2年前、GoProの対抗馬として鮮烈なデビューを果たしたDJI初のアクションカメラ「OSMO Action」。今度は全く新しいコンセプトのアクションカメラ「DJI Action 2(Dual-Screenコンボ / Powerコンボ)」としてバージョンアップしました。今回も事前にお借りしていろいろと遊んでみましたのでレポートしたいと思います。
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マグネットで組み合わせ自由!ブロックのようなACTION 2
今回の特徴はなんと言ってもマグネットによるブロックのような脱着機構。フロントモニター(兼バッテリー)を装着したり、アタッチメントを装着したりと、用途に合わせていろいろな組み合わせで撮影を楽しむことができます。中でも特徴的なものは「磁気ストラップ」。L字型装着プレートをペンダントのようにシャツの下にぶら下げて、シャツの上からAction 2をマグネットのチカラで固定、さり気なく一人称映像を撮影することができます。
充実の基本スペック。4K/120fpsもOK!超広角&安定ブレ補正も
まずはスペックの確認から。超小型アクションカメラとは思えないハイスペックがACTION 2の特徴。画像の情報量を決めるセンサーサイズは1/1.7 インチと大きく高画質が期待できます。最大4k120pの撮影フォーマットと合わせて楽しみなところ。
他にも、ケース無しで10mの防水機能や155°の超広角な画角、そして電子式映像ブレ補正機能があるので激しいスポーツの一人称撮影などでも活躍しそうです。
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項目 | 内容 |
---|---|
センサー | 1/1.7 インチ CMOS |
レンズ | FOV:155° f/2.8 |
ISO感度 | 100〜6400 |
静止画 最大解像度 | 4000 × 3000px |
静止画モード | シングルショット、カウントダウン:オフ / 0.5 / 1 / 2 / 3 / 5 / 10 秒 |
動画 | 4K (4:3): 4096×3072 @ 24/25/30/48/50/60 fps 4K (16:9): 3840×2160 @ 100/120 fps 4K (16:9): 3840×2160 @ 24/25/30/48/50/60 fps 2.7K (4:3): 2688×2016 @ 24/25/30/48/50/60 fps 2.7K (16:9): 2688×1512 @ 100/120 fps 2.7K (16:9): 2688×1512 @ 24/25/30/48/50/60 fps 1080p (16:9): 1920×1080 @ 100/120/200/240 fps 1080p (16:9): 1920×1080 @ 24/25/30/48/50/60 fps |
スローモーション | 4K:4倍 (120fps / 2.7K:4倍 (120fps) / 1080p:8倍 (240fps)、4倍 (120fps) |
タイムラプス | 4K/2.7K/1080p インターバル: 0.5/1/2/3/4/5/6/7/8/10/13/15/20/25/30/40秒 時間:5/10/20/30分、 1/2/3/5時間、∞ |
安定化機能 EIS(電子式映像ブレ補正) | Rocksteady 2.0+HorizonSteady ※100fps以上で録画しているとき、EISに対応しません。 動画解像度が1080p(16:9)または2.7K(16:9)の時のみ、HorizonSteadyは利用できます。 |
最大動画ビットレート | 130Mbps |
写真フォーマット | JPEG / RAW |
動画フォーマット | MP4 (H.264 / HEVC) |
動作時間(カメラユニットのみ) | 約70分 ※ラボ環境下にて、EIS(電子式映像ブレ補正)がオフの状態で、1080p/30fpsでの動画撮影(省電力モード:オン)で 測定された値です。この測定値は、あくまで参考値です。 |
動作時間(カメラユニット+フロントカメラモジュール) | 約160分 ※ラボ環境下にて、EIS(電子式映像ブレ補正)がオフの状態で、1080p/30fpsでの動画撮影(省電力モード:オン)で 測定された値です。この測定値は、あくまで参考値です。 |
