200kg搭載可能な巨大なマルチコプタードローン
200kgという桁外れのペイロードの搭載が可能な巨大なマルチコプタータイプの試作ドローンを展示したのは三菱重工だ。物資輸送に利用できるドローンのペイロードは大きくても50kg程度といえる。これほどペイロードがある機体を開発する意図について担当者は「山間部の鉄塔の建設現場などに資材を運ぶ際には、ヘリコプターを使用したり、簡易なモノレールを敷いたりして運んでいる。すべての資材を運ぶことができなくても、より効率的に大きなものを運べるようにと考えて、このドローンを開発している」と説明した。なお、会場には大きさの都合上、機体の半分が展示された。
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自律飛行させることを想定しており、試験では動くトレーラーの荷台への着陸も成功している。なお、最大離陸重量は600kgとなっており、無人航空機ではなく無操縦者航空機となるため、機体にはJXから始まる登録記号が添付されている。
ダクテッドファン搭載ドローン
ブースにはプロペラ全体を覆い、回転部分が外に露出しないダクテッドファンを搭載したドローンの試作機も展示されていた。ドローンを飛行させる際にはプロペラガードを使用することがあるが、ダクテッドファンにすることでより安全性を高めることができる。大小2種類のダクテッドファンを開発中で、大きいものはペイロード30kgの機体に搭載し、小さいものはペイロード5kgまで対応可能だ。
ダクテッドファン下部にはルーバーが備え付けられ、向きを変えることで、ドローンが機体を傾けずに平行移動を可能にする「推力偏向システム」も採用されている。「人や物に近づくような飛行をする場合、機体が傾くとプロペラが接触するおそれがある。推力偏向システムを使えばそれを避けることができる」と、担当者はこの技術に対する自信を述べた。