清掃機器の世界最大手メーカー、ドイツ・ケルヒャー社(以下、ケルヒャー)の日本法人、ケルヒャージャパン株式会社と、ドローン技術のスタートアップ企業である株式会社スカイコード(以下、スカイコード)が、業務提携を開始する。本提携により、ドローンとケルヒャーの高圧洗浄機を組み合わせた「空飛ぶ高圧洗浄機(正式名称:高圧洗浄ドローン)」の社会実装を目指し、従来は清掃が困難だった高所や足場設置が難しい現場に対する新たな清掃ソリューションの創出を図る。
- Advertisement -
(参考)寺院を清掃するドローン(株式会社スカイコード提供)
提携の背景
高所や傾斜面の清掃作業は従来、人手による危険な高所作業や足場の設置を伴い、大きな労力とコストがかかっていた。例えばビル外壁の洗浄はクレーンやゴンドラを用いて行われるケースが多く、作業員にとって墜落などの事故リスクを伴う非常に危険な作業と指摘されている。また、高速道路脇の法面(のりめん)や橋梁上部、屋根上の清掃など、足場を組めない・組みにくい現場では清掃自体が困難だった。
ケルヒャーは、高圧洗浄機をはじめ家庭用から業務用まで3,000種以上の清掃機器を世界約190か国で展開。「クリーニングプロジェクト※」を通じて、世界中の歴史的建造物や文化財の清掃実績を持ち、クリーンな世界の実現にむけて、人々の豊かな暮らしを支えるための快適な清掃ソリューションを提供してきた。一方、スカイコードは、すでに商用運用の実績を持ち、操縦技術の講習やドローン撮影など多岐にわたる専門性を有している。
- Advertisement -
両社が開発した空飛ぶ高圧洗浄機により、清掃作業を省力化し、作業時間の短縮・コスト削減に大きく貢献できると同時に、これまで対応が難しかった太陽光パネルの洗浄、雪下ろし補助、雑草除去、文化財保全といった清掃現場へのアプローチが可能になる。両社の強みがシナジーとなって、今後も新たな清掃ソリューションを生み出すことを期待している。
※クリーニングプロジェクトについて
ケルヒャーは、1980年から始まったクリーニングプロジェクトを通じて、世界的に有名な歴史的建物や文化遺産の洗浄・保存活動を行っている。このプロジェクトには、ニューヨークの自由の女神やリオデジャネイロのキリスト像、さらには広島の平和記念公園にあるモニュメントなども含まれている。
業務提携の主な内容
①専用アダプターの共同開発
スカイコードがケルヒャーの高圧洗浄機に最適化したアダプターを設計・製造。
あらゆる主力ドローンに、ケルヒャー高圧洗浄機の噴射ノズルを搭載することを実現した。これにより自由自在に空での高圧洗浄が可能になり、無限の可能性が広がる。
②ケルヒャーのノウハウとスカイコードのドローン操縦技術の融合
洗浄対象物や現場環境に応じて、最適な洗浄方法やノズル選定・水圧・飛行ルートを設計。作業時間を短縮しながら、ムラのない美しい仕上がりを実現する。
また、両社のノウハウは、洗浄にとどまらず、除雪、除草、遮熱剤の塗布など、空のお仕事全般の可能性をサポートする。
- Advertisement -
③導入から運用までを支える実践的な研修体制
現場での安全かつ効率的な運用を実現するための「オペレーションガイド」を整備し、あわせてスカイコードのプロパイロットによる実践的な操縦・運用研修プログラムを提供する。
講習は、スカイコードの保有する、専用のドローンスペースであるコードベースキミツ(千葉県君津市)にて、十分な実地訓練を行う。