ja DRONE https://www.drone.jp 国内外のドローン最新ニュースから、「空飛ぶクルマ(eVTOL)」、「自動運転」、「AI」、「ロボティクス」、「EV」、「宇宙技術」など時代を変えるテクノロジーを配信します Mon, 14 Jul 2025 22:33:24 +0000 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 https://www.drone.jp/column/20250708122444117095.html 117095 trend Tuesday, 08 July 2025 12:24:44 +09:00 山火事対応の前に立ちはだかった突風

今年初めに注目を集めた、米カリフォルニア州の大規模な山火事。幸い1月末までに鎮圧され、現在は完全に鎮火している。この山火事対応にあたって、ドローンもさまざまな形で活用されたことは既にお伝えした通りだ

ただこのドローン活用の中で、見えてきた課題がある。それは突風だ。山火事の現場では、激しく、予測不可能な風が吹く場合がある。しかも今回の舞台となったカリフォルニア州では、「悪魔の風」や「サンタアナ風」として知られる局地風が吹くことで知られている。報道によれば、その風速は最大で時速145kmにも達したという。これは秒速に換算すると40m以上で、気象庁の風力階級表では最高レベルである「12(海上暴風警報または海上台風警報に相当)」に分類されるとともに、「猛烈な風」として警戒が呼び掛けられるほどの強さだ。

山火事現場で「サンタアナ風」が吹き荒れていたことを示す映像

当然ながら、人でも立っていられるかどうかわからないほどの突風の中で、ドローンを安定飛行させることは不可能に近い。そこで米MITの研究者らが、AIを使ってこの問題を解決する技術の開発に乗り出し、その成果を論文として発表している

彼らが開発したのは、単に風に耐える頑丈なドローンではない。風を「理解」し、「学習」し、「適応」する、まったく新しいアプローチだ。

従来の方法では、制御システムを設計する際、ドローンや環境の構造に関する情報、つまり「どんな風が吹くか」や「どんな気流の乱れがあるか」といった不確定要素について、事前に設計者が考えてプログラムしなければならなかった。しかし現実世界の不確実な条件下で、そうした設計を行うのは非常に難しい。

そこで研究者らは、「メタラーニング(メタ学習)」という手法を開発した。一言で言えば、これは「学び方を学ぶ」AIということになる。

普通のAIは、与えられた特定の状況やデータだけに合わせて最適な動きを学習するが、状況が変わると一から学び直す必要があり、現実のさまざまな環境には柔軟に対応できない。それに対してメタラーニングでは、AIが「新しい問題や環境にどう適応するか」という「学習の方法自体」を身に付ける。ドローンの場合であれば、「こんな風のときはこう飛ぶ」「今までにないパターンがきたら、まず何を確かめて、どの方法を試すのが早いか」など、「対処の仕方」を自分で選び直せるのである。

これにより、AIは未知の環境や予測できないトラブルにも強くなる。新しい状況下でも、過去の経験を応用して素早く最適な動き方を見つけることができるため、毎回ゼロから学び直す手間がかからず、適応が格段に速くなる。要するにメタラーニングは、AIが自分の学習法をアップデートしながら、常に最適解を探し続ける技術と言えるだろう。

「鏡に映した世界」で考える最適解

さらに研究者らは、「ミラーディセント(ミラー降下法)」という手法も編み出している。これもまた、AIがより多様な状況に柔軟に対応するための先進的な工夫だ。

AIがドローンを制御する場合、「どうやってズレを修正するか?」を学ぶ必要がある。従来のAIの多くでは、「グラディエントディセント(勾配降下法)」という仕組みが使われてきた。これは登山における下山のプロセスで喩えると、「今いる場所から、一番下り坂になっている方向へ一歩ずつ進んでいく」というやり方だ。これはシンプルで効率的だが、「ユークリッド空間」と呼ばれる、単純な状況(下山で言えばまっすぐな道)でしか上手くいかない。

ところが現実の環境やドローンの制御問題では、必ずしも道がまっすぐではなく、複雑で曲がりくねった「非ユークリッド空間」となっていることが多い。たとえば坂道だけでなく、谷や壁、迷路のような構造が含まれているイメージだ。

ここで「ミラーディセント」が威力を発揮する。この手法は、「勾配降下法」の考え方を柔軟に拡張したもので、たとえばゴールにたどり着くために「どの地図を使うか」「どの距離の測り方を使うか」を、AI自身が状況に応じて選べるようにする。これにより、「この環境では直線距離よりも、曲がりくねった道に沿った距離のほうが自然だ」「この状況では違うルールのほうが効率的だ」とAIが自ら判断し、最も適した「移動法」を選択できるようになる。

この手法の名前にある「ミラー(鏡)」には、「写像」や「変換」といった数学的な意味が込められている。たとえば現実の複雑な道のりを、「別の空間(=鏡に映した世界)」に写して考え直し、その鏡の世界で最適な方向を見つける、というイメージだ。鏡に映せば、曲がりくねった道がまっすぐに見えることもある――この「映し変え(ミラー写像)」を上手く利用して、より効率的な最適化を行うのがミラーディセントとなる。

[caption id="attachment_117098" align="aligncenter" width="1280"]「鏡に映した世界」で最適解を考える「ミラーディセント」 「鏡に映した世界」で最適解を考える「ミラーディセント」[/caption]

論文内のAI制御システムでは、このミラーディセント」を自動選択できるよう、メタラーニングと組み合わせている。これにより、従来の方法では苦手だった複雑な状況や予想外の乱れ(たとえば突風や障害物の配置が毎回変わる場合)にも、高い精度で素早く適応できるようになるという。

研究チームがこれらの手法を使って実験を行ったところ、風速が毎秒8m(先ほどの気象庁風力階級表ではレベル5)という環境の下で、従来の制御方式と比較して約72%も追跡誤差(ドローンが飛ぶべき予定のコースと、実際に飛んでいる位置とのズレの大きさ)を削減することに成功した。さらに訓練データに含まれていなかった、風速毎秒10mという強風下でも、74%の誤差削減を達成できた。

これは単なる数字の改善に留まらない。実際の災害現場では、この差が任務の成功と失敗、時には人命救助の可否を分けることになる。AIが理論や過去のデータにだけ依存するのではなく、より柔軟に「現実」に対処することを可能にするこれらの手法は、将来の災害対応を大きく変えていくだろう。

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国産ドローンメーカーの苦境[春原久徳のドローントレンドウォッチング]Vol.91 https://www.drone.jp/column/20250625101206116872.html 116872 trend Wednesday, 25 June 2025 10:12:06 +09:00 今年のジャパンドローン展で目立ったのは韓国・台湾勢のブースであった。

新興の海外ドローン機体メーカーの台頭

商用のドローンに関しては、このコラムでも何度も書いてきたように、中国のDJIが強く、世界全体においても7~8割のシェアを握ってきた。

Vol.79 新しいステージに入った世界のドローン[春原久徳のドローントレンドウォッチング]

その中で当然のように機能面においても、価格面においても、また、使い勝手の面においても優位性を保ってきた。そのこと自体は現状も変わらない状況にある。

しかし、ウクライナ戦争において、ドローンがその中心に踊りでることで、状況が大きく変わってきた。それは、軍事関連の利用において、多くの国がDJIを始めとする中国のドローンを採用することが難しく、自国もしくは同盟国でのドローン、特に中型以下のドローンの調達を行わなければならない状況になってきた。

Vol.61 ウクライナ戦争以降のドローン環境の変化[春原久徳のドローントレンドウォッチング]

そんな中で、一番早くに動いたのは米国であった。DJIのような強力な機体メーカーを興す方向ではなく、Blue UASのような形でオープンプラットフォームを活用することにより、業界全体を水平分業的に向上させていくことを選んだ。その試みはまだ道半ばであり、なかなかDJIに匹敵した機能や価格のドローンを生み出すのはできてはいないが、それでもだいぶ整ってきているともいえよう。

Vol.53 ドローンのプラットフォームとその戦略[春原久徳のドローントレンドウォッチング]

その米国の状況を学ぶことで、2022~2023年ごろから自国でのドローン製造を動かしてきたのが、アジア近隣においては、台湾、韓国、そしてインドである。米国に倣って、オープンプラットフォームを採用し、また、そういった新興勢力において、オープンプラットフォームの採用は、新規に開発製造するドローンの機能や信頼性を既存製品にキャッチアップするのにも適している。また、台湾や韓国は、PCやスマートフォンで培ってきた水平分業のノウハウも持っており、一気にその水準を上げてきており、個々の機体メーカーも力をつけてきている。

ただし、どこの国もオープンソース系のドローンソフトウェアエンジニアは不足しており、筆者が経営するドローン・ジャパンが実施してきているドローンエンジニア養成塾に関しての問い合わせも増えてきており、今年は海外でもそのトレーニングを実施する形になってきている。

そして、それ以上の動きとしては、ウクライナの機体メーカーの動きである。まだ、戦争状態が続いているため、大きな動きにはなっていないが、もし、戦争が終結した場合には一気に動いてくる可能性がある。生産台数も多く、コスト効果も出ているため、もし、こういった動きが加速した場合には、日本の機体メーカーにとっても大きな脅威となってくることも予想される。

日本の機体メーカーにとっては、今まではDJIを意識する中で、そのDJIと直接当たらない部分で戦ってきたが、それでも苦戦を続けてきており、今年度を迎え、複数のドローン機体製造のメーカーや事業部が撤退を余儀なくされてきている。

日本の防衛分野において、日本の機体メーカーの機体を中心に採用していく動きも出てきてはいるが、それでも、デュアルユース(防衛と民生)を意識した開発構想や戦略を築いていかないと、継続的なものになっていかないだろう。

中国の輸出規制強化

これもこれまでのコラムで書いてきたが、今月に入って、中国のドローン関連部品の輸出規制が強化されている。きっかけは6月1日に行われたウクライナによるロシアへのドローン攻撃「蜘蛛の巣」作戦ともいわれている。

内容としては以前に示されたものを実行した形になっている。

Vol.82 嗚呼DJI[春原久徳のドローントレンドウォッチング]

ドローン及びドローン関連部品の輸出規制の強化・調整

  • 中国商務部と関係部門は、2024年7月31日付で軍事利用の可能性があるドローンとドローン部品の輸出規制の強化(調整)を発表した(公告31号)。昨年の同日付での規制を拡大するもの。2024年9月1日施行。商務部はドローンの輸出規制を「適切に」拡大することを決定したと表明した。
  • 昨年2023年7月の規制は、次のようなもので、2つの公告(27号、28号)に基づいて9月1日から実施されていた(新華網日本語2023.8.1付)。
    • 一部のドローン用エンジンや重要ペイロード、無線通信設備、民間用反ドローンシステムなどの輸出を規制する。
    • 一部の消費者向けドローンについても2年間の臨時輸出規制を実施する。
    • 規制リストに含まれないその他のすべての民間用ドローンの軍事目的での輸出を禁止する。

今回これら2つの公告は廃止され、新たな公告31号に引き継がれる形となる。

具体的には、フライトコントローラー、ドローン搭載用のカメラ、大型のモーター、ESC、大型のバッテリーと広範囲に及んでいる。中小型のモーターやバッテリーは現在、まだ含まれてはいないが、いつそのリストに含まれてもおかしくはない。

これは日本の機体メーカーにとっても、大きな痛手となっている。従前より、中国の輸出規制によるチャイナリスクは存在してきたし、その動きとして、「DOP(ドローンオープンプラットフォーム)」といった活動も筆者はしてきたが、そのリスクは共有されるものの、一向に現実的には進んでいかなかった。

Vol.57 日本版ドローンオープンプラットフォームプロジェクトが目指すもの[春原久徳のドローントレンドウォッチング]

ここにきてのこういった中国の動きの中で、各省庁等でもその対策に急に動き出してきているが、果たして、そのエコサイクルは出来るのかどうか、そして、それが効果を発するかどうかは不明だ。

例えば、ドローンで使われるリチウムポリマーのバッテリーひとつとっても、現在、その生産シェアは中国が圧倒的であるが、実際はその生産シェアもあるが、その原材料やその精錬において、中国は圧倒的なシェアを握っている。

  • グラファイト(天然/合成)の精錬90%以上を手中に収め、天然グラファイト生産は約61–62%。
  • 鉱石形態からの一次加工でも圧倒的支配(リチウム、コバルト、マンガン、ニッケル含む)。