動作時間(カメラユニット+バッテリーモジュール) | 約180分 ※ラボ環境下にて、EIS(電子式映像ブレ補正)がオフの状態で、1080p/30fpsでの動画撮影(省電力モード:オン)で 測定された値です。この測定値は、あくまで参考値です。 |
手持ちビデオカメラとして秀逸なカスタマイズ性
アクセサリもいろいろお借りしたので、まずは手持ちビデオカメラ風にセットしてやんちゃな子どもを撮影してみたいと思います。激しい動きの多い小さな子どもを間近で撮影するにアクションカメラが手軽でぴったりです。使ったアクセサリは「延長ロッド(リモコン付属)」。カメラ本体に「フロントタッチ画面モジュール」を接続し「磁気ボールジョイント アダプターマウント」を介して「延長ロッド」に装着します。リモコンは脱着式になっていますので、今回は外して録画のON/OFFにつかいました。
4K/120fps、画角標準、RockSteady 2.0、カメラ設定オートで撮影(色補正なし)
撮影して思ったのは、取り外しできるリモコンが便利!ということ。カメラを右手に、左手にリモコンを持って録画のON/OFFができるので撮りたいときにすぐ撮れる感じがとても便利でした。
映像も電子式映像ブレ補正「RockSteady 2.0」でとても安定しています。そして何より効果的だったのは「フロントタッチ画面モジュール」。スマホカメラが日常のアイテムにった今の子どもだちは、撮影されるとプレビュー画面で自分がどう写っているか見たくてしかたありません(※筆者実感調査)。しかし「フロントタッチ画面モジュール」にプレビュー画面が映し出されるので子どもがカメラ目線を自然と送ることができます。今回のサンプル動画はあえて顔が見えるシーンをカットしていますが、カメラ目線をくれるカメラとしてのACTION 2はとても心強いツールでした。
ただ、2点ほど気になった点も。ひとつはMicroSDカードへの記録は「フロントタッチ画面モジュール」や「電源モジュール」を装着する必要があること。カメラ単体にはMicroSDカードの差込口がなく、22.4GBの内蔵メモリへの記録になります(カメラをPC接続してデータ転送ができるのでデータの取り出しはそれほど不便ではありませんでした)。メモリ容量としては多くはないので高解像度や高フレームレートで撮影する際には注意が必要です。
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また、室内ではカメラ設定を一工夫したほうがよさそうです。サンプル映像はカメラ設定をオートで撮影したのですが、4K/120fpsで撮影したせいか(フレームレートが高いと画面が暗くなりやすい)、ISO感度の数値が高くなりがちで映像に少しノイズが乗ってしまいました(数値が高くなるほど明るくなるがノイズが増える)。ここはISOの上限を1600程度に固定すると改善することができそうです(オートだとISO6400が上限)。
ウェアラブルカメラとして便利な超広角&小型&強力手ブレ補正
せっかくの超小型アクションカメラなので身につけて一人称動画撮影を楽しみたいと思い、サバゲーに持ち出して撮影をしてみました。サバゲーといえば、走る、隠れる、敵を探す、撃つ…などとても動きの激しいスポーツ(?)。どのように撮れるか試してみました。
まずは、電子式映像ブレ補正の検証。先代OSMO ACTIONにも搭載されていた「RockSteady」はAction 2で「RockSteady 2.0」にバージョンアップ。加えて水平安定化機能「HorizonSteady」も搭載されました。設定を変えながらスタートダッシュで比較した映像が下記です。走っているとは思えない安定した映像を撮ることができました。
2.7K/60fps、画角超広角、カメラ設定オートで撮影(色補正なし)
「RockSteady 2.0」の安定した映像の凄さはもちろん、「HorizonSteady」の水平を保った映像はまるでドローンのカメラのようなメカニカルなジンバルを搭載したカメラのようです。ただ「HorizonSteady」は解像度2.7K以下、60fps以下の条件でないと設定できない仕様なのが残念。
そして、「RockSteady 2.0」と「HorizonSteady」の映像を見比べていただくとわかりますが、画角がだいぶかわるようです。「RockSteady 2.0」は構える銃が映り込んでいますが、「HorizonSteady」では銃が映り込んでいません。
