DJI、「Mavic 3」発表。CineモデルはApple ProRes 422 HQ対応

4/3型CMOS Hasselbladカメラと28倍ハイブリッドズーム対応の望遠カメラに加え、最大200m先の障害物を検知する全方向障害物検知や、再設計されたバッテリーで最大飛行時間46分を実現した。

5.1K/50fps動画撮影に対応、低照度環境下での撮影感度が向上し、絶妙な色合いまで忠実に再現する。また、4K/120fpsにも対応しスローモーション映像も撮影可能だ。

Mavic 3シリーズにはMavic 3とMavic 3 Cineの2つのモデルが用意されている。高度な撮影に対応したMavic 3 Cine モデルはApple ProRes 422 HQ コーデックに対応、より柔軟な動画編集を行うことができる。また、1TB SSDが機体に内蔵されている。

と、DJIヨーロッパ クリエイティブ ディレクターのFerdinand Wolf氏は、コメントしている。

デュアルカメラシステムで、全てを凌駕する映像を手に入れる

DJI Mavic 3は、Hasselbladデュアルカメラシステムを採用した。L2D-20c空撮カメラは、焦点距離24mmのレンズをと4/3型CMOSセンサー実装した特別設計された。20MP画像の12bit RAWフォーマットでの撮影や、5.1K/50fpsと4K/120fpsでの動画撮影を実現する。動画解像度向上で、解像感のある映像が撮影でき、後処理工程での柔軟性が高まる。さらに120fpsスローモーション動画にも対応している。

この大型イメージセンサーが、高い動画解像度と幅広いダイナミックレンジ、低照度環境下で発生するノイズを効率的に低減する。12.8ストップのネイティブダイナミックレンジに対応しているため、明部・暗部ともに細部まで詳細情報を保持でき、f/2.8～f/11の絞り調整が可能で、様々な照度環境下での空撮ニーズを満たしながら、シャープで鮮明な映像を捉えることが可能だ。

デュアルカメラの重量わずか12.5g、焦点距離24mmの単焦点レンズはオートフォーカスと84°FOVに対応し、より細部までクリアに映像を捉える。つ目のカメラには焦点距離162mm望遠レンズが搭載され、28倍ハイブリッドズーム（デジタル＋光学）と絞りf/4.4に対応。遠くにある被写体もはっきりと確認でき、よりダイナミックでクリエティブな映像を離れたところからでも撮影可能にした。

今回、フォーカス速度を向上するため、新ビジョン検知オートフォーカス技術（VDAF）を採用。これによりカメラは、機体に搭載された複数のビジョンセンサーと連携し距離データを取得することで、フォーカス速度を最適化する。

DJI Mavic 3は、ハッセルブラッド ナチュラルカラー ソリューション（HNCS）を採用し、忠実な色合いを再現している。10bit D-Logカラープロファイルで最大10億種類の色を記録できる。

DJI Mavic 3 Cineは、Apple ProRes 422 HQとH.264/H.265コーデックに対応、一方DJI Mavic 3は、H.264/H.265コーデックにのみ対応している。Apple ProRes 422 HQコーデックで、4K/120fps動画を撮影時にのみ実現する。

Mavic 3 Cineでは1TB SSDを内蔵している。DJI 10Gbps高速データ転送ケーブルも同梱することでエクスポート作業をより効率化し、ProResコーデックや高フレームレート動画といった大きな容量のデータをスピーディに転送することができる。日常業務のポストプロダクション工程でのニーズを満たすパワフルなツールとなる。

進化した安全機能で、安心飛行を

安全機能においてもMavic 3は進化している。障害物検知機能や航行システムを搭載、安全な飛行を実現することができる。APAS 5.0は、魚眼レンズを使った6つのビジョンセンサーと広角レンズを使用した2つのセンサーを組み合わせで、複雑な環境下でも全方向の障害物をスムーズかつ継続的に検知し、障害物を回避する安全な飛行ルートを計画する。

