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「SUPER DRONE CHAMPIONSHIP 2021」小学6年、上関風雅選手に栄冠輝く!

日本最大級の屋内ドローンレース「SUPER DRONE CHAMPIONSHIP 2021」が2021年3月16日、幕張メッセ国際展示場で開催された。初回の昨年、無観客開催にも関わらず放送や配信が好評だったことを受けて、第2回となる本大会の開催が決定。

初回に続いて一般観戦は見送られたが、デッドヒートが繰り広げられた。大会は、NTTぷらら、NTTドコモ、DRONE SPORTSの共同開催。MCは竹崎由佳氏、実況は原田修佑氏、解説はRAIDENの大崎裕輝氏がつとめた。ゲストには乃木坂46の金川沙耶さん、田村真佑さんが駆けつけ大会を盛り上げた。

SUPER DRONE CHAMPIONSHIP
スタート直後の機体の様子
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選手紹介と第1試合組み合わせ発表の様子
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実況解説の様子

出場選手は、初参戦の2名を含めて合計8名。1対1勝負のトーナメント戦で、1試合3ヒートまで、2ヒート先取で勝ち上がりだ。機体は昨年と同じく本大会専用のオリジナルで、選手ごとに色分けされた8色が用意された。重量約1kg、時速約100kmものスピードが出る。スタートダッシュで舵を切り過ぎると機体が前方に転びやすく、クラッシュ時には派手な衝撃音が鳴り響いた。

SUPER DRONE CHAMPIONSHIP
スタートダッシュの様子

本大会のドラマを盛り上げたのは、昨年も"ストイックすぎる"と話題だったが、さらに難易度がアップしたレースコースだ。今年は国際展示場のなかでも天井が最も高いホール3が会場となり、昨年は1つだったタワーが今年は左右2つに増設されていた。

スタート地点前方の約40mの直線コースは、先行するため最速スピードでゲートを潜り抜けざるを得ない。が、すぐに翻って、高さ18mものdTVタワーを急上昇してトップゲートを目指す。またすぐに急下降して地上のゲートを潜り、再びdTVタワーを上昇してゲートを潜り、右側に移動してMixaタワーではトンネルを直下行するというコーナリング連続の難関コースだった。

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スタート直後の直線コース
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選手から見て左側には高さ18mのdTVタワー
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選手から見て右側にはMixaタワー
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コース後方からの眺め

このえぐいコース(上関選手 談)を制して優勝を果たしたのは、JAPRADAR所属の上関風雅選手。第1回戦ではSaqoosha選手、準決勝の第2回戦では小塚選手、決勝の第3回戦では小松選手と対戦して、見事チャンピオンに輝いた。2019年の東京モーターショーで開催された「Drone Tokyo 2019 Racing & Conference」では2位、本大会初回の「SUPER DROEN CHAMPIONSHIP 2020」では、前年のRacing & Conference決勝で負けた岡選手を初戦で倒すも準決勝で敗退した。

2年連続で大粒の悔し涙を流した経験をバネに、ついに1位を獲得した上関選手の笑顔はひときわ眩しく感じられた。こうしたドラマや選手の成長に心をときめかせられることも、ドローンレースの醍醐味なのだと思う。下記に本レースのハイライトを写真とともにまとめておく。

SUPER DRONE CHAMPIONSHIP
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ちなみにタワーに取り付けられたゲートは、ゴム風船のような柔らかい素材で、機体がぶつかると破裂してしまうことも。直前の練習では多くが破損して取り替えたそうだが、本番では破裂音が鳴り響くことはなかった。

各対戦のハイライトまとめ

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第1回戦ではまず、最年少12歳の上関風雅選手と、昨年レコードタイムを叩き出した最年長のSaqoosha選手が対戦した。第1ヒートで、Saqoosha選手がゲートを上から下に潜る際にクラッシュして復帰できないなど、上関選手が2ヒート目も奪取して勝利した。

