音声アシスタントやハンドジェスチャーなど機能で魅せる〜欧州最新ドローン市場の動き [IFA 2018]

2018-09-12 掲載

欧州最大のコンシューマ家電国際見本市IFA2018開催

1月にラスベガスで開催されるCESに並ぶ世界最大級のコンシューマ家電国際見本市として知られるIFAが、8月31日から9月5日までベルリンメッセで開催された。例年通りDJIやYuneecらがブースを出展していたが、全体的の数や規模は大幅に縮小され、どこにあるのか探すのが難しいぐらいになっていた。

だが、それでドローン市場が縮小したと考えるのは早計だ。市場の淘汰が進んでいるのはまちがいないが、アクションカメラと同様に撮影機材としてプロやプロシューマーまで幅広いユーザーが当たり前に活用するようになり、ビジネスとしては安定期に入ったといえる。ここではまず主役級2社の展示を見てみよう。

DJI

ホール3にあるDJIのブースは連日大盛況でブースの外にいつも人があふれるほどであった。

展示されていたのはIFA開催の1週間前に NYで新製品発表会 が行われたばかりのMAVIC 2 PROとZOOMをはじめ、SPARKシリーズやISPIRE、そしてRONIN-Sなどの手持ちスタビライザーで、MAVIC 2で撮影した写真を展示するギャラリーが設けられていた。

というのも飛行デモは屋外にある特設テントで行われていたためで、そこにも連日人があふれていた。面白かったのはデモで強調していたのがMAVIC 2のウリであるカメラ機能ではなく、コントロールのしやすさのほう。まるでペットのように手の動きだけで操作できることや近付いても人にぶつからないセンサー機能を強調していたのは、ドローンに対してややネガティブな反応があるヨーロッパならではの演出かもしれない。

IFA会場内で多く見かけるようになった手持ちスタビライザーは他のブースでも展示が増えていて、DJIではプロ向け製品を中心に展示していた。RONIN-Sは実際に持ってみると両手でも重たいぐらいなので、使用をサポートするオプション的なツールが必要そうだ。ブースでのそうした感想も取り入れながら今後の製品をどう展開していくかを検討するとの話であった。

Yuneec

DJIと同じホール3に出展していたYuneecも全体的にブースはコンパクトになっていた。中央にあるデモエリアの回りにTyphoonシリーズと音声認識でコントロールできるMANTIS Q、そしてFIREBIRD PROなどを展示していた。

今年のIFAはCESと同様に、Amazon AlexaやGoogle Assistantといった音声アシスタントを組み込んだ家電が話題で、音声コントロールが話題トレンドの一つになっていた。そのため音声コントロールができるMANTIS Qは注目を集めていたが、単体で音声コントロールができるといわけではなく、コントローラに使用するスマホに搭載されている音声アシスタントを利用するとのこと。画面を見ながら手元を操作するより音声の方が操作しやすいとのことだが、残念ながら今回はそうしたデモを見ることができなかった。

主にデモを行っていたのはTyphoon H Plusで、ドローン独特の騒音が少ないことを強調。カラーLEDは明るい展示会場内ではあまり目立たなかったが、ドローンを使ったイルミネーションパフォーマンスが人気を集めており、そうした際に必要な機動性の高さをアピールしていた。

活躍の場所は空だけではない。注目される水中ドローン

その他に見かけたドローンはいずれも水中ドローンで、その一つポーランドの工科大学の学生らが中心に作成した水中ドローンは、深海を探索するのを目的とした水中ロボティクスの開発コンテストで受賞したプロトタイプで、ファイバー製のボディで剛性を高め、数十メートルの水深に耐えながら軽快に動けるのがポイントだという。コンテストの運営には海軍らも参加しており、今後は専門家らと実用化を進めるという話であった。

もう一つのGeneinno Titanは世界で最も深いところで活動できる水中ドローンで約150メートルの潜水能力を持ち、6つの推進機能で移動しながら4Kカメラで水中を撮影できるという製品だ。

ワイヤーが付いているので水中用有線ドローンともいえるが、そのため深海でも電源供給やデータの転送は問題なくできるという。同社はもともとTridentというダイバーが水中で移動する時に使用する手持ちの水中スクーターなどを開発していたが、単独で水中を撮影できるTitanをクラウドファウンディングのIndiegogoでキャンペーンを開始。7月には設定金額の420%をクリアしてすでに9月から発送も始まっている。現在価格が30%オフの799ドルで販売するキャンペーンを行っている。

総括

こうしてIFAの展示を見ていると、ドローンは単体で飛ばすものから自律して撮影できるカメラという位置付けになってきているのがよくわかる。実はここで紹介した以外にもドローンの出展があったのだが、いずれもビジネスエリアで一般の来場者やプレスは入れない場所であった。IFA全体としてはどうやらCESと同じくコンシューマー向けだけでなくビジネストレードショーとしても力を入れていくようでだ。さらにイノベーションやスタートアップの出展エリアを増やす傾向にあり、来年はそうしたところで新しいドローンを見られるかもしれない。

▶︎IFA 2018
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