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コラム春原久徳

[春原久徳のドローントレンドウォッチング]Vol.09 次世代社会インフラ用ロボット(維持管理・災害対応)について

2016年5月27日
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ドローン産業のような黎明期の産業において、民間の各会社がその技術やビジネスアイデアを競い合うことは重要なことであるが、政府や国が産業を育てていくため、様々な施策を実行していくことも必要なことである。日本でも、内閣府、国土交通省、総務省、経済産業省、農林水産省といった機関において、ドローン活用のためのルールや施策が示され始めている。

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Contents
次世代社会インフラ用ロボット開発・導入 現状と課題 取組み内容 インフラ維持管理橋梁維持管理のロボット技術評価方法

その中でも、国土交通省は無人航空機の飛行に関する主たる規則である改正航空法の主管省庁でもあり、また、「i-Construction」といった取り組みにおいても、3次元測量といった分野でドローンの活用を示している。(コラムVol06参照 )今回は、国土交通省が積極的に取り組んでいるインフラの維持管理のためのドローン活用について、記していきたい。

次世代社会インフラ用ロボット開発・導入 

平成25年末に以下のような課題を解決するために、ロボット開発に関する提案が国土交通省および経済産業省から提示され、2年間に渡って、現場検証がなされてきた。

現状と課題

  • 少子高齢化、人口減少による 建設産業おける労働力不足の懸念
  • インフラの老朽化に対応した効率的な維持管理及び更新
  • 大規模災害への迅速な対応
  • 取組み内容

  • 国交省と経産が共同でロボット開発・導入が必要な「5つの重点分野」を策定し、これらに対応できるロボットを民間企業や大学等から公募し、直轄現場で検証・評価を行うことにより、開発・導入を促進
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    この取り組みを通じ、評価されたソリューション、特に災害対応(災害状況調査・災害応急復旧)においては、一部実際の現場での活用が進んでいる(今回の熊本や大分の震災でも、一部では状況調査において、ドローンが使われた)。

    インフラ維持管理

    2012年の年末に中央高速の笹子トンネル天井板落下事故が起きたことを契機に、日本においてもインフラの維持管理に関しての対策の議論がされ始めた。

    米国においては、1930年代のニューディール政策により大量の道路橋が整備されたが、1980年代初めまで、メンテナンスに十分な予算措置がされず、道路橋の老朽化による崩落、損傷、通行止めが相次ぎ、「荒廃するアメリカ」と呼ぶことさえありました。一方、日本では、1960年代の高度経済成長期に大量の橋が架けられ、それが50年を迎える時期に入ってきており、適切にメンテナンスを行うことがひっ迫の課題となっている。

    SPRING09_0510-3SPRING09_0510-3
    出典: 国土交通省国土技術政策総合研究所資料 第693号
    2012 平成23年度道路構造物に関する基本データ集

    国土交通省は、全国2m以上の橋は約70万橋に上るものに対して、2014年度7月に省令で、5年に一度の近接点検の義務化を制定した。(1年に橋が14万橋、それは、1日に換算すれば、380橋に及ぶ)この省令施行より1年経過したが、その実施率は10%程度であり、その進捗は鈍い形になっている。これは様々な要因があるが、主たるものは、国土交通省が所管する社会資本は、市町村管理の割合が大きく(橋梁の場合、市区町村管理が68%に及ぶ)、また、その橋梁管理の技術者に関して、平成24年7月時点で、町の約5割、村の約7割で、土木技術者が存在しない形になっている。

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    橋梁維持管理のロボット技術

    こういった橋梁維持管理の問題解決のため、ロボット技術の活用に関して、平成26年度より現場検証を行い、平成28年度から現場への試行的導入を実施し、その後の本格導入を目指すこととした施策を行ってきた。橋梁検査に関して、その重要な作業は、近接目視点検と打音検査となっている。この作業実施および支援するための技術・システムの開発が行われてきた。

    先々月末(平成28年3月30日)に「橋梁維持管理技術の現場検証・評価の結果」が公表された。(これは橋梁維持管理だけでなく、トンネル維持管理や水中維持管理に関する結果も公表されたが、今回は紙面の都合上橋梁維持管理に絞って解説したい)
    応募が26技術、24者。そのうち、5技術が辞退もしくは選外となったため、21技術が現場検証を行った。この現場検証も、要素検証技術と実用検証技術に分かれている。