こういった状況もあり、米国と中国間も、ドローン本体や部品には、現在双方が輸出入の規制強化の動きを取ってはいるが、レアアースや原材料に関しては、一定の手打ちをしてきている部分もある。

今後の動き

機体メーカーにとっては、短期的には、中国の輸出規制強化が、そして、中長期的には、台湾・韓国・インド・ウクライナ等の海外機体メーカーの動きが、その脅威として残っていくだろう。そして、「これを見据えて戦略を立てていかねばならない」というのは、簡単であるが、PCやスマートフォンで、これまで日本のメーカーが立たされてきた苦境を思えば、そう簡単ではないだろう。ドローン産業が、PCやスマートフォン産業と異なるところは、その産業の中心がコンスーマーではなく、産業用途ということだろう。そして、これはこれからも大きくは変わらないだろうという風に思う。

そこにおいては、建設機械や農業機械の市場状況が参考になるのではないかと考える。ただし、今までの垂直統合型の構造ではなく、それはDXなどと連動する中で、いかにその業界の中で、継続的で使いやすいプラットフォームを形成していくかということになり、そのプラットフォームの形成にカギがあり、また、それをきちんと国内だけでなく、海外に展開していける、もしくは、海外と協業していけるかという観点が重要となってくるだろう。

そして、ドローンを活用するサービス企業やユーザー企業も、そのトレンドをきっちり掴みながら、サービスの付加価値向上やユーザー企業における生産性の向上、効率化などに役立てていけるかが重要となってくる。まさに正念場となっている。

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
TPホールディングス、測量用の機体「Sky-Mapper MarkⅡ」を展示[CSPI-EXPO 2025] https://www.drone.jp/special/20250624115530116743.html 116743 trend Tuesday, 24 June 2025 11:55:30 +09:00 TPホールディングスは石川エナジーリサーチが開発するドローン「ビルドフライヤー」をベースにした測量用の機体「Sky-Mapper MarkⅡ」を出展した。

調整したポイントとしてあげるのは、ドローンの飛行を制御するデバイスであるフライトコントローラーだ。

担当者は次のように説明した。

前進飛行中のドローンを止めようとしてもすぐには停止せず、慣性で流れていってしまいます。効率よく測量するため往復飛行を実施しますが、フライトコントローラーを変更することによって、向きを変えるときの慣性を極力抑え、キュッと曲がるように調整しています。

また、ペイロードとして搭載したLiDAR機器が発射するレーザーに干渉しないよう、スキッド(脚部)を跳ね上げる構造も追加している。

ペイロードには米GreenValley Internationalが手掛けるUAV LiDARユニット「LiAirシリーズ」が使用可能。「X3C」は360度照射が可能な短距離LiDAR。また、「H800」は反射率10%の対象物でも高度350mから測量できるハイスペックぶりを発揮する。森林などを一度に広範囲にわたって測量する場合に使用される。

[caption id="attachment_116747" align="aligncenter" width="1280"]X3C(左)とH800。いずれも256GBの内部ストレージを備える X3C(左)とH800。いずれも256GBの内部ストレージを備える
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Sky-Mapper MarkⅡは建築コンサルタントを中心に導入が進められている。また、木材販売や森林管理を手掛ける事業者でも利用する事例があるという。

TPホールディングス

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
amuse oneself、フルモデルチェンジを果たした「GLOWシリーズ」を展示[CSPI-EXPO 2025] https://www.drone.jp/special/20250621135250116782.html 116782 trend Saturday, 21 June 2025 13:52:50 +09:00 独自の技術力で長距離飛行が可能なハイブリッドタイプのドローンや、グリーンレーザー搭載の測量ソリューションを展開するamuse oneself(以下:アミューズワンセルフ)。ブースには最新機器が展示された。

ドローンではフルモデルチェンジを果たした産業機「GLOWシリーズ」が見られた。レンジエクステンダー(エンジン)を搭載するハイブリッドタイプの「GLOW.H Rev.2.0」はペイロード非搭載時に約4時間の飛行時間を実現。バッテリーはインテリジェントタイプに変更され、状態のモニタリングがより正確になった。ペイロードは最大3kg程度だが、搭載する燃料で調整でき、給油量を1リットル減らせば、ペイロードを1kg増やすことができる。

[caption id="attachment_116784" align="aligncenter" width="1280"]GLOW.L Rev.2.0にCHCNAVのペイロードを搭載した状態 GLOW.L Rev.2.0にCHCNAVのペイロードを搭載した状態
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バッテリータイプの「GLOW.L Rev.2.0」はペイロード非搭載時で約50分。ペイロードは5kgまで搭載可能だ。メインバッテリーをシングル構成に変更してバッテリーバランスの向上に務めたが、サブバッテリーも搭載することで冗長性確保も行っている。

いずれの機体もかつての同社機で採用されていた跳ね上げ式スキッド(脚部)を取り入れた。アームも折りたたみ式で、機体の寸法は550mm四方に収まり、可搬性も高い。

LiDAR機器では波長532nmのグリーンレーザーを発射する「TDOT 7 GREEN」が目を引いた。グリーンレーザーは水に吸収されにくいため、水底までしっかりと届き、その地形を計測できる。視野角120度を活かして空中から幅広い範囲を一気に測量できるのも強みだ。

[caption id="attachment_116785" align="aligncenter" width="1280"]CHCNAVのX500にTDOT 7 GREENを搭載するパターンも展示された CHCNAVのX500にTDOT 7 GREENを搭載するパターンも展示された[/caption]

2025年5月、長崎県五島市で子会社・そらいいなを通じてドローンによる物流事業を展開する豊田通商は、アミューズワンセルフに出資したことを発表。そらいいなはアミューズワンセルフの長距離・長時間飛行が可能な機体開発技術を使い、点検業務や測量業務に本格参入する意向だ。

[caption id="attachment_116786" align="aligncenter" width="1280"]頭上にはそらいいなが運用する米ziplineの固定翼機が吊るされていた 頭上にはそらいいなが運用する米ziplineの固定翼機が吊るされていた
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豊田通商の担当者はアミューズワンセルフとの協業について、以下のように見通しを述べた。

これまでも点検業務に関する要望を受け付けて、物流で使用している固定翼機にカメラを付けて映像撮影などをしていましたが、コストなどで様々な制約がありました。そこでパートナーを探していたところ、アミューズワンセルフとご縁がありました。同社は機体開発だけでなく、運航オペレーションも洗練されていると感じています。五島市には洋上風力発電があり、その点検には長距離・長時間飛行できる機体が欠かせません。アミューズワンセルフの技術力があれば、この課題を解決できると考えています。

[caption id="attachment_116787" align="aligncenter" width="1280"]豊田通商との協業をアピールするスタンドパネル。このほかの会社との協業事例も紹介された 豊田通商との協業をアピールするスタンドパネル。このほかの会社との協業事例も紹介された
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アミューズワンセルフ

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
DJI、「DJI Matrice 400」「DJI Dock 3」など最新機種を展示[CSPI-EXPO 2025] https://www.drone.jp/special/20250620184833116762.html 116762 trend Friday, 20 June 2025 18:48:33 +09:00 新製品ラッシュが止まらないDJI。ブースには2025年に入ってから登場した産業機が展示され、多くの人々が足を止めて、最新機体に見入っていた。

担当者は来場者に対する印象を以下のように語る。

CSPIに出展して3年目になりますが、年々、ユーザーの方たちのレベルが上っていると感じています。すでに大型機を運用しているユーザーが、さらなる効率化を求めるために最新機種を見に来ているという印象です。「DJI Matrice 400」も「どれぐらい長時間飛行ができるのか」「安全性はどうか」と、より詳細な情報を得ようとするユーザーが多いですね。

DJI Matrice 400はこれからのDJIの産業機を牽引するフラッグシップ的な存在として、同社内でも期待を寄せられている。LiDARやスピーカーなど様々なペイロードにも対応し、各種の分野で活躍が期待される。

[caption id="attachment_116765" align="aligncenter" width="1280"]DJI Matrice 400を右後ろから撮影。機体が傾斜しており、お尻(機体後部)が下がっている形状 DJI Matrice 400を右後ろから撮影。機体が傾斜しており、お尻(機体後部)が下がっている形状
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[caption id="attachment_116766" align="aligncenter" width="1280"]機体上部に取り付けられたLiDARセンサー 機体上部に取り付けられたLiDARセンサー
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[caption id="attachment_116767" align="aligncenter" width="1280"]ペイロード各種。スピーカーの「Zenmuse V1」(左)、スポットライトの「Zenmuse S1」(中)、フルサイズセンサーカメラの「Zenmuse P1」。DJI Matrice 400は同時に最大7つのペイロード搭載に対応する ペイロード各種。スピーカーの「Zenmuse V1」(左)、スポットライトの「Zenmuse S1」(中)、フルサイズセンサーカメラの「Zenmuse P1」。DJI Matrice 400は同時に最大7つのペイロード搭載に対応する
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一方で、専用充電器で一度に充電できる本数がDJI Matrice 300/350シリーズの4本から3本になった。DJI Matrice 300/350ユーザーからは業務中のバッテリーローテーションが適切に行えるか心配する声も聞かれるが、担当者は次のように語った。

DJI Matrice 300/350よりも飛行時間が1.5倍伸長した分、充電にかけられる時間が増えるので問題ありません。

[caption id="attachment_116768" align="aligncenter" width="1280"]BS100バッテリーステーション。TB100バッテリーのサイクル寿命は400回 BS100バッテリーステーション。TB100バッテリーのサイクル寿命は400回
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2月に発表された「DJI Dock 3」も展示。来場者からは進捗管理に使いたいという声はもちろん、ダムの巡回業務に利用できないかといった意見もあった。

担当者はユーザーの傾向を次のように解説する。

Dockシリーズも3代目になり、性能を不安視されることはなくなりました。どのユーザーも、自分たちのやりたいことにマッチするかどうかをチェックしています。

[caption id="attachment_116769" align="aligncenter" width="1280"]DJI Dock 3のカバーがオープンした状態。このときの寸法は1760×745×485mm DJI Dock 3のカバーがオープンした状態。このときの寸法は1760×745×485mm
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[caption id="attachment_116770" align="aligncenter" width="1280"]DJI Dock 3のカバーが閉まった状態。このときの寸法は640×745×770mm DJI Dock 3のカバーが閉まった状態。このときの寸法は640×745×770mm
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[caption id="attachment_116771" align="aligncenter" width="1280"]DJI Dock 3にはRTKベースステーションを搭載 DJI Dock 3にはRTKベースステーションを搭載
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DJI Matrice 4シリーズも出展。携帯性や可搬性が重視される現場で産業機を使用したい場合に、アームを折りたためば500mlのペットボトル程度の大きさになる同機は重宝されているそうだ。

[caption id="attachment_116772" align="aligncenter" width="1280"]Matrice 4Tはジンバルに合計6つのセンサー・カメラ・ライトを搭載 Matrice 4Tはジンバルに合計6つのセンサー・カメラ・ライトを搭載
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[caption id="attachment_116777" align="aligncenter" width="1280"]Matrice 4E。機体寸法はMatrice 4シリーズ共通で307.0×387.5×149.5mm(アームを展開した状態) Matrice 4E。機体寸法はMatrice 4シリーズ共通で307.0×387.5×149.5mm(アームを展開した状態)
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DJI

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
CHCNAV、「X500」を展示[CSPI-EXPO 2025] https://www.drone.jp/special/20250620182825116757.html 116757 trend Friday, 20 June 2025 18:28:25 +09:00 CSPIで見慣れないメーカーとドローンを発見した。CHC NAVIGATION(CHCNAV)の「X500」という機体だ。

まずCHCNAVから紹介しよう。同社は中国・上海に本社を置き140か国以上で取引を行うグローバル企業。「3Dモバイルマッピング」を掲げ、2016年に航空測量用機器をリリース。2019年にはドローンにも搭載可能なレーザーを発表した。そして2025年からドローン販売を開始し、市場に送り出したのがX500だ。同機は今後日本の産業機市場に本格参入を目指しており、TPホールディングスやamuse oneselfのブースでも紹介されている姿が確認できた。

X500はクワッドコプタータイプの回転翼機。背の高い直方体のボディに4つのアームとスキッド(脚部)が伸びるスタイルは、いかにも産業機然としている。最大ペイロードは5kg、ペイロードがない場合の飛行時間も58分となっており、産業機としては十分なスペックを持つ。内蔵ビジュアルSLAMと障害物検知ミリ波レーダーを搭載し、安全性も確保している。担当者いわく「DJIの機体やソフトウェアに慣れていれば、問題なく使える」という。

