4年で2台目のEV投入、Teslaに真っ向勝負
XiaomiがEV事業に参入してからわずか4年、そして初の車種「SU7」の発表から1年も経たずに投入された「YU7」は、明確にTeslaのベストセラー「Model Y」をターゲットにしたモデルである。
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CEOの雷軍(Lei Jun)氏は発表会にて、「Teslaの効率性とADASは優れている」と認めつつも、複数のスライドを使い、寸法、静音性、熱対策、価格性能比などにおいてModel Yを上回っていると強調した。

YU7の特徴:静音性、遮熱性、価格で圧倒
YU7はダブルパネルの防音ガラスとアクティブノイズキャンセリングを搭載しており、非常に静かな車内空間を実現している。また、電動遮光式サンルーフにより、炎天下でもTeslaより車内温度を大幅に低く保てるとしている。
価格も非常に攻撃的だ。最廉価モデルの「YU7ベース」は25.35万元(約35,300ドル)で、Model Yより1万元安く、航続距離も200km以上長い。中間モデルの「YU7 Pro」は27.99万元(約39,000ドル)で、Model Yロングレンジより3万元以上安価。最上位の「YU7 Max」は32.99万元(約46,000ドル)で、Model Yパフォーマンスより2.5万元安いにもかかわらず、性能は圧倒的に上回っている。
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実注文20万台=約8,000億円の売上見込み
今回の初回受注では、3分で200,000件超の注文=約80億ドル(約8,000億円)相当の売上が記録された。これはTeslaが過去にCybertruckで発表した100万件超の「仮予約」とは異なり、数日後にはキャンセル不可となる確定的な取引である点が重要だ。
現在、XiaomiはすでにYU7の生産を開始しており、デザイナーが事前に構成したモデルに限定して、即納体制を整えている。
業界への影響:Tesla、中国市場で苦境か
今回の衝撃的な販売実績により、TeslaのModel Yにとって大きな逆風となることは避けられない。すでに中国市場で販売促進のために異例の値引き施策を行っていたTeslaだが、YU7の登場により今後さらに厳しい競争を強いられる。
業界関係者の見立てでは、YU7の受注数は数日以内に40万台を突破するとみられており、このセグメントの需要をXiaomiがごっそり持っていく可能性が高い。
Teslaはこれに対抗するため、近く低価格モデルYの簡素版を急遽投入することが予想される。