    要素検証技術とは、現時点では技術・システムの一部が開発段階にあり、本来の技術・システムとしてではなく、構成する一部の要素技術を用いたデータ収集や各要素の稼働状況などの確認を目的として現場検証を実施した技術。または、検証現場の使用上、構造上の制約等によりシステムとしての検証がおこなえず、データ収集や各要素の稼働状況等の確認を目的として現場検証を実施した技術。実用検証技術とは、現段階で実現場での利用可能性があると判断される技術であり、実際の使用を想定した現場検証を実施した技術。

    要素検証技術が、4技術で、実用検証技術が、17技術となっている。今回現場検証を実施したロボット技術は、『移動機構』として「飛行型、懸架型、車両型、ポール型、吸着型等」、『センサー』として「カメラ、赤外線等」、『データ処理』として「損傷自動抽出・解析、オルソ化、3次元化等」と、これらの組合せにより多種多様に構成されているが、この項では飛行型に絞って、その詳細を見ていきたい。飛行型(無人航空機)においては、要素検証技術が、1技術で、実用検証技術が、7技術が、検証されている。

    SPRING09_0510-6

    定期点検の作業過程におけるロボットによる支援イメージ

    この検証に関して、以下の評価方法で各技術に関しての評価がなされる。

    評価方法

    (1)総合評価

    今回の現場検証で確認した事項を挙げ、ロボット活用の目的である橋梁点検に対する支援効果の程度を考察し、総合的な評価の結果として「試行的導入」に向けた位置付けとして、次の4クラスに評定する。

    Ⅰ.試行的導入に向けた検証を推奨する

    今回の諸条件下での検証において、点検支援(点検情報の取得・記録)での効果を有する可能性が高いことが確認され、試行的導入に向け更に種々の条件を想定した検証が望まれる技術。

    Ⅱ.課題の解決を前提に、試行的導入に向けた検証を推奨する

    今回の諸条件下での検証では、公募で求める基本要件との整合性や、安全性、信頼性などにおいて若干の課題が残り、現状では点検支援(点検情報の取得・記録)での効果が限定的となることが判明した技術。

    今回確認された課題の解消により、早期に実用レベルでの支援効果が得られる可能性があることから、課題の解決を前提として試行的導入に向けた種々の条件を想定した検証が望まれる。

    Ⅲ.課題への対応・結果により、試行的導入に向けた検証を推奨する

    今回の諸条件下での検証では、公募で求める基本要件との整合性や、安全性、信頼性などの基本的な要素に係る課題があることが判明した技術。
    試行的導入に向けた検証に先立ち、今回確認された課題への対応と、その結果の検証が必要である。

    Ⅳ.今回は十分な検証ができていない

    今回の諸条件下での検証では、機器・システムの不調や開発途上などの理由により、提案されたシステムでの検証に十分なデータが得られなかった技術。
    今後の開発状況をみて検証の可能性を検討する必要がある。

    この評価に基づき、平成28年度より試行的導入の実施がされていくもの。飛行型(無人航空機)の実用検証技術に関して、橋梁点検の近接目視点検に関しては、ある程度の成果が見込まれるものが出てきているが、その精度の向上や安全性といった点に関して課題があるものが多く、その改良が求められている。また、打音検査に関しては、その検査に関して、まだ際立った成果が見られるものが出てきていない。

    概要は以下となっている。

    (1)構造物点検ロボットシステム「SPIDER&Giraffe」

    応募者:ルーチェサーチ株式会社

    共同開発者:広島工業大学,株式会社建設技術研究所

    評価:Ⅰ.試行的導入に向けた検証を推奨する

    課題:【損傷検出精度の向上】画像から損傷を検出する技術の向上が必要である。

    期待される改良・開発事項:【安全性の向上】操縦者の技量によらない、逸走防止および衝突に対する安全設備の装備。

    (2)非GPS環境対応型マルチコプターを用いた近接目視点検支援技術

    応募者:三信建材工業株式会社

    共同開発者:(国法)千葉大学、(株)自律制御システム研究所、アイエムソフト(有)

    評価:Ⅱ.課題の解決を前提に、試行的導入に向けた検証を推奨する

    課題:【損傷検出精度の向上】ひびわれを含む各種損傷の検出精度が十分ではない。検出精度の向上が必要である。

    【画像品質の向上】損傷写真の一部で鮮明さが欠ける画像が見られた。損傷程度の評価に必要な情報が読み取れないため、記録として不適である。

    期待される改良・開発事項:【SLAMによる自律制御システム構築】今回の検証ではSLAMの特性を十分に活用したものとは言えない。更に改良を加えて自律制御、自動運転を可能とすることを期待する。