[caption id="attachment_116759" align="aligncenter" width="1280"]プロポには10.1インチのタッチスクリーンを採用。最大輝度は100ニット。視認性は高い プロポには10.1インチのタッチスクリーンを採用。最大輝度は100ニット。視認性は高い
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ペイロードの種類も充実。CHCNAVの独自技術である「傾斜プリズム」を搭載したLiDAR「AA15」は150m先から15mmのリニア精度を実現する。また航空写真測量カメラ「C504」はフルサイズCMOSセンサー・45MP画素の有効画素数を持つ一眼タイプ。このほかにもスピーカーなどのペイロードが用意され、最大3つまで接続が可能だ。

[caption id="attachment_116760" align="aligncenter" width="1280"]ペイロードは独自のアタッチメントを採用し、簡単に取り付けが可能 ペイロードは独自のアタッチメントを採用し、簡単に取り付けが可能[/caption]

産業機でもDJI一択という風潮が強まるなか、X500がどのように存在感を示すかに注目しよう。

CHCNAV

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
アクティオ、超小型高性能ドローン「JP-Scout」を展示[CSPI-EXPO 2025] https://www.drone.jp/special/20250620173800116733.html 116733 trend Friday, 20 June 2025 17:38:00 +09:00 2025年1月に発生した埼玉県八潮市の道路管陥没事故以来、下水道管内など狭小空間の点検にドローンを活用することに対する関心が高まっている。建設機械レンタルを手掛けるアクティオのブースでは、それに応えるレンタル用の点検用ドローンが展示されていた。

超小型高性能ドローン「JP-Scout」は現在、JP Droneにより開発が進められている機体。197.5×183×60mmという寸法は、従来機「JP-1」よりも面積比40%以下とコンパクトになった。一方で非GPS環境下での自立飛行能力や、暗所での視認性能は改善している。

担当者は次のように説明した。

各種センサーを搭載して高度維持にも対応し、どんな人でも簡単に操縦できる構造にしています

[caption id="attachment_116736" align="aligncenter" width="1280"]JP-Scoutを右後ろから撮影。機体のみの重量は225g JP-Scoutを右後ろから撮影。機体のみの重量は225g
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機体~プロポ間の通信はwi-fiを使用。点検用機体ではVTX機器を使用してFPV映像を取得するケースが多いが、無線資格が必要となる。その点、wi-fiであれば特別な資格は必要ない。これもまた、どんな人でも利用できるようにした工夫の一つである。

会社によっては3~5年で従業員が入れ替わってしまいます。ドローンの操縦スキルを身につけるのに、機体によっては6か月訓練が必要というのは導入のハードルが高い。この機体は数日間の訓練で操縦技術が身につきます(担当者)

「簡単に」「誰にでも」操縦できることにこだわった結果、人材確保の面でもメリットの大きい機体となった。今後は開発を進め、レンタル機材としての投入を目指す。

また、BIMから飛行計画を立てられる「BIM×Drone」も展示された。

[caption id="attachment_116741" align="aligncenter" width="1280"]JP-Scout(左)とBIM×Drone JP-Scout(左)とBIM×Drone
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アクティオ

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
カナモト、米Freefly Systemsが開発する「ALTA X」と「ASTRO」を展示[CSPI-EXPO 2025] https://www.drone.jp/special/20250620173236116751.html 116751 trend Friday, 20 June 2025 17:32:36 +09:00 建機や情報機器のレンタルを手掛けるカナモト。ブースの中で存在感を放っていたのは、米Freefly Systemsが開発する「ALTA X」と「ASTRO」だ。

ALATA Xは最大ペイロード15.9kgに対応する大型機体。機体下部にはスキッド(脚部)が取り付けられておらず、機体自体も軽量化のための「肉抜き」が施されており、独特の形状となっている。もともとは映画撮影に使用され、8Kカメラが搭載されることもあったようだが、現在はLiDARやマッピングカメラなどのペイロードをラインナップ。また、鉄塔間を通る電線を取り替える延線作業にも投入されている。カナモトが取り扱う機体は2パイロット体制がとれるように調整され、安全性が向上している。

[caption id="attachment_116753" align="aligncenter" width="1280"]ALATA Xを上部から撮影。肉抜きされていることがわかる。ペイロード搭載用のキャリアも見える ALATA Xを上部から撮影。肉抜きされていることがわかる。ペイロード搭載用のキャリアも見える[/caption]

担当者は次のように説明した。

DJI Fly Cart 30だと機体自体を運ぶのに2人以上が必要になります。ALTA Xの機体重量は10.4kg。1人でも持ち運べる大きさで利便性が高いといえます。

ASTROは測量や点検に特化した機体。離陸して測量し、帰ってきて着陸、撮影した写真などを自動的にアップロードするという一連の作業を、ワンボタンでできるのが特徴だ。遠隔操作にも対応しているので、大阪の事務所で離陸指示を出し、取得したデータを東京のオフィスで確認するといった運用も可能。現在導入している事業者では、毎週の度量計算や進捗管理を、この機体を使用して自動化している。

[caption id="attachment_116754" align="aligncenter" width="1280"]ASTRO。プロペラを含めた機体寸法は1407mm、高さは359mm ASTRO。プロペラを含めた機体寸法は1407mm、高さは359mm
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カナモトではこのほかにもDJIの機体も取り扱っており、「現場を空撮して記録したい」というニーズに応えている。

[caption id="attachment_116755" align="aligncenter" width="1280"]堅牢性のあるプロポはIP68の防水性能を持つ 堅牢性のあるプロポはIP68の防水性能を持つ
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カナモト

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
システムファイブ、「DJI Dock 3」「DJI Matrice 400」などDJI製品を展示[CSPI-EXPO 2025] https://www.drone.jp/special/20250620151727116727.html 116727 trend Friday, 20 June 2025 15:17:27 +09:00 システムファイブは2025年6月にリリースされたばかりの「DJI Matrice 400」をブースの目玉として展示した。

ドローンを導入して数年になる事業者も増え、買い替えを相談されるケースもあると担当者は説明する。

DJI Matrice 400は6kgへと増加したペイロードや、59分に拡充した飛行時間についての問い合わせが多いです。DJI Matrice 300/350から買い替えるかどうかといった相談も受けます。また、2016年にデビューしたMatrice 600を現役で使用しているユーザーさんもまだ多くいらっしゃいます。

というのも、同機もペイロードが6kg程度あったので、重い測量機器などを搭載したい場合に活用されていたんです。代替機としてDJI Matrice 400を検討しているという声もありました

担当者はLiDARやミリ波レーダーを活用して障害物検知能力を高め、安全性が向上した点もアピールポイントとして有効だと付け加えた。

ブースには「DJI Dock 3」も展示された。すでにドローンを導入している土木関係の事業者から「大規模な現場でどう活用していくか」といった問い合わせもあったという。システムファイブとしては毎日の進捗管理などでDJI Dock 3が活用できることをアピールしていく考えだ。

[caption id="attachment_116729" align="aligncenter" width="1280"]DJI Dock 3はカバーが空いた状態で展示された。 DJI Dock 3はカバーが空いた状態で展示された。
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システムファイブでは今後、DJI Matrice 400などDJI製品のデモフライトイベントを開催し、ユーザーが新機体に触れられる機会を増やしていく予定。

システムファイブ

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
ライカジオシステムズ、自律飛行型レーザースキャナー「BLK2FLY」を展示。[CSPI-EXPO 2025] https://www.drone.jp/special/20250620135810116719.html 116719 trend Friday, 20 June 2025 13:58:10 +09:00 近年、レーザースキャナーを活用して建物や土地の点群データを取得し、工事や管理に活用する動きが盛んだ。とくにドローンはLiDARなどを搭載し、空中からの測量に活用されている。ただ、この場合、ペイロードとして測量機器を搭載するためドローンは大型の産業機を準備する必要が生じる。

ライカジオシステムズは従来から開発・販売していた手持ちや固定して使えるレーザースキャナーをドローンに一体化させ、「自律飛行型レーザースキャナー」として販売売している。これが「BLK2FLY」だ。一般的なドローンと比較して特徴となっているのが、機体前部の形状。黒いガードに覆われたドームになっており、この中にLiDARセンサーが格納されている。また、機体と一体となったプロペラガードの先頭部にもカメラを搭載しており、LiDARと組み合わせて点群データやビジュアルSLAMの取得を行える。

[caption id="attachment_116721" align="aligncenter" width="1280"]機体の左右のプロペラガード内にもカメラが付いており、障害物回避に活用する 機体の左右のプロペラガード内にもカメラが付いており、障害物回避に活用する
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機体はタブレット端末と接続させ、表示された地図でエリアを選択すると、アプリ側で飛行ルートを決め、自動的に飛行する。また、衝突回避能力も高く、ドローンの操縦に慣れていない人でも容易に扱えるように設計されている。

[caption id="attachment_116722" align="aligncenter" width="1280"]バッテリーはホットスワップに対応 バッテリーはホットスワップに対応
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「屋内では固定式の機器、屋外はBLK2FLYを使用すれば、素早く詳細なデータが取れますよ」と担当者は活用方法を解説してくれた。100g以上の機体になるため航空法上の各種規制の対象にはなるが、ちょっとデータを取得したい際に、ぱっと持ち出して手軽にデータを得られるため、建築土木の現場では重宝されているという。

[caption id="attachment_116723" align="aligncenter" width="1280"]点群とビジュアルのデータの取得画面 点群とビジュアルのデータの取得画面
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ライカジオシステムズ

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
全国のDJI販売ディーラーが一堂に!システムファイブ主催「全国DJIディーラー感謝の会」レポート [CSPI-EXPO2025] https://www.drone.jp/special/20250620130435116616.html 116616 trend Friday, 20 June 2025 13:04:35 +09:00 2025年6月18日、「第7回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO2025)」の開催にあわせて、株式会社システムファイブ主催による感謝イベント「全国DJIディーラー感謝の会」が、ホテル ザ・マンハッタンで開催された。全国から集まったDJIディーラー関係者が一堂に会し、会場は熱気に包まれた。

主催者・来賓がドローン業界の展望を語る

株式会社システムファイブ 小川行洋代表取締役社長

イベント開幕後、主催者である株式会社システムファイブ代表取締役社長の小川行洋氏が登壇した。「ドローンについては私自身まだまだ学ぶことが多い立場で、皆さまとの交流の場を毎年楽しみにしています」と挨拶。測量・点検分野などで即戦力の人材登用による体制強化にも言及し、「皆さまのドローンビジネスに少しでも役立てるよう全力で取り組みます」と力強く語った。

また、同氏は「Drone.jp」の運営にも触れ、広告や記事掲載への協力を呼びかける場面も。「特別プランをご用意しますので、社員を見かけたらぜひ声をかけてください」と、ユーモアを交えて呼びかけた。

DJI JAPAN株式会社 浦野靖弘標準化兼政策ディレクター 

続いて、DJI JAPAN株式会社 標準化兼政策ディレクターの浦野靖弘氏が壇上へ。Mini 4 Proで第2種型式認証取得のプロセスを経験したことが、今後の産業機の型式認証取得に向けて大きな布石となったと解説した。今後は産業機のフラッグシップ「DJI Matrice 400」や、ドローンポート「DJI Dock 3」とセットで運用される「Matrice 4D/4TD」の第2種型式認証取得を目指すと明言。「ユーザーからのフィードバックを活かして、現状のドローンに関する制度の改善の提言に役立てたい」と呼びかけた。

張濟鵬氏
DJI 張濟鵬コンシューマー部門日本総括マネージャー

その後、DJI JAPAN株式会社 コンシューマー部門日本総括マネージャーの張濟鵬氏が登壇。日本語での挨拶に挑戦すると、会場は温かい雰囲気で包まれた。各ディーラーの協力を得て2025年も2ケタ成長を続けていると紹介し、「ポータブル電源など新しい製品群にも力を入れています」と新製品の紹介もされた

DJI JAPAN株式会社金昊セールスマネージャ

DJI JAPANデリバリー部門からは、セールスマネージャーの金昊氏がビデオメッセージで登場。2024年1月にDJI FlyCart 30がデビュー以降、日本での物流機による物資輸送が増えていることに触れ、「皆様とシステムファイブ様の努力が導入拡大の鍵でした」と語り、日本での物流ドローン市場の今後に期待を寄せた。

長谷川孝氏
DJI JAPAN株式会社 長谷川孝エンタープライズ事業部セールスアカウントマネージャー

さらにステージに上がったDJI JAPAN エンタープライズ事業部セールスアカウントマネージャーの長谷川孝氏は「今年CSPIで展示している製品はすべて2025年に入ってから登場したものばかり。『DJI Dock 3』はすでに100台以上が、日本国内での実務や実証で使われています。今年はドローンを使うイメージを具現化していきたい」と語った。

2025年度の各賞を発表!

