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コラム石川幸宏

[ドローンと空撮]Vol.02 効果的に使用されるドローンによる空撮画作り〜CINEMA EOS C300 Mark II

2015年8月11日

写真:© 2015 e-Motion Photographers

Contents
ドローンによる効果的な画作り国産最大級ドローンによる、迫力の空撮シーンCINEMA EOS C300 Mark II デモ映像「letters」(本編)

ドローンによる効果的な画作り

今年9月の発売が待たれるカメラがある。それがCanon CINEMA EOS C300 Mark IIだ。先日キヤノンマーケティングジャパン株式会社が制作した国内初のデモ映像「letters」(監督:松永勉氏、撮影監督:古屋幸一氏)が公開された。この作品では、効果的にドローンによる空撮が使用されている。まずは、その空撮部分をダイジェストで見ていただこう。

国産最大級ドローンによる、迫力の空撮シーン

今回のデモ映像の目的として、まずは「カメラ内4K収録=“アクティブ4K”=機動力を活かした4K撮影」をテーマに撮影が進められた。3軸ジンバルやステディカムタイプの手持ち撮影用カメラサポートシステムはもちろん、その他ミニジブ、ドリーなど低予算作品でも使用可能な範囲の特機が随所で試されていた。そんな中で今回もっとも重要視されたのがドローンによる空撮だ。この空撮カット(2カット)で使用されたレンズは、軽量化と撮影範囲の自由度を考え、全てEF-S17-55mm F2.8 IS USMという、EF-Sレンズの中でも軽くて明るいレンズを使用されている。

GK20_11_b

この撮影が行われた5月初旬は、折しも総理官邸へのドローン不時着事件で日本国民の誰もがドローンを知り、興味を持ちつつも危なく厄介なモノかもしれない、といった注目されていた時期。制作チームの撮影許可取りではさぞ大変だったであろうと推測される。その中で今回の機材は、全翼幅が約2m近くもある大型ドローン機「PD6-B」だ。これは株式会社プロドローン(以下:PRODRONE)の全面協力のもと、国内最大級の最新機体が投入された。ちなみにジンバル部分にはDJI社のRONINを使用。最大ペイロード30kgというパワフルな機体だが、実際に1.8kgのEOS C300 Mark II本体と軽いEF-Sレンズを上げるだけならば、このクラスの機体は不要だ。では、なぜこれが必要だったのか?

GK20_13_b

ドローンのジンバル部分にはDJI RONINを採用

実は今回のデモ映像「letters」のラストのカットをご覧頂ければ分かる通り、馬とほぼ同じ低い位置からの並走シーンから、一気に上昇して雄大な富士山を望み、そしてさらに高度を上げて本栖湖まで続く広大な青木ヶ原樹海を見渡すという一連のシーンを、1カットでしかも4Kで撮影するというチャレンジがあった。これを実現するには、やはりこのパワフルな機体が無ければ、まず馬の疾走スピードに間に合わず、また風への抵抗力も必要、さらにある程度の高度と飛行距離も稼げなければならない、といった諸般の理由があった。

GK20_14

さらに幾つかのエピソードがある。まず馬について。実は普通の乗馬等で使われるサラブレッドなどの洋馬はこのような撮影にはあまり向かないという。馬はそもそもがひどく臆病でドローンでの並走しながらの接近撮影などは、怖がってしまって撮影にならないという。そこで今回は木曽馬という日本の国産馬が採用された。彼らは人慣れしていて度胸も座っているそうで、こうした特殊撮影でもドローンや現場に慣らす時間があれば、非常に協力的に仕事をしてくれる馬種だそうだ。

しかし問題はそのスピード。実際に馬が威勢良く駆け抜けていくシーンを撮るとなると時速50km以上とそれ相応のスピードが出る。それに負けない推力パワーを持ったドローンでなければこのシーンの撮影は不可能だ。実際にも過去にこの場所で某放送局が似たようなシーンの撮影に挑戦したそうだが、その時は放送局が持って来たドローンの出力が足りず、馬のスピードに追いつけなかったため結局そのシーンの撮影は諦めたという。また操縦する側もそれなりのテクニックがないとこれだけの機体、しかも出来立ての新型機体を上手くコントロールするには難しい。そのためPRODRONEはメジャーなTV番組等で多くの実戦経験を持つ、あおぞら映像合同会社に実際の操縦とカメラコントロールの協力を仰いだ。

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ドローンの操縦/カメラコントロールのスタッフとして、軍艦島の撮影等経験も豊富なあおぞら映像合同会社が全面協力

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PRODRONE社のPD6-Bは、大きさ、出力ともに日本最大クラスのドローン。これにより人間操縦のヘリコプターでもミニドローンでも出来なかった絶妙なカットが撮影できた

撮影側からもスピード、高度、コントロール距離、そして標準画像(GoPro等でない!)の4Kクオリティと、実際にドローン撮影の経験がある方ならば、この難しさが理解出来るだろう。さらにドローン業界側から見てもこのカットはやはりなかなか日本国内で実現するのは難しいようで、先の国際ドローン展でもこの映像は大いに話題になっていた。ちなみに下記が今回使用されたPD6-Bの仕様である。

PRODRONE PD6-B仕様
モーター軸間距離 :1,430mm
全高 :830mm
機体重量:12kg
飛行時間: 7~30分
最大ペイロード:30kg
プロペラ直径:27inch
バッテリー:44.4V 15,470mA
最高速度:時速40km
飛行可能風速:風速12m

CINEMA EOS C300 Mark II デモ映像「letters」(本編)

▶PRODRONE

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Editor 2015年8月11日
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