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コラム春原久徳

[春原久徳のドローントレンドウォッチング]Vol.32 サウジアラビアの石油施設へのドローン攻撃の影響

2019年11月21日
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サウジアラビアの石油施設へのドローン攻撃

2019年9月にサウジアラビアの石油施設がドローンに攻撃される事件が起こって以来、筆者も各方面からコメントを求められる機会が増えた。ニュース報道などによると、石油施設を襲ったのは18機のドローンと7発の巡航ミサイルだという。公開された写真を見ると、ドローンは両手を広げた程度の大きさの固定翼機(ParrotのDISCOを大きくしたような形)で、巡航ミサイルはミサイルとしては小型だが相応の爆弾を搭載可能なものに見える。

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Contents
サウジアラビアの石油施設へのドローン攻撃軍事用から民間にスピンオフし、また、スピンアウトし軍事用に民間企業の業務活用への影響アンチドローン・カウンタードローン対策■検出・警報識別・分類■追跡・無力化
▶︎サウジ、攻撃使用の無人機残骸を公表 イラン関与「疑いない」 via reuters

軍事の専門家ではないので詳しくは不明だが、ドローンが先行して飛行し、対象地域・施設の偵察や情報収集および囮として使用され、その情報と連携し、巡航ミサイルの爆撃精度を増すという役割分担で攻撃を行ったように思われる。

一昨年ぐらいから、このうような民間ドローンの技術を応用した攻撃が起こり、その脅威は大きくなっていたが、今回、殊更に衝撃が強かったのは、この攻撃に対する被害金額の非対称性だ。おそらく今回の攻撃にかかったコストは数千万円から一億円程度と推測されるが、被害額は3.3兆円以上と試算されている。3億倍という比率になる。

軍事用から民間にスピンオフし、また、スピンアウトし軍事用に

ここにおいて、ドローンの軍事利用にフォーカスが当たっているが、元来ドローンは無人航空機という形において、電子レンジやGPSなどと同様に軍事利用からスピンオフしてきた技術である。

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無人航空機を構成する技術の中で、自律航行という点でその技術の中心にあるのは、フライトコントローラーである。自律航行には、自己位置推定、周辺地図構築、経路計画、経路追従というプロセスがその芯にあるが、それを担っているのがフライトコントローラーだ。

そのフライトコントローラーは軍事利用が中心だったときには百万円を超える金額であったが、民間にスピンオフし、スマートフォンに搭載されているセンサ類(ジャイロ・加速度・GPSなど)と共通のものを使用するのに伴って、現在では以前よりも高性能のものが一万円程度から入手可能になった。

いわば、このフライトコントローラーの価格が手ごろになったことにより、ここ何年かのドローンの積極的な民間や業務での活用につながっているのだ。

このドローンの中心であるフライトコントローラーの機能向上と価格低下が、今度は軍事用にスピンオンしてきており、従来高価であった武器が安価に、かつ、誰でも作ることが出来るようになってしまう。

そんな中で、攻撃と防御の非対称性が大きくなり(数十万のドローンを数千万のミサイルで迎撃するといったこと)、また、安価になったことで群での攻撃も可能になってしまっている。今回の件で、軍事用ドローンと民間用ドローンを分けて考えることが重要といった意見もみられる。

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確かに今までの軍事用ドローン-有人航空機から派生し、無人化したものと、無人を前提に民間用ドローンに近いもの、もしくは明らかに民間用ドローンの改造したものでは対策も大きく異なってくる。

個人的には軍事用/民間用といった区分ではなく、飛行可能時間・搭載重量・形状などのスペックをベースに、その目的に応じた形で対処を丁寧に検討していく必要があるのではないかと考える。

民間企業の業務活用への影響

実用局面を迎えているドローンの業務活用において影響があるのか否かというのもよく質問される項目であったりするが、様々な形での影響は否めない。例えば、現在、上空でドローンが飛行しているとき、以下の4つの状態が考えられる。

1は正しいドローンが正規のオペレーターによって正常にコントロールされている通常の状態だ。2は正規のオペレーターではあるものの、何らかのドローントラブルにより、ドローンのコントロールが出来ない、もしくは、不安定になっている状態だ。