株式会社システムファイブ ドローン事業部 エンタープライズ マネージャー 久米裕太氏

システムファイブ久米氏の挨拶とともに、乾杯!となり、その後は、各ディーラーを労うAward各賞が発表された。国内ドローン市場を牽引する各社が称えられた。

2025年度コンシューマー部門は「株式会社フジヤカメラ店」、「株式会社AIR STAGE」、「ジャパンクリエイト株式会社」が受賞。

デリバリー部門は「南榮工業株式会社」、「株式会社Le Ciel DRONE」、「株式会社空撮技研」が受賞した。

エンタープライズ部門では「株式会社快適空間FC」、「KDDIスマートドローン株式会社」、「Terra Drone株式会社」の受賞が発表された。

いずれの企業も担当者たちが舞台に上がり、システムファイブ小川代表から記念の盾を贈られると笑顔を見せた。今後も日本のドローンビジネスを牽引してくれることだろう。

2025年度コンシューマー部門

株式会社フジヤカメラ店

株式会社フジヤカメラ店(佐藤祐亮氏)
株式会社フジヤカメラ店(佐藤祐亮氏)

株式会社AIR STAGE

株式会社AIR STAGE
株式会社AIR STAGE(柳原雅俊氏)

ジャパンクリエイト株式会社

ジャパンクリエイト株式会社(小山亜衣氏)
ジャパンクリエイト株式会社(小山亜衣氏)

2025年度デリバリー部門

南榮工業株式会社

南榮工業株式会社(古田充生氏)
南榮工業株式会社(古田充生氏)

株式会社Le Ciel DRONE

株式会社Le Ciel DRONE(鵜飼大樹氏)
株式会社Le Ciel DRONE(鵜飼大樹氏)

株式会社空撮技研

株式会社空撮技研(森谷崇氏)
株式会社空撮技研(森谷崇氏)

2025年度エンタープライズ部門

株式会社快適空間FC

株式会社快適空間FC(益田俊信氏)
株式会社快適空間FC(益田俊信氏)

KDDIスマートドローン株式会社

KDDIスマートドローン株式会社(小川兼治氏)
KDDIスマートドローン株式会社(小川兼治氏)

Terra Drone株式会社

Terra Drone株式会社(岡井友樹氏)
Terra Drone株式会社(岡井友樹氏)

盛況の抽選会、そして締めの挨拶

バルミューダのトースター

後半は恒例の抽選会へ。豪華な各種家電が壇上に並べられ、参加者は自分の番号が呼ばれるか、固唾をのんで見守った。当選者は壇上で商品を手渡されてニッコリ。最後の景品はバルミューダのトースター。「何台あっても嬉しい」という当選者に贈られた。

株式会社システムファイブ 二木洋ドローン事業部長

イベントの締めくくりとして、システムファイブドローン事業部長である二木氏より「本日の集いが皆様との絆を深める場となった」と感謝が述べられ、一本締めで幕を閉じた。

今年で3回目の開催となった「全国DJIディーラー感謝の会」。市場拡大が続くドローン産業の中で、販売店、メーカー、関係者が一堂に会し、交流と情報共有を深める貴重な機会となった。来年の開催にも期待が高まるところだ。

システムファイブ

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
Mini 4 Proユーザーが深センで見 た“新しい誘惑”──Mavic 4 Pro を手にして思ったこと[田路昌也の中国・香港ドローン便り]Vol.53 https://www.drone.jp/column/20250619135305116533.html 116533 trend Thursday, 19 June 2025 13:53:05 +09:00 「え?それがドローンなんですか?」 日本三景の松島でレンタカーを借りたときのこと。受付スタッフに行き先を尋ねられ、「ドローン で松島を撮影しようと思ってます」と答えつつ、肩にかけていた小さなトートバッグからMini 4 Proを取り出した瞬間、スタッフはその小ささに驚いたようでした。

足を開いてプロペラを展開すると、「こんなに小さいのに、空を飛ぶんですね...!」とまた驚きの声。そして、スマホでカッパドキアの空撮写真を見せると、「えっ、こんなキレイに撮れるんですか!?」と、お世辞ではなく本当に驚いたような表情を浮かべていました。

こういう驚きのリアクションを見るたびに、私はちょっと嬉しくなります。旅行の荷物に気を遣いながらも、映像のクオリティに妥協したくない—そんなわがままを叶えてくれるのが、私の旅の相棒「DJI Mini 4 Pro」です。

ただ、最近発売されたMavic 4 Proのプロモーション映像を見たとき、その圧倒的な映像に「これがもう少し軽かったら、買い替えてもいいかもな...」

Mavic 4 Proのプロモーション

そう思ったら、居ても立っても居られない。というわけで、私は深セン・華強路に最近できたばかりのDJIショップに、実機を確かめようと出向きました。

深センのDJI直営店、その正体とは?

実はこれまでにも華強路にはDJIストアがありました。たとえばDJI Neoが発売された直後、香港では在庫がなく、私は華強路にあるDJIストアで購入したことがあります。

店の作りなどからてっきり直営店だと思っていたのですが、今回その店からほんの数百メートルの場所にオープンした新しいDJIストアでスタッフに話を聞くと、「あの店は代理店で、こちらが直営店です」とのこと。ああ、そうだったのかと妙に納得しました。

白とシルバーを基調としたモダンな店内の、一番目立つ場所にMavic 4 Proが堂々と展示されています。

そのまま、Mini 4 Proを使っていることや、旅先でどんな映像を撮っているかを話しながら、スマホでカッパドキアや台湾の空撮映像を見せてみました。

カッパドキア

正直こういうの、店員さんからすれば「また自分の映像を見せてくる客か...」と思われてもおかしくありません。でも、こちらとしては"冷やかしじゃない"ということを伝えるには、実績を示すのが一番手っ取り早いんです。

するとスタッフは「すごいですね、プロみたい」と言ってくれました。もちろんお世辞だと判っていますが、少なくとも「この人は買う気がありそうだな」と思ってもらえた気がします。

Mavic 4 Proの映像に見惚れて

今回の訪問の目的は明確でした。

「今日は新発売になったMavic 4 Proを見に来ました。いま使っているMini 4 Proとの"可搬性と映像品質のバランス"について、DJIのプロスタッフの意見を聞いてみたいと思って。」

そう伝えると、スタッフは「お任せください」とばかりに、最新のRC2 Proコントローラーを手渡してきました。

最新のRC2 Proコントローラー

そこに映し出されていたのは、ジンバルが360度回転する機構を活かした迫力ある映像集。夜間でも細部まで美しく描写されており、思わず「おお...」と声が漏れるほど、見入ってしまいました。

「この回転するジンバルがいいんですよ」と、スタッフは自信たっぷりに胸を張ります。

回転するジンバル

ただ、実際に機体を持ってみると...うん、ずっしりきます。特にバッテリー単体で332g。Mini 4 Pro(バッテリー込みで250g未満)に慣れている身としては、明らかに腕にくる重さです。

サイズ感や重量感

このサイズ感や重量感は、カタログスペックや写真では伝わりづらい部分。今回の取材では、Mini 4 Proとのサイズ比較や、Mavic 4 Proのカメラ周りのディテール写真も撮影してきたので、ぜひそちらも参考にしていただければと思います。

Mavic 4 Proのカメラ周りのディテール
Mavic 4 Proのカメラ周りのディテール
Mavic 4 Proのカメラ周りのディテール

「これは大きくて重いですね...」と正直に伝えると、「いやいや、プロペラをたたんで専用バッグに入れれば意外とコンパクトになりますよ」と、実物のバッグを手にして見せてくれました。

実物のバッグ

うーん...それでも、旅をするとき、このサイズのドローンは...正直、悩みどころです。

畳み掛け営業、嫌いじゃないんです

「良いんだけど、ちょっと高いですね」とつぶやくや否や、すかさず営業トークが始まりました。

スタッフが手にしていた価格表には、3種類のセット構成がずらり。「ミニマム構成なら13,888人民元。思っているよりお手頃ですよ」と、まずは一番左を指差してアピール。

スタッフが手にしていた価格表

「RC2コントローラーはMini 4 Proと同じものなので、もう持ってるんですよね」と伝える と、「それなら1200元で下取りします。13,888 - 1,200 = 12,688元ですね」と、即座に計算。

「でもRC2じゃなくて、新型のRC2 Proがやっぱり気になるんですよ」と返すと、

新型のRC2 Pro
スマホの電卓画面

「OK、アップグレードしましょう。13,888 - 1,200 + 5,999 = 18,687元になります」と、今度はスマホの電卓画面を私の目の前にずいっと差し出してきます。

さらに追い打ちをかけるように—

「今ならキャッシュバックで9%オフですから、17,005元ですね!」と、もう"買う前提"で話が進んでいきます(笑)

この押しの強さとテンポ感、さすが中国。私はこういうの、嫌いじゃないんです。

そんな見事なコンビネーションで私を翻弄してくれたのが、満面の笑顔で迎えてくれた DJIの営業スタッフ2人。写真に写っているとおり、陽気で頼れる"名コンビ"でした。

DJIの営業スタッフ2人

旅人にとって、選択肢が多いというのはありがたい。でも、選択肢が多すぎると、悩みも深くなる—そんなことを、電卓画面を見ながらあらためて思ったのでした。

電脳街を歩いて見つけた、もう一つのドローン世界

せっかく深センに来たので、周囲のドローンショップも散策。Autelの直営ブースや、聞いたこともないような小型メーカーの展示までありました。

Autelの直営ブース
ドローンショップ

なかでも目を引いたのは、1万円以下で買えるトイドローン。さらには、Mavic Proなど旧世代のDJI機が中古で売られているブースも発見。「中国って新品しか売ってないイメージだったけど、こういうのもあるんだな」と、ちょっと意外な発見でした。

Mavic Proなど旧 世代のDJI機が中古で売られているブースも発見

スケールの違いを感じた、華強路の展示会

この日はちょうど、華強路の広場でドローン展示イベントが開催されており、なんと人が乗れるサイズの空飛ぶ乗り物まで登場していました。

ドローン展示イベントが開催
人が 乗れるサイズの空飛ぶ乗り物

ドローンの可能性って、やっぱり日本の枠には収まらないんだな...そんな実感を胸に、私は駅へと向かいました。

アクセス:駅からの道順も迷いません

今回訪れた華強路のDJI直営店は、2つの地下鉄路線からアクセスできます。

地下鉄7号線「華強北駅」E2出口を出ると、目の前が店舗。地上に出た瞬間に視界に入る、最もシンプルでわかりやすいルートです。

駅からの道順も迷いません

地下鉄1号線「華強路駅」A出口からは徒歩5分ほど。この先を左に曲がると華強北歩道街。

地下鉄1号線「華強路駅」A出口からは徒歩5分ほど

広めの歩道と、華強北エリアらしい電子街の雰囲気を味わいながら進むと、左手にDJIがあります。

DJI

どちらのルートからもアクセスしやすく、初めて訪れる方でも迷うことはないと思います。

Mini 4 Proと、まだ旅を続ける理由

正直に言うと、Mavic 4 Proの映像を見た瞬間、「欲しいな」と思いました。あのダイナミックレンジ、ノイズ耐性、ジンバルのなめらかさ...やっぱり別格です。

でも、旅先でふと撮影したくなったときに、ホテルの部屋からさっと出て、バッグからMini 4 Proを取り出す—その気軽さは、やはり何ものにも代えがたい。

「いいのはわかってる。でも、"いい"だけじゃ持ち歩けない。」

あのとき松島の受付で聞かれた「それがドローンなんですか?」という驚き。あの表情を、またどこかで見られるかもしれない。
そう思うと、やっぱりこの小さなドローンと、もう少し旅を続けたくなるのです。

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
Soradynamics、産業用ドローン「Hayate 2」と「隼」を展示。安全に運用できる高機能性[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250612170336116505.html 116505 trend Thursday, 12 June 2025 17:03:36 +09:00 Soradynamicsは、国産産業用ドローンと高セキュリティドローンを披露。インフラ点検から防衛まで対応するラインアップだ

