CES2018総括:ドローン市場は地上へ水中へ用途拡大。どこで何にどう使うか細分化も進む[CES2018]

2018-01-29 掲載

ドローンの今を知るにはCESに行くのが最適だ

一時期の熱狂ぶりではないものの、ドローン市場はまだまだ活況でCESでの展示は、150社を超える。技術的にもデザイン的にも新しいものが登場していた。既存のローター式ドローンは飛行システムのレベルがアップし、高性能で機動性が高く誰でも簡単に飛ばせるドローンが当たり前になり、トイ・ドローンでも同じ傾向が見られる。話題となったTelloをはじめとして小型で安定したFPVレース機が多く会場で見られた。

ただしデザインはどれも似たり寄ったりで価格競争が激化しているため、来年はどれだけ生き残っているかが心配なところだ。やはり最適解を求めれば同じようなものになるのは仕方ないことなのではあるが…。

地上や水上、水中へ広がるドローンの活躍の場

ホンダが参考出展

そうしたなか、地上や水上へと新市場を開拓する流れが目立った。特に自走式は宅配や倉庫内などでの確実な需要が見えているのもあり、ホンダやPanasonicも対応製品を発表している。価格が安くなったライダーを搭載した小回りの利くタイプも複数出展されており、テニスボールを集めるTENNIBOTのような用途を絞り込んだ製品も注目されている。

CESではドローン&ロボティクスと同じジャンルで扱っていることからもわかるように、ホテルの部屋に荷物を届けるコンパニオンロボットも自走式ドローンの一つとして今後市場拡大が見込まれている。いずれにしても今年の注目ジャンルなのはまちがいなさそうだ。

低価格になったライダーを搭載した自走式ドローンが複数出展されていた。

出展数が増えた水中ドローンは価格が1000ドル以下とてごろなところに落ち着いてきた。ただし水中撮影か探査用ぐらいしか用途がなくデザインも似たり寄ったりで、来年はどうなっているかが微妙なところだ。操作性と低価格化以外にどれだけニーズを開拓できるかが課題になりそうだ。

水中ドローンは有線ケーブル付のものがまだ多い 水中ドローンのデザインと用途はまだこれから

ドローンは生活の一部なのか?

今年はCESが力を入れるスマートシティの分野でドローンを組み合わせるケースが目立った。主な用途としては、防犯カメラでは目が届かないエリアを空から監視するのにドローンを使う。ナビや自動運転自動車向けに地図データを提供するhereは、渋滞や事故などリアルタイムの情報収集にドローンをしよう。電子部品メーカーのNXPは以前からドローンを自動運転自動車やスマートシティと組み合わせたソリューションを展示しており、今回は自走式との組粟田ものが紹介されていた。多くは複数のドローンを一斉にコントロールするというアイデアで、街の風景の一部になる日もそう遠くはないのかもしれない。

NXPをはじめスマートシティのソリューションにドローンを取り入れるケースが多かった

その一方で”飛ばさない技術”の出展もいくつか見られた。飛行場周辺や国定公園、世界遺産といった場所でのドローンによるトラブルは相変わらず減っていないようで、小型で高性能な高画質セルフィドローンについては、今のところ法的な対策ができず自己防衛するしかないからだ。こうしたアンチ・ドローンの動きが強まっている影響か偶然なのか、去年は複数あった静音タイプのドローンがほとんど見られなかった。

高性能のソナーを搭載したドローンでドローンを管理するアイデアも

パッセンジャードローンはもうすぐそこ

他にも農業、インフラ向けなどの業務用ドローンの展示も見られたが。一昨年e-hang(今年は展示なし)が有人ドローン機を展示し荒唐無稽と思われたパッセンジャードローンも数社からの展示があり大いに可能性のある分野として有望だ。

トランスポーテーションとしてのドローンは自動運転自動車と並んで大手が力を入れる動きが進んでいるだけに、来年は実用化に近い展示が見られるかもしれない。

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