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[春原久徳のドローントレンドウォッチング]Vol.05 改正航空法施行、その申請許可状況

[春原久徳のドローントレンドウォッチング]Vol.05 改正航空法施行、その申請許可状況

ドローン、無人航空機を対象にした改正航空法が12月10日に施行されました。石井啓一国土交通相はその翌日の12月11日の閣議後会見で、改正航空法が10日施行されたことについて「空撮や趣味、事故・災害対応などを目的に申請があり、施行初日の10日に116件の許可、承認をした」と述べました。

また、その施行初日である10日には、高松市でドローンの落下事故が起きました。この件について国交相は「写真店経営者が、航空写真撮影のため無人航空機を飛行させていたところ、操縦中に見失い、落下させる事案があったと警察から報告を受けている」と述べたうえで、「改正航空法のルールを周知徹底するとともに、ルールの順守と安全な飛行を求めていきたい」と述べました。

改正航空法、初回の申請許可状況

国土交通省は、申請者が非公表を示す以外の案件に関しては、許可・承認を行った内容の公表を行っています。10日に116件の許可、承認をした中で、公表されたのは89件でした。(27件が未公表)その内訳を見ていきます。

1.申請者

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メディアは、NHK、フジテレビ、札幌ビジョン、共同テレビ、鹿児島ビジョンの5社でした。鹿児島ビジョン以外は、飛行地域を日本全国となっています。メディアに対しては、日本全国といった形での許可・承認が与えられていることがわかります。また、機体もすべてDJIということで、現状のメディアでの空撮機はDJIがスタンダードになっていることがうかがえます。

企業は46社、空撮サービス、測量、建設土木、機体メーカー等、現在、活用が進んでいる分野が多いです。団体は、農薬散布に関して、代理申請を行っている農林水産航空協会がその準備が進んでいることが分かります。また、地域のラジコンクラブや同好会に対しても、許可・承認がされています。公共は、現状で公表されているのは、中国管区警察局のみ。学校に関しては、東京農業大学、筑波大学、徳島大学、鳥取大学となっています。個人も17件の許可・承認を得ています。

2.申請条項

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  • 131条-1A:飛行場周辺
  • 131条-1B:150m以上
  • 132条-2:人口集中地域
  • 132条-2-1:日中(夜間飛行)
  • 132条-2-2:目視外
  • 132条-2-3:人・物件との距離(30m以内)
  • 132条-2-4:イベント
  • 132条-2-5:禁止物の輸送
  • 132条-2-6:物の落下

申請条項の項目に関しては、複数の項目にまたがっています。

制限に関しては、空域と飛行方法に分かれますが、空域に関して、飛行場周辺、150m以上の飛行は、各空港事務所との協議が必要ということもあるのかもしれませんが、その項目はまだ、許可・承認は下りていません。人口集中地域における飛行は、67件の許可・承認が下りています。(全体の75.2%)一方、飛行方法に関しては、一番、多いのが、人・物件との距離(30m以内)。45件(全体の50.6%)これは、やはり、多くの飛行が、30m以上離れての運用が難しい場所での運用になっていることを示すものかと思います。

夜間飛行に関しても、30件(全体の33.7%)の許可・承認が下りています。目視外飛行に関しては、22件(全体の24.7%)。FPVでの操作を行う場合には、この目視外飛行の許可・承認が必要といわれていますが、案外、この件数が少ないと感じますが、申請が少ないのか、許可が下りていない案件があるのかは不明です。

イベントでの飛行も6件の許可・承認が下りています。ここの許可は厳しいという予想があったのですが、安全対策に入念な措置が施されている場合には、許可・承認が下りるということになりますね。禁止物の輸送および物の落下に関しては、農薬散布のケースと思われます。現状、その機体に関しては、ヤマハ発動機、ヤンマー、ヨコヤマコーポレーションのものに限られていると思われます。

3.地域

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許可・承認が下りた飛行区域ですが、東京が14件、神奈川が8件、兵庫・大阪が5件と続いています。 グラフには、2件以上許可・承認が下りた地域を示していますが、これ以外も、奈良、宮城、長崎、滋賀、山形、和歌山、宮城と全体で28都道府県に対して、承認・許可が下りています。(全47都道府県中59.6%)

4.許可機体

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機体メーカーに関しては、DJIが圧倒的に多くなりました。やはり、まずは空撮関連業務が多いということが想定されます。DJIの中での機体数は以下になります。

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Phantom3が多いですね。次にはInspire1が続きます。DJI以外では、FreeflySystemsのものが多いですが、これは同一会社で場所を変えての申請許可が6件あるということで、DJI以外は、大きな申請許可数の差はないでしょう。また、その中で自作機も許可・承認ケースが11件ありました。

今後の飛行申請

今回の許可・承認の件に関しは、提出側も承認側も手探りの状態で、かなりの労力であったと伺っていますが、国交省は、「ドローンの申請許可のための専門部署新設」を発表しました。来年はいよいよドローンの業務活用の飛躍の年となりそうです。皆様もきちんと申請を行い、許可なしの飛行で改正航空法に違反しない飛行をしましょう。

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