ソラビジョンは、以下のような強みと経験を活かし、クライアント様の新しい挑戦を支援している。

    • 国内外の多種多様なドローンとセンサーに関する豊富な知識
    • 大手企業や大学等と協力した新規ドローン事業立ち上げ支援の豊富な実績
    • ドローンオペレーター教育や実践的なトレーニングサポート
    • 実証実験や検証業務を実務者・研究者の両視点からのアドバイス
    • 火山調査、歴史建造物三次元化など困難な観測に対応する高度なデータ取得・解析力

    ドローン観測・センシング分野において、他にはない豊富な経験とノウハウを持つソラビジョンが、お客様の挑戦を確かな成功へと導く。

    [caption id="attachment_115351" align="aligncenter" width="1280"]朝日が昇る中、ドローンの飛行を見守る観測チーム 朝日が昇る中、ドローンの飛行を見守る観測チーム[/caption]

    ▶︎合同会社ソラビジョン

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    2025年のドローン飛行計画: Mini 4 Proと巡るSFC修行旅 [田路昌也の中国・香港ドローン便り]Vol.51 https://www.drone.jp/column/20250422180507115300.html https://www.drone.jp/column/20250422180507115300.html 2025-04-22T09:05:07+00:00 先月のコラムで予告した通り、今月はANAのSFC修行を兼ねて仙台・松島・沖縄を巡り、各地でドローンフライトを実施してきました。 今回のレポートでは、空撮体験はもちろん、旅先で出会ったご当地グルメ、そして新機材の話題まで、写真とともにたっぷりご紹介します。

    仙台編:広瀬川の空撮と"日本一のナポリタン"

    仙台~松島編の空撮・グルメをまとめた動画はこちら

    仙台では「ドローンフライトナビ」で飛行可能エリアを慎重に確認しつつ、広瀬川河川敷でフライトを実施。遠くに青葉城址を望むカットも撮影でき、仙台らしい景色を空から収めることができました。

    [caption id="attachment_115305" align="aligncenter" width="1280"]青葉城址 青葉城址[/caption]

    グルメも大充実。仙台駅到着後は「牛タン 司」で腹ごしらえ。ジューシーな牛タンとまろやかなとろろ・卵の組み合わせが絶品でした。

    さらに「レストラン・ハチ」では仙台牛100%ハンバーグがのった“日本一のナポリタン”を堪能。締めのプリンは佐藤錦のさくらんぼがのっていて、甘酸っぱさと濃厚さのバランスが最高でした。

    [caption id="attachment_115306" align="aligncenter" width="1280"]「牛タン 司」「レストラン・ハチ」 「牛タン 司」「レストラン・ハチ」の充実したグルメ[/caption]

    松島・塩釡編:絶景と鮨のしおがま

    松島ではレンタカーを活用し、松島湾の美しい島々を上空から撮影。空撮ならではのダイナミックな景色を記録できました。

    [caption id="attachment_115307" align="aligncenter" width="1208"]松島湾の美しい島々 松島湾の美しい島々(画面タッチで360°空撮ご覧いただけます)[/caption]

    松島 360° 空撮(画面タッチで360°ご覧いただけます)

    グルメは、友人おすすめの「鮨のしおがま」へ。優しい大将が丁寧に握る寿司はどれも絶品で、塩釡ならではの新鮮なネタを堪能しました。

    [caption id="attachment_115308" align="aligncenter" width="1280"]鮨のしおがま 鮨のしおがま[/caption]

    沖縄編:古宇利大橋を空から、渋滞も旅のスパイス

    沖縄では那覇空港からレンタカーで約2時間かけて古宇利島へ。夕日は逃しましたが、天候にも恵まれ、エメラルドグリーンの海に架かる古宇利大橋を空撮できました。

    [caption id="attachment_115309" align="aligncenter" width="1208"]エメラルドグリーンの海に架かる古宇利大橋 エメラルドグリーンの海に架かる古宇利大橋(画面タッチで360°空撮ご覧いただけます)[/caption]

    沖縄 古宇利島 360° 空撮(画面タッチで360°ご覧いただけます)

    沖縄 古宇利大橋を撮影した動画はこちら

    帰路では大渋滞に巻き込まれましたが、それも旅の思い出のひとつです。

    使用機材:空撮と記録の二刀流

    今回の旅では、空撮には軽量・高性能な DJI Mini 4 Pro を使用し、食や街の風景など陸上からの撮影には Xiaomi 15 Ultra を使用しました。

    スマホとは思えないほど高性能なカメラを搭載したXiaomi 15 Ultraは、明るさや色味の表現に優れており、レストランの料理や街のスナップも美しく記録できました。

    Mini 4 Proの実力とMini 5への期待

    今回の旅で使用した機体は「DJI Mini 4 Pro」。Miniシリーズは初代から使い続けてきましたが、携帯性・バッテリー持ち・機能面すべてで、旅の相棒として非常に優秀です。

    4K/60fps HDR撮影、全方位障害物検知といった多くの機能が詰まっており、旅行や出張での空撮には最適な1台と再確認しました。

    [caption id="attachment_115310" align="aligncenter" width="1280"]軽量・高性能な DJI Mini 4 Pro 軽量・高性能な DJI Mini 4 Pro[/caption]

    そして今夏には「DJI Mini 5 Pro」の登場が噂されています。1インチセンサーや新たな障害物検知システムの搭載など、発売されれば、秋のSFC修行にぜひ投入してみたい1台です。

    SFC修行に「ドローン」という彩りを

    SFC修行というと「ただ飛行機に乗るだけ」という印象もありますが、各地でのドローン撮影やご当地グルメを加えることで、旅の充実度は格段に上がります。

    飛行機で移動し、ポイントを貯めつつ、美しい風景と味を楽しむ――これが、わたしの新しい修行スタイルです。

    次回のSFC修行では秋に盛岡を訪れ、紅葉の岩手山とご当地グルメの空撮旅を計画中です。どうぞお楽しみに!

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    スカイピークとJR東海、鉄道設備点検ドローンの実証実験。レベル3.5飛行で安全・効率化を検証 https://www.drone.jp/news/20250422165938115320.html https://www.drone.jp/news/20250422165938115320.html 2025-04-22T07:59:38+00:00 2025年3月24日に、鉄道施設周辺での安全なドローン目視外飛行の運用を検討するため、ドローン「レベル3.5飛行」の実証実験を実施したという。

    背景

    鉄道の安全・安定輸送の確保のためには、鉄道設備の継続的な点検が不可欠であり、JR東海では、係員による目視点検に加え、橋りょうなどではドローンによる点検も取り入れている。現在は、ドローンを目視内飛行(レベル1~2)で活用しているが、将来の労働力人口の減少を見据え、より効率的に点検業務を行うために、目視外飛行(レベル3~4)の活用も必要と考えているという。

    こうした中、目視外飛行に伴う立入管理措置の効率化に繋がるレベル3.5飛行の実証実験を実施。また、安全に点検業務を行うため、鉄道設備との適切な離隔の確保などドローンの経路管理についても、あわせて検証した。