また、全方向障害物検知システムにより刷新されたActiveTrack 5.0で直感的なトラッキングが可能になり、ノーマルモードの飛行でも障害物を検知する。ActiveTrack 5.0では、Mavic 3は被写体の前後、左右、斜めの動きに合わせたトラッキングや、動いている被写体の側面や周りを飛行しながらのトラッキングも可能だ。

被写体が速く動き一時的にカメラからフレームアウトしてしまった場合でも、機体に搭載されたビジョンセンサーが被写体を捉え続け、被写体が再びフレーム内に収まるようトラッキングを継続する。

DJI Mavic 3はパワフルな測位アルゴリズムに対応し、GPS、GLONASS、BeiDouの衛星信号を使ってホバリング精度を向上している。このアルゴリズムにより今まで以上に速く複数の衛星から信号を受信することが可能で、さらに高い安定性を実現している。

DJI Mavic 3は、安全機能の一つであるジオフェンス機能も搭載。重要施設の周辺や制限高度の近くを飛行時、ドローンパイロットに警告する。

また、AeroScopeリモートIDシステムにより、重要施設等のあるエリアに近接する空中のドローンを、現地当局が認識・監視することができる。またAirSenseシステムをDJI Mavic 3に搭載し、飛行中の航空機やヘリコプターから発せられるADS-B（放送型自動位置情報伝送）信号を受信し、パイロットは迅速に安全な別の場所へとドローンを移動することができる。

より長いバッテリー駆動時間と向上した空力性能により、長時間飛行を実現

DJI Mavic 3ではドローンの飛行性能と電力消費に関わるあらゆる要素を再設計し、最大46分と飛行時間を大幅に延長した。また、モーターとプロペラをエネルギー効率の高いものへ改善、バッテリー容量を増やし、その分ドローンの骨組みや部品の重量を軽減した。

アドバンストRTHで、安全な帰還

DJIはこれまでもReturn-To-Home（RTH）システムを採用している。DJI Mavic 3ではこのシステムがアップグレードし、最短で安全性とエネルギー効率が最も高い飛行ルートを機体が自動で計画、ホームポイントまで帰還する。

信号ロストを防ぐDJI O3+とセルラー伝送ドングル

アップグレードした伝送システムDJI O3+は、強い信号干渉がある環境など厳しい条件下でも、安定した滑らかでクリアな映像を伝送する。O3+の最大制御範囲は15kmでさらに遠くまで飛行可能で、より安定した信号伝送と低遅延の動画伝送を実現している。DJI Mavic 3は1080p/60fpsのライブ映像の高フレームレート伝送を可能にしたDJI史上初ドローンでもある。

様々なインテリジェントモードで、無限の創造性

Mavic 3 は幅広いインテリジェントモードに対応している。飛行経路やカメラの動きを巧みに調整しながら、ハイレベルの写真や動画制作、編集ができ、ドローンを最大限に活用できる。

価格と販売時期

DJI Mavic 3標準版：253,000円
Mavic 3機体、インテリジェントフライトバッテリー、RC-N1送信機、RC- N1ケーブル×3、バッテリー充電器、ストレージカバー、プロペラ1組×3他

DJI Mavic 3 Fly Moreコンボ：341,000円
Mavic 3機体、インテリジェントフライトバッテリー×3、RC-N1送信機、RC-N1ケーブル×3、バッテリー充電器、バッテリー充電ハブ、ストレージカバー、プロペラ1組×6、NDフィルターセット （ND4/8/16/32）、コンバーティブルキャリーバッグ他

DJI Mavic 3 Cine Premiumコンボ：583,000円
Apple ProRes 422 HQ動画撮影に対応し、1TB SSDが内蔵されたMavic 3 Cineが同梱。Mavic 3 Cine機体、インテリジェントフライトバッテリー×3、DJI RC Pro、バッテリー充電器、バッテリー充電ハブ、ストレージカバー、プロペラ1組×6、NDフィルターセット（ND4/8/16/32）、NDフィルターセット（ND64/128/256/512）、コンバーティブルキャリーバッグ、DJI 10Gbps高速データ転送ケーブル他