DJI SPARKが国内デリバリーは6月中旬から!日本発表会詳細レポート

2017-05-29 掲載

空撮するドローンからもっと身近な距離感の存在に

米国時間5月24日午前11時半(日本時間5月25日午前0時半)にニューヨークのグランドセントラル駅のイベント会場で発表された、DJIの個人向けドローン「SPARK」。その模様は既にお伝えしたが、その日本発表会が5月26日午前11時から、品川のDJI JAPANオフィスにて開催された。5月8日にお台場から品川駅港南口のシーズンズテラス11階に移転したDJI JAPAN新オフィスのお披露目も兼ねており、会場となったプレゼンテーションルームは大勢の関係者で埋まった。今回はさらにその時の模様と詳細をお伝えする。

ドローンは同じ性能であれば小さければ小さいほど便利になる。SPARKはDJI史上最も小型のドローンです。

と語るDJI JAPAN呉韜代表取締役。

発表会はDJI JAPAN代表取締役社長呉韜氏のあいさつの後、プレゼンテーションルームの外からSPARKが小窓を通って入ってくる、という演出で始まり、冒頭からそのコンパクトさをアピール。その後、一切コントローラー類を使わず機体の前にかざした手だけで機体を操作して着陸までさせる、というパフォーマンスに会場は大いに沸いた。

SPARKのジェスチャーコントロールをプレゼンテーションするDJI製品のプロダクトマーケティング担当の丸川英也氏

こうしたパフォーマンスからも、SPARKはこれまでのDJI製品とは大きく異なり、コントローラーで操作する特別な道具ではなく、手の合図だけで操作するという、より人と近い存在であることが示されている。もちろん、より遠くまで飛ばす、より複雑な動きをさせるためには、スマートフォンのようなモバイルデバイスや専用のコントローラーが必要となるが、やはりSPARKはドローンだけでセルフィーをはじめとした写真や動画を撮る、スマートフォンの延長のようなツールとして位置付けたいという狙いが感じられる。

スマートフォンやタブレットでも直接操縦ができる

DJIのSPARKは全長143mm、全幅143mm、全高55mmと手の平に乗るコンパクトなサイズが最大の特徴。プロペラは折りたたむことができる

SPARKはアームサイズ(対角のローター間の距離)が170mm、重量300gと現在DJIが販売しているドローンの中で最もコンパクトなモデルだ。昨年登場したMAVIC PROが、アームサイズ335mm、重量734gであり、ボリューム的にはまさにその半分。SPARKがこれまでのDJIのドローンの中でもいかに小さいかということがわかるだろう。SPARKの胴体はMAVICのような前後に長いフォルムで、ローターアームは固定式となっている。MAVICが格納式であったのに対してSPARKが固定式となっていることを残念に感じる向きもあるかもしれないが、SPARKの性能を考えればむしろ十分小さいと感じられることだろう。

5色のカラーバリエーション。左上から右に「ラヴァレッド」「アルピンホワイト」「メドゥグリーン」左下から右に「スカイブルー」「サンライズイエロー」とポップな色が揃っている

また、SPARKがDJIのドローンとして新しいのは、白、黄、緑、青、赤というボディカラーを選んで買えるという点だ。これまでドローンと言えば、プロフェッショナルか一部の愛好家のものというイメージが強かったが、こうしたカラーバリエーションを用意することで、よりパーソナルなアイテムとして使ってもらいたいというのがDJIの狙いだ。

前面の四角い窓が三次元認識システムと呼ばれる赤外線センサー。赤外線LEDとカメラによって、人間の顔の形を認識したり、自動飛行の衝突防止などに使用

機体には前方を監視するための三次元認識システムを搭載。また、赤外線センサーと機体下面に、ビジョンポジショニングシステムのための赤外線センサー2個とカメラを装備している。2軸のジンバルを介して搭載されている撮影用カメラは、35mm判換算の焦点距離25mmのF2.6レンズを採用し、1/2.3インチの1200万画素CMOSセンサーで撮影を行う。カメラはジンバルの安定性に加えて、ブレやローリングシャッター現象を抑える「UltraSmooth」という新しい技術が盛り込まれていて、1080p30fpsの動画と1200万画素の静止画を、非常に高いクオリティで撮影することができる。

1200万画素のカメラと2軸ジンバルも機体と一体化したデザインの極めてコンパクトなものとなっている ビジョンポジショニングシステムのための赤外線センサーとカメラ。MAVICのような超音波センサーは搭載していない。バッテリー後部には外部からの充電が可能な4極の端子が見える 機体(バッテリー)後面には残量を示す4つのインジケーターランプと電源ボタンを装備。機体を自分に向けて手のひらに乗せ、このボタンを2回タップすると、自動的に離陸する

機体の下面約3分の2はバッテリーがスペースを占めていて、1480mAh(16.87Wh)の3セルリチウムポリマーバッテリーを搭載し、最大約16分の飛行が可能だ。バッテリーの本体の接続用として6ピンの端子があるほか、バッテリーの下面には米国の発表会で展示されていた本体ごとチャージ可能なドックでの充電に使う、4極のホットシューも設けられている。

1480mAhのバッテリーは機体後部からスライドさせて装着。バッテリーの大きさからも機体の小ささがわかるだろう。標準キットには1個、コンボキットには2個が同梱

SPARKの操縦もDJIのドローンとして初めて、スマートフォンやタブレットのようなモバイルデバイスで直接行えるのが新しいポイントだ。DJI GO 4アプリでSPARKを選ぶと、画面上のスティックを一般的なコントローラーのように操作するスティックモードが利用でき、操縦者から約100mの範囲で飛行させることができる。もちろん、専用の送信機を使えばその操縦範囲は約2kmまで伸び、最高時速50km/hの速度での飛行が可能となる。