    ※ 立入管理措置:無人航空機の飛行経路下において、第三者の立入りを制限すること

    参考:無人航空機の飛行レベル

    • レベル1:目視内での手動操縦飛行
    • レベル2:目視内での自動/自律飛行
    • レベル3:無人地帯での目視外飛行(立入管理措置が必要)
    • レベル3.5:無人地帯での目視外飛行において、機上カメラの活用、操縦ライセンスの保有、保険への加入を条件として、補助者・看板の配置や一時停止等のこれまでの立入管理措置を撤廃し、道路や鉄道等の横断を容易化した飛行
    • レベル4:有人地帯における目視外飛行

    実証実験の概要

    レベル3.5飛行で東海道新幹線のトラス橋(愛知県一宮市~岐阜県羽島市の区間)の撮影を実施し、UTMおよび経路逸脱検知機能を活用したドローンの目視外・自動飛行による点検業務の実証実験を行った。

    ※ UTM:Unmanned aerial system Traffic Management ドローンを安全に飛行させるため、飛行計画や飛行状況等の情報を管理するシステム
    ※ 経路逸脱検知機能:ドローンが指定経路から一定距離を離れて飛行している状態を検知する機能

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    使用UTM:TRJX(トラジェクトリー社製)。本検証では赤色への進入を経路逸脱と取り扱うように設定した
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    使用機体:UAV-E6106FLMP2(イームズロボティクス社製)

    実証実験の結果

    どう実証実験では、ドローンのレベル3.5飛行、UTM及び経路逸脱検知機能を活用することで列車が安全に運行できる十分な離隔を保ちながら点検業務を実施できることを確認。また、目視外・自動飛行における遠隔でのオペレーションなどの管理体制についても検証した。今後も点検業務の更なる効率化・高度化を目指し、検討を進めていくという。

    実施体制

    実施事業者 東海旅客鉄道株式会社(企画、実証フィールドの提供)
    株式会社スカイピーク(プロジェクト全体統括、レベル3.5飛行における運航業務)
    協力事業者 株式会社トラジェクトリー(航空管制システム提供、3Dデータに基づく空間情報管理及び飛行ルート設計、飛行中リモート管制業務)
    イームズロボティクス株式会社(機体提供および改造対応)
    バウンダリ行政書士法人(飛行申請支援)
    250422_skypeak_03
    実証実験の様子(飛行しているドローン)
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    実証実験の様子(ドローン飛行の際の管理体制)

    ▶︎スカイピーク

    ▶︎JR東海

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    シカゴ・グッドデザイン賞 2024」に、呼吸するクッション「fufuly」(フフリー)が入賞 https://www.drone.jp/news/20250422163956115331.html https://www.drone.jp/news/20250422163956115331.html 2025-04-22T07:39:56+00:00 「ロボティクスで、世界をユカイに。」を掲げ、数多くのロボットやIoTプロダクトを企画・開発するユカイ工学株式会社の販売する「fufuly」(フフリー)が、国際的に権威のある米国のデザイン賞「シカゴ・グッドデザイン賞 2024」にてFurniture(家具)部門を受賞した。

    シカゴ・グッドデザイン賞(Chicago Good Design Awards)は、シカゴ・アテナイオン建築・デザイン博物館が主催し、世界中の工業デザイン、製品デザイン、グラフィックデザインを対象とする国際的デザイン賞である。2024年度は、56を超える国より数千件の応募があった中、「fufuly」が入賞を果たした。

    受賞概要

    • シカゴ・グッドデザイン賞 2024
    • 受賞プロダクト:fufuly
    • 部門:Furniture
    • 受賞掲載ページ

    「シカゴ・グッドデザイン賞 2024」とは?

    同賞は、製品、パッケージ、コミュニケーション、サービスデザイン、建築、インテリアデザインから、ユーザーインターフェース(UI)、ユーザーエクスペリエンス(UX)、プロフェッショナルコンセプトまで、あらゆる分野のデザインの年間功績を称えるデザイン賞である。1950年の創設より75年もの歴史があり、「GOOD DESIGN®」は世界的に優れたデザインを示すマークとしても認知されている。

    公式サイト:https://gooddesignawards.org/

    呼吸するクッション「fufuly」とは?

    fufuly(フフリー)は、呼吸するように、ふくらんだり縮んだりするふしぎなクッション。

    それは、ふれあっている仲間の呼吸につられる、生き物の性質をもとにした、 Deep Breathing Technologyという技術。

    抱えて、ひと休み。呼吸をふかく、気持ちも、ゆっくりおだやかに。 ふぅっと。ひといき。

    呼吸するクッション「fufuly」

    スイッチを入れて、抱きかかえる。

    仕事や家事の合間など、すきま時間に、fufulyでゆっくり深呼吸。10分抱えるだけでいい。

    3つのモード(ワークモード、レストモード、スリープモード)から、自分にあう呼吸を、自由に選べる。

    開発背景

    長時間の前屈み姿勢や、コロナ禍のマスク生活など、現代人の呼吸は、いまだかつてないほど乱れています。呼吸の乱れによる身体の不調は年々、問題になっています。

    すべての現代人に、かんたんに、呼吸を深くしてもらいたいという思いで、JT、博報堂、ユカイ工学がプロジェクトチームを発足。

    東京大学大学院 新領域創成科学研究科の人間環境情報学分野の呼吸や休憩に関する研究を参考に、休憩時間をより豊かな気持ちで楽しむためのプロダクトを開発しました。

    デザインのポイント

    息をモチーフにした形と、澄んだ空気をイメージした白色で癒やしを与えるデザインです。

    くびれのある有機的な形で、気分に合わせて様々な抱え方が楽しめます。

    生き物を抱えているような感覚にさせる重さや、優しい手触りを追求しました。

    fufuly(フフリー)

    ▶︎ユカイ工学

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    NTT、ドローンによる雷の誘発・誘導に世界で初めて成功 https://www.drone.jp/news/20250421104020115284.html https://www.drone.jp/news/20250421104020115284.html 2025-04-21T01:40:20+00:00

    背景

    落雷は人類社会に大きな被害をもたらす自然現象の1つである。NTTグループの通信設備をはじめとする重要インフラにはさまざまな落雷対策が施されているが、今日においても落雷被害はなくならず、その被害額は国内だけでも毎年1000億円から2000億円と推定されている。NTTは、これまで培ってきた、通信設備を雷から守る技術を大きく発展させ、重要インフラや街への落雷そのものをなくす技術の実現を目指している。

    従来の雷対策としては、避雷針を用いる手法が広く使われているが、避雷針によって雷を受ける範囲は限定的であり、また、風力発電の風車や屋外のイベント会場といった避雷針を設置すること自体が困難なケースも存在する。

    NTTでは、近年発展著しいドローンを用い、雷雲の位置に合わせてドローンを移動させ、積極的に雷を誘発した上で、安全な場所に誘導する「ドローン誘雷」について研究を進めている。

    今回、ドローンに雷が直撃しても誤作動・故障を発生させない「ドローンの耐雷化技術」、および積極的に雷をドローンに落とさせる「電界変動を利用した雷誘発技術」を実証するため、実際の雷雲下でドローン誘雷実験を行った。

    実験概要と成果

    2024年12月~2025年1月の期間、島根県浜田市山間部の標高900m地点でドローンを使用した誘雷実験を実施した。本実験では、フィールドミルと呼ばれる装置(大気電界を測定する計測器)を使用して地上電界を観測し、雷雲の接近に伴って付近の電界強度が高くなったタイミングで、独自の耐雷ケージを具備したドローンを飛行させ、雷の誘発を試みた(図1)。