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次に、昨年1回戦敗退した齋藤三佳選手と、初出場となる小塚選手が対戦。第1ヒートでは小塚選手がMixaタワーに衝突したとき齋藤選手がグッと距離を縮める場面もあったが、小塚選手が逃げ切り2ヒート目も取って準決勝進出を決めた。齋藤選手の綺麗なラインを丁寧に操縦する姿は印象的だった。

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続いて、初出場となる高梨智樹選手と山田開人選手が対戦。「2人ともドローンで生活をしている、ここでの優勝が自身のプロモーションにつながる立場同士の戦い」とアナウンスを受けて第1ヒートがスタート。第1ヒートでは山田選手がdTVタワー急上昇でクラッシュ、第2ヒートでは両機体が接触し山田選手が内側から抜き去るなど見どころ満載だった。第3ヒートでは両者クラッシュのため飛距離の長い高梨選手が勝ち上がった。

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最後は高校生対決、小松良誠選手と鈴木匠選手が対戦した。昨年、0.1秒、2m弱の僅差で鈴木選手が制した決勝戦のリベンジが、いきなり一回戦できた。第1ヒートは鈴木選手がdTVタワーでクラッシュして小松選手が先取。第2ヒートも途中で鈴木選手が抜き去るもMixaタワーでクラッシュして復帰できず、クラッシュから復帰した小松選手がリベンジ戦を制した。

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「1ヒート目をとれると、精神的にかなり楽になる。鍵は、一気に上り一気に下るdTVタワー。これは国外でもなかなかない」と解説を受けて、第2回戦が始まった。まずは上関選手VS小塚選手。この時点でタイムランキングは小松選手が1位で48秒。上関選手以外の3名が40秒台で、これは練習でも出ていないタイムだったが、上関選手も第1回戦ではSaqoosha選手がクラッシュした後、非常に慎重に飛行していたため、まだまだアクセルを踏める状況だ。

第1ヒートは、両機体がクラッシュするなど、ゴーグル視野に相手が映り込むプレッシャーのなか、小塚選手が勝利。その後もクラッシュと復活を繰り返して機体がふらつきながらも飛行するなど激しい接戦の末、第2、3ヒートを奪取した上関選手が決勝に進んだ。

続く小松選手VS高梨選手の対戦では、第1、2ヒートを続けて先取した小松選手が勝利。解説の通り、dTVタワーでの上昇しすぎや大回りによるクラッシュ、トンネルを直下行するMixaタワーでのクラッシュが勝敗を分けた。

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決勝戦は、小学6年生の上関選手と高校3年生の小松選手。「上関はここまでミスのケアが素晴らしかった。対する小松は最速タイムをキープしている。まさに互角」という2人の対戦は、第3ヒートまでもつれ込んだ。第1ヒートから両者クラッシュと復活を繰り返すデッドヒートを繰り広げたが、両機体が接触したあとリードした上関選手がまさかのクラッシュ。同じくクラッシュしてダメかと思われた小松選手が復活してゴールした。

第2ヒートはなんと、スタート直後に小松選手の機体が落下し再起できないという"トラブル"に見舞われた。本大会で選手は一切機体には触れていないとのことで、上関選手が安定した飛行で丁寧に独走してゴールした後、機体チェックと審議が行われたが、異常なしとで勝敗は覆らず。

ラストランの第3ヒートでは、スタートダッシュで上関選手がリード。小松選手が抜き返したがdTVタワー付近でクラッシュして復活するも上関選手に及ばず。磁石でくっついているかのような接近戦を制した上関選手が初優勝を決めた。

SUPER DRONE CHAMPIONSHIP
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来年はどんな大会になるのか、いまから楽しみだ。次こそ一般観客の大歓声が選手たちを鼓舞することに期待したい。

Writer : 藤川理絵

ライター/ファミリーキャリアコンサルタント。「テクノロジーと働き方の変容」をテーマに、ビジネスモデル・人物・イベントの取材やインタビュー記事を執筆中。文系でもわかるデジタル革命がモットー。趣味は旅とドローンと茶道。「家族でキャリアを考える」セミナー&イベントも企画・主催。

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