- ABBの受賞歴のあるPixelPaint技術がステランティス社に採用され、イタリアのメルフィ工場で精密な塗装仕上げを実現
- DSオートモビルズのフラッグシップモデル電気自動車「DS N°8」は、完全自動かつ持続可能な工程で製造されたデュオトーン塗装が特徴
- 革新的なPixelPaint技術は、生産効率を向上させ、エネルギーを節約し、排出ガスを削減
ステランティス社のイタリア・メルフィ工場は、同社の先進的な製造拠点の1つとして知られている。この工場では、ABBの革新的なPixelPaint技術と日本ペイントのモノコート塗料を採用し、DSオートモビルズの新型フラッグシップモデルであるDS N°8のエレガントなデュオトーン塗装を実現する。この最先端技術は、2025年後半に生産を拡大する完全自動化された持続可能性の高い生産工程において、カリスマ的なフランスブランドを体現する生産体制を構築する。
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ABBロボティクス オートモーティブビジネスラインのマネージングディレクターであるヨルグ・レジャーは、次のように述べている。
PixelPaintは、顧客のために特別な仕上げを追求する世界有数の自動車デザイナーたちから、ますます注目されるようになっています。従来、DS N°8のルーフからボンネット、フロントグリルまで続く深い黒のデュオトーン塗装は、手作業による複雑なマスキングと塗装工程の複数回の繰り返しが必要で、労力とエネルギー消費の両方が大きいプロセスでした。PixelPaintはこの工程を不要にし、生産工率を高めるとともに、省エネルギー化と排出ガスの大幅な削減を実現します。さらに、2台のロボットが連携して作業することで、ラインを遅らせたり手作業を介在させたりすることなく、この高精度な塗装仕上げを行うことができます

PixelPaintは、IRB5500シリーズなどのABBの塗装ロボットに搭載された、1,000個以上の小さなノズルを個別に制御する塗装ヘッドで構成されている。ABBの3Dビジョンシステムと組み合わせ、ABBのシミュレーション及びプログラミングソフトウェアであるRobotStudio®によって調整されたヘッドは、車体に非常に近い位置で正確に追従し、オーバースプレーや空気中のミストを発生させることなく塗料を100%、均一に車体へ塗布する。これにより塗料の無駄を省き、環境処理の負担を軽減するとともに、DSオートモビルのサステナビリティ目標への大きな貢献を果たす。
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ステランティスの塗装プロセスエンジニアリング責任者であるシルヴィオ・リチートラ氏は次のように述べている。
DS N°8は、フレンチ・アート・オブ・トラベル(フランス流の旅の美学)を再定義します。その流麗なフォルムは、静かで快適な電動走行による長距離移動へと誘います。また、シャープなラインが特徴のデュオトーン塗装は、フランスの伝統的なコーチビルディング(手作業による車体製造)を現代的に再解釈したものです。ABBのPixelPaintは、デザインとサステナビリティの両立を実現し、私たちの前衛的な伝統に根ざした洗練された美学と融合した調和した技術的な卓越性を表現しています
ABB、ステランティス、日本ペイントの3社は、カンヌで開催された自動車の車体仕上げに関する国際会議SURCAR Europeで協業を発表した。この国際会議は1964年から隔年で開催されており、今回の会議においてはその革新的な取り組みが評価され、3社でイノベーションアワードを受賞した。