    250421_NTT_01
    図1 耐雷ドローン

    2024年12月13日の雷雲接近時、フィールドミルで観測した電界強度が上昇したタイミングで、ワイヤをつけたドローンを高度300mまで飛行させ、地上に設置したスイッチで、ドローンと地上を導通させた(図2)。その結果、ワイヤに大電流が流れ、同時に周囲の電界強度が大きく変化することを確認した(図3)。

    250421_NTT_02
    図2 ドローン誘雷の実験系
    250421_NTT_03
    図3 雷誘発時の観測波形

    さらに、雷誘発の直前にはワイヤと地面の間に2000V以上の電圧が生じていることを確認しており、急激にドローン周囲の電界強度を変化させたことで、ドローンに雷が誘発された。ドローンを使用した誘雷の成功は世界で初めてとなる。

    また、誘雷と同時に、破裂音、ウインチ部の発光、ドローンの耐雷ケージの一部溶断を確認した(図4)。一方で、耐雷ケージを具備したドローンについては、誘雷後も安定して飛行を続けたことを確認した。

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    図4 誘雷時のウインチの発光

    技術のポイント

    ドローン誘雷を行うためには、雷が落ちてもドローンが飛行し続ける必要がある。さらに、雷雲下にドローンを飛行させるだけではドローンへ雷を落とすことは困難であるため、雷を積極的に誘発する必要がある。そのため、以下の(1)、(2)の技術を提案し、実証した。

    (1)ドローンの耐雷化技術

    ドローンに雷が直撃しても誤作動・故障しない、かつ、市中のドローンに具備することができる耐雷ケージの設計手法を考案した。耐雷ケージは金属製のシールドで、ドローンに雷が直撃した際に流れる大電流を迂回させることでドローン本体に雷電流が流れることを防止する。また、雷電流を放射状に流すことで、大電流により発生する強磁界を互いに打ち消しあい、ドローンへの磁界影響を低下させる。(図5)

    250421_NTT_05
    図5 大電流・強磁界の耐雷化設計

    さらに、耐雷ケージを具備したドローンについて、人工雷の印加試験を実施した。その結果、自然落雷の98%以上をカバーし、自然落雷の平均値の5倍に相当する150kAの人工雷を印加した場合においても、ドローンに故障や誤作動が発生しないことを確認した。

    (2)電界変動を利用した雷誘発技術

    雷を誘発するため、飛行させたドローンと地上の間を導電性のワイヤで接続し、その地上側に高耐圧スイッチを取り付け、スイッチの操作によってドローン周囲の電界強度を変化させる手法を考案した。スイッチによって最適なタイミングでドローンと地上を接続し、急激にドローン周囲の電界強度を上昇させることで、雷の誘発を促すことができる(図6)。

    250421_NTT_06
    図6 電界変動を利用した雷誘発技術の原理

    今後の展開

    NTTは、雷が直撃しても故障しないドローンを、高精度に予測した雷の発生位置に飛行させ、雷を誘発し安全な場所に誘導することで、街や人を雷被害から守ることを目指している。

    今後は、今回実証したドローン誘雷の成功率を上げるため、高精度な発雷位置予測、および雷の発生メカニズムに関する研究開発を推進していくという。さらに、誘雷した雷のエネルギーを蓄積・活用することもめざし、雷エネルギーの蓄積手法の研究開発にも取り組んでいくとしている(図7)。

    250421_NTT_07
    図7 ドローンを用いて街を雷被害から守り、雷エネルギーを蓄積するNTTのめざす世界

    ▶︎日本電信電話株式会社(NTT)

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    DJI、同社のドローン用高出力ライト「Zenmuse S1」とスピーカー「Zenmuse V1」発表 https://www.drone.jp/news/20250419231144115261.html https://www.drone.jp/news/20250419231144115261.html 2025-04-19T14:11:44+00:00 これらは、DJIの強力なMatrice 350 RTKおよび300 RTKドローン向けに設計された新しいペイロードだ。これらの新しいツールは、緊急対応、公共安全、夜間点検などのアクション満載のミッション向けに構築されており、ドローンチームに空中で「Light Up the Night | Reach Loud and Clear (暗闇を支配せよ | パワフルに、はっきり届く)」のタグライン通り、鋭い目と大きな声を提供する。

    Zenmuse S1より明るく、よりスマートなドローン照明

    Zenmuse S1は、夜間作戦に対するDJIの答えだ。高度なLEP(レーザー励起蛍光体)技術を使用した高輝度スポットライトで、光を遠くまで広範囲に照射する。そして、明るいだけでなく、スマートだ。以下の4つの照明モードがある。

    • ロービーム:15°の視野角で150メートル。クローズアップ検査に最適
    • ハイビーム:レーザーシャープな4°のFOVで、300メートル先のターゲットを照らす
    • 両方オンモード:ロービームとハイビームを組み合わせて、強烈な明るさで500メートルに到達
    • ストロボモード:救助または緊急シナリオで注意を喚起する点滅ライト

    これだけのパワーにもかかわらず、Zenmuse S1はエネルギーをほとんど消費せず(ハイビームでわずか17ワット)、ドローンのバッテリー寿命を消耗することはない。また、過熱、過電流に対する保護機能が搭載されており、目や火傷の安全機能が内蔵されている。ボーナス:ドローンが地上にあるときは、近くのオペレーターの目をくらませないように自動的に減光する。

    わずか0.76kgで、さまざまなジンバル位置(上向き、デュアル、または下向き)に取り付け可能で、コンパクトで現場での使用に対応できる。IP54の防塵・防水性能に加え、-20℃から40℃の動作範囲で、このスポットライトは現実世界の課題に対応できるとしている。

    Zenmuse V1空から大音量でクリアに

    Zenmuse V1は、ドローンゲームに声をもたらす。救助命令であろうと、公共安全アラートであろうと、このスピーカーは最大500メートル先までクリアな音声を放送し、127デシベルでジェット機の離陸と同じくらいの大きさだ。以下の3つの放送モードを搭載している。

    • 録音してブロードキャスト:DJI Pilot 2アプリを介して録音されたメッセージを即座に送信
    • テキスト読み上げ:メッセージを入力し、トーン/速度を調整して放送
    • オーディオファイル再生:事前に録音されたオーディオファイルをロードし、飛行中に再生。

    これは普通のスピーカーではなく、ノイズキャンセリング、指向性録音、およびチルト同期で構築されており、サウンドが必要な場所に正確に届くようになっている。空中になくても、アプリは聴覚保護リマインダーで安全を維持するのに役立つ。

    わずか0.69kgのZenmuse V1は軽量だが、S1と同じIP54定格と頑丈な温度耐性を備えている。カスタマイズ可能なリモートコントローラーのショートカットを使用すると、飛行中に簡単に制御でき、モバイルSDKサポートにより、開発者はカスタムドローンアプリに統合できる。

    Zenmuse S1とV1はどちらも、市場で最も有能な商用ドローンの2つであるDJIのMatrice 350 RTKおよびMatrice 300 RTKとペアリングできる。

