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[Drone Design]Vol.19 新しい映像を求めてカメラドローンはどこまで進化するか?

[Drone Design]Vol.19 新しい映像を求めてカメラドローンはどこまで進化するか?

どのような映像が撮影できるかでカメラドローンを選択する

これまで映画やドラマで見ることが多かったドローンを使った空撮映像は、「カメラドローン」の進化や価格が手頃になったことで、あらゆるところで目にする機会が増えてきました。雄大な自然や観光地を映像で楽しみたいというニーズは、コロナ禍でさらに高まり、そうした声に応えるかのようにオンラインではあちこちでドローン撮影した映像を公開するサイトが登場しています。

Market Reports World社が2016年に発表した調査レポートによると、カメラドローンの市場は世界で20億ドルだったのが22年までに215億ドルまで大幅に成長すると予測されています。ドローンに搭載されるカメラやジンバルの性能も上がり、センサーやAIの機能が向上したことで、撮影機能も全体的にレベルアップしています。

どのような映像が撮影できるかで、カメラドローンを選択するのはもはや当たり前になりつつあります。たとえばDJIのMavicシリーズにはクイックショットと呼ばれるドローンならではの自動撮影モードが複数搭載されていて、空撮用のDJI Flyアプリとあわせてビギナーでも魅力的な撮影ができます。被写体のサイズを変えず背景だけが迫る「Dolly Zoom(ドリーズーム)」のような独特なシーンが撮影できる機能もあり、Digital Camera Worldが発表した2020年カメラドローンのベスト10ランキングの半分以上がDJIのドローンで占められています。

ユニークな卵形デザインのPowerVison PowerEgg X Wizardは、水上で離発着でき、滝のように流れる水の中を撮影できる性能が話題になりました。Parrot Anafi FPVはドローンの視点でコントロールできるヘッドアップディスプレイタイプのオプションキットを提供しています。ドローンのコントロールにスマートグラスやARを組みあわせる技術もあり、映像撮影にも活用できそう。他にもSELFLYのような超小型ドローンを使うなど、カメラを選ぶのと同じようにカメラドローンをチョイスできるようになってきました。

これだけ基本機能が揃ってくるとプロのドローンカメラマンにとっては、それらを上回る新しくて魅力的な映像をどう撮るかが腕の見せ所になります。カメラドローンは「空飛ぶカメラ」として必要な撮影機材の一つになり、目的にあわせてドローンを選んだり、カスタマイズしたり、それぞれで撮影する腕前が求められつつあります。

NYCDFF VI

カメラドローンを駆使してどんな映像が撮影されているのかを知るには、10月に開催される「New York City Drone Film Festival」をチェックするのがいいかもしれません。今年で6回目を迎える国際フェスティバルは、7月開催の予定が10月24、25日に延期され、会場はオンラインにスイッチして実施されます。世界の最先端から一発アイデアのようなものまで、いろんなレベルのドローン作品をまとめて見ることができます。ドローンパイロットのためのワークショップや業界人との交流会の参加を含むチケットが販売されていますが、過去の受賞作品や撮影のTipsを紹介する動画が公開されているので、それらを見るだけでも十分楽しめます。

ドローンがカメラの一ジャンルとして定着し、ニーズが拡がれば、今までにない新しいカメラドローンが登場するかもしれません。カメラメーカーが高品質なカメラドローンを設計しているという話もあり、今後どのような製品が登場するのか注目していきたいところです。

Writer : 野々下裕子

フリーランスジャーナリストとしてデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行う。掲載媒体は「@DIME」「CNET Japan」「WIRED Japan」「マイコミニュース」など多数。現在のドローンをはじめ、モビリティ、ウェアラブル、XR、AI、デジタルヘルス、スタートアップビジネスの世界的動向などのジャンルに注目している。神戸在住。Twitter:@younos

DJI AIR 2S
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