映像の見え方的には銃が映り込んだほうがよいですし、もしかしたら、撮影する内容によったは敢えて水平が崩れたほうが臨場感が出るかもしれません。そう考えるとこのふたつの電子式映像ブレ補正機能は目的を考えて選択したほうがよさそうです。
画角
Action 2を身に着けて撮影するのが楽しくなってしまったので、室内でのサバゲーでも装着してみました。
子どもの撮影時に気づいたISO設定の上限を1600で抑えて撮影していますので、薄暗い室内フィールドの映像ですがノイズ量も少なく撮影できているかと思います。
4K/60fps、画角標準、RockSteady 2.0、カメラ設定オートで撮影(色補正なし)
暗所もキレイ!夜景や暗い室内のイベントにもACTION 2
ISOやシャッタースピードの設定を調整すれば暗所での撮影もいい感じに撮れます。
個人的な感覚ではISOの最大値を1600、シャッタースピードはできる限り遅くする設定がベターと感じました。サンプルを屋外と屋内で撮影しましたのでご覧ください。
茨城県筑西市「サプライズ花火」4K/30fps、画角超広角、ISO上限1600、他カメラ設定オートで撮影(色補正なし)
茨城県筑西市「サプライズ花火」のようすをAction 2で撮影させていただきました。
超広角の画角が広すぎて花火の範囲が真ん中によってしまっていますが(標準画角でもよかったかもしれません…)ノイズも少なくキレイに撮れているのではないでしょうか。
花火大会はAction 2が固定されているので、屋内のローライトサバゲーも収録。
プレイヤーも黒系のスタイルなので視認が難しいところもありますが、ところどころ光ったところがあれば周辺の様子も見ることができ、映像のノイズも少なく収録されています。なにより、光るBB弾の弾道がキレイですね。
4K/30fps、画角標準、RockSteady 2.0、SO上限1600、他カメラ設定オートで撮影(色補正なし)
タイムラプスもかんたんに収録。色も鮮やかな動画に感動!
タイムラプス機能もありますので試してみました。設定も簡単。撮影のインターバルと収録時間を設定するだけでOKです。茨城県筑西市「サプライズ花火」の打ち上げ前の夕日〜日没後を収録しましたが空の色が鮮やかでとてもいいですね。超広角のワイドで迫力のある画角も景色の撮影にぴったりでした。カメラは地面に設置したのですが、低い画角のほうが超広角の迫力が増すようです。
シャッターインターバル:5秒、ほかカメラ設定オート(色補正なし)
超小型ゆえの弱点もマグネット式オプションで一瞬で解決。今までにないアクションカメラの体験を!
短期間ではありましたがDJI Action 2で遊んでみましたが、とても手軽に迫力のある映像が高画質に撮れる!というアクションカメラの基本的な体験がアクションカメラ初心者の筆者にも楽しくできました。特に超小型のカメラ本体とマグネットによる多彩なカスタマイズができることにより、「撮りたい」と思った瞬間に撮りたい場所・画角からすぐ撮ることができました。
反面、カメラ本体だけでは22.4GBの内蔵メモリの記憶容量はぜひとも改善してほしいところ。MicroSDが入らないまでも、贅沢を言えば64GBくらいの内蔵メモリがほしい。また、超小型ボディに高画質な大型センサーを搭載しているせいか、やや熱を持つことも…。このあたりは超小型であるがゆえにしょうがないのでしょう。
ただ、全体的に見れば弱点もマグネット式のオプションでかんたんにカバーすることができるという特徴を持っているので利用に問題はありませんでした。スマホだけではなく、ほかとは違う映像や写真を撮りたい方やアクションカメラを日常持ち歩きたい方にはMUSTのアイテムになるのではないでしょうか。
Action 2は、二つのコンボセットで販売されます。DJI Action 2 Dual-Screen コンボには、DJI Action 2 カメラユニット、フロントタッチ画面モジュール、磁気ストラップ、磁気ボールジョイント アダプターマウント、磁気アダプターマウントが同梱され、価格は税込63,800円です。
そしてもうひとつDJI Action 2 Power コンボは、DJI Action 2 カメラユニット、電源モジュール、磁気ストラップ、磁気アダプターマウントが同梱され、税込49,500円で販売されます。10月27日より発売となります。ぜひ一度手に取ってみてください。今までのアクションカメラにない体験ができるはずです。