    DJIの主力エンタープライズドローンであるMatrice 350 RTKは、堅牢なIP55耐候性、55分の飛行時間、およびセンチメートルレベルの精度を実現する高度なRTKポジショニングで知られている。一方、Matrice 300 RTKは、トリプルペイロード機能、スマートトラッキング、および15 kmの伝送範囲のおかげで、公共安全チーム、ユーティリティ検査官、および産業専門家にとって頼りになる存在だ。

    DJIは新しいペイロードの価格と発売時期をまだ明らかにしていないが、Zenmuse S1とV1はMatriceドローンをさらに多用途にすることは間違いない。災害現場を飛行する場合でも、群衆を誘導する場合でも、暗闇の中で送電線を検査する場合でも、これらの新しいペイロードは、ドローンをより明るく、より大きく、よりスマートなツールに変えるだろうとしている。

    ▶︎DJI

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    炎重工の超小型水上ドローン「Swimmy Eye」、下水道など管渠・暗渠の点検・調査に対応。無線で遠隔操作 https://www.drone.jp/news/20250418180822115264.html https://www.drone.jp/news/20250418180822115264.html 2025-04-18T09:08:22+00:00

    これにより、流水の有無にかかわらず、水位のある管内への立ち入りを最小限にして、作業員の安全確保と業務効率化に貢献するという。

    250418_SwimmyEye_01
    全長620mm、軽量6.5kg、1人で運べる持ち手つき
    250418_SwimmyEye_02
    管内映像は操作用プロポでリアルタイムで確認、録画

    φ600mmヒューム管(コンクリート管)の管内撮影

    2025年4月10日(木)には、株式会社カンツール(下水道・排水施設の維持管理機器総合商社)の協力のもと、φ600mmヒューム管(コンクリート管)の管内の外から無線による遠隔操作を行い、管内を航行する様子の撮影、Swimmy Eyeによる管内撮影を実施した。

    250418_SwimmyEye_03
    [01]Swimmy Eyeが撮影した管内の様子(1)
    250418_SwimmyEye_04
    [02]Swimmy Eyeが撮影した管内の様子(2)
    250418_SwimmyEye_05
    [03]マンホールから投入した様子
    250418_SwimmyEye_06
    [04]管の外から手元のプロポ(写真左)で操作

    [03]Φ600mm~対応のため、マンホールから投入して使い始めることができる。

    [04]管の外から手元のプロポ(写真左)でFPVカメラの映像を確認しながら管内を航行し、調査・点検を行うことができる。写真右のモニタには、株式会社カンツール製の管口カメラが捉えた映像(管内の入り口から見たSwimmy Eyeが航行する様子)を表示[05][06]。

    250418_SwimmyEye_07
    [05]管内を航行する様子(1)
    250418_SwimmyEye_08
    [06]管内を航行する様子(2)

    管渠・暗渠の点検・調査対応Swimmy Eyeの特長

    • 3軸ジンバル・4K高画質カメラ・12000ルーメンの照明を搭載
    • 水没による故障リスクなし
    • 全長620mm、軽量6.5kg、1人で持ち運べるサイズ
    • 最長4時間使えるスタミナ ※使用方法や環境による
    • 管渠・暗渠の外から調査・点検できる無線システム
    • 船舶等の免許不要で使用可能

    開発の背景と今後の展望

    炎重工は水上ドローンを活用した点検・調査業務の無人化や自動化について、多数の相談を受け、課題達成への挑戦を重ねてきた。国土交通省による「令和6年度 海の次世代モビリティの利活用に関する実証事業」にて取組が採択され、2025年1月に千葉県千葉市の下水管・雨水管で行った実証実験もその1つだ。

    これまでに得られた成果をもとに、自社製品「超小型水上ドローン Swimmy Eye」の改良を行い、下水道など管渠・暗渠の点検・調査に対応する新たなモデルとして進化させた。

    船と同じく水面を航行するため、流水の有無にかかわらず、水位のある下水道など管渠・暗渠を点検・調査できる。4K高画質カメラ搭載により大口径管のスクリーニング調査も可能にした。

    管の外から無線で遠隔操作できることは、硫化水素など有毒ガス発生の危険もある管渠・暗渠の点検・調査において、作業員の安全性を高め、業務に集中できる環境づくりにも貢献するという。

    国土交通省により進められている下水道施設の老朽化対策・ストックマネジメント促進に向けた取組に資する超小型水上ドローン Swimmy Eyeの導入を日本全国にて推進していくとしている。

    ▶︎炎重工

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    国内最大級のドローンカンファレンス「KSD CONNECT 2025」を開催 https://www.drone.jp/news/20250418160151115232.html https://www.drone.jp/news/20250418160151115232.html 2025-04-18T07:01:51+00:00 KDDIスマートドローンは、2025年5月29日(木)にKDDIスマートドローン初主催のドローンカンファレンス「KSD CONNECT 2025」を、大手町三井ホール会場とオンライン配信のハイブリッド形式で開催する。開催に先立ち、2025年4月17日(木)から「KSD CONNECT 2025」特設サイトで参加登録(無料)の受付を開始した。

    KDDIスマートドローンは「叶えるために飛ぶ」をミッションに掲げ、多くの企業や自治体と共に、ドローンを通じた社会課題の解決に取り組み、ドローンの社会実装を進めてきた。

    今後、ドローンの社会実装をさらに加速させるためには、高度な専門性を持つ企業との協業や、社会全体での協力体制の構築が不可欠だ。

    そのため、KDDIスマ―トドローンは、「技術と現場」、「社会課題と解決策」、「お客様とパートナー」をつなぎ、未来を共創する場として「KSD CONNECT 2025」を開催する。

    オープニングセッションでは、KDDI株式会社代表取締役社長CEO 松田浩路氏が登壇し、基調講演では、石川県副知事兼CDO 浅野 大介氏が登壇する。キーノートセッションでは、MODE, Inc. CEO 上田学氏、株式会社大林組ダム技術部副部長 小俣光弘氏、ドローンジャーナル編集長 河野大助氏をゲストに迎え、KDDIスマートドローン代表取締役社長 博野雅文氏とともに、ドローンの社会実装のリアルと、現場から見えるドローンの未来について話される。そのほか、ドローン業界のキーマンを迎え、飛行制度、地方創生、ドローンの教育体制、業界パートナーとの協業などをテーマに多数の講演が実施される。

    会場では、自動充電ポート付きドローン「Skydio Dock for X10」の展示を行う。デモンストレーション、実証実験などを除いた一般のお客さまが閲覧可能なカンファレンスでの展示は国内初となる。また、Satellite Mobile Linkなど、ドローンの社会実装を加速させる最新技術の展示も行われる。

    開催概要

    カンファレンス名 KSD CONNECT 2025
    開催日 2025年5月29日(木)
    特設サイト https://kddi.smartdrone.co.jp/special/ksdconnect2025/
    参加費 無料(事前登録制)
    会場 会場:大手町三井ホール (東京都千代田区大手町1丁目2-1 Otemachi One 3F)
    参加方法

