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INDETAILと宇野牧場、酪農における乳牛放牧をドローンとAIで行う「スマート酪農」実証実験を実施

INDETAILと宇野牧場、酪農における乳牛放牧をドローンとAIで行う「スマート酪農」実証実験を実施

株式会社INDETAILと株式会社宇野牧場は、酪農における乳牛の放牧をドローンとAIで行う「スマート酪農」の実証実験を実施する。なお、同実証実験を行うにあたり、両社は2020年5月20日付けで共同研究契約を締結した。

北海道天塩町で酪農を営む宇野牧場は、創業以来20年以上にわたり放牧での生乳づくりにこだわっている。しかし、160ヘクタールもの広大な牧草地で行う放牧には、牧草の管理(生育状況の把握・草刈り)やその日の放牧エリアの区画整理といった大変な管理業務が必要であり、365日対峙しなくてはならない乳牛の管理も抱える中で、人手不足により多忙を極めるだけでなく、後継者不足にもまた悩まされているという。同実証実験ではそれらの課題に対して持続可能な酪農運営の可能性を検証する。

■主な機能

1.最良な草地を自動選定

宇野牧場が持つ広さ160ヘクタールの広大な放牧地を区画し、ドローンが各区画の牧草を撮影。その撮影データから牧草の生育具合をAIで自動判別し、その日の最良な放牧エリアを選定する。

2.放牧エリアのゲート自動制御

各区画の境界線にはリモートで制御可能なゲートが設置されており、AIが放牧エリアを選定したあとは、各ゲートの開閉によりその日の放牧エリアを自動形成する。

■構築基盤にオラクルクラウド

これらのサービス基盤として、「Oracle Cloud Infrastructure」を選定した。INDETAILではこれまでも北海道厚沢部町で行った「ISOU Project」や宿泊施設向け多言語対応スマートチェックインサービス「maneKEY」の検証基盤として「Oracle Cloud Infrastructure」を採用した実績があり、使い慣れた環境でシンプルな環境構築を行うことができることから、同実証実験までの早期開発が可能になると考えている。

また、今後のサービス拡大に向け、高速かつ効率的な運用管理が可能な「Oracle Autonomous Database Cloud」の活用も視野に入れており、コンテナ化されたアプリケーションの統合管理、AIのためのデータサイエンス基盤などへの将来的な拡張性と親和性も高く評価しているという。

■期待される効果

1.時間短縮・人件費の削減

放牧エリアの選定は酪農において最も重要な作業のひとつと言える。現状では、放牧地の選定を含む放牧作業は人力で行っているが、ここにドローンやAIを導入することで、乳牛の日ごとの食育量の管理や、刈り取りに必要な草量や肥料の適正量が迅速に把握できることから、それらにかかる人件費の最適化を果たすことができると予想される。

2.牧草地の利用効率の向上

広大な牧草地でもドローンによって生育状況を把握できるため、人間の目では困難だった高い網羅性でその日の放牧エリアをスピーディに選定できる。牧草地全体を余すことなくフィールドととらえることで、牧草地の利用効率を最大限に高めることが期待される。

3.牛の健康維持

放牧する乳牛に対して提供する草が多すぎてしまうと、食べ残された牧草を刈り取る手間が発生してしまうが、逆に少なすぎる場合には、乳牛の搾乳量を最大限に引き出すことができなくなり、最悪の場合乳牛の病気につながることもある。高性能なカメラによって集められる詳細なデータから、適正な牧草量を提供することは乳牛の健康維持にも貢献すると考えられる。

4.スタッフの安全

宇野牧場では放牧地を移動する際にバギーを利用しますが、ほぼ自然の地形を活かした放牧用地ではバギーの激しい揺れや横転による事故リスクがつきもの。さらに敷地内には電気柵が点在しており、この柵への誤接触も絶えない。人に代わってドローンがフィールド内を選定することで、スタッフはこれらの事故リスクから解放され、より安全な環境で酪農運営に携わることができる。

5.ビッグデータの活用

ドローンで撮影された画像や動画をビッグデータとして蓄積し、フィールドの状態を長期的な視野で分析可能とすることで、これまでよりも安定した牧場経営の実現を図ることが可能となる。

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