東京に拠点を置くドローンメーカー・Soradynamicsは小型の産業用ドローン2種類を出展した。

オレンジ色のボディが目を引く「Hayate 2」は2025年6月から発売を開始したモデルで、国産ドローンを謳う。8K撮影と光学10倍、デジタルハイブリッドならば160倍ズームも可能な高性能カメラを登載する。IP45に対応しているため、多少の雨でも飛行に問題ない。中国製ドローンの使用に慎重な電力や高速道路、鉄道といったインフラの保守点検を担う事業者や、警察、消防、自治体への導入を目指している。

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Hayate 2。オプションとしてRTKやサーチライト、スピーカーが取り付けられる

https://www.drone.jp/news/20250603175849116162.html

白いボディカラーの「隼」は防衛装備品として18機の導入が決まっている機体だ。一般発売の予定は未定だが、ジャパン・ドローンに訪れる人々にその存在を周知するために展示しているという。注力した部分はセキュリティ対策。通信やカメラ、IMUや各種センサーに至るまで、使用する部品すべてに中国製のものを使用しないことで、アメリカの国防に関する法律「NDAA」に対応。安全性が高い暗号方式である「AES256」を採用し、セキュアな設計を実現している。

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搭載されているカメラ。赤外線カメラは米Teledyne FLIR製「BOSON」を登載する

標準で装備されているカメラは「マーリンアイ21 Gen2」というモデルで、静止画2000万画素、128倍ズームに対応する。赤外線カメラも併設しており、監視や偵察といった用途で活用できる。

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ブースのモニターでは赤外線カメラが捉えられた様子が映し出されていた

現状、防衛装備庁が装備品として選べるドローンは非常に限られている。その状況において、隼は新たな選択肢として存在感を高めていきそうだ。

Soradynamics

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RIEGLの新LiDAR「VUX-100-25」、FOV160°で133万点/秒取得能力を搭載。マルチコプターでの高効率測量を実現[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250612153901116498.html 116498 trend Thursday, 12 June 2025 15:39:01 +09:00 リーグルジャパンが、マルチコプターでの利用に最適化されたLiDAR測量機「RIEGL VUX-100-25」を発表

中型マルチコプター向けのコンパクトなものから、大型UAVやヘリコプターに搭載できるタイプまで、用途に応じた様々な種類のレーザー測量機器を販売するリーグルジャパン。今回のジャパン・ドローンでは新発売のLiDAR測量機「RIEGL VUX-100-25」が注目を集めた。

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VUX-100-25は超軽量でコンパクト

従来の「RIEGL VUX-120-23」は機器直下と前方10°、後方10°の3ラインを同時に計測することが可能だ。FOV(視野)は100°とやや狭いため、高高度で速いスピードで飛行する固定翼機に搭載する場合に性能を発揮した。しかし、マルチコプターの場合、飛行時に機体が傾くことがあるため、正確な測量にやや困難をきたすケースがあった。

VUX-100はFOVを最大160°に拡大。さらに1秒あたり133万点という高密度で点群を取得することが可能に。秒速8m程度の飛行速度でも広範囲でデータを取得できるようになり、マルチコプターで使用しやすいスペックとなった。

重さも2.3kgとなり、DJI Mactrice350にも搭載可能。産業用ドローンのペイロードとして選択肢に入れやすい重さになったのもうれしいポイントだ。

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ProdroneのPD6B-Type3と、ハイエンドモデルのVUX-SYS(右)。左の箱型の測量機器はグリーンレーザーを射出するVQ-840-G

ブースではRIEGL VUX純正システムを導入する各社で構成される「VUXコンソーシアム」についても紹介された。日本全国で40社以上が加入しており、作業が重複したり定期点検をしていたりして業務が行えない場合に、企業間で補完する協業体制が整っていることをアピール。新たにレーザー測量に取り組みたい事業者にとっては、RIEGL製品の選択を判断する要素になりそうだ。

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石川エナジーリサーチのビルド・フライヤーとminiVUX-SYS

RIEGL

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
エアロネクスト、風に強いドローン開発をリード。同社技術力による研究・開発を解説[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250607231843116369.html 116369 trend Saturday, 07 June 2025 23:18:43 +09:00 エアロネクストは、「突風」に負けないドローンを目指し、力を入れる高度な空力研究の最前線を紹介した

エアロネクストは「4D GRAVITY」と呼ぶ独自のドローンの機体構造設計技術などを用いて、産業用ドローンの共同開発事業を行う。6年ぶりの出展となったジャパン・ドローンでは、自慢の技術力を活かして受託した研究や開発事業について紹介した。

ブースには、黒くずんぐりとしたボディで、8つのローターを持つマルチコプターが展示されていた。これは空飛ぶクルマの緊急時における挙動を予測するシミュレーション技術を検証するため作られた、風洞試験で使用する試験機だ。この機体を担当者は、以下のように説明してくれた。

担当者:試験における再現性を高めるためのポイントが2つあり、1つは建物の中でも安定して飛行すること。これは映像のズレを検知して自己位置を推定するオプティカルフローセンサーを搭載して対応しました。もう1つはモーターの回転数の取得。これは特殊なロガーを取り付けて計測しました。

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プロペラは2重反転構成を採用する

また、担当者が熱心に解説してくれたのは、プロペラと空力に関する研究だ。

担当者:飛行中の機体のプロペラに風が当たると力が変化することがあります。そこで、突風を受けた際に姿勢を維持できる最大の風速を「突風余裕」と仮定して、風洞実験で観測して突風余裕を定量化し、設計に反映することが重要だと考えています。

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プロペラに風を当て、その変化を数値化する試験で使用する装置

「風にどう対処するかは今後の研究の大きなテーマ」とも付け加えた担当者。同社の技術力の高さは、研究に対する熱意によって支えている。

エアロネクスト

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
XPONENTIALから見る日本のドローン企業の存在感とは? 主催者に聞いた[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250607231739116378.html 116378 trend Saturday, 07 June 2025 23:17:39 +09:00 世界最大級の無人機展「XPONENTIAL」、日本の存在感に課題が見える一方、国産ドローンへの期待は高い

日本ではドローンをはじめロボットや無人搬送車(AGV)など、人手を介さず自動・自律で動く機械に関心が高まっている。これは世界でも同じ傾向にある。無人・自律システムが一同に介する、世界最大級の展示会・カンファレンスが「XPONENTIAL(エクスポーネンシャル)」だ。メッセ・デュッセルドルフの北米法人が主催する。

2025年は米・ヒューストンで開催され、ドローンをはじめ自律走行車、水中ロボットなど、陸・海・空、さらには宇宙を対象にした無人システムやロボット技術が出品された。もちろん、カメラやセンサー、サービスなども紹介される。500社以上が出展し、7000人以上が来場する大きなイベントだが、日本からは2社が出展し、日系現地法人の出展者は6社だった。日本企業の存在感について、担当者に聞いた。

https://www.drone.jp/special/20250602151520116060.html

担当者:世界的には日本のドローンや技術は優秀だという印象を持たれていますが、蓋を開けてみればそれほど出展者がありません。また、今回は韓国や台湾、中国がパビリオンを立て始め、各国は国を上げて推し進めていることを実感しました。日本も経産省やJETRO、そしてJUIDAらが音頭を取って出展の機運を高めてもらえるといいなと思います。

悲観することばかりではない。中国製品排除の観点から、出展していたACSLの「SOTEN(蒼天)」はメイド・イン・ジャパンとして評判を集めたという。

次回のXPONENTIALは2026年2月に独・デュッセルドルフ見本市会場で初のヨーロッパ開催。5月には米・デトロイトで開催する。

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独開催のXPONENTIALのポスター(左)と、米開催のXPONENTIALのポスター

AUVSI XPONENTIAL

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
イエロースキャンジャパン、360°測量「Surveyor Ultra」と水陸同時計測「Navigator」を展示。高性能LiDARに注目[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250607231320116359.html 116359 trend Saturday, 07 June 2025 23:13:20 +09:00 YellowScanの高精度LiDARが日本でも注目を集めた

LiDARやグリーンレーザーなどの各種スキャナを搭載したペイロードを開発する仏YellowScan。その日本法人であるイエロースキャンジャパンが出展。日本市場で人気を得ているのは「YellowScan Surveyor Ultra」だという。360°の視野角を備えており、一度の計測で広範囲を測量可能。高度100mで秒速10mで飛行した場合、取得できる点密度は1平方メートルあたり60点を誇る。

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YellowScan Surveyor Ultraの大きさは153×113×117mm。バッテリー稼働時間は1.2時間となっている

また、垂直方向の測量にも対応している。重量は1.2kgほどで、DJI Matrice300やMactrice350などにも取り付け可能なことから、測量会社などで重宝されている。

イエロースキャンジャパンはNTT e-Drone Technologyと協業し、同社が開発するドローンにイエロースキャンの測量機器を搭載できるようにした「EC101 connect YellowScan モデル」をリリースしている。イエロースキャン製「Vx」シリーズを搭載でき、Vx20-100を使用すれば、120mの高さからも計測可能だ。

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NTT e-Drone Technologyのブースに出展されたEC101 connect YellowScanモデル

また担当者によれば、水の中を測量するためのLiDARシステムである「YellowScan Navigator」も、問い合わせを受けたという。水中の濁り具合によるが、概ね水深6m程度の測量が可能で、沖縄の海のようなクリアな海であれば、25mほどまで測った実績も持つ。また水底だけでなく陸部も同時に計測できるので、効率よく業務にあたれるのも頼もしい。

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EC101 connect YellowScan モデルはYellowScan Navigatorも搭載可能

「ヨーロッパでは性能が控えめでも値ごろなものが喜ばれます。でも、日本人は高性能なものが好きな傾向が強いですね」と担当者は日本市場の特徴を説明してくれた。

YellowScan

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
ORSO、ゲーム感覚シミュレーター「DRONE STAR PILOT」を初展示。ブラウザベース、無料でドローン操縦練習[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250606180313116320.html 116320 trend Friday, 06 June 2025 18:03:13 +09:00 DRONE STAR powered by ORSOはジャパーン・ドローンにて、ドローン操縦練習機「DRONE STAR TRAINING」を展示。初展示のブラウザシミュレーター「DRONE STAR PILOT」が注目を集めた

DRONE STAR powered by ORSOが販売するDRONE STAR TRAININGは操縦練習に使用できる100g未満の小型ドローンだ。専用のプロポがあり、センサーのON/OFFやカメラの向きの調整が可能で、無人航空機操縦者技能証明の実地試験で求められる操縦技術を取得するための工夫が盛り込まれている。2024年のデビュー以来、10以上のドローンスクールや、担当者の技倆の維持向上を目的とした企業に導入されている。

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DRONE STAR TRAINING。プロポのスティックは遊びを少なくし、繊細な操縦感覚が身につけられるようにしている

2025年はORSOがドローン事業を始めて10周年の節目ということで、ブースも8コマを使い、DRONE STAR TRAININGの操縦体験コーナーも2面設けるなど、非常に目立つ展示となっていた。そのなかでもひときわ目を引いたのは、今回初めて展示されたドローンシミュレーター「DRONE STAR PILOT」だ。

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操縦体験ができるブースでは見学に来ていた高校生など、多くの人たちが挑戦していた

DRONE STAR PILOTの最大の特徴はソフトをインストールするのではなく、ブラウザベースで使用できること。シミュレーターと銘打つものの、「ドローンでお宝を探す」といったゲームとして楽しめるコンテンツを盛り込んでおり、全くの初心者にドローンに親しんでもらえるように設計されている。

無料で楽しめる点もうれしい。運用にかかわる費用はプレイ中に表示される広告で賄うとしており、各地域のドローンスクールのプロモーションに利用してほしい考えだ。

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ゲームのプレイ開始前などに広告が入る画面が表示される

シミュレーターの体験もできた。2025年7月のリリースに向けてまだ開発中とのことで、調整する点が多いようだが、気軽にドローンを操縦できる仕組みづくりは同社の得意とするところ。完成版がプレイできる日を楽しみに待とう。

ORSO

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
イームズロボティクス、災害ドローン「Rescue-K」を発表。能登の経験活かし、衛星電話投下で孤立対策を強化[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250606180107116304.html 116304 trend Friday, 06 June 2025 18:01:07 +09:00 イームズロボティクス株式会社は、ジャパン・ドローン2025で、能登の経験を活かし開発した災害ドローン「Rescue-K」を発表