    (3)橋梁の近接目視を代替する飛行ロボットシステム

    応募者:国立大学法人東北大学

    共同開発者:(株)千代田コンサルタント,航空宇宙技術振興財団,(株)リコー

    評価:Ⅱ.課題の解決を前提に、試行的導入に向けた検証を推奨する

    課題:【損傷検出精度の向上】コンクリート橋、鋼橋ともに損傷の種類を問わず検出率が低い。検出精度の向上が必要である。

    【調書作業効率の改善】今回、調書作成作業工数が嵩み、結果的に工費が大幅な増加となることが確認された。特にデータ整理において顕著であるため、画像処理の自動化など効率改善が必要である。

    期待される改良・開発事項:【損傷の定量データの取得】ひびわれ幅など損傷程度の評価で必要な定量値の測定機能の追加。【飛行時間の延長】

    (4)マルチコプターによる近接撮影と異状箇所の2次元計測

    応募者:夢想科学株式会社

    共同開発者:(株)ニチギ,(株)plus-b

    評価:Ⅱ.課題の解決を前提に、試行的導入に向けた検証を推奨する

    課題:【損傷検出精度の向上】コンクリート橋、鋼橋ともに損傷の検出数が十分でなく、検出精度を向上させる必要がある。

    期待される改良・開発事項:【自律制御・操縦補助機能の追加】【損傷の定量値の測定技術】ひびわれ幅など損傷程度の評価で必要な定量値の測定機能の追加。

    【3Dモデルによる点検情報の管理】精緻な3Dモデルの構築による点検情報の管理、記録の提案。

    (5)マルチコプターを利用した橋梁点検システム(マルコTM)

    応募者:川田テクノロジーズ株式会社

    共同開発者:(株)エンルート,大日本コンサルタント(株),産業技術総合研究所

    評価:Ⅱ.課題の解決を前提に、試行的導入に向けた検証を推奨する

    課題:【損傷検出精度の向上】ひびわれを含む各種損傷の検出精度が十分ではない。検出精度の向上が必要である。

    期待される改良・開発事項:【3Dモデルによる点検情報の管理】精緻な3Dモデルの構築による点検情報の管理、記録の提案。

    (6)画像処理技術を用いた半自律飛行ロボットによる橋梁点検支援技術

    応募者:綜合警備保障株式会社

    共同開発者:(株)横河ブリッジホールディングス

    評価:Ⅲ.課題への対応・結果により、試行的導入に向けた検証を推奨する

    課題:【機体の安定性向上】飛行時の安定性について、有線給電による自重軽減、ケーブル接続部の改良などの改善を検討中とのことであるが、その効果について今後検証が必要である。

    【画像品質の向上】損傷写真の一部で鮮明さが欠ける画像が見られた。損傷程度の評価に必要な情報が読み取れない

    期待される改良・開発事項:【桁間の点検情報の取得】鋼橋の桁間は部材が立体的に配置された構造となる場合が多いため、配置された部材を避けて桁間の点検情報を取得する技術が求められる。

    (7)近接目視・打音検査等を用いた飛行ロボットによる点検システム

    応募者:新日本非破壊検査株式会社

    共同開発者:名古屋大学大学院,九州工業大学,福岡県工業技術センター

    評価:Ⅳ.今回は十分な検証ができていない

    課題:実施範囲が狭く、点検精度、点検費用・手間に関する検証が十分できなかった。

    期待される改良・開発事項:・飛行時および車輪駆動時の安定性向上(等間隔の打音検査を可能とする)。・被検査物の状態(粉塵汚れ、うきの深さなど)による検査結果への影響についての検証が必要である。・側面の打音検査機能の追加・取得画像の視界改善

    また、ニュースリリースや各ドローン展の出展でも話題となったNECの打音点検用飛行ロボットであるが、今回の検証においては、要素技術の検証となっており、まだ、実用検証には至っていない。概要は以下の通り。

    (1)橋梁点検用飛行ロボットシステム

    応募者:日本電気株式会社

    共同開発者:(株)自律制御システム研究所,(国研)産業技術総合研究所,(一財)首都高速道路技術センター

    評価:要素検証により部分的な機能を確認した。

    検証対象とした要素:打音検査装置を搭載した飛行体の動作状況、画像取得用マルチコプタ-の飛行状況

    期待される改良・開発事項:・検査箇所に確実にアプローチできる制御技術・トータルステーションの自動追尾が中断した際の安定性、復旧の容易性の改良。(実際の点検現場におけるアクシデントへの対策が望まれる)。

    今年、平成28年度に関しては、上記の課題解決や改良・開発事項が行われる中で、徐々に、その橋梁点検業務をサポートする形の中での、活用が進んでいき、その技術が進んでいく中で、より省力化されて安全で確実な橋梁検査を行うドローンシステムといったものが構築されていくものと思われる。

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