3は悪意ある第三者によってオペレーションが乗っ取られ、ドローンが悪意ある第三者の管理下になってしまっている状態だ。4は悪意ある第三者によってコントロールされた不正ドローンが攻撃してきている状態だ。

この4つの状態を判別するのが難しいということで、様々な対策を難しくしているがその対策は後述するとして、各企業や団体にとって、まず気をつけなければならないのは、加害者にならないことだ。

今まで、ドローンをどういった形で活用していくか、上の図で1の状態における活用方法において多く実証実験が行われてきた。この実証実験から実用に向かうフェイズにおいて、実証実験時での様々なトラブルをベースに、2の状態を起こさないようなフェールセーフや運用に関してのルール化が各企業で行われてきている。

しかし、企業の対策の中でも遅れているのは、悪意ある第三者のアプローチによるセキュリティ対策だ。これは被害が生じたとき、その加害者はその悪意ある第三者であるが、その対策があまりに脆弱であると、その企業にも責任が及びかねない。それは例えば顧客名簿が盗まれ悪用された場合、実際上の加害者は名簿を盗み悪用した人物だが、その名簿の管理責任が問われるといったケースである。

ドローンにおいては、簡単にいえば、プロポで操縦していた人が襲われ、そのプロポが悪意ある第三者に渡り、そのコントロールされたドローンで被害を及ぼした場合などがそれに当たる。こういったことを起こさせないため、プロポでの生体認証の仕組みやそういった事象が起きた場合の主コントロールの停止などの対策が必要になってくる。今後、各種のケースを鑑み、こういった対策を企業は行っていく必要が生じてきている。

また、サウジアラビアの石油施設へのドローン攻撃などが生じてきている中で、これまで以上に、各国政府はドローンを活用した効果とテロ対策などを含むリスクとの天秤によりルールを決めていく方向になっている。

それは今後のアンチドローン対策技術の向上とも関連はしてくるが、当面は都市や重要設備、イベントなどでのドローン活用はかなり制限されてくるだろう。
東京オリンピックも基本的には正規利用も含め、ドローン飛行全面禁止となっている。

アンチドローン・カウンタードローン対策

企業によっては、国の重要施設には指定されておらず、飛行禁止区域になっていないながら、アンチドローン対策が必要な企業もあるだろう。
アンチドローン対策には、以下の3つのステップを踏む形となる。

■検出・警報

空域を監視し、侵入に対するアラートを上げ、その飛行物の大きさの目安を読み取るものだ。
この検出・警報は最初のステップであり、比較的他のステップに比べて対策技術が進んでいるが、特に低空で侵入してくる小型で機敏なドローンに対しても検出可能かどうかがポイントである。

出典:株式会社テクノサイエンスジャパンHPより

識別・分類

侵入してきた飛行物を鳥かドローンかを区別し、ドローンだった場合、正常なものか異常なものかを分類する。この分類が現状は非常に難しく、そのため、先ほど述べたような飛行全面禁止という対策を取り、ドローン侵入=異常という形をとっているのが現状だ。

今後、UTM(Unmanned Traffic Management:無人航空機管制)や正常機体の登録・ID化などの技術やルールを整えることと並行しての対策が必要となってくる。

出典:NEDO「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/研究開発項目〔2〕無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発(1)無人航空機の運航管理システムの開発/6)遠隔からの機体識別に関する研究開発」

■追跡・無力化

ドローンがそれ以上近づくと危険な場合、無効化の技術でドローンの接近を停止させるか物理的にドローンを妨害する、あるいはソフトウェアに干渉することで方向転換もしくは着陸させる。

この技術も進んできているが、ドローンのシステム停止や撃墜といった対応の場合に、現状では法律上器物破損になるといった場合やその墜落ポイントにおける安全性の確保といった問題もある。また、無力化といった場合に何らかの電波装置を使用するケースが多いため、各国によっての電波法などの法律に抵触する場合も少なくない。
こういった形で対策に対する法律やルールも定めていく必要がある。

▶︎アスピレイション、不審ドローン検知・無力化システム「ドローン・ドーム」

また、このような追跡・無力化する装置は、正常なドローンに対する攻撃装置にもなりうるため、今後、その管理も厳しくしていくことも重要だ。

ドローンの業務活用が実用化していく中で、こういったリスク対策に関して、技術やルールの動向に注視していくことが必要だろう。

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