第二種型式認証機「E6150TC」を開発・製造するイームズロボティクスは、2024年1月に発生した能登半島地震でも現地入りし、ドローンを活用して支援活動に従事した。その際に得たノウハウも活かして、災害対応ドローン「Rescue-K」を開発し、展示した。

神奈川県では「令和6年度ロボット実装促進センター ドローン開発支援事業」で事業を公募。「災害対策機 Rescue-K開発プロジェクト」が採択され、イームズロボティクスが開発を進めることになった。ちなみに「K」は神奈川県の頭文字だ。

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Rescue-Kのショートセミナーに臨む曽谷英司代表(右)

災害発生時には様々な問題が発生するが、その中でもイームズロボティクスでは通信の途絶に注目。電話回線が断絶してしまい、連絡不能となる集落では、どのような支援物資が必要なのかもわからない。そこでRescue-Kには物資投下システムとして専用ユニットを装備。衛星電話を投下して孤立集落との連絡に使用するのだ。もちろん医薬品なども運搬できる。

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ドローンで運んだ物資を自動で格納できる「ドローンステーション」のモックアップが展示された

可視光・IR(赤外線)カメラを装備しており、行方不明者の捜索に活用するほか、スピーカーも備えられており、避難誘導などのアナウンスにも利用できる。

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機体下部に取り付けられたスピーカー。防災無線のアナウンスも

Rescue-KはE6150TCをベースに開発されている。型式認証では運用方法を定める必要があるが、災害対応はE6150TCの運用方法に含まれていないため、Rescue-Kからは型式認証が外れている。

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開発が進められている第一種型式認証申請機体「E600-100」

だが、性能は確かな機体であり、平時・緊急時を問わず活躍が期待できる。なお、Rescue-Kは2025年内の早いうちに製品化し、発売を目指すという。

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固定翼を持つ「空飛ぶ軽トラ」の1/72スケールモデルも見られた

イームズロボティクス

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
エアロセンス、災害救援用の新型VTOL機「AS-H1」を初公開[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250606180026116325.html 116325 trend Friday, 06 June 2025 18:00:26 +09:00 平時における離島や中山間地向けの物流インフラとしての利用なども想定

第二種型式認証取得機である「エアロボウイング」を開発するエアロセンスは、災害救援用の新型VTOL機「AS-H1」を初公開した。第三者上空で目視外飛行を行うレベル4飛行に対応可能な、第一種型式認証を申請している機体だ。

[caption id="attachment_116331" align="aligncenter" width="1280"]機体後部には水平飛行に使用するプロペラが2基設置されている 機体後部には水平飛行に使用するプロペラが2基設置されている
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従来のエアロボウイングでは最大ペイロードが1kgとなっていたが、少しでも多くの救援物資を空輸できるよう、AS-H1では13kgと大幅に増加した。2リットルのペットボトルが6本詰める計算だ。また、測量用センサーなどの搭載も可能になった。

[caption id="attachment_116332" align="aligncenter" width="1280"]機体中央にペイロードの格納スペースを設けている 機体中央にペイロードの格納スペースを設けている
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ペイロードを増やすには固定翼を大きくする必要があるため、当初の設計では横幅が5.3mとされていた。だが、機体が大きくなるほど離着陸に必要なスペースも増えてしまい、災害現場で活動する際に支障をきたしてしまう。そこで再設計を行った結果、ペイロード13kgを確保したまま、横幅を3.9mに抑え、10m四方の場所で離着陸が可能となった。

第一種型式認証を申請する場合、冗長性を担保することが求められている。AS-H1では離着陸に利用するマルチローターを8個、水平飛行に使用するプロペラを2個装備して、安全性を高めている。

[caption id="attachment_116334" align="aligncenter" width="1280"]離着陸用のローターは8基、アームの下側に取り付けられている 離着陸用のローターは8基、アームの下側に取り付けられている
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航続距離も大幅に向上し、エアロボウイングの50kmから5倍となる250kmに増加。長距離飛行を実現するため、バッテリーも新たに開発した32400mAhのものを4個搭載する。

[caption id="attachment_116333" align="aligncenter" width="1280"]バッテリーはペイロードの格納スペースの後方に搭載する バッテリーはペイロードの格納スペースの後方に搭載する
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エアロセンスとしては災害救援用を掲げるが、平時における離島や中山間地向けの物流インフラとしての利用なども想定している。

エアロセンス

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
GDU、産業用ドローン「S200/S400E」や自動交換ポートなど最新ソリューションを展示。7月に日本本格参入へ [Japan Drone 2025] https://www.drone.jp/special/20250606173653116336.html 116336 trend Friday, 06 June 2025 17:36:53 +09:00 中国のドローンメーカー・GDUが出展。ブースには開発する産業用ドローンやドローンポート、そして車載ドローンシステム&車載ドックが展示された

産業用ドローンは同社のフラッグシップ機である「S200シリーズ」と、スキッドを備え、各種ペイロードが取り付け可能な「S400E」が見られた。

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S200。最大ビデオ伝送距離は15km

S200シリーズのアーム展開時のサイズは613×699×133mmで、DJIのMavic 3シリーズよりもやや大ぶり。標準装備されるカメラは有効画素数4800万画素で、光学10倍ズームにも対応する。同シリーズの「S220」「S220 PRO」は赤外線カメラも使用可能だ。

「S400E」はペイロードを3kgに設定。ブースではサーチライトやスピーカーなどのペイロードが搭載された状態で展示された。

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S400E。最大飛行時間は49分

ドローンポートは「K02」「K03」の2種を出品。K02はS200シリーズのバッテリーの自動交換に対応するタイプ。約115kg程度とやや大きいが、ポート着陸後に充電する時間を設けるのが難しく、バッテリーの交換が必須の運用に活用できそうだ。K03は50kg未満の軽量タイプ。設置面積も0.36平方メートルとコンパクトさが魅力。

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ドローンポートのK02。交換バッテリーは最大4つ格納できる
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K02のカバーを開けた状態。S200シリーズで利用できる
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ドローンポートのK03。ドローンの設置台が前後に動いて、機体を出し入れする

DJIとBYDによるドローン搭載SUVが話題になったが、GDUも持ち込んだSUBARUのクルマのルーフキャリアに車載ドッグ「K05」を取り付けて展示した。25kg未満で、機体のバッテリーを60分以内に90%程度まで充電できる。担当者は家族でドライブした際の記念撮影などに利用してもらえるよう、日本市場への導入を検討するとしている。

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K05車載ドローンシステム。国内の各種規制がクリアできれば、日本市場に投入したいという

GDUは2025年7月に日本にカスタマーサポートセンターの開設を予定。今後はドローン点検などを行う事業者向けに、機体の導入を提案していく考えだ。取材に応じた同社のGeneral Manager International Business DivisionであるLizzy Liu氏は、次のようにコメントをした。

Liu氏:GDUは2015年設立で、中国で十分な実績を積んでいます。日本が海外進出の第一号になります。日本の規制にあった機体の開発ができれば東南アジアや欧米でも通用すると考えており、カスタマーの意見を真摯に聞きながらニーズを汲み取り、ソリューションを磨き上げていきたいと考えています。

GDU

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
レッドクリフ、最新ドローンショー機体「RIFF/EMO」「FYLo EDU」を展示。特殊演出や屋内飛行など多彩な機能を紹介[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250606160450116313.html 116313 trend Friday, 06 June 2025 16:04:50 +09:00 株式会社レッドクリフがジャパン・ドローンで、屋外ドローンショー用「RIFF-JP/EMO-JP」と屋内用「FYLo EDU-JP」の実機を展示した

日本のドローンショー市場を牽引するレッドクリフのブースには、運用する機体が勢揃い。屋外ドローンショーではRIFF-JPとEMO-JPの2種類が活躍している。RIFF-JPはアタッチメントを交換することで、スモークや花火といった演出が可能になる。現在はRIFF-JPとEMO-JPの両方を組み合わせて1つのショーのプログラムを構成する運用を行っているという。

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最新の屋外ドローンショー用機体であるRIFF-JP

レッドクリフは大阪・関西万博で毎日行われているドローンショーも担当。天気がいい日ばかりではなかったはずだが、これまでのところ9割以上の日で実施しているといい、悪天候時でも運航できる体制やノウハウの蓄積が進んでいるようだ。

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関心の高いドローンショーの企業ブースだけあり、多くの来場者が訪れていた

4月には屋内ドローンショー機体「FYLo EDU-JP」の販売を開始し、実機も展示された。最大200機での飛行が可能で、担当者は「コンサートやスポーツイベントの合間などの演出として屋外ドローンショーを提案していきたい」と今後の展開について話した。

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FYLo EDU-JPは屋内専用機。フルカラーLEDライトを搭載

2024年のジャパン・ドローンで初めて披露された、プログラミング教育に使用可能な100g未満機「Hula」も展示。レッドクリフでは2025年から、Hulaや各種ロボットを活用する教育コンテンツ「プログラミングLab」の展開も予定しており、小学生から大学生、科学館でのイベントなど、ターゲット別のカリキュラムを用意している。ブースにはプログラミングLabで使用する4輪車もあった。

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Hulaは機体上部が光り輝く。この機能を使ってドローンショーも開催可能。右がプログラミングLabの車両

レッドクリフ

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
IHI、ガスタービンエンジンを活用した空飛ぶクルマ用のパワーパックシステム開発を研究[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250606160433116284.html 116284 trend Friday, 06 June 2025 16:04:33 +09:00 ペイロード360kgの空飛ぶクルマに搭載するパワーパックシステムを模した、60%スケールのレイアウト検討模型を展示

空飛ぶクルマの動力・燃料にはモーター・バッテリーが想定されているが、長距離・長時間の飛行には向かない。また、重いものを運ぶパワーもやや不足気味なところがある。そこで航空宇宙分野で製造を手掛けるIHIは、ガスタービンエンジンを活用した空飛ぶクルマ用のパワーパックシステム開発を研究している。 ブースでは、ペイロード360kgの空飛ぶクルマに搭載するパワーパックシステムを模した、60%スケールのレイアウト検討模型が展示された。機体後方にガスタービンエンジンを配置し、前方に整流器を置き、その先にバッテリーを設置する。これに発電機を加えた一揃えをパワーパックシステムとして、様々な機体に搭載できるようにするという構想だ。
[caption id="attachment_116288" align="aligncenter" width="1280"]小型ガスタービンエンジンの技術実証に使用されたエンジン「ITS90」 小型ガスタービンエンジンの技術実証に使用されたエンジン「ITS90」[/caption]
担当者はパワーパックシステムを作りあげるのがIHIとしてのビジネスであり、空飛ぶクルマの機体メーカーと組んで最終的な製品に仕上げていくことをねらっていると解説した。
モーターやパワーパックにはモーターも含まれますが、機体メーカーが使用しているタイプに取り替えも可能です。今後は約3年かけてサブスケール(実寸よりも小さな大きさ)モデルでの検証を行います
[caption id="attachment_116289" align="aligncenter" width="1280"]1トン、1000kmを無人で運ぶ「空飛ぶ軽トラ」の1/72モデル模型 1トン、1000kmを無人で運ぶ「空飛ぶ軽トラ」の1/72モデル模型[/caption]
大阪・関西万博では会場内外に「バーティポート」と呼ばれる空飛ぶクルマ用の離着陸場が設けられている。IHIでは、その中で機体を搬送するシステムの開発も手掛けており、スキッド(脚部)に取り付ける車輪ユニットなどがパネル展示された。
[caption id="attachment_116290" align="aligncenter" width="1280"]空飛ぶクルマの搬送システムやバーティポートに関する研究について紹介するパネル 空飛ぶクルマの搬送システムやバーティポートに関する研究について紹介するパネル[/caption]

IHI

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
空撮技研、係留装置「ドローンスパイダー」とFlyCart 30運搬ドーリー展示。現場の安全と効率化を提案[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250606155948116298.html 116298 trend Friday, 06 June 2025 15:59:48 +09:00 株式会社空撮技研がジャパン・ドローン2025に出展し、係留装置「ドローンスパイダー」や、DJI FlyCart 30運搬用ドーリーなど、現場のニーズに応える製品を紹介した

香川県で一等、二等のすべての限定変更に対応するドローンスクールの運営や、機体販売などを手掛ける空撮技研は、ドローンの係留装置「ドローンスパイダー」の製造・販売も行っている