    会場参加・オンライン視聴いずれの場合も事前の参加登録(無料)が必要となる。「KSD CONNECT 2025」特設サイトからご登録とのこと。

    会場参加者限定の特典として、各セッション終了後に懇親会を開催される。登壇者や他の参加者と直接交流できる機会となるので、ぜひ会場にお越しいただきたい。

    ※会場参加は抽選であり、抽選結果については5月中旬までに連絡される。

    プログラム

    オープニング、基調講演、キーノート

    時間 内容
    10:30~10:45 KSD CONNECT 2025 オープニングセッション
    登壇者
    KDDI株式会社 代表取締役社長CEO 松田浩路氏
    10:50~11:15 基調講演
    登壇者
    石川県副知事兼CDO 浅野大介氏
    11:25~12:15 キーノートセッション
    「社会実装のリアル 現場から見えるドローンの未来」
    登壇者
    MODE, Inc. CEO 上田学氏
    株式会社大林組 土木本部生産技術本部ダム技術部副部長 小俣光弘氏
    KDDIスマートドローン株式会社 代表取締役社長 博野雅文氏
    株式会社インプレス ドローンジャーナル編集長 河野大助氏

    スペシャルセッション

    時間 内容
    13:30~14:10 制度整備セッション
    「目視外飛行の社会実装、拡大に向けた取り組み」
    ~ドローン産業発展に向けた官民連携について~
    登壇者
    国土交通省 航空局 安全部 無人航空機安全課 課長補佐(総括)勝間裕章氏
    日本航空株式会社 エアモビリティ創造部企画・運営グループ長 加納拓貴氏
    KDDIスマートドローン株式会社 執行役員 CTO プラットフォーム事業部部長 杉田博司氏
    株式会社三菱総合研究所主席研究員次世代テクノロジーグループリーダー 大木孝氏
    14:20~14:50 地方創生セッション
    「地域課題を解決するドローン活用、地方創生の最前線」
    登壇者
    秩父市役所 産業観光部先端技術推進課課長 笠井知洋氏
    KDDI株式会社官公庁営業部副部長 安房剛士氏
    KDDIスマートドローン株式会社ソリューションビジネス推進2部部長 森嶋俊弘氏
    16:00~16:30 パートナーズセッション
    「協業が生む新たな価値で切り拓く、ドローン業界の未来」
    ~「競争」から「共創」へ ドローン産業発展のための連携のポイント ~
    登壇者
    九電ドローンサービス株式会社取締役営業戦略部長 立石靖記氏
    株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク事業推進部インフラDX推進担当担当部長(coming soon)
    バウンダリ行政書士法人代表行政書士 佐々木慎太郎氏
    KDDIスマートドローン株式会社ソリューションビジネス推進3部部長 入柿雅一氏
    GMOメディア株式会社 事業開発本部マネージャー 柴垣泰氏
    16:40~17:20 ドローンショーセッション
    coming soon

    懇親会

    時間 内容
    17:30~18:30 懇親会
    セッション終了後に懇親会が開催される。登壇者や他の参加者と直接交流できる機会となるので、ぜひ会場にお越しいただきたい。

    ※本リリースに記載された情報は、掲載日時点のものとなる。登壇者やセッション時間など、プログラムは予告なく変更になる場合がある。カンファレンスの最新情報は、「KSD CONNECT 2025」特設サイトをご参照いただきたい。

    ▶︎KDDIスマートドローン

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    富士フイルムビジネスイノベーション、紙さばきロボットシステム「Revoria Kamisa PH12」開発。生産ライン省人化と印刷品質の安定化へ https://www.drone.jp/news/20250417150140115227.html https://www.drone.jp/news/20250417150140115227.html 2025-04-17T06:01:40+00:00 印刷製造工程では、印刷後の用紙断裁に入る前の準備として、積載された重量のある刷本の束を複数回に分けて持ち上げて、風入れをし、紙揃え機へ運んで紙揃えを行う「紙さばき」の作業工程が必要だ。これは静電気や印刷表面のインクやトナーが原因で用紙同士が貼り付かないよう、人為的に用紙間に風入れを行うことで断裁工程における品質不良を防ぎ、印刷物の品質保持と効率的な生産のために行われる必要不可欠な作業工程だ。

    人手で行われているこれらの紙さばき作業工程は、オペレーターによる熟練の技術が求められるうえ、身体的な負荷も高いという。同社は、紙さばき作業工程を自動化する紙さばきロボットシステム「Revoria Kamisa PH12」の提供を通じ、生産ラインの省人化と属人的なスキル依存解消による印刷品質の安定化を実現し、印刷会社の生産性向上に貢献するとしている。

    今回発売する「Revoria Kamisa PH12」は、紙さばきに必要な複雑な動きを自律制御するロボットアームと紙種やサイズに応じてつかむ⼒を調整するロボットハンド、および周辺機器で構成されるロボットシステムだ。「Revoria Kamisa PH12」は、刷本の束を持ち上げる昇降機や、紙揃え機など周辺機器と組み合わせることにより、昇降機に載った刷本をロボットハンドでつかみ、さばきながら直接紙揃え機へ運ぶことで、断裁前の紙揃えまでの一連の用紙ハンドリング作業を自動化する。

    断裁前工程におけるオペレーターの作業負荷を軽減することで、印刷製造工程の省人化を実現し、印刷現場のスマートファクトリー化を加速する。また本商品は今後、欧州・北米・アジアパシフィック地域での発売も予定している。

    ロボットアームの主な特長

    ロボットコントローラが左右のロボットアームとロボットハンドの動作を制御する。双腕が協調動作することで、たわむ大判用紙もしっかりつかみ、しなやかに持ち上げて次工程に渡すことが可能だ。

    6軸垂直多関節型のロボットアームを採用する。プログラミングによってロボットアームの微細な角度の曲げ伸ばし、回転、ひねりなど自在に動く。

    ロボットコントローラは、産業用ロボットの安全性に関する規格認証であるISO10218(国際規格)、およびJIS B8433(日本工業規格)を取得している。セーフティースキャナなど各種安全センサーとの連動が可能だ。

    ロボットハンドの主な特長

    停止位置・加減速・トルク(回転力)を高精度に制御できるサーボモーターにより、つかむ力をコントロールする。多様な紙種・サイズに適した力で確実に用紙をつかみ、熟練した人の手と同じように巧みな力加減を調整しながらハンドリングが可能だ。

    ロボットハンドの先にイオナイザー(除電器)を搭載。用紙をひねりながら、イオナイザーの8つのエアノズルからイオンを含んだ風を用紙間に放出することで、静電気を除去する。

    3Dセンサーが用紙表面の凹凸や波形を読み取ることで、確実に用紙をつかむことができる。

    Revoria Kamisa PH12の商品構成はロボットアーム12、ロボットハンドPH、ロボットコントローラ1000。ロボットアーム、ロボットハンド、ロボットコントローラを接続するために、別途ケーブルセットの購入が必要。

    ▶︎富士フイルムビジネスイノベーション

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    初飛行!国産空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」の万博デモ飛行で見えた「未来社会のデザイン」 https://www.drone.jp/news/20250416103754115172.html https://www.drone.jp/news/20250416103754115172.html 2025-04-16T01:37:54+00:00 そのうち「スマートモビリティ万博」における目玉のひとつとして、空飛ぶクルマが出展されている。今万博では国内メーカーのSkyDrive、全日空と米Joby Aviation、丸紅・米LIFT Aircraft・英Vertical Aerospace Groupeの3陣営が実機を会場内外で運航すると表明している。

    当初は会場アクセスの文字通り一翼を担う予定だったが、商用飛行に必要な型式証明(TC)取得が各陣営とも間に合わず、デモ飛行のみとなった。また、日本航空は当初のパートナーだった独Volocopterに代わり米Archer Aviationと組み、住友商事と共同設立したSoracleを通じてデモ飛行実現を目指したが、開発に専念するとしてキャンセルした。

    空飛ぶクルマには依然として「全然クルマ(自動車)じゃない」「ヘリコプターと何が違うのか」といった声が上がる。この状況を打破するためにも、デモ飛行とはいえ実機を運航することは、理解促進、社会受容性の向上のために意義があるのだ。

    開幕に先立つ4月9日に行われたメディアデーにて、SkyDriveが開発を続けていた機体「SKYDRIVE(SD-05)」がついに公開された。さらには事前に告知されていなかったデモ飛行も行われた。この記事ではその模様を、SkyDrive福澤知浩代表取締役CEOらのコメントとともにレポートする。

    空飛ぶクルマの搭乗体験ができるパビリオンも

    万博会場は大阪府大阪市の人工島・夢洲に設けられている。会場の広さは約155ヘクタールあり、東京ドームでは約33個分にあたる。デモ飛行は会場の最も西側に設けられている「EXPO Vertiport(エキスポバーティポート)」で行われることになっていたが、メディアデー当日は会場最東端の東ゲートからのみの入場となった。エキスポバーティポートまでは距離にして約1.6km。真っすぐ歩けば20分ほどだが、今万博の象徴である大屋根リングをくぐり、特徴的な形状のパビリオンに目を引かれていると、なかなか前に進めない。

    [caption id="attachment_115188" align="alignleft" width="1280"]「空飛ぶクルマ ステーション」の外観。日本航空が運営を担当する 「空飛ぶクルマ ステーション」の外観。日本航空が運営を担当する[/caption]
    [caption id="attachment_115190" align="alignleft" width="1280"]大阪港中央突堤に設けられた大阪港バーティポート。2地点間飛行のもう一方の拠点となる。また、4月26日からは空飛ぶクルマへの搭乗体験や開発陣による講演会などのイベントが開催される 大阪港中央突堤に設けられた大阪港バーティポート。2地点間飛行のもう一方の拠点となる。また、4月26日からは空飛ぶクルマへの搭乗体験や開発陣による講演会などのイベントが開催される
    [/caption]

    その道すがら、エンパワーリングゾーンには日本航空が運営する「空飛ぶクルマ ステーション」が設けられている。将来の空飛ぶクルマが実装された社会を、映像や立体音響、床面振動などで体感できるイマーシブシアター「SoraCruise(そらクルーズ)by Japan Airlines」が公開されている。残念ながら今万博中に飛行する空飛ぶクルマへの搭乗は叶わないが、その雰囲気を楽しめるので立ち寄ってみよう。なお、入館には事前予約が必須だ。

    大屋根リングを再びくぐって、西ゲートゾーンへ。「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」前の等身大ガンダム立像を右手に眺め、フューチャーライフゾーンでは338席を擁する巨大なくら寿司大阪・関西万博店を左手に見て、やっとエキスポバーティポートに到着。

    流線型のボディが美しいSKYDRIVE

    [caption id="attachment_115176" align="aligncenter" width="1280"]デモ飛行を実施したSKYDRIVE。3分50秒に渡り飛行した デモ飛行を実施したSKYDRIVE。3分50秒に渡り飛行した
    [/caption]

    エキスポバーティポートで目撃したのは、白を基調としたボディが輝くSKYDRIVEだった。事前に公開されたプレスリリースの写真でしか見たことのない機体を、早速観察。3人乗りの客室部はヘリコプターを彷彿とさせる丸みを帯びた形状で、流線型のボディはとてもスマートに見える。福澤CEOによれば機体設計には航空機開発の知見を持ったスタッフだけでなく、カーデザイナー出身者も参加したという。美麗なデザインを持つのは、ただ飛ばすだけでなく、社会受容性を高めるために見た目の良さにもこだわった証だろう。

    [caption id="attachment_115177" align="alignleft" width="1280"]SKYDRIVEの真正面。全幅は約11.3m SKYDRIVEの真正面。全幅は約11.3m
    [/caption]
    [caption id="attachment_115178" align="alignleft" width="1280"]SKYDRIVEの真後ろ。プロペラが地面に対して斜めに取り付けられるなど、凝った形状になっている SKYDRIVEの真後ろ。プロペラが地面に対して斜めに取り付けられるなど、凝った形状になっている
    [/caption]

    機体前面の窓の面積も広く、視界は良好そうだ。客室部下部には着地時の衝撃を緩衝させるスキッド(脚部)を設置。無骨な金属製の棒が組み合わせて取り付けられており、ここだけは実用一辺倒というイメージだが、今後の開発が進む中で、別の最適な形状や構造へと進化していくはずだ。

    機体定員の3名にはパイロット1名を含む。日本国内で先行して実証飛行を進めている中国EHangのEH216-Sなど、グローバルでは2名搭乗が多いとされるが、SKYDRIVEでは社会実装後の収益性を確保するためにはパイロット以外に2名が乗れる構造にすることが不可欠と判断。プロペラの位置や角度を数千パターンから検討し、3名が搭乗できる構造を導き出した。

    [caption id="attachment_115180" align="aligncenter" width="1280"]コックピットにはモニターが設置されているのが確認できた コックピットにはモニターが設置されているのが確認できた
    [/caption]

    パイロットを除いて2名しか乗れないのは少ないように感じるが、公益財団法人大阪タクシーセンターが公表しているタクシー輸送実態調査結果(調査日2024年9月19日)によれば、タクシー1台あたりの平均旅客数は約1.5人だという。空飛ぶクルマはタクシーのように利用するケースが想定されているので、2名搭乗は決して少ない人数とはいえないのだ。

    空飛ぶクルマと既存のヘリコプターとの大きな違いは動力にある。すなわち、空飛ぶクルマはeVTOLという略称が示す通り、電動が基本だ。SKYDRIVEのバッテリー容量について、具体的な数値は明かされていないが、EVと同程度であり、EVと同様に約20分の充電で80%程度の充電が可能で、飛行時間は約20分程度になるという。

    もちろん安全性を担保するため、実際に飛行できる時間はもういくらか長くなるだろう。将来的には20分飛行し、20分充電するというような運用サイクルも検討している。SKYDRIVEの最高速度は時速100km。夢洲から東海道・山陽新幹線の新大阪駅までは、地上で行くと40~60分ほどかかるが、SKYDRIVEのスペックを最大限に活用すれば15分となる。

    [caption id="attachment_115182" align="aligncenter" width="1280"]12基取り付けられているプロペラの一つ一つにモーターが取り付けられている。プロペラのブレードは2枚 12基取り付けられているプロペラの一つ一つにモーターが取り付けられている。プロペラのブレードは2枚
    [/caption]
    [caption id="attachment_115183" align="alignleft" width="1280"]メディアデー当日に展示されていたSKYDRIVEの実物大モックアップには搭乗できた。コックピットビューは写真の通り。視界は広々としている。左奥に見えるのはLIFT Aircraftの空飛ぶクルマ「HEXA」 メディアデー当日に展示されていたSKYDRIVEの実物大モックアップには搭乗できた。コックピットビューは写真の通り。視界は広々としている。左奥に見えるのはLIFT Aircraftの空飛ぶクルマ「HEXA」
    [/caption]