機体に向けた手の平で自由自在に動かす新感覚

非常にコンパクトなSPARKではあるが、その撮影機能は兄貴分のMAVICに勝るとも劣らない。アクティブトラックといったDJI GO 4から操作する自動飛行機能はすべて網羅しているのに加えて、新たにクイックショットという機能を搭載。ハリウッドの映像制作者らとDJIの開発チームが、ドローンで撮影するうえで最もクリエイティブな飛行パターンを4種類選んで搭載。「ロケット」「ドローニー」「サークル」「ヘリックス」という、4つの撮影パターンをワンタッチで自動的に飛行してくれるというものだ。特にサークルやヘリックスは手動で操縦するとなると難易度が高いだけに、自動で撮影してくれるというのはありがたい。

  • 「ロケット」…カメラを真下に向けた状態で、真上に急上昇する
  • 「ドローニー」…自分を撮影しながら後退かつ上昇する
  • 「サークル」…常に被写体を中心に捉えながら旋回する
  • 「ヘリックス」…螺旋上昇しながら被写体から離れていく
  • MAVICでも使えたアクティブトラックやタップフライに加えて、「パノラマ」「シャロー・フォーカス」という2つの撮影モードを新たに搭載 シャロー・フォーカスを使うと被写体の前後をボカした奥行き感の強い映像が得られる

    さらにSPARKの自動飛行機能のハイライトは、クイックスタートとジェスチャーコントロールにある。機体を自分の方に向けて顔の高さで手のひらに乗せ、人差し指で機体後部の電源ボタンを2回押すと、前面の三次元アクティブセンサーが人間の顔をスキャン。前方に人間の顔がある、つまり人物が機体の前にいると判断すると約25秒以内に自動で離陸する。

    離陸は機体を起動状態にしたうえで伸ばした手の平に自分に向けて乗せ、電源ボタンを2回タップすれば自動的に離陸する
    前面の三次元認識システムが人物の顔や手の平を認識。赤く四角いパネルの右側から赤外線が照射され、その反射光を左側に格納したカメラが認識する

    離陸後はその場でホバリングを開始。機体に手の平を向けると、その手の平の方向に、機体を移動させることができる。さらに、その中で手を左右に振ると、自分から距離約3m、高さ2.5mまでSPARKがバックして上昇。その状態で両手の人差し指と親指を使ってフレームを作る動作をすると、3秒後にシャッターが切れてセルフィーが撮影可能だ。

    手の平で機体の位置を自由自在にコントロールできるジェスチャーコントロール。その姿はマジックを見ているかのようだ。着陸も手の平を機体の下にかざすだけと極めて簡単

    着陸も手の平を上に向けて、機体の下に差し出すと、下面のセンサーが判断して自動的に着陸を行う。こうした操縦者と遠くに飛んでいくドローンというより、身近な範囲で常に自分をフォローして撮影をしてくれるロボットという関係性が、SPARKというドローンの位置づけを象徴している。空から広い俯瞰した景色を楽しむ、というのがこれまでのDJIのドローンだとするならば、SPARKはもっと身近な距離感の視点を楽しむドローンなのだろう。

    機体に向けた手の平で自由自在に動かす新感覚

    SPARKはプロペラ8枚とバッテリー1個、USB充電器と保管ボックスを同梱したキットに1年間の賠償責任保険が付いて65,800円。機体色は「アルペンホワイト」「スカイブルー」「メドウグリーン」「ラヴァレッド」「サンライズイエロー」の5色から選べる。すでに予約開始中でで6月中旬からデリバリーを開始する予定だ。また、標準のキットに加えて、専用送信機、プロペラガード、バッテリー2個、バッテリー充電ハブ、ショルダーバッグを同梱したフライモアコンボ(91,800円)も用意されていて、こちらは6月下旬のデリバリーが予定されている。

    フライモアコンボに同梱されているバッテリー充電ハブ。最大3個のバッテリーを自動的に充電してくれる(キットに同梱のバッテリーは2個) 室内や人がいる場所ではコンボキット同梱もしくは別売のプロペラガードを装着しての飛行が安全だ

    DJIでは今回の発表会で、より多くの人に、そして身近なシーンで使ってほしいという願いを込めて、ドローンの専門家や愛好家ではない人の代表として、二十代前半の河村友歌さんや根本悠生さんをアンバサダーとして任命した。そしてさらに、金曜日の発表会の週末、5月27日(土)と28日(日)の二日間にわたって、横浜ランドマークプラザでSPARKのフライトと空撮セルフィーを体験できるポップアップイベントを開催するなど、普及に向けたプロモーションに力を入れている。

    この日はDJIの新たな取り組みとして、DJIアンバサダープログラムを発表した。アンバサダーとしてモデルの河村友歌さんとプロレーシングドライバーの根本悠生さんを任命。二人にそれぞれラヴァレッドとスカイブルーのSPARKが授与された

    SPARKは標準キットであれば65,800円と、デビュー当時それまでより手軽になったと言われるMAVICの約半分と、さらに手軽に買える存在になった。事実、SPARK発表会のトークショーでは、二十代前半の二人が「この価格なら自分達でも手が届く」と口を揃えていた。このようにSPARKによってレベルの高い飛行性能と撮影機能を持ったドローンが、これからもっと身近な存在となるに違いない。

    DJI

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