現在、イベント上空での飛行を申請する際、係留での飛行を求められるケースが増えているようだ。また、30m以下の紐などを使用する係留飛行であれば、人口集中地区(DID)での飛行の許可や、目視外、夜間といった飛行方法の承認が不要となるため、ドローンスパイダーの引き合いも増えているという。

担当者は「係留装置の重要性が再認識されていると感じています。イベント上空での飛行時に使用する係留装置には条件があり、それに一致するものがドローンスパイダーになるケースが多いです」と係留装置を巡る近況を解説してくれた。

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係留装置・ドローンスパイダー。係留する紐の長さが30mと100mの2種類がある

物資運搬ドローンとして人気が高まっている「DJI FlyCart 30」。だが、車輪等が付いていないFlyCart 30自体を運搬するのは意外と大変だ。そこで空撮技研では、FlyCart 30の「運搬ドーリー」を独自に開発。すでに販売しており、製品をブースで展示した。

金属製の軸の両端にタイヤ2輪と、FlyCart 30のスキッド(脚部)に取り付けるための器具を設置。運搬ドーリーをスキッドに取り付ければ、機体を持ち上げて押し引きするだけで運べるという仕組みだ。

FlyCart 30にはカーゴタイプ、ウインチタイプがあり、それぞれでスキッドの形状が異なる。運搬ドーリーはそれぞれに対応したモデルのほか、両方に取り付けられるタイプもラインナップ。FlyCart 30の用途に応じて選べるのはうれしいポイントだ。

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カーゴ・ウインチ共用タイプの運搬ドーリー。タイヤのそばの器具がスキッドを取り付ける器具だ

なお、空撮技研では、ドローンポート用の運搬ドーリーも開発を進めているという。

空撮技研

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
「あの窓まで荷物を運んで」と指示可能なドローン[小林啓倫のドローン最前線] Vol.90 https://www.drone.jp/column/20250606113819116229.html 116229 trend Friday, 06 June 2025 11:38:19 +09:00 物流の最終段階である、「消費者の手元に商品を届ける最後の区間」を指す「ラストワンマイル配送」。近年、EC市場の拡大により配送需要が急増し、さまざまな問題が生じている。

ドローンに期待される「ラストワンマイル配送」

たとえば日本では、ラストワンマイルを担うドライバーの不足が深刻化している。ある調査によれば、宅配需要に対するトラックの配送能力は2024年以降から不足に転じていると見られ、2030年における宅配トラックドライバーの不足人数は、約5.8万人に達すると予測されている。

また都市部における交通渋滞や、信号待ちによる配送時間の増加も問題となっている。それにより配送の効率性が落ち、配送能力のさらなる低下を招いているためだ。たとえば国土交通省の全国道路・街路交通情勢調査によれば、東京都の一般道における平均旅行速度は時速19.4km、大阪府では時速22.0kmと、全国平均の時速30.5kmを大きく下回っている。

こうした問題を一気に解決する手段として期待されているのが、もちろんドローンだ。自律型のドローンにラストワンマイルの配送を担当させれば、人員を大幅に追加することなく、配送能力を強化することができる。そして空を飛んで移動できるドローンであれば、道路の渋滞や細い道なども気にする必要はない。さまざまな法制度に従う必要は残るものの、最短距離・最短時間で配送を終わらせることが期待できる。

とはいえ、ドローンによるラストワンマイル配送には課題も多い。現在実現されているドローン配送の多くは、比較的開けた場所への大まかな配送が中心となっている。たとえば「A地点の離陸ポートからB地点の着陸ポートへ」といった定型的なルートを飛行したり、広い着陸スペースが確保された場所へ荷物を下ろしたりするケースが多い。私たちが日常的に利用するオンラインショッピングで求められるラストワンマイル配送は、それとは大きく異なる。

ラストワンマイル配送の多くで求められるのは、マンションの一室やオフィスビルの特定のフロアといった、より細かく、よりピンポイントな場所に荷物を届けることだ。「玄関前に置いてください」「宅配ボックスに入れてください」といった指示は一般的になったが、自律型ドローンにアパートの3階のベランダや、オフィスの窓まで直接荷物を届けさせるのは至難の業だ。しかしそれが実現できれば、消費者は配送を待つために在宅している必要がなくなり、受け取りのタイミングを気にするストレスも軽減される。特に高層マンションの住民や、セキュリティの厳しいオフィスビルで働く人々にとっては、このメリットは計り知れない。

そこで、従来のドローン配送システムでは対応が難しかった、「特定の窓へ、言葉による指示だけで届ける」という、人間のような柔軟性と精度を兼ね備えた配送能力を実現する研究が進められている。そのひとつが、今回紹介する「LogisticsVLN」という技術だ。

「言葉で指示する」だけでドローンが配送を実現

[caption id="attachment_116231" align="aligncenter" width="1280"]言葉で指示するだけで、指定された配送を行ってくれるドローンが実現される? 言葉で指示するだけで、指定された配送を行ってくれるドローンが実現される?(画像は筆者がChatGPTで生成)[/caption]

この論文を発表したのは、中国科学院の研究者ら。彼らの提案するシステムは、人間のように言葉(テキストによる指示)と映像(カメラに映る景色)を理解するAIを搭載したドローンというもので、それにより複雑な指示でも的確にこなし、ラストワンマイル配送を実行してくれる。

LogisticsVLNにおいて、ドローンが言葉による指示を受けてから実際に荷物を届けるまでのプロセスは、大きく分けて4つに分けられる。

まず、顧客からの配送リクエスト(たとえば「3階の窓の外にある青い植木鉢のところに届けてください」)を、システム内のLLM(大規模言語モデル)が解析する。LLMは、ChatGPTのような生成AIの頭脳となる技術であり、この自然な文章の中から、配送に必要な重要な情報(「目標の階数(3階)」や「目印となる特徴的な物体(青い植木鉢)」など)を的確に抽出する。

次に、抽出された「目標の階数」の情報に基づき、ドローンが建物の適切な高さまで上昇する。このとき、ドローンの前面カメラが捉えた建物の映像を、VLM(視覚言語モデル、文字通り視覚と言語の解析を行うAIモデル)が分析する。VLMは、映像中の窓の並びや建物の構造などから、現在ドローンが見ているのが何階部分に相当するのかを推定する。

第3に、目標の階数に到達したドローンは、建物の周囲をゆっくりと飛行しながら、目標となる窓の探索を開始する。ドローンは複数のカメラを搭載しており、広範囲の映像情報をリアルタイムで取得する。これらの映像は再びVLMに入力され、VLMは最初のステップで抽出された「目印となる物体(青い植木鉢)」を映像の中から探し出す。

VLMが「青い植木鉢」を伴う目標の窓を映像内に発見すると、ドローンは最終的な配送フェーズに入る。ドローンは目標の窓に接近する途中で電線や木の枝、隣の建物の壁などに衝突しないよう、搭載された深度センサー(対象物との距離を測定するセンサー)からの情報を活用する。深度センサーの情報とカメラ映像を組み合わせることで、AIは3次元的な空間認識を行い、安全な飛行経路を判断する。そして慎重に目標の窓へ接近し、荷物を正確に届けることでミッションを完了する。

残念ながら、このシステムはまだ現実空間では実用化されていないものの、仮想空間上で都市部の環境を再現した場を使った実験が行われている。それによれば、中国のアリババ社が開発したQwen2-VL-7BというVLMを使用した場合、300のタスクのうち半数以上(成功率54.7%)で配送に成功した。これは特定の環境への事前学習や、詳細な地図情報なしに達成された結果であり、「本アプローチの潜在的な有効性を示している」と研究者らは評価している。

もちろんLogisticsVLNを現実空間で実用化するためには、悪天候への対応や、より複雑な障害物回避能力、法規制の整備など、まだ多くの課題を乗り越える必要がある。しかしこの研究は、「言葉で指示するだけで荷物が窓まで届く」という新たなドローンのナビゲーションが、着実に現実のものとなりつつあることを示していると言えるだろう。

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
空解、ハイブリッドVTOL「QUKAI MEGA FUSION 3.5」展示。ガソリンエンジン搭載で低燃費、最大500km飛行[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250605192957116269.html 116269 trend Thursday, 05 June 2025 19:29:57 +09:00 株式会社空解は、ジャパン・ドローンでハイブリッドVTOLドローン「QUKAI MEGA FUSION 3.5」を展示した

固定翼とマルチローターの両方を併せ持つVTOLドローンを開発する空解は、ガソリンエンジンを搭載するハイブリッドタイプの「QUKAI MEGA FUSION 3.5 ガソリンエンジンHV仕様」を展示した。

バッテリーで飛行するドローンは容量の問題で、長距離・長時間飛行が難しい。バッテリーの場合、飛行時間は長くても1時間程度が限界だ。これを解決するため、「QUKAI MEGA FUSION 3.5 ガソリンエンジンHV仕様」では、水平飛行用のパワーユニットに、新開発した61ccサイクル水平対向2気筒のガソリンエンジンを採用。燃費が非常によく、100km飛行時のガソリン消費量は700cc。二酸化炭素の排出量も電動とほぼ同等だという。

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QUKAI MEGA FUSION 3.5は持ち運びする際、翼を取り外す

カタログスペック上の最大飛行距離は500kmとなっている。飛べる距離が長くなるということは時間も長くなるわけで、例えば海上での遭難者の捜索などにも強みを発揮しそうだ。

エンジンを使用する場合の懸念点としては、振動が上げられる。揺れが飛行に影響を与えるのは避けたいところだが、実際に測定したところ、飛行に影響を与えるような振動は発生しなかったという。つまり高精細なレーザーを使用する測量業務などにも問題なく投入できるのだ。

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エンジン部。プロペラは1枚羽

また、飛行中にエンジンが停止する事態が発生してもセルモーターを使用して再度エンジンを掛けることができる構造になっており、フェールセーフとして機能している。なお、離着陸のパワーユニットは電動を利用している。

空解

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
三菱重工業、新型ハイブリッドドローンを発表。200kg積載・航続200km、実現の鍵はエンジン[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250605164211116235.html 116235 trend Thursday, 05 June 2025 16:42:11 +09:00 三菱重工業株式会社がジャパン・ドローンで新型ハイブリッドドローンを発表した

三菱重工業ではこれまでに全長6m、ペイロード200kgの中型ドローンや、全長2mのヘリコプター型小型ドローンの開発を公表しているが、今回のジャパン・ドローンでは、新たに「ペイロード200kg、航続距離200kmのハイブリッドドローン」を展示した。

ブースに赴くと姿を現したのは、黒いボディカラーの巨大なドローンだ。空撮用の小型ドローンなどを見慣れた目にはとても大柄に見える。その寸法は全長約6m。最大離陸重量は650kg程度になるという。機体から伸びる6本のアームの先にはモーター・プロペラが上下に1セットずつ取り付けられ、巨体を浮かび上がらせる揚力を生み出す構造となっている。4月中旬に三菱重工業内の研究施設内で行った試験では、当初の計画通り、約1分間の飛行に成功した。

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展示ブースの側面から機体を見た姿。周囲の人々と比較すると、いかに大きいかがわかるだろう

航続距離200kmをねらう本機だが、実現するための鍵は機体に取り付けられたエンジンだ。本機は二輪車などエンジンを登載するモビリティの製造を手掛けるヤマハ発動機株式会社との共同研究により開発が進められている。エンジンによって発電した電力を各モーターに送り、プロペラを稼働させるハイブリッドシステムを駆使することで、航続距離200kmを目指すのだ。

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エンジンはヤマハ発動機が開発するものを機体下部に取り付けている

https://www.drone.jp/news/20250522124510115844.html

本機は災害時に長距離に渡って大量の物資を運びたい自治体の職員などから注目を集めている。また、山間の建設現場などへの物資輸送に利用したい事業者からも関心が寄せられている。

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巨大なボディは多くの来場者の目を引いていた

三菱重工業

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
DJI Mavic 4 pro レビュー後編 こんな圧倒的なハイダイナミックレンジ映像と表現力を見せられたら「もう、買う」しかない[Reviews]Vol.91 https://www.drone.jp/column/20250605152301116107.html 116107 trend Thursday, 05 June 2025 15:23:01 +09:00 2年ぶりのリニューアルとなったMavic 4 Proですが、発売日に購入した方はすでにお手元に届いている方も多いのではないでしょうか。レビュー後編となる今回は、実際にMavic 4 Proで空撮をしてきましたので、その所感をレポートしたいと思います。