    また、ヘリコプターと比較して静粛性に優れ、軽量でコンパクトな点も空飛ぶクルマの強みとされる。つまり都心部を飛行してもヘリコプターほどうるさくなく、ビルの屋上などでも離着陸しやすい。もちろん電動のため環境負荷も少ないわけで、福澤CEOはこの点を強くアピールしていた。

    マルチロータータイプの特性を存分に発揮したデモ飛行

    [caption id="attachment_115187" align="aligncenter" width="1280"]エキスポバーティポートの広さは約8000平方メートル。空飛ぶクルマを駐機するハンガーも備える エキスポバーティポートの広さは約8000平方メートル。空飛ぶクルマを駐機するハンガーも備える
    [/caption]

    デモ飛行は17時から行われた。安全確保のため、エキスポバーティポートの敷地外からフェンス越しに見守った。飛行直前になると報道陣がフェンスに鈴なりに並び、関心の高さがうかがえる。

    時を同じくして「スマートフォンの電源を切るか、機内モードに切り替えを」という放送が付近に流れ、SkyDriveのスタッフが案内パネルを持って回った。具体的な周波数は非公開だが、運航にはスマートフォンでも利用される電波帯が使用されており、飛行に万全を期すための措置だ。「空飛ぶクルマは飛行機と同じですので、同様の対応を取っています」というアナウンスもあり、空飛ぶクルマは航空機の仲間であるのだと、より印象づけた。

    [caption id="attachment_115179" align="alignleft" width="1280"]SKYDRIVEを右後方から撮影。垂直尾翼が上向きに1枚、下向きに2枚取り付けられている。全長は約11.5m。高さは約3m SKYDRIVEを右後方から撮影。垂直尾翼が上向きに1枚、下向きに2枚取り付けられている。全長は約11.5m。高さは約3m
    [/caption]

    いよいよSKYDRIVEが飛行開始。12基あるプロペラが回転を始めた。その状態が1分ほど続き、段々とプロペラが発する音が大きくなり、ブーンという音が周辺に響き渡り始めると、機体がふわりと浮上。無事に離陸に成功した。ゆっくりと機体が上昇していき、地上から5mほどの高さに至ると15秒ほどホバリング。その後、ゆっくりと20mほど前進し、その場で左へ90度回転して向き変えた。

    [caption id="attachment_115181" align="alignleft" width="1280"]スキッド(脚部)は金属製棒の組み合わせ。「SUBARU AIR MOBILITY Concept」も似た形状のものが実装されている。現状これが最適解なのだろう スキッド(脚部)は金属製の棒を組み合わせている。SUBARUが開発する空飛ぶクルマ「SUBARU AIR MOBILITY Concept」も似た形状のものが取り付けられており、現状ではこれが最適解なのだろう
    [/caption]

    飛行はとても安定している。ややふらついているように見えるシーンもあったが、危険を感じさせるような挙動ではない。飛ぶ姿は固定翼の飛行機とはまったく異なり、回転翼を持つヘリコプターのそれとも違う。筆者は大型物資輸送ドローン・DJI FlyCart 30の飛行にたびたび立ち会っているが、SKYDRIVEの飛行する姿はそれに近く、まさに大型のドローンといった様相だ。その後もSKYDRIVEは左へ平行移動したり、バックで飛行したりといった、マルチロータータイプ独特の飛行形態を披露し、なめらかに着陸。飛行時間は3分50秒となった。

    デモ飛行に対する評価と2地点間飛行への期待

    [caption id="attachment_115189" align="aligncenter" width="1280"]万博会場から南東約3kmにある「さきしまコスモタワー展望台」から会場を望む。2地点間飛行を実施する際は画像で示したように海上を飛行しながら会場を迂回し、エキスポバーティポートに向かうと考えられる 万博会場から南東約3kmにある「さきしまコスモタワー展望台」から会場を望む。2地点間飛行を実施する際は画像で示したように海上を飛行しながら会場を迂回し、エキスポバーティポートに向かうと考えられる
    [/caption]

    飛行を振り返り、福澤CEOは以下のようにデモ飛行を評価した。

    [caption id="attachment_115186" align="aligncenter" width="1280"]取材に対応した福澤知浩代表取締役CEO 取材に対応した福澤知浩代表取締役CEO
    [/caption]

    今回のデモ飛行では、狭いバーティポート内で機体の上昇下降・前進・旋回の3動作を披露する計画でいました。実際に飛行してみて、事前の計画通りに実施でき、成功したといえます。当初、4月に飛行させる計画はありませんでしたが、開幕前にデモ飛行に漕ぎ着けたのは非常に意義深いと考えています。

    デモ飛行を振り返り、最も気になったのがヘリの飛行だ。というのも、メディアデー当日ということもあり、報道用と思われるヘリが会場上空に絶え間なく飛行していた。SKYDRIVEの飛行に影響を与えはしないのだろうか。同社の岸信夫CTOによると

    ヘリとは飛行する高度がまったく異なります。ヘリが低いところを飛んでいるように見えますが、空域を分けているため安全面での問題はありません。この点は航空局ともコミュニケーションを取り、調整を行っています。むしろヘリが発生する音との違いがよくわかったのではないかと思います。

    ヘリが地上から離れた空域を飛行していても、ときに会話する声が聞こえないほどの音を発生している。SKYDRIVEもデモ飛行で音を発生させていたが、会話ができなくるほどのものではなかった。ヘリよりも1/3の音量に絞っているということが実感できた。

    デモ飛行はパイロットが搭乗せず、遠隔操縦で実施した。これは社会実装に向けた最大の壁である、安全性を担保するTCの取得にも好影響を与えるという。「TC取得はマラソンのようなもの」と例える福澤CEOは、2025年1月にTC取得に向けた必要事項を国土交通省と合意しており、確実にクリアしていくことを強調。また、岸CTOも以下のようにコメントした。

    まずは無人飛行で実績を積むようにしています。安全面を考慮しても無人飛行は有効です。シミュレーションで再現できない部分も無人の実飛行でデータを取れて、迅速に改善方法を検討できます。今回のデモ飛行や今後実施する飛行におけるデータはすべて記録し、設計や改良に活用していきます。

    [caption id="attachment_115184" align="aligncenter" width="1280"]エキスポバーティポートの敷地内にはSkyDriveが業務提携する関西電力と共同開発した充電器が設置されている エキスポバーティポートの敷地内にはSkyDriveが業務提携する関西電力と共同開発した充電器が設置されている
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    [caption id="attachment_115185" align="alignleft" width="1280"]デモ飛行終了後にはSKYDRIVEを充電する様子も公開された。機体右側面に設けられた充電ソケットに給電装置を差し込む仕組み デモ飛行終了後にはSKYDRIVEを充電する様子も公開された。機体右側面に設けられた充電ソケットに給電装置を差し込む仕組み
    [/caption]

