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Drone Movie Contest 2022グランプリ受賞者に聞く[Japan Drone 2022]

Drone Movie Contest 2022グランプリ受賞者に聞く[Japan Drone 2022]
Drone Movie Contest 2022受賞者とファイナリストの皆さん中央で盾を二つ持っているのが矢尾板 亨氏

「Drone Movie Contest 2022」グランプリ決定!

Japan Drone 2022と同時開催で「Drone Movie Contest 2022」の表彰式が行われた。 このコンテストは、ドローンによる優れた映像作品を生み出すことを目的に、デジタルハリウッドロボティクスアカデミーとJUIDAが主催するドローンを使った空撮コンテストだ。 今回はDRONE.jp賞を受賞し、さらにDrone Movie Contest 2022グランプリを受賞した「【ホームビデオ】小さな世界」について迫ろうと思う。

編集部でも毎年数多くの空撮作品を見るが、これほどまで空撮を意識させない構成とその映像構成設計の緻密さに感心した。そして何よりも心を大きく揺さぶられたことだ。この作品がどのように制作されたのか?映像作家・矢尾板亨氏にお話を伺った。

【ホームビデオ】小さな世界:DRONE.JP賞 / グランプリ受賞作

Drone Movie Contest 2022グランプリ受賞者に聞く[Japan Drone 2022]
DRONE.jp編集長(左)とDRONE.jp賞、グランプリ賞を受賞した矢尾板亨氏(右)

矢尾板 亨

ITエンジニアとして東京で活動。9年前独立し阿蘇に移住。 雄大な阿蘇の景観を撮りたいとドローンを始めた事をきっかけにどっぷりハマり、空撮や観光等の映像制作に取り組む。 現在はドローンのエンタメ活用を促進しようとKDL.(くまもとドローンラボ.)を立ち上げ、飛行会やレースイベント等の企画運営を行なっている。

「【ホームビデオ】小さな世界」ができるまで

−−−−グランプリ作品「小さな世界」、非常に心動かされる作品でした。この作品のためにどれくらいの準備をしましたか?

矢尾板氏:今年の3月頃に、本コンテストの告知を見た時に考えはじめました。 当初は、FPV機やマイクロドローン等様々な機種を駆使し、オフロードバイクなどで森の中を爆走したりダイナミックでカッコよい作品にしようとイメージしました。 そこから、簡単なロケハン資料を作り毎日通い出したのですが、実現するには時間と準備が相当掛かりそうだという結論に早々に至り、これは無理だと再検討することにしました。

そんなある日、太陽と雲のバランスが絶妙で幻想的な景観が目の前に広がった時があり、そこにピンと来て、この阿蘇の景観美を活かした作品を作ろう!と思い立ちプロジェクトが始動しました。

−−−−今回制作にあたって機材やソフトウェアは何を使用されましたか?

矢尾板氏:ドローンについては、Mavic 2 Zoomの表現で何かできそうな気がしていて、Mavic 3 Cineで望遠カメラの性能が大幅に向上したこともあり、ドローン映像にバリエーションを出せると思い使用しました。 実際、望遠カメラの映像は作中の51秒(34%)使用しています。

カメラについては、Mavic 3搭載のHasselbladカメラや望遠カメラを使って、手持ちなどで地上画を表現しようと検証を進めていたのですが、どうしても撮れる画と運用方法に限界があると感じ、急遽人生初の一眼カメラに Lumix GH6、ジンバルにRonin RS2の購入を決め、急いで操作を覚え使用しました。

元々Premiere Proを使っていましたが、久しぶりの編集と、短時間での編集でしたので、必要な機能が全て揃っているDaVinci Resolveを初めて利用してみました。結果、大正解でした。

  • 使用ドローン:DJI Mavic 3 Cine
  • カメラ:Panasonic GH6(レンズはInspire 2流用の単眼レンズ25mm)
  • カメラジンバル:DJI RoninRS2
  • 使用ソフト:DaVinci Resolve 17

−−−−さて今回の構想を教えてください。また苦労した点、工夫した点をお教えください。

矢尾板氏:全体としては、短編映画を作るイメージで、ストーリーを入れてシネマチックに仕上げました。 太陽の光とドローンカットの構図は特にこだわりがあります。 画のバランスを取りつつ、かつバレ物が入らないようにし、なるべく主人公の2人に意識が集中するようにしています。 観る人それぞれで想像しながら、楽しんで観てもらえればと意識して制作しました。

苦労した点は、やはり天候と時間でしょうか? 撮りたい光の時間帯をロケハン重ねチェックしてはいましたが、雲が厚く暗い日が多かったり、丁度、阿蘇には早めの梅雨が訪れていた事も重なり、撮影可能日が限られた事で、表現に足るカット数を確保することに苦労しました。

主人公でもある娘さんたちとロケハン中

工夫した点は、空撮をあまり意識させずストーリーの流れを邪魔することがないようにカットを繋げました。 顔が分かるカットを使わないことで、あくまでも作品の中に溶け込むようにしました。 また、二人のモチベーションを保つため、飲み物やおやつには注意を払いました(笑)。 YouTubeの概要欄とタイトルも作品の一部として活用しました。

−−−−この作品伝えたかったことはなんだったでしょうか?

矢尾板氏:通常は分かりやすい観光名所な映像になりがちですが、本作は"雄大で美しい大自然が広がる阿蘇"があることを表現できたと思っています。 観た方が、ストーリーを想像したり会話の内容をイメージしたりと、楽しんでもらえればと考えていました。

−−−−タイトルはあえて平凡さを狙ったのでしょうか?

矢尾板氏:ご指摘の通りで、見抜かれている気がしますね(笑)。 平凡で分かりやすいタイトルの方が観る人のハードルを下げることができますし、このタイトルでざっくりした世界観は伝わるが、結末がどうなのかは判断できないようにしています。

また、本動画へのアクセスは、公式やシェアされたダイレクトリンクから入ったりと、多様な入り口があるので、再度YouTubeで直接観た際にタイトルや概要欄で、少し世界観の伝わる情報を置いておき、改めて楽しんでもらえるようにとも考えました。

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