Mavic 4 Proは機敏に、正確に、そして思い通りに飛行する

空撮レビュー場所として、岩盤が特徴的な海岸とつつじ群落が美しい山間部という異なる場所にて空撮をしてきました。つつじ群落はひとつの映像にまとめてみました。

編集はD-Logで撮影したものにDJI Mavic 4 Pro用LUTを当てて色の微調整をしたのみ。NDフィルターはなかったのでシャッタースピードで明るさを調整しながら撮影した

まず、Mavic 4 Proの飛行性能についてですが、Mavicシリーズ共通の滑らかかつ機動性の高さを感じました。滑らかに加速減速するのですが "もっさり"とした動きの鈍さはなく、思い通りに動かすことができるイメージです。

加えて、プロペラ音はMavic 3 Proよりも更に静かになっており、周囲に威圧感を与えることは少なくなっているのではないでしょうか。

最大水平速度自体も25m/s(90km/h)と歴代Mavicシリーズで最速

また、最大水平速度自体も25m/s(90km/h)と歴代Mavicシリーズで最速となっており、飛行テスト時にもSモードを選択することでカタログスペック通り25m/sで飛行することができました。

驚いたのは、Sモードで速度を出しながら撮影をしていても画面のカクつきがほとんどないことです。これまではSモードだと過敏に加減速するので画面がカクつき気味になり、カクつきに注意しながら単純なワークで利用するか、移動時のみSモードを利用するか…というのがSモード利用の実情だったのですが、Mavic 4 ProではSモードで飛行しても通常のNモード飛行時と同じように空撮ができました。大きな被写体を遠距離から空撮するときなどに役立ちそうです。

海のような早回しのできない撮影環境ではジンバルが安定したSモードの撮影はとても役に立つ

Mavic 4 Proのハイダイナミックレンジ映像の鮮明さは一目瞭然

肝心のMavic 4 Proで撮影した映像についてですが、サンプル映像を見てもらったとおりパッと見で美しさを感じるレベルのクオリティです。特に幅広いダイナミックレンジの映像は、薄暗いところなどでは一世代しか差がないMavic 3 Proを遥かに凌駕しています。

同じ時間に同じような場所にて撮影したMavic 4 ProとMavic 3 Proの映像比較サンプル。薄暗い環境下でのMavic 4 Proの立体感ある表現に圧倒される

新機能のインフィニティジンバルもおもしろいですね。どのように使うかはアイデア次第…という感じですが、FPV機体のようにあえて傾けて飛ばしたように撮影したり、不安定さを演出する“ダッチアングル”として表現したり、いろいろ可能性がありそうです。

インフィニティジンバルは28mmだけでなく70mmでも168mmでも稼働できるので表現の幅が広がりそうだ

今回はMavic 4 Proクリエイターコンボをお借りしたので、「ALL-i(ALL-intra)」コーデックでの撮影もすることができました。Mavic 3 Proでは「Apple ProRes」コーデックの撮影もできたのでMavic 4 ProのALL-iコーデック収録には賛否あるようですが、その色編集耐性はYoutubeやSNSがメインの筆者の仕事環境では十分すぎるほどです。

映像ダウンロード

※同一のWayPointを利用して撮影した同じ画角の通常の映像とALL-iコーデック映像(D-Log)をダウンロードできます

クオリティが揃った中望遠・望遠レンズ

今回Mavic 4 Proをレビューしていて個人的にいちばん良かったのは、168mm望遠レンズカメラのセンサーサイズが大型化・高画質化し、70mm中望遠レンズカメラとともにD-Log収録が可能になったことです。Mavic 3 Proでは中望遠・望遠レンズカメラではD-Log収録ができず(D-Log Mは可能)、特に望遠レンズではセンサーサイズも小さく画質がイマイチでした。それがMavic 4 Proでは望遠レンズカメラの画質も向上、すべてのカメラでD-Log収録が可能になったので編集で色や画質を合わせやすくなりました。

Mavic 3 Proでは3つのレンズカメラで画質のばらつきが感じられたがMavic 4 Proでは違和感なく撮影・編集ができる

新型プロポRC Pro 2は最高の操作感

レビュー用に空撮をしていて思ったのですが、今回Mavic 4 Proに合わせて新登場となったRC Pro 2が思いのほか操作感がよく、モニターを見ながらの空撮もとてもやりやすく感じました。製品ラインナップにはDJI RC2付属の通常版Fly More Comboもありますが、RC Pro2イチ択なのではないか…と思えるほどです。

新型プロポRC Pro 2は最高の操作感

まず、高輝度大型モニターがなにより見やすい。サイズや輝度はもちろんのこと、せり上がったり角度を変えたりすることができるので、自分の操縦スタイルに合わせることができます。特に、プロポの上方に位置するのが操縦しながらモニターを見やすく感じました。

また、重量自体は旧RC Proよりも50gほど重いのですが、実際にRC Pro2を持って操縦した感覚では、旧RC Proよりもはるかに軽く感じるほどです。一回り大きくなった筐体や広くなったスティック間距離もとても操縦しやすく感じました。

もはやコレでいい…Mavic 4 Proはコンパクト高性能空撮機の決定版

レビュー用に空撮して感じたことは…「もう、買う」です。SNSやYoutube公開用動画、バラエティ番組撮影などをする筆者には決定版ではないかと思ったほどです。

一方、ワークフローの中にApple ProResを取り入れている方はその撮影ができるMavic 3 Proがしばらく手放せないかもしれません。加えて、NDフィルターがまだ市場には出回っておらず(※原稿執筆時)、今すぐ仕事に使うのは少し憚れるのも事実です。6月中旬頃までは10時間の飛行訓練とそれを踏まえての国土交通省への飛行許可承認申請を通して本格利用の準備をしておく…というところがリアルなところでしょうか。

とはいえ、今後数年はハイエンドコンパクト空撮機として君臨することは間違いなく、価格もMavic 3 Pro Premium コンボ(536,580円)よりもMavic 4 Pro クリエイターコンボ(497,860円)のほうが4万円ほど安くなっているとなれば買わないという選択肢はありません。空撮映像の表現のクオリティと幅を広げたいならば、迷わずMavic 4 Proクリエイターコンボを手に入れましょう!

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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91 レッドクリフ、7月21日に玉野競輪場でドローンショー開催。LED演出のMPLUSPLUSと競演
ブルーイノベーションら4社、国産ドローンポート試作機を初公開。大阪・関西万博での運航管理の取り組みも説明[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250604165244116216.html 116216 trend Wednesday, 04 June 2025 16:52:44 +09:00 ブルーイノベーションら4社が国産ドローンポート試作機を初公開。安全保障を考慮した国産化を進め、ドローン運航の効率化を目指す

点検用球体ドローン「ELIOS 3」の販売や点検ソリューションの開発・提供を手掛けるブルーイノベーションは、VFR、Cube Earth、Prodroneと開発を手掛ける「国産ドローンポート」の試作機を初公開。また、開催中の大阪・関西万博に関する取り組みについて発表した。

VFR、Cube Earth、Prodrone、ブルーイノベーションの4社は、中小企業などの開発研究を支援する経済産業省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)」で、「国産ドローンポート」の開発を提案。2023年10月に採択されて以来開発を続けており、今回のジャパン・ドローンでその試作機が初公開された。

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撮影に応じるCube Earth 武田全史社長、VFR 戸國英器取締役、ブルーイノベーション 熊田貴之社長、Prodrone 戸谷俊介社長
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大阪・関西万博会場における運航管理について、イメージ図をもとに説明する熊田社長

ドローンポートとはドローンの自動充電や保守を担う離着陸場で、ドローンの運航の効率化、オートメーション化には欠かせない機材とされている。現在国内で運用されているものはほぼ海外製となっており、安全保障の観点から、4社で国産ドローンポートの開発を手掛けることとなった。

今回展示されたドローンポートには、離着陸の安全性や、現場の多様なニーズを汲み取れる汎用性、日本が主導したドローンポートの国際標準「ISO 5491」に準拠する拡張性を取り入れた。カバーを閉めた際の大きさは1250mm×1000mm×1000mm、重さは400kgと大ぶりだが、これはまだ国産ドローンポートの最初の1歩。今後は各社が持つ強みや技術を持ち寄り、国内ニーズに合ったものへとブラッシュアップしていく方針だ。

大阪・関西万博において、ブルーイノベーションはドローンなどエアモビリティの運航管理を担当している。ドローンや、大阪・関西万博の目玉展示の1つである空飛ぶクルマが今後ますます社会導入されると、ヘリコプターなど有人航空機も含めて飛行する空域を共有する事態が想定される。そこで重要になるのが、エアモビリティの適切な運航管理だ。同社では大阪・関西万博を「リアルな社会実装の場」として捉え、ドローンの安全な運航管理を支援している。

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大阪・関西万博での取り組みに参加するJUIDAの久保大輔理事、ブルーイノベーションの熊田社長、東邦薬品の緒方宏司氏

具体的には日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が空の利用のガイドラインを策定。ブルーイノベーションはそれに則って飛行するドローンの位置情報などを、自社開発の「SORA PASS」といった運航管理システムを用いて、リアルタイムでチェックする体制を取っている。今後、大阪・関西万博では空飛ぶクルマの2地点間飛行が予定されているが、その際にもこのシステムは大いに活躍する見込みだ。

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ドローンポートだけでなく、ELIOS 3やドローン・ロボット管理プラットフォーム「Blue Earth Platform」の紹介なども展示された
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DJI、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025に出展 Vantiq、複数のドローン群制御を可能に SkyDrive、大阪・関西万博での夏のデモフライト実施のお知らせ 世界が注目!イーロン・マスク氏も反応したAIドローン対決の舞台裏で、DRONE SPORTS株式会社が技術協力・インタビュー対象に 韓国で15,000台突破!組み立てて飛ばす”紙”ドローン「COCODRONE(ココドローン)」日本初上陸 突風の中でドローンを安定飛行させるAI技術[小林啓倫のドローン最前線] Vol.91
Prodrone、初の25kg超え第一種型式認証機「PD6B-CAT3型」をジャパン・ドローンで公開[JapanDrone2025] https://www.drone.jp/special/20250604155904116207.html 116207 trend Wednesday, 04 June 2025 15:59:04 +09:00 Prodroneがジャパン・ドローンで初の25kg超え第一種型式認証機「PD6B-CAT3型」を公開した。JALエンジニアリングが製造を担い、レベル4飛行に対応する物流・測量向けゲームチェンジャーとして期待される

Prodroneが開発を進めている第一種型式認証機「Prodrone式PD6B-CAT3型」がお披露目された。第一種型式認証機では初となる最大離陸重量25kg超えの機体だ。

6月4日にジャパン・ドローン内Prodroneブースで行われた会見で戸谷俊介代表は「この機体はProdroneが開発し、製造をJALエンジニアリングが担います。有人地帯上空での目視外飛行であるレベル4飛行に対応する、ゲームチェンジャーとなる機体です」と紹介した。

PD6B-CAT3の最大離陸重量は約45kgで、そのうち約18kgをペイロードとして使用可能。機体サイズは約2.2m×約2.4m×約0.7mとなり、同社がすでに運用するPD6B-Type3とは大きく変わらない。その一方で、レベル4飛行を実現するため安全対策はアップデートされており、パラシュートを搭載し、各アームの経も太くして強度を高めているほか、システムの構成も冗長化されている。なお、最大巡航速度は約12m/s、最大航続時間は約30分となっている。

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機体下部の部分を交換して、物資を搭載したり、測量用の機材を載せたりできる
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プロペラはPD6B-Type3では折り畳める形状だったが、PD6B-CAT3では1枚羽に変更された

ボディ下部のペイロード搭載部分を変更することにより、物流用途および測量用途で使用できる設計になっており、将来的にはカメラを搭載して撮影用途で使用することなども検討しているという。

型式認証取得に向けて各種耐久試験に向けた最終調整を進めており、2025年9月から10月にかけての型式認証取得を予定している。本体価格は税込1320万円から。

このほかブースでは、フロートを搭載して水上に着水できる水陸一体型ドローンや、ガソリンエンジンで駆動する農業用ドローンヘリ「田助人(Tasketto)」が展示された。

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多発する水害などに対応するため開発を手掛ける水陸一体型ドローン
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開発した農業用ドローンヘリ「田助人(Tasketto)」。キリックスリースが独占販売する
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