    社会実装に向けた弾みがつく試み

    4月13日の開幕日に予定されていたデモ飛行は悪天候で中止されたため、現状、4月9日の飛行が唯一公開されたものとなった。発表されている次のデモ飛行は、今夏に予定される、エキスポバーティポートと、大阪港中央突堤に設けられた「大阪港バーティポート」との2地点間飛行だ。直線距離では約4.5kmとなるが、第三者上空を避け海上を飛行するルートを取ると考えられるので、7km程度の距離になると予想される。今回のデモ飛行は操縦者の目視内で手動操縦により行われたが、2地点間飛行では目視はできず、自律飛行を採用する。電波や風の状態を観測し、大阪湾を航行する船舶の状況も踏まえながら飛行することが、これまで以上に重要になる。課題はまだ多いようだが、ぜひ成功させ、社会実装に向けた弾みがつくことを期待したい。

    ▶︎大阪・関西万博

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    NVIDIA、米国で初めて国産AIスーパーコンピューターを製造。5000億ドル投資、AIインフラ構築へ https://www.drone.jp/news/20250415172835115194.html https://www.drone.jp/news/20250415172835115194.html 2025-04-15T08:28:35+00:00 NVIDIAは主要な製造パートナーとともに、アリゾナ州でNVIDIA Blackwellチップを、テキサス州でAIスーパーコンピューターの製造およびテストを行うために、100万平方フィート(約9.29ヘクタール)以上の製造スペースを確保している。

    NVIDIAのBlackwellチップは、アリゾナ州フェニックスにあるTSMCのチップ工場で生産が開始された。NVIDIAはテキサス州でスーパーコンピューターの製造工場を建設中で、ヒューストンでは Foxconn、ダラスではWistronと提携している。両工場の量産体制は、今後12~15カ月で本格化する見込みだという。

    AIチップとスーパーコンピューターのサプライ チェーンは複雑であり、最先端の製造、パッケージング、組み立て、テスト技術を必要とする。NVIDIAは、アリゾナ州でのパッケージングとテスト業務に関して、AmkorとSPILと提携している。

    今後4年以内に、NVIDIAはTSMC、Foxconn、Wistron、Amkor、SPILとの提携を通じて、米国で最大5000億ドル規模のAIインフラを生産する計画だ。これらの世界有数の企業は、NVIDIAとの提携を深め、事業を成長させながら、グローバルな事業展開を拡大し、サプライチェーンの強靭性を高めている。

    NVIDIA AIスーパーコンピューターは、人工知能の処理を唯一の目的として作られた新しいタイプのデータセンターで、すなわちAIファクトリーのエンジンであり、新たなAI産業を支えるインフラとなる。今後数年間で数十の「ギガワットAIファクトリー」が建設される見込みだ。アメリカのAIファクトリー向けの NVIDIA AIチップとスーパーコンピューターの製造により、今後数十年にわたって数十万の雇用が創出され、数兆ドル規模の経済的効果がもたらされると期待されているという。

    NVIDIAの創業者/CEOであるジェンスン・フアン氏は次のようにコメントしている。

    フアン氏:世界のAIインフラのエンジンが、初めて米国で製造されることになりました。米国での製造拠点を加えることで、AIチップとスーパーコンピューターに対する驚異的な需要の高まりに対して、より適切に対応できるようになり、サプライチェーンが強化され、レジリエンスが向上します。

    NVIDIAは、NVIDIA Omniverseによる工場のデジタルツインの作成や、NVIDIA Isaac GROOTによる製造の自動化を目的としたロボットの構築など、AI、ロボティクス、デジタルツインテクノロジを活用して施設の設計と運用を行うとしている。

    ▶︎NVIDIA

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    レッドクリフ、大阪・関西万博の開幕初日にギネス世界記録を更新! https://www.drone.jp/news/20250415142758115161.html https://www.drone.jp/news/20250415142758115161.html 2025-04-15T05:27:58+00:00 ドローンショーを企画・運営する株式会社レッドクリフは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)協会企画催事のプラチナパートナーである。会期中の全184日間にわたり、協会企画催事「One World, One Planet.」のメインコンテンツとして、1,000機によるドローンショーを実施中だ。

    開幕初日である4月13日(日)、2,500機による特別演出の大規模ドローンショーを実施し、ギネス世界記録「ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ」の更新に成功した。

    「One World, One Planet.」の世界を描くドローンショー

    同ドローンショーは、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が主催する催事「One World, One Planet.」のメインコンテンツとして実施される。光・音・テクノロジーが融合したスペクタクルな演出を通じて、「願い」をテーマに万博会場と世界をリアルとデジタルの両面でつなぐ新たな体験を提供する。

    [caption id="attachment_115164" align="aligncenter" width="1280"]開幕初日、特別演出のドローンショー 開幕初日、特別演出のドローンショー[/caption]

    開幕初日は特別演出として、2,500機のドローンを用いた演出を実施。花火や従来のLEDライトの約6倍の輝度を誇るフラッシュモジュールを搭載した機体も登場し、"空を舞台にした未来のショー"を体現した。会場からは自然と歓声や拍手が湧き上がり、SNS上では「引き込まれる」「万博のドローンショーすごかった」「空中を縦横無尽に浮かぶ芸術に未来を感じて感動した」といった声が多数寄せられ、初日の万博の夜空を華やかに彩った。

    ギネス世界記録「最大の木の空中ディスプレイ」を更新

    レッドクリフは、大阪・関西万博の期間中(準備期間を含む)に「ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ」および「年間で飛行させたドローンの最多数」の2部門において、ギネス世界記録への挑戦を行っている。

    [caption id="attachment_115165" align="aligncenter" width="1280"]ギネス世界記録™「最大の木の空中ディスプレイ」を更新したドローンショー ギネス世界記録「最大の木の空中ディスプレイ」を更新したドローンショー[/caption]

    4月13日(日)には、悪天候下においても挑戦を決行。2,500機によるショーの中で1,749機のドローンを使用し、巨大な"木"のビジュアルを夜空に描写した。審査の結果、正式にギネス世界記録として認定された。

    レッドクリフ

    万博期間中、さらなる記録更新にも挑戦

    ドローンショーは万博閉幕日である10月13日(月・祝)まで、協会企画催事「One World, One Planet.」のコンテンツとして、1,000機規模で毎日実施される予定である。また、期間中(準備期間を含む)の累計飛行機体数により、「年間で飛行させたドローンの最多数」部門でのギネス世界記録樹立も目指している。

    ギネス世界記録情報

    更新した記録

    達成したタイトル:Largest aerial display of a tree formed by multirotors/drones(マルチローター ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ)

    挑戦日:2025年4月13日(日)
    挑戦場所:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博):大阪市此花区

    現在挑戦中の記録

    挑戦するタイトル:Most multirotors/drones launched in a year(一年間に飛行させたマルチローター / ドローンの最多数)

    挑戦実施期間:2025年3月17日(月)〜10月13日(月)
    挑戦最終日:2025年10月13日(月)
    挑戦場所:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博):大阪市此花区

    大阪・関西万博におけるドローンショー概要

    開催日時:2025年4月13日(日)〜10月13日(月) 日没後
    開催場所:つながりの海上空(大阪府大阪市此花区夢洲中1丁目)
    使用機体数:1,000機
    観覧方法:予約不要、観覧無料。チケットを所持する来場者のみ、会場内にて観覧可能。

    ※開催時刻は季節により変更の可能性あり
    ※天候により中止となる場合がある

    ▶︎大阪・関西万博

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