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[春原久徳のドローントレンドウォッチング]Vol.03 航空法改正がもたらすドローンへの影響

[春原久徳のドローントレンドウォッチング]Vol.03 航空法改正がもたらすドローンへの影響

無人航空機の飛行ルールを定める改正航空法が、9月4日の参院本会議で、全会一致で可決、成立し、公布されました。これによって、12月10日までに施行されることとなりました。今まで無人航空機の基本的なルールの取り決めがありませんでしたが、今回の航空法改正により、飛行空域と飛行方法が定まりました。その概要は以下となっています。

1.無人航空機の飛行にあたり許可を必要とする空域

以下の空域においては、国土交通大臣の許可を受けなければ、無人航空機を飛行させてはならないこととする。
(1)空港周辺など、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある空域
(2)人又は家屋の密集している地域の上空
(3)祭礼や展示会などの多数の人が集合する催しが行われている場所の上空

2.無人航空機の飛行の方法

無人航空機を飛行させる際は、国土交通大臣の承認を受けた場合を除いて、以下の方法により飛行させなければならないこととする。
(1)日中において飛行させること
(2)周囲の状況を目視により常時監視すること
(3)人又は物件との間に距離を保って飛行させること
(4)物の輸送を行うこと
(5)物の投下を行うこと

現在(10月13日現在)、その細則に関しては、パブリックコメントを募集している最中で細則も含めて、詳しい内容は10月末に決定されるものと思われます。現在提出されています省令案の中に、「無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に保つべき距離を、30mと定めることとする」といったような記載もあり、かなりの無人航空機の飛行案件に対し、国土交通大臣の申請許可が必要になるものと思われます。

日本における、この申請許可の詳しい内容やプロセスに関しては、次回のコラムに書かせていただくこととして、先行して似たプロセスとなっております米国での連邦航空局(FAA)の法案における申請許可状況(いわゆる、Exemption333)を取り上げます。昨年までFAAは無人航空機の商用利用に関して保守的であり、そのことが無人航空機産業の進歩が欧州やカナダ、オーストラリアに比べて、遅れてしまったという批判が無人航空機産業よりありました。2014年5月より個別の飛行許可制が始まり、同年9月に6社の映画TVの空撮プロダクションに最初の飛行許可が与えられました。2014年には1500件の申請があり、その内許可が与えられたのは500件となりました。

FAAは今年に入って、商用利用に関する無人航空機のルールを規定し、その規定に基づいて申請許可制度を始めました。2015年9月1日の時点で、2650件の申請があり、1407件の許可が与えられました。実近では週に50件程度の許可が与えられています。米国においては、まさに2015年は商用ドローン元年といった形で様々な用途での活用が広がってきています。

その最初の1000件にどんな傾向があったのか示していきます。まずは用途別ですが、25を超える用途で許可が与えられています。一番は不動産物件空撮であり350件、調査や測量で301件、農業が164件(農業に関しては米国では農薬散布ではなく、リモートセンシングによる精密農業の活用になっています)と続いています。(表1)

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(表1)

米国においては、不動産物件の販促に関して、空撮映像が当たり前になってきており、一つの産業になってきています。また、地形調査や測量分野も、現状数日かかっていたものが数時間で行うことが出来る中で経費削減効果もあり、その利用が広がっております。また、空からの圃場のリモートセンシングによる生育状況や地質などの把握といった精密農業での利用も注目されています。そのほか、工事現場の進捗確認、保険の現場調査やインフラの点検といった分野においても、その利用は拡大してきています。

機体に関しては、回転翼が90%で固定翼が10%ですが、農業分野においては28.4%が固定翼となっており、農業分野や地形調査、インフラ点検の伸張によっては、固定翼の比率も上がっていくことが予想されます。

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また、機体メーカーに関しては、その利用数のうち73%がDJIのものとなっていますが、金額ベースで換算すると、機体単体の価格が1000万円程度するAeryon Labs,Inc.のものが、$2,452,000でトップになっています。(表2)

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(表2)

機体の金額ベースでは、Aeryon Labs,Inc.のSkyRangerがトップになっています。(表3)今後、より厳しい条件下での飛行(天候や飛行時間等)の申請が増えてくる中では、よりこういった機体のニーズが増えてくると思われます。DJIに関しては、数量という観点では、Phantom2 Vision+が多いですが、金額ベースではInspire 1が上回っており、空撮の質向上の流れの中で、その傾向はより強まっていっており、DJIもInspire 1 Proといった高品質映像・画像の機体の投入により、その競争力を高めようとしています。

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(表3)

1日の申請件数も増え続けており、現状の申請に対する許可率は50%程度となっており、安全性の観点でのリスクが少ないものとそうでないもの(人や物件の近くを飛行する等)での差が出てきており、その中でよりリスクを回避した運用をどう図っていくのかといったものが課題になってきています。

FAAも、SkyPan International(27年に渡る実績がある不動産空撮会社)に対し、65回の許可のないリスクの高い飛行を繰り返してきたとして、190万ドルの罰金を請求しています。

日本においても、この12月より改正航空法が施行される中で、無人航空機の産業育成と安全性のバランスをどう図っていくかが